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■  ■  大場佳代の
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■  ■     楽しくヒストリー 1      
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 ♪ 佳代から一言 ♪

 私の名前は大場佳代。中学3年生です。エッ大場佳代?大バカよ!いったいうち
 の両親は何を考えてかわいい娘にこんな名前を付けたのでしょう?でも,元来明
 るく楽天的な私なので全然気にしていません。

 このマガジンは,私,大場佳代が友達や先生と楽しく歴史を学んでいく様子を会
 話調で進めていきます。全国の公立高校を受験するみなさんは必見!!読んでい
 るだけで得点力アップ間違いなしよ!もちろん,大人の人が読んでもとっても面
 白くて,ためになりますよ。さあ,一緒に勉強しましょう。

□□
□□ 登場人物
□□
   大場佳代…もちろん,私。私は主役だから毎回登場します(^_^)。名前と違っ
        て大バカじゃないんですよ。歴史は大得意。だから,みんなに教
        えてあげたりしているんですよ。
   山形三重…同級生で私の大親友です。彼女は姓も名も県の名前。私同様,両
        親はいったい何を考えているの?でも,名前のせいか,歴史はダ
        メだけれども地理は得意です。
   藤原清盛…塾の先生で,こちらもすごい名前ですね。40を過ぎた独身の先
        生であまり見た目は良くないけれども授業は抜群,女子生徒に大
        人気の先生です。実は,山形三重のいとこでもあります。このマ
        ガジンの舞台は,主にこの藤原先生が経営する塾の自習室で行わ
        れます。

■■
■■ 今回は,文明のおこりと古代文明について勉強します。
■■

三重:アウ,アウ,アウス…
佳代:三重,何しているの?
三重:あ,佳代,あれ何だっけ,アウ,アウ,あの最古の人類は。
佳代:ああ,アウストラロピテクスね。
三重:そう,アウスト…,えっと。
佳代:アウストラロピテクス。
三重:ねえ,佳代,どうやって覚えたらいいの?
佳代:簡単じゃない。アウストラロピテクス,アウストラロピテクスって10回ぐ
   らい言えばすぐ覚えられるわよ。
三重:エッ,10回も。
佳代:たったの10回。20秒もかからないわ。やってごらんなさい。
三重:アウストラロピテクス,アウストラロピテクス………。
佳代:それにしても,三重,どうして急に。
三重:うん,わたし,どうも歴史が苦手なんで,早めに勉強しようと思って。
佳代:そう,いい心がけね。私たち受験生だもんね。
三重:夏休みまでにはひととおり歴史を勉強したいの,苦手なものは早めにスター
   トって藤原先生も言っていたから。
藤原:そうか,それじゃあ,一緒に特訓しようか。
三重:あっ,先生,ちょうどいいところに来ました。お願いします。
藤原:佳代ちゃんは,歴史は得意だったね,これからは,どんどん三重に教えてや
   ってくれよ。
佳代:ハイ,任せておいて。
藤原:そう,教えることで自分も勉強になるからね,一石二鳥だ。さて,人類の祖
   先のところだね。この辺は,軽く流していいよ。入試にはそんなにでないと
   ころだからね。とにかく,最古の人類は何だっけ,三重。
三重:ハイ,アウストラロピテクスです。
藤原:おう,よくできたね。
三重:簡単簡単。
藤原:さっきは苦労していたみたいじゃないか。
三重:あれ,先生,見てたんですか,やっだー。
藤原:いいんだ,あれで。前にも言ったように覚えることに苦労することはないよ。
   それじゃあ,現在の直接の祖先である人類は?
三重:えっとえっと…。
佳代:クロマニョン人よ。
三重:あっ,そうだ。クロマ…。
藤原:ダメダメ,三重,ハイ,クロマニョン人。
三重:クロマニョン人。
藤原:もう1度。
三重:クロマニョン人。
藤原:そう,覚えにくいものは,10回ぐらい口で言うんだ。それも,出来るだけ
   早口で。
佳代:早口?
藤原:そう,ゆっくり言ったり,早口で言ったり,リズムをつけたりして,軽いノ
   リで覚えるんだ。リラックスしてね。そうすれば簡単に覚えられるよ。
佳代:先生,ジャワ原人とかペキン原人とかは。
藤原:うん,佳代ちゃんは得意だから,ネアンデルタール人も含めて覚えておこう。
   三重は,とりあえず,最古の人類と直接の祖先。この二つだけ確実に覚えよう。
   ハイ,最古の人類は?
三重:アウス,エッと,アウストラロピテクス。
藤原:直接の祖先は?
三重:クロマニョン人。
藤原:OK,OK。大丈夫だよ。それじゃあ,次に四大文明をやろう。それじゃあ,
   三重,四大文明と川の名前を言ってごらん。
三重:ハイ,そのぐらいは知ってます。まず,エジプト文明はナイル川。それから,
   メソポタミア文明は,チグリスとユーフラテス川。後は,インダス文明は,も
   ちろんインダス川,黄河文明ももちろん黄河です。
藤原:ハイ,よくできました。簡単だね。四大文明は場所と川の名前,そして,簡単
   なキーワードを覚えておこうね。中学生はそんなもんでいいんだ。高校になっ
   たら死ぬほど詳しくやるからね。
佳代:エッ,死ぬほどですか。
藤原:そう,頭が痛くなるよ,本当に。
佳代:やっだー,そんなの。歴史は楽しくなくちゃ。
藤原:うん,そうなんだけれど,あまり面白いエピソードもなく楽しく勉強できない
   ところも出てくるよ。でも,君たちは,簡単でいいんだ。
三重:先生,ピラミッドとかスフィンクスなら知っています。
藤原:そうだね。有名だ。エジプト文明の代表的なものだね。それじゃあ,ハラッパ
   とかモヘンジョダロは?
三重:えっと,たぶん,インダス文明。
佳代:わー,三重だって分かってるじゃない。
三重:バカにしないでよ。そのぐらいは。
藤原:それじゃあ,三重,太陽暦と太陰暦は。
三重:エッ,そんな……。分かりません。
佳代:太陽暦はエジプト,太陰暦はメソポタミアよ。
藤原:そう,暦も覚えておこう。そして,文字だね。象形文字といえば?
佳代:ハイ,エジプトです。ところで三重,メソポタミアの文字は?
三重:エッ,エッ,そんな,急に振らないでよ,佳代。
藤原:これは重要だから覚えておこうね。なんか彫刻刀みたいなもので書かれたのが
   あったよね。
三重:……?
佳代:くさび形文字よ。
三重:あっ,思い出しました。あれがメソポタミアね。
藤原:そう,後は,中国の殷王朝の時の甲骨文字の3つを覚えておこう。
三重:ハイ,分かりました。
藤原:まだまだ覚えることはあるけれども,後は佳代ちゃんがまとめてくれるだろう。
佳代:任せておいて,今日やった勉強のポイントは次のコーナーでまとめます。
藤原:そうだね。頼むよ。どちらにしても,ギリシア・ローマなどを含めて中学生は
   簡単にまとめておけばいいから。後は高校になったときのお楽しみ。
佳代:頭が痛くなるほどですか。
藤原:そう,もっとかもしれないよ。
三重:やー,これ以上ついていけないよー。
藤原:そんなこと言わないで,楽しく楽しく。ちょうどテレビゲームをやるような感
   覚で楽しんでいけばいいんだよ。勉強は,まずは楽しく。それからだ。その気
   持ちをを忘れたら受験生なんてできないよ。
佳代:そう,何でも楽しんじゃえばいいですね。
藤原:そう,それが一番。無理して努力してといっても限界があるから。
三重:分かりました。楽しむことに専念します。
藤原:とにかく,がんばって勉強してね。また,いつでも特訓してやるからね。

