佳代の疑問−2 犯人は家康だ!
佳代:先生,本能寺の変の真犯人はいったい誰なんですか?

藤原:真犯人かい?

佳代:ええ,光秀が実行犯だとしても,本当の犯人は別にいると思うんです。

藤原:おお,いいところに目をつけたね。確かに,怪しい人物はたくさんいたね。

佳代:ええ,秀吉とか。

藤原:佳代ちゃんは誰だと思うの?

佳代:家康です。

藤原:家康?う〜ん,相変わらず,鋭いなぁ,佳代ちゃんは。どうして,そう思ったの?

佳代:中国大返しです?

藤原:中国大返し?中国大返しは秀吉だろ。

佳代:エエ,もちろん,そのぐらいは知ってます(笑),そうでなく,中国大返しが怪しすぎるからです。

藤原:なるほど,怪しすぎるから裏があるんじゃないかと思ったんだね。

佳代:そうなんです。あれほど怪しいのならば,もっと秀吉犯人説が出ても不思議じゃないのに,何故か,あいまいになっています。

藤原:すると,それは真犯人のカモフラージュじゃないかと思ったの?

佳代:そうなんです,それが家康だと思うんです。どうですか,先生,私の考えは。

藤原:うん,本当に鋭いね。実は,先生も家康は最も怪しいと思っている。

佳代:たぶん,家康は,信長との同盟に嫌気が指してきたのだと思います。そして,信長がいる限り天下を取ることができないと考え,信長の一番信任の厚い光秀を使って,信長を殺し,裏では秀吉と組んで光秀を討つ作戦を立てたのではないでしょうか。

藤原:うん,佳代ちゃん,なかなか面白いよ。でも,前回の疑問のときもそうだけれども,世の中には詳しい人はたくさんいるから,読者の人に聞いてみたら?いろいろな意見が出て面白そうだよ。

佳代:そうですね。このページもおかげさまでたくさんの人が訪れるようになりました。きっと,疑問に答えてもらえると思います。

藤原:そうだね。先生も楽しみにしているよ。

★ 何だ,これは!謎の密書が。。。 
佳代:先生,大変です。

藤原:どうしたの佳代ちゃん。

佳代:変なメールがきているんです。

藤原:どれどれ。

大場殿

神君家康公の謎を明らかにしようなど、やめておきなされ。
今に残る江戸期の史書、一切を敵にまわすとは狂気の沙汰じゃ。
それらのどこをどう読んでも、家康公が怪しいとは、書いてあるはずがない!

確かに、おぬしのいう通り、家康公は怪しい。
その最たるものが伊賀越えじゃ。大体なぜ、本多忠勝がそこにおる!
動乱の余韻覚めやらぬ甲斐ににらみをきかせるべく、駿河にいなければならぬ男を物見遊山に連れて行くなどというしゃれたまねを、あの慎重居士の臆病者ができるものか。服部半蔵がいるのもおかしい。いくら親の代からの家臣とはいえ、京の公家や堺の商人を相手にする役にはたたぬ武辺者よ。
にもかかわらず、史書という史書には、「我が生涯最大の危機であった」という家康公本人の言葉通りにしか書かれておらぬ。

当時の徳川家はニ家老制をとっておっての。内政は酒井、外交は石川、と決まっておった。なぜその者たちでなく、いくさの役にしか立たぬ者たちが随行しておったのじゃ?護衛?そんなことは旗本の役目じゃ。四天王をつれて敵地に乗り込むような状況ではないわ。

史書に頼れなくとも、それでも家康公の謎を明らかにしたいのなら、まず伊賀越えをお調べなされい。
殺された者が一人おる。恐ろしいことに、「足手まといだから」と本多忠勝に斬られたという話まで残っておる。その者は、口封じに殺されるような何をしておったのか。それが推察できれば、有力な手掛かりになるやも知れぬ。

そして、本能寺後の家康公の目論見は、次の二点に絞られよう。

*甲斐・信濃の制圧
*北条氏との同盟

この二つが成功すれば、戦国最強の武田軍団を先頭に、天下取りへと、西へ突き進むだけじゃ。この二つを抑えれば、たとえ時間がかかるにしても、形勢を判断しながら安全に天下を取れる。おそらく家康公はそう判断されたであろう。

そこで、調べておくべきことがある。

*本能寺の変前後の甲斐・信濃の状況
 
家康公が本能寺の変を事前に知っていたならば、必ずやいくつもの布石を甲斐・信濃に打っていよう。あの臆病者ならば、隠そうともせず、打てるだけの手を打つ。逆に、何もしていなければ、知らなかったという証になろう。