■■
■■ 佳代の今回の復習とポイント
■■

今回は,文明のおこりと古代文明についてやりました。藤原先生も言っていたよう
に,中学生の場合は,ポイントだけまとめておけば大丈夫です。それではまとめてみ
ましょう。

● 人類の特色

道具の使用,火の使用,ことばの使用の3つです。それは,人類が,直立歩行する
ようになったことと大いに関係があります。だって,立つことによって手が自由に使
えるでしょ。だから道具を使えるようになったんです。また,立っていると脳が重く
なっても大丈夫でしょ。だから頭脳が発達しことばなどが使えるようになったんです。
うちの愛犬のラッキーは頭がいいけど,手も自由に使えないし,これ以上脳が重くな
ると支えきれないよ。その辺が人類の特色だと覚えてね。

● 人類の発生と変化

これは簡単に,猿人→原人→旧人→新人と覚えてね。具体的には,アウストラロピ
テクス→ジャワ原人,ペキン原人→ネアンデルタール人→クロマニョン人。特に,ア
ウストラロピテクスとクロマニョン人は確実に覚えてね。三重も今回の勉強で覚えた
みたいです。覚えにくい時は声を出して。そう,簡単,簡単。

● 四大文明

これも簡単に場所と川とキーワードを覚えてね。

まず,エジプト文明は,紀元前3000年頃,ナイル川,ピラミッド,スフィンクス,
象形文字,太陽暦などを覚えればいいでしょう。また,10進法もエジプト文明です。

メソポタミアは,チグリス・ユーフラテス川,くさび形文字,太陰暦。そして,ハ
ムラビ法典や,60進法もメソポタミアです。60進法?これ,ふだんの生活でも使っ
ているのを知っていますか?みなさん誰もが毎日使っています。そう,時計です。60
秒で1分,60分で1時間ですよね。わたしたちの回りにメソポタミア文明があると
は驚きですね。この文明はエジプトよりも古いと言われていますが,まあ,エジプト
と同じ紀元前3000年頃と覚えておけばいいでしょう。

インダス文明は,少し遅れて紀元前2500年頃。モヘンジョダロやハラッパの遺跡
を覚えてね。また,その後侵入したアーリア人がカースト制という厳しい身分制度を
作ったことも覚えましょう。これは現在のインドにも生きていてインドの発展を妨げ
ていると言われています。

黄河文明は,やはり紀元前2500年頃なのですが,紀元前1500年頃できたと言わ
れる殷の甲骨文字をよく覚えましょう。この文字は漢字の元になったといわれていま
す。わたしたちが使っている漢字は,この辺から来たみたいですね。

簡単にポイントをまとめてきましたが,どちらにしても軽くでいいです。教科書や
参考書の写真などを見る習慣を付けてね。言葉で覚えるよりもずっと確実だし,楽し
くなるでしょ。楽しみながらがんばりましょう。佳代もがんばるよ。


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■  ■ 大場佳代の            
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■  ■     楽しくヒストリー 2    
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■■
■■ 今回は,聖徳太子まで。中国とのかかわりなどを勉強します。
■■