 家康公の臆病さ、その隙に付け込む以外、こちらに勝機はござらん。

*北条氏との同盟に至る過程
 
はっきりした形で表に出る前に裏でずいぶんと動いているであろう。外交交渉とはそういうもの。したがって、いつ表に出てきたのか、それを知るだけでも、家康公の動きがずいぶん見えてくるであろう。

*真田昌幸の動き

真田昌幸は当時の大名で五指に入る情報戦の達人じゃ。(羽柴,小早川,徳川,もう一人は好きに決めなされ)文書に残っていようはずもないが、周到に徳川迎撃の準備をし、成功した唯一の男。この者の動きの少し前に家康公も動いておる。よくよく注意してこの者の動きを調べてみなされ。

鏡に真実は決してそのままには映らぬが、鏡に映さねば見えぬ真実もあるものよ。見間違えぬことじゃ。

藤原:う〜ん。

佳代:いったい誰なんでしょうか?

藤原:メールアドレスはないの?

佳代:ええ,アドレスの欄が*****になっていて,返信することも出来ません。

藤原:そうか。それはたぶん,佳代ちゃんの隠れファンじゃないのかな。

佳代:隠れファン?

藤原:うん,前面には出てこないけれども,裏でしっかり見守ってくれるありがたいファンだよ。

佳代:そんな人いるのでしょうか?

藤原:まあ,このページもかなり有名になってきたから,そういう人もいるんじゃないかな?どちらにしても,これを解明するのは大変だね。

佳代:ハイ。でも,読者の方にお願いすれば何とかなるかと。。。

藤原:そうだね。このページには,たくさんの詳しい人も出入りしているから,きっと教えてくれるよね。また,ネットを使えば,教えてくれる人もいるかもしれない。

佳代:分かりました。大変ですが,何年かかっても解明していきたいと思います。

藤原:がんばってね。先生も応援するよ。

佳代:がんばります!でも,ネットって本当にいろいろなことがおきますね。

藤原:そうだね。

★ 読者の皆さんにお願い

この密書で,調べるように提案されているのは,次の4点です。

1.伊賀越え

2.本能寺の変前後の甲斐・信濃の状況

3.北条氏との同盟に至る過程

4.真田昌幸の動き

これについて何かご存知の方は是非教えてください。メールでもいいし,掲示板に書き込んでいただいても結構です。よろしくお願いいたします。

★ 大場佳代密約について語る   
藤原:すごいタイトルだね。

佳代:ホントですね。でも,一応,佳代が考えた説をみなさんにお披露目したいと思います。

藤原:期待しているよ(^_^)。ところで,佳代ちゃんは,家康が真犯人だと思っているわけだよね。

佳代:そうです。でも,掲示板にあるような黒幕ということではないのです。当時の家康は,まだまだ力不足だったと思うし,信長と同盟を組んでいるとはいえ,軍団の人間ではないわけです。

藤原:なるほどなるほど。

佳代:これは,最近になってから考えたんですけれども,家康は,天下を取ってから,大名を,親藩・譜代・外様に分けましたよね。

藤原:うん,うん。

佳代:そして,外様は遠方に配置しました。

藤原:つまり,そういう考えを持った人間だから,信長もそうするのではないかと思ったの?

佳代:そうなんです。ですから,このまま,信長が天下を取ってしまえば,自分は外様。領地は増えるかもしれないが,遠方に追いやられるんじゃないかと。

藤原:なるほどね。それも動機の一つと考えるんだね。

佳代:ええ,前に同盟に嫌気がさしてといいましたが,今は,そっちの方が強いんじゃないかと思っています。

藤原:うん,それで。

佳代:そこで,家康は考えていました。まともに信長に挑んでも勝ち目がないので,いい作戦がないかと。

藤原:いい作戦ねぇ。

佳代:信長に従いながらも,いい作戦は,いつも考えていたと思うのです。そんなある日,耳寄りなニュースが飛び込んできました。

藤原:本当かい(笑)。

佳代:いえ,あくまでも推理ですが,本当に耳寄りなニュースが飛び込んできたんだと思います。

藤原:是非,聞きたいね。

佳代:まず,その前に,その前提になることを明かしておかなければなりません。

藤原:随分,もったいぶっているね。

佳代:ええ,何と言っても密約を語るというコーナーですからね(^^;)。

藤原:それじゃあ,その前提というのを聞こうじゃないか。

佳代:ハイ,それは中国大返しの秘密です。

藤原:おお,中国大返しか。前に佳代ちゃんは,怪しすぎるって言っていたね。

佳代:そうなんです。だから,家康犯人説を取ったんですが,最近,重大な発見をしたのです。

藤原:言ってごらん。

佳代:ハイ,中国大返しは,元々準備ができていたという人が多いでしょ。

藤原:そうだね。先生も,準備なしでは,あんなに手際よくできるものではないと思う。

佳代:だから,秀吉が犯人だと言う人もいますが,私は違うと思います。

藤原:何故?