三重:♪いんしゅうしんかんさんごくしん〜♪
佳代:三重,何歌ってるの?
三重:中国の王朝を覚えているのよ。聖子に教わったの。
佳代:聖子って,転校生の町田聖子?
三重:そうよ,前の学校の先生が教えてくれたんだって。
佳代:エー,あの子ってとっつきにくくない?
三重:そう,最初はそう思ったけれど,結構明るくて楽しい子よ。見た目はすまし
   ているけど。
佳代:そう,じゃあ今度しゃべってみようかな。
三重:それがいいわ,♪なんぼくずいとうごだいそう〜♪
佳代:それ,「もしもし亀よ」のメロディーね。
三重:そう,♪げんみんしんちゅうかみーんこく,ちゅうかじんみんきょうわこく♪
藤原:おう,三重ちゃん,相変わらず歌がうまいねえ。
三重:やだ,先生,聴いていたんですか。
藤原:あんまりうまいんで聴きほれていたんだよ。
佳代:そう,三重はカラオケが好きだからね。
三重:あら,佳代ほどじゃないわよ。
藤原:せっかくだから,少し勉強しようか。
三重:はい,お願いします。
藤原:それじゃあ,まず,この前の復習だ。最初に出てきた殷王朝で漢字の元になっ
   た文字は?
三重:はい,甲骨文字です。
藤原:よくできました。いいね,三重,成長したよ。
三重:やだ,そのぐらいは…
藤原:それじゃあ,周,秦は抜かして,漢にいこう。漢と言えば,何を思い出す?
三重:はい,漢民族,現在の中国の大部分を占めている民族です。
藤原:そうだね,三重は地理が得意だからね。他には。
三重:もちろん,漢字。わたしたちも使っています。
藤原:そういうことだ。それから漢に使いを送ったのがあったね。
三重:えっと何だっけ。
佳代:ほら,あれよ,金印をもらったやつ。
三重:あっ,そうか。そんなこともありましたね。
藤原:そう,金印の問題は時々出るからね。しっかり覚えておこう。どこでみつかっ
   たんだっけ?
三重:エッ…?
佳代:志賀島です。
藤原:OKだ。「しかのしま」読み方も難しいからね。九州の博多湾にあることも覚
   えておこう。それじゃあ,三国にいこう。三国時代の三国って知ってる?
佳代:もちろん,魏,呉,蜀です。(注:読み方は,ぎ,ご,しょく,です)
藤原:正解,やっぱり佳代ちゃんはよく知ってるね。
佳代:大好きですもん,三国志。
藤原:その三国で日本に関係のあるものは。
三重:ハーイ,卑弥呼です。
藤原:おう,元気がいいね。
三重:わたしだってそのぐらい知ってます。魏志倭人伝に載っています。
藤原:そうだね。卑弥呼は有名人だからね。ところで,三重,卑弥呼って何時代の人
   なの?佳代ちゃんは黙っていてね。
三重:エッ,分からない。飛鳥時代?
藤原:飛鳥時代ねえ,それは聖徳太子の頃だよ。もっとずっと前だ。
三重:……?
藤原:それじゃあ,三重,卑弥呼っていう字をよーく見てごらん。よーく見るんだ。
佳代:クスッ(^^)/。
三重:あっ,分かった。弥生時代だ!
藤原:そうだね。卑弥呼の弥は弥生の弥と覚えておこう。卑弥呼の問題と弥生時代の
   問題がよく一緒に出されるんだよ。ところで,弥生時代って具体的にいつだっ
   け?
三重:先生,そんなにいじめないで。
藤原:そうだな,君たちのクラスに村岡弥生ちゃんっていたよね。
三重:はい,います。
藤原:彼女は何月生まれ?
三重:もちろん,3月です。弥生ですから。
藤原:うん,それを覚えておくといい。昔,先生の同級生に弥生ちゃんというのがい
   て3月3日生まれだった。
佳代:???
藤原:そこで,何故かみんな3月3日の弥生ちゃんと呼んでいたんだ。
佳代:あっ,分かりました,先生。弥生時代は紀元前3世紀から3世紀までですから
   ね。
藤原:そう,忘れたら,この3月3日の弥生ちゃんを思い出せばいいんだ。
三重:わっ,簡単。わたしでも覚えられます。
藤原:ついでだから,弥生時代と縄文時代の簡単な区別を覚えておこう。佳代ちゃん
   説明して。
佳代:ハイ,縄文時代は,主に狩猟や採集の生活をしていました。弥生時代は,稲作
   が始まりました。
藤原:そうだね,最近は縄文時代に稲作があったという説も出てきているが,とりあ
   えず,そんな感じでいいだろう。後でまとめておいてね。それじゃあ,晋を飛
   ばして隋にいこう。
佳代:遣隋使ですね。
藤原:そう,有名な聖徳太子に入ろう。まずは佳代ちゃん,そのころの随の皇帝は誰
   だっけ。
佳代:ハイ,煬帝(ようだい)です。
藤原:そう,よく知っているね。その煬帝に国書を送った。有名な「日出る処の天子,
   書を日没する処の天子にいたす。つつがなきや…」ってやつだ。
佳代:隋と対等の外交をしようとしたのですね。
藤原:そうだね,もちろん,煬帝は怒った。でも,日本に使いを送ってきた。
佳代:どうしてですか?
藤原:いろいろ理由はあるだろうけれども,隋は高句麗を攻める準備中だったので日
   本と手を結んでいた方がいいと考えたのかも知れない。どちらにしても覚えな
   ければいけないのは日本の方の使者だけれども,三重,知ってる?
三重:もちろん,小野妹子。そのぐらいは知ってます。
藤原:そうだね。この妹子とさっきの聖徳太子の国書の内容をだいたい覚えておくこ
   と。資料問題などで出るからね。
三重:ハイ,後は,何を覚えればいいのでしょうか。
藤原:そうだね。とにかく,聖徳太子は4点セットで覚えよう。
佳代:4点セット?
藤原:そう,まずは,冠位十二階。そして,十七条の憲法。
三重:知ってます。
藤原:それじゃあ,内容を簡単に説明してごらん,三重。
三重:えっ,えっ,そんなただ知っているだけで…。
藤原:この二つは,必ずキーワードと一緒に覚えよう。よく出るからね。
佳代:冠位十二階は,身分に関係なく才能のある人を役人にしたんだわ。
藤原:そのとおり,「才能のある人を登用」とあったら冠位十二階だ。
三重:すると,十七条の憲法は?
藤原:こちらは,「役人の心得」これをキーワードとして覚えておこう。また,十七
   条の憲法の資料問題もでるから,見て分かるようにね。
佳代:ハイ,分かりました。後でまとめておきます。ところで後の2点は何ですか。
藤原:うん,1点は最初にやった遣隋使の派遣だ。もう一つは,この時代の文化。さ
   て,三重,聖徳太子の頃の文化はなんだっけ?
三重:えっと,えっと,何だっけ…。
佳代:何か,さっきとんでもないところで言っていたじゃない。
三重:あっ,飛鳥文化ですね。
藤原:そう,この4点を覚えておけば中学生は大丈夫だ。できれば推古天皇の摂政だ
   ということもあわせてね。
三重:ハイ,分かりました。
藤原:今日はこのぐらいにしよう。みんな,がんばってね。
三重・佳代:ありがとうございました。

□□
□□ 今回の復習
□□

今回は,聖徳太子までやりました。ポイントだけしっかり覚えておきましょう。

● 中国の王朝名の覚え方

三重が歌っていた歌を解説します。まず,メロディーは「もしもし亀よ」で

♪ もしもし亀よ,亀さんよ〜に合わせて

殷・周・秦・漢・三国・晋(いん,しゅう,しん,かん,さんごく,しん)

♪ 世界のうちでお前ほど〜に合わせて

南北・隋・唐・五代・宋(なんぼく,ずい,とう,ごだい,そう)

♪ 歩みののろいものはない〜に合わせて

元・明・清・中華民国(げん,みん,しん,ちゅうかみんこく)

♪ どうしてそんなに遅いのか〜に合わせて

中華人民共和国(ちゅうかじんみんきょうわこく)

こんな感じです。すぐ覚えられるよ。

<注意>漢は前漢と後漢に分かれていてその間に新という王朝があります。他にも
一部細かいものもありますが,中学生は,そこまで考えなくとも大丈夫です。

● 縄文時代と弥生時代

・縄文時代…1万年ぐらい前から紀元前3世紀ぐらいまで。

   狩猟や採集中心の生活。縄文土器。貝塚。土偶。

・弥生時代…紀元前3世紀ぐらいから紀元3世紀ぐらいまで。

   稲作の開始。貧富の差・支配者の出現。金属器(鉄器・青銅器)の使用。

キーワードを覚えてね。

● 聖徳太子4点セット

 1.冠位十二階…才能のある人を役人に登用。

 2.十七条の憲法…役人の心得を示す。

 3.遣隋使の派遣…小野妹子を派遣。随の皇帝は煬帝。

 4.飛鳥文化…仏教文化。ギリシアのヘレニズム文化やインドのガンダーラ文化の
       影響も見られる。法隆寺・中宮寺などが有名。

 写真や資料は,教科書や資料集を見てね。


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■  ■ 大場佳代の            
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■  ■     楽しくヒストリー 3    
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■■ 今回は,大化改新から奈良時代まで勉強します。
■■

三重:虫殺し,蘇我氏殺して大化改新。
佳代:三重,何しているの。
三重:年号を覚えているのよ。大化改新。
佳代:ああ,645年ね。
三重:佳代は,いいわね。年号が得意で。
佳代:うん,でも無理矢理覚えた訳じゃないわよ。楽しんで楽しんで…。
三重:佳代は,勉強まで楽しんじゃうんだからうらやましい。
藤原:そうだよ,何でも楽しまなくちゃダメだよ。
三重:あっ,先生。
藤原:元々勉強は楽しいものなんだ。
佳代:そう,明るく楽しく元気よく!
藤原:そのとおり,せっかく佳代ちゃんがホームページで基本年表を作ってくれたん
   だから十分利用しなさい。
三重:はーい。ところで大化改新なんですが,何を覚えたらいいのですか。
藤原:まずは,中心人物だね。二人いたね。
三重:それなら知ってます。中大兄皇子と中臣鎌足です。
藤原:そのとおり。そして,その二人は後に何という名前になったの?
三重:ハイ,中大兄皇子は天智天皇,中臣鎌足は藤原鎌足です。
藤原:OK,いいだろう。そのぐらいなら三重ちゃんだって知ってるね。
佳代:そう,最近,三重はよく勉強しているのよ。
藤原:それは感心だ。ところでこの改革で大切なのは公地公民だけどどんなことか分
   かる?
三重:エッ,そんな難しいことを。分かるわけないじゃないですか。
藤原:まあそうだね。言葉だけ覚えて中身まで分かっている生徒は少ないんだ。佳代
   ちゃんは分かる?
佳代:えっと確か…。
三重:あら,佳代に分からないものがわたしに分かるわけないじゃない。
藤原:そう喜ぶなよ。それじゃあ字をよく見てみよう。公地,これは公の土地という
   意味だ。
佳代:先生,思い出しました。それまで私有されてきた土地をみんな国家のものにす
   るってやつですね。
藤原:そう,そして公民は人民だから,土地と人民を国家が直接支配することを目指
   したんだ。
佳代:班田収授法というのがありましたね。
三重:何,それ?
藤原:うん,人民の戸籍を作って,それを基本に田を貸し与え耕作させたんだ。もち
   ろん,税として稲を納めさせたのだけどね。ま,これは後の大宝律令のところ
   でやろう。
佳代:ハイ,分かりました。先生,次は壬申の乱に行きたいのですが。
三重:無難に勝った大海人皇子。
佳代:何,それ?
三重:さっき覚えたのよ。壬申の乱は,672年。
佳代:ああ,ぶなんで672年ね。
藤原:三重,よく勉強しているね。それじゃあ,内容は?
三重:ハイ,天智天皇の後継者争いです。
藤原:よくできました。それが分かっていればいい。元々,天智天皇は,弟の大海人
   皇子を後継者にしようと思っていたんだ。しかし,子供である大友皇子を後継
   者にしたくなった。その辺から起きた争いだね。
三重:そして,大海人皇子が勝って天武天皇になりました。
藤原:てんてんしょうかん。
佳代:何ですか,それ?
藤原:うん,君たちに覚えてもらいたい天皇の名前だ。天智,天武,聖武,桓武。
三重:ああ,だから天,天,聖,桓なんですね。
藤原:そう,今日勉強した天智天皇,天武天皇は分かっただろ。後,奈良時代の聖武
   天皇,平安時代の桓武天皇,この4人は絶対に覚えなくちゃね。
三重:ハイ,分かりました。それじゃあ,先生,大宝律令を教えて下さい。
佳代:大宝律令701年。
三重:えっ,それどうやって覚えたの佳代。
佳代:さあ,何となく。
三重:いいね,佳代は何となくで何でも覚えられちゃうんだから。
藤原:そうだね,先生は同級生に直井君というのがいたから,大宝律令直井君なんて
   覚えたけれども,何かいい覚え方あるかな。
佳代:あっ,今ひらめきました,なれ1番に大宝律令!
三重:あっ,それでいい。覚えました,わたし。
藤原:そうだね。何でもいい。君たちは,特に年号を答える問題は出ないから忘れて
   も問題ないけど覚えておいた方が絶対いいよ,がんばってね。とにかく,内容
   の方に入ろう。
佳代:まず,編纂者は,藤原不比等です。
三重:先生の祖先ですね(^_^)/
藤原:ま,分からないけれどもそうしておこう。藤原鎌足の子供だね。それに刑部親
   王。でも,この辺は,覚えなくとも大丈夫だよ。
佳代:ハイ,先生,そもそも律令とは何ですか?
藤原:うん,律も令も法律だと思えばいい。律は刑法、令は行政法・民法って感じだ。
佳代:二官八省っていうのがありましたね。
藤原:そう,中央の制度だ。二官とは太政官と神祇官,八省というのは大蔵省などの
   省が8つあるということ。この辺は,軽くでいいよ。
三重:地方の制度はどうだったんですか。
藤原:地方を国と郡に分け郡の下を里としたんだ。そして,国司,郡司,里長という
   役人をおいたんだ。まあ,この辺も軽くでいいだろう。
佳代:ハイ,分かりました。ところで先生,さっき出てきた班田収授法なんだけど。
藤原:うん,実は6歳になると田が与えられるんだ。男子だけでなく,女子もだよ。
   うれしいかい?
三重:うれしくない。
藤原:どうして。
三重:だって,働かされそうだもん。
藤原:そうだね。働かせるために与えるんだ。こういう田を口分田という。そして,
   死んだら国に返すんだ。
佳代:6歳で働かされるなんていやねえ。
藤原:うん,時代によってね人間は変わる。君たちも昔なら嫁に行っている年だよ。
三重:エッ,そんな。
藤原:18歳は年増なんていわれた時代もあったしね。ま,それはそれとして,最後
   に当時の税制についてやろう。
佳代:租・庸・調ですね。
藤原:うん,君たちも今は消費税というものを払っている。税金というものはいつの
   世もあるものだ。それじゃあ佳代ちゃん,簡単に説明して。
佳代:ハイ,租は稲です。庸は,労役のかわりに布を納める。調は,地方の特産物な
   どを納めます。
三重:わっ,佳代,よく覚えている。
藤原:そうだね,そんな感じでいいよ。ここも軽くでいい。その他,労役である雑徭,
   兵役である衛士や防人も軽く覚えておこう。
三重:やですね。この辺は。なんか覚えにくくて。
藤原:確かにそうだね。高校生になったら,細かいことも覚えなければいけないけれ
   ども,君たちはだいたいの雰囲気がつかめていればいい。その辺は,佳代ちゃ
   ん,分かりやすくまとめといてね。
佳代:ハイ,分かりました。今日はありがとうございました。

□□
□□ 今回の復習
□□

今回は大化改新から主に律令制度について学びました。私もこの辺はあまり好きで
はありません。でも,藤原先生も言っていたように中学生はポイントだけ軽く覚えれ
ばOKです。それではまとめてみましょう。

● 大化改新(645年)

中大兄皇子(→天智天皇)と中臣鎌足(藤原鎌足)が蘇我入鹿を殺す。

公地公民…土地と人民を国家の直接支配とする。

● 壬申の乱(672年)

天智天皇の後継者争い。

天智天皇の弟である大海人皇子(→天武天皇)が子の大友皇子を破る。

● 大宝律令(701年)

刑部親王(おさかべしんのう)・藤原不比等(ふじわらのふひと)編纂。

律令制度が確立する。

● 律令制度のしくみ

中央…二官八省,地方…国司,郡司,里長

班田収授法…6歳以上の男女に口分田を与え,死んだら返させる。

税制
  租…稲で納める。
  庸…1年に10日の労役のかわりに布を納める。
  調…地方の特産物などを納める。
  雑徭(ぞうよう)…国司の命令で1年に60日以内労役を行う。
  兵役…衛士(えじ)は都の警備,防人(さきもり)は九州の守り。

だいたいの感じはつかめましたか?覚えるコツは,無理に覚えようとせず,教科書や
参考書などをこまめに見ることです。丸暗記しているとすぐ忘れるよ。リラックスし
て見る。佳代は,いつもそうしてます。みんな,がんばってね。


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■  ■ 大場佳代の            
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■  ■     楽しくヒストリー 4    
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■■
■■ 今回は奈良時代について勉強します。
■■

三重:納豆ネバネバ平城京。
佳代:何それ,三重。
三重:平城京は710年。
佳代:だから納豆ね。やだぁ〜。わたしは,何と美しい平城京と覚えているのよ。
   だいたいわたしは納豆大嫌いだからね。
藤原:納豆は栄養があるよ。
三重:あっ,先生,いいところに来ました。
藤原:今日は奈良時代の勉強かい。
三重:そうです。よろしくお願いします。
藤原:それじゃあ,まず,君たちが言っていたように,710年に奈良に都を移した。
   これが平城京だよね。
佳代:ハイ,元明天皇の時です。
藤原:おう,よく知っているね。まあ,覚える必要はないけど元明天皇というのは,
   女帝だ。
三重:へえ,女の天皇ですか。
藤原:そう,有名な女帝といえば,聖徳太子の時の天皇だった推古天皇がいるね。
佳代:ハイ,すっごく有名です。
藤原:他にもいるがまあいいだろう。ところで,元明天皇の父は誰だか知ってる?
佳代:いえ,それは…。
藤原:さすがの佳代ちゃんも知らないか。まあどうでもいいことだけど実は天智天皇
   なんだ。
三重:えっ,中大兄皇子ですか。
藤原:そう,よく覚えていたね。三重も成長した。
佳代:そう,体の方も成長しているしね。
三重:やだ,佳代。最近体重が増えてショックなのに。
藤原:まあ,それはいいとして,平城京はどこを見本に作ったの?
佳代:唐の長安です。
藤原:そうだね。碁盤の目のように整った作りだったね。ところで前回やった天天聖
   桓って覚えてる?
三重:任せて下さい。天智・天武・聖武・桓武天皇のことです。
藤原:そうだったね。このうちの一人である聖武天皇が奈良時代で最も大切な人物な
   んだ。
佳代:The most important Emperor ですね。
藤原:そういうこと。奈良時代の問題はほとんど聖武天皇がらみのものだ。
三重:わあ,しっかり勉強しなくちゃ。
藤原:まず,聖武天皇の考えの中に鎮護国家というものがあった。
三重:チンゴコッカ,何ですかそれは?
藤原:うん,仏教によって国を守ろうという考えだ。
佳代:それって,よく出るんですよね。
藤原:そう,聖武天皇は,国ごとに国分寺・国分尼寺を建て,都に東大寺を造った。
佳代:それはどうしてですかっていう問題。
藤原:そういうこと。その答えが「仏教によって国を守ろうとする考え」ということ
   だ。
三重:奈良といえばすごい大仏がありましたね。
藤原:もちろん,これも鎮護国家という考えが反映されている。ただ,大変な費用が
   かかり人民の間からの不満も高まった。
佳代:当時の農民は貧しかったんですよね。
藤原:そう,君たちも知っているだろう。山上憶良が書いた「貧窮問答歌」
佳代:あっ,海草のようなボロを着て飯を炊くことも忘れているのに,ムチを持った
   里長が税を出せとわめいているってやつ。
藤原:そう,その結果,逃げていく農民増えていった。
三重:それじゃあどうしたんですか。
藤原:うん,政府としても対策に迫られて開墾を進めたんだ。
佳代:三世一身の法。
藤原:そう,最初にできたのが三世一身の法だね。これは,新しく開墾したものには
   三代にわたって,また,古い溝や池を利用して開墾したら本人一代だけ私有を
   認めるという法だ。
佳代:公地公民が崩れたのですね。
藤原:そう,でもまだ不完全だった。それはそうだよね。私有といっても制限が付い
   ているから,返さなければならないということになるともう努力しない。
佳代:土地が荒れる。
藤原:みんなだってそうだろう。人間,やる気が起きない制度だと,結局やらない。
三重:ハーイ,やりません。
藤原:三重,喜ぶんじゃないよ。そこで出てきたのが…。
佳代:墾田永年私財法です。
藤原:そのとおり。これは,定められた面積に限って墾田は永久に私有していいとい
   う法律だ。
佳代:公地公民が完全に崩れたのですね。
藤原:そうだね。このような私有地が後に荘園と呼ばれるようになる。
三重:へー,荘園って私有地のことなんだ。
藤原:そう,簡単に言えばね。まあ,そんな感じで覚えておけばいいよ。
佳代:ところで先生,聖武天皇の頃の文化ですが。
藤原:そうそう,これも大切だね。何ていうんだっけ三重。
三重:エッ,エッ,分からない。飛鳥文化は覚えたけれども。
藤原:それは聖徳太子の頃の文化だったね。聖武天皇の頃の文化は,佳代ちゃん。
佳代:ハーイ,天平文化です。
藤原:OK,これもしっかり覚えておこう。主役は聖武天皇だから当然仏教色の強い
   文化だね。
佳代:唐の影響を強く受けています。
藤原:そうだね。有名な建物は,さっきも言ったとおり東大寺や国分寺などだけど,
   東大寺にある校倉造の建物は何だろう。
佳代:ハイ,正倉院です。
藤原:OK,ここには,聖武天皇の遺品が納められている。また,唐だけでなくイン
   ドやイスラムの流れをくんでいるものも多いんだよ。それから是非とも覚えな
   ければならない建物がある。
佳代:分かった,唐招提寺でしょ。
藤原:正解。この寺を建てたのは誰だっけ,三重。
三重:……。
佳代:ほら,唐からやってきたあの人よ。
三重:エッ,エッ…。
藤原:大切だから絶対覚えてえるんだよ,鑑真だ。
三重:あっ,思い出しました。ガンジーですね。
佳代:何ボケてるの三重,ガンジーはインドの人でしょ。
三重:だって今,ガンジーって言ったじゃない。
佳代:ガンジーじゃないの,ガンジン。
三重:ガンジン?
藤原:そう,よく覚えてね。この鑑真という僧は,何度も何度も難破を繰り返してつ
   いに日本に来た執念の人だ。
佳代:このころの航海って大変だったんですね。
藤原:今みたいに船が発達していないからね。すごく危険だったんだ。特に8世紀に
   入って新羅との関係が悪くなり朝鮮半島にそって航海ができなくなってからは
   ね。
佳代:ところで先生,古事記や日本書紀ができたのもこのころでしたよね。
藤原:そのとおり,古事記も日本書紀も歴史書だが,古事記の方は神話が多い。
   日本書紀は正式な歴史書として編纂されている。
佳代:十七条の憲法とか。
藤原:そう,この前勉強した十七条の憲法などは日本書紀に記されているんだ。
三重:知ってる。古事記って日本最古の書物なんでしょ。
藤原:そうだね。実際はもっと古いのもあったかも知れないが,現存する最古の書物
   と言っていいだろう。それから最古の歌集があったね。
三重:ハイ,国語で習いました。万葉集です。
藤原:代表的な歌人は?
三重:確か,柿本人麻呂です。
藤原:そのとおりだね。他には,山部赤人とか大伴家持などがいる。さっきやった「貧
   窮問答歌」の山上憶良もそうだ。
佳代:わたし,短歌って苦手だな。
藤原:どうして,短歌はなかなか面白いよ。
佳代:何か分かりづらくて。
藤原:そうだね。分かりづらいときは何回も読んでごらん。慣れてくれば面白さが分
   かるよ。
佳代:ハイ,がんばってみます。
藤原:最後に地理書である風土記も覚えておこうね。天平文化はそのぐらいでいいだ
   ろう。後は佳代ちゃんまとめておいてね。
佳代:ハイ,分かりました。今日はありがとうございました。

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□□ 今回の復習
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今回は奈良時代を勉強しました。聖武天皇を中心に大切なところを覚えてね。

● 平城京に都を移す(710年)元明天皇の時,唐の長安が見本。

● 聖武天皇

  ・仏教の力で国を守るという考え(鎮護国家)

  ・都に東大寺・大仏,国ごとに国分寺・国分尼寺を建てる

● 公地公民の崩れ

  ・三世一身の法(723年)…土地の期限付き私有を認める。

  ・墾田永年私財法(743年)…土地の永久私有を認める→荘園へ。

● 天平文化…聖武天皇の頃の文化,仏教文化

  ・建物…東大寺,正倉院,唐招提寺など

  ・書物…古事記,日本書紀(歴史書),万葉集(和歌集),風土記(地理書)


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■  ■ 大場佳代の            
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■  ■     楽しくヒストリー 5   
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■■
■■ 今回は平安時代を勉強します。平安時代は長いので今回はパート1です。
■■

三重:へー,平安時代って長いんだね。
佳代:そうよ,一番長いのよ。
三重:わたし,江戸時代が一番長いと思ってた。
藤原:そう,案外勘違いしている日本人は多いよ。
三重:あっ,先生,いいところに来ました。
藤原:今日は平安時代の勉強かい?
三重:ハイ,そのつもりで。
藤原:確かに平安時代は長いね。どのぐらいの長さなの?
佳代:ハイ,鳴くよ(794)うぐいす平安京からいい国(1192)作った頼朝ちゃんま
   でですから,約400年です。
三重:よ,頼朝ちゃん (^_^)/~
藤原:そうだね。もちろん鎌倉時代が1192年からかどうかは議論の余地がある。
三重:えっ,違うんですか。
藤原:いや,君たちはそれでいいよ。1192年は頼朝が征夷大将軍になった年だから
   ね。でも,実際は,いろいろな説がある。でも,それは,鎌倉時代を勉強する
   ときに説明するからね。
佳代:わ,気になるな。
藤原:だったら自分で調べてごらん。そうすれば理解も深まるからね。
佳代:分かりました。ところで,平安時代は長いですね。分けて勉強した方がいいの
   ですか。
藤原:そうだね。大きく3つに分けるといい。
三重:3つですか?
藤原:そう,まずは,都を移した天皇は誰だっけ?
三重:ハーイ,桓武天皇でーす。
藤原:よろしい。この桓武天皇は乱れた政治を立て直すために都を移した。そして,
   必死に立て直そうとする。これが1つ目。
佳代:二つ目は?
藤原:摂関政治だ。藤原氏の政治だね。
三重:先生の先祖の時代ですね。
藤原:まあ,そういうことにしておこう。3つ目は院政の時代。この3つに分けて勉
   強するのがいい。
佳代:院政の時代には平清盛も登場しますね。
藤原:そのとおり。
三重:ワぁ〜,平安時代って先生が2回も登場するのね。
藤原:名前のことは言うなよ。君たちの方がよっぽど…。
佳代:何ですか,先生(`_´)
藤原:いやいや,まあ,その話はなしにして,今日は,最初のところだけやろう。
三重:ハイ,先生,何で桓武天皇は都を移したのですか。
藤原:うん,いろいろ理由はあるけれども奈良時代に僧侶が政治に大きく関係するよ
   うになったということが大きい。
佳代:奈良時代は仏教によって国を守るという考え方がありましたね。
藤原:そうだったよね。そんなこともあって僧侶が政治に口出しするようになった。
   中には道鏡のように天皇の位につこうとしたものもあった。そこで,思い切っ
   て都を移そうと考えたんだ。
佳代:いわゆる外野がうるさいってやつですね。
藤原:そういうこと。最初は同じ京都の長岡京に移したのだが,いろいろあってね。
佳代:たたりですか。
藤原:そう,ここでは詳しく述べないけれども天然痘が流行ったり,大洪水が起きた
   りしたんだ。それが桓武天皇の弟であった早良親王のたたりと考えられたりし
   てね。そんなわけでたったの10年で長岡京から平安京に移したんだ。
三重:桓武天皇は何をしたのですか。
藤原:主に二つある。一つは,律令政治の建て直し。もう一つが蝦夷征伐だ。
佳代:あっ,先生,坂上田村麻呂ですね。
藤原:そう,蝦夷,つまり当時は東北地方だよね,を征伐するために田村麻呂を征夷
   大将軍に任じ東北地方を平定させたんだ。
佳代:先生,いいの作りました!鳴くな(797)坂上田村麻呂,君は征夷大将軍。
藤原:おお,いいね。797年なんていうのは覚えなくとも大丈夫だけれども,平安時
   代の本当の初期ということを覚えておこう。
三重:先生,ほかに初期で覚えることはありますか。
藤原:そうだね。さっきも言ったように,桓武天皇は僧侶が政治に口を出させないよ
   うに都を移したんだったよね。もちろん,平城京からの寺院を移すことを認め
   なかった。
佳代:そこで新しい仏教が出て来るんですね。
藤原:そう,初期に大切な宗派が二つあったね,三重,覚えているかい?
三重:エッ,エッ,そんな…。うちは曹洞宗ですけれども…。
佳代:三重,それは鎌倉時代よ。先生,天台宗と真言宗ですね。
藤原:そのとおり。開いたのは誰だっけ。
佳代:ハイ,天台宗は最澄で真言宗が空海です。
藤原:よろしい,しっかり覚えてね。
三重:先生,それ,なんとなく知っているんですけど,どっちがどっちか分かんなく
   なっちゃうんです。
藤原:うーん,そうだね,佳代ちゃん,何かいい覚え方はないかな。
佳代:ハイ,佳代は,天才と真空と覚えています。
三重:てんさい?
佳代:天台宗は最澄だから天最。真言宗は空海だから真空。
三重:あっ,そうか,それならわたしでも覚えられます。
藤原:そうだね,工夫して覚えてね。平安時代の初期だということも忘れずにね。
三重:ハイ,分かりました。
藤原:今日はこの辺にしておこう。平安時代は長いからね。
佳代:ハイ,ありがとうございました。

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□□ 今回の復習とポイント
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● 平安時代は大きく3つに分けて考えましょう。

 1.桓武天皇が平安京に移す(794年)

 2.摂関政治がはじまる(866年ごろ)

 3.院政がはじまる(1086年)

● 初期の政治

 1.律令政治の建て直し…国司の監視を強化したり,令外の官(りょうげのかん)
             と呼ばれる新しい役職を設けたり,格・式と呼ばれる臨
             時の法令が作られたりした。

 2.東北地方の平定………坂上田村麻呂を征夷大将軍に任じ蝦夷を征伐し,今の盛
             岡あたりまでを平定した。

● 新しい仏教

 1.天台宗…最澄が比叡山延暦寺で開いた宗派。

 2.真言宗…空海が高野山金剛峯寺で開いた宗派。


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