佳代:だって,大返しの準備と言ったら,とても大変なものでしょう。

藤原:そうだね。かなり大掛かりなものになるはずだ。

佳代:そうした動きを,何故,信長が気づかなかったのでしょう?

藤原:信長が?

佳代:ハイ,例えば,北陸にいる勝家とか,関東にいる一益が気づかないのは分かります。光秀が気づかなくとも,驚くには値しないでしょう。でも,全軍を指揮する信長が,そんな大きな動きに気づかないはずはないと思います。

藤原:なるほど,なるほど,それは盲点だったね。

佳代:ハイ,これは,このページにリンクしている大久保さんの説を読んで閃きました。

藤原:大久保さんの説なら先生も読んでいるよ。かなり大胆な説だけれども,着眼がすばらしいよね。

佳代:ええ,大久保さんの説は,信長が秀吉に5日間で京に帰れるように命じていたということです。そのときは,衝撃を受けました。ただ,今,言ったように,もし,秀吉が大返しの準備をしていたとしたら,信長が気づかないはずはありません。

藤原:うん,うん。

佳代:すると,結論は一つではないでしょうか。

藤原:つまり,信長が命じていたということか!

佳代:そうです。最近,それに気づき,夜も眠れません(^^)。

藤原:なるほど,説得力があるねぇ。

佳代:それを考えると,大久保さんが言う朝廷殲滅策も真実味を帯びてきます。

藤原:それはまた,どうして?

佳代:というのは,前にトークやバトルで証明したように,信長は光秀を最も信頼していたわけです。謀反など起こすわけがない。でも,実際,謀反を起こしたのですから,余程のことがあったのだと思います。

藤原:なるほど。その余程のことというのが朝廷殲滅策ということか。

佳代:たぶん,そうだと思います。

藤原:すると,佳代ちゃんは,中国大返しについては大久保説を取るということだね。

佳代:ハイ,今のところは,他に浮かびませんから。でも,秀吉は,信長の命令で,大返しの準備をし,光秀は,信長に叛かなければならない理由があったに違いありません。

藤原:なるほど,かなり面白くなってきたねぇ。

佳代:そこに,耳寄りなニュースが家康に届いたということです。

藤原:おう,やっと,耳寄りなニュースが出てきたか(笑)

佳代:そうなんです。つまり,信長が秀吉に命じて,いつでも京に上れる準備をしていると。

藤原:うん,うん。

佳代:家康は,ちょうど安土へあいさつに行くことが決まっていました。そこで考えたのです。

藤原:いい作戦を(笑)

佳代:そうなんです。饗応役は,幸いなことに光秀でした。

藤原:なるほど,そこで,謀反を仕向ける工作をしたというわけだね。

佳代:自信はありませんがたぶんそうだと思います。また,他の方法かもしれません。とにかく,光秀に,謀反を起こさせるだけの説得力のある密約をしたのだと思います。

藤原:う〜ん。

佳代:もし,光秀が,朝廷殲滅作戦を知れば,驚き,すぐに調べるでしょう。

藤原:当然だね。

佳代:そこで,有名な愛宕山での連歌の会催したのです。

藤原:かなり強引な推理だねぇ。

佳代:そう言わないでくださいよ。そのとき,連歌師の里村紹巴に,朝廷殲滅策が進んでいることを知らされる。光秀も,家康の言うことを信じることになるわけです。

藤原:なるほど,裏を取ったというわけだね。

佳代:もちろん,秀吉の動きも調べさせました。ですから,秀吉が,あんなに早く戻ってくるとは思わなかったというのは嘘だと思います。

藤原:う〜ん,その辺はどうかなぁ。

佳代:そして,すべてが事実だと確信したから,本能寺の変を起こしたんだと思います。

藤原:つまり,光秀と家康は密約を結んでいたというよりも,朝廷殲滅作戦を吹き込んで行動させるように仕向けたということだね。

佳代:そうです。もしかしたら,それ以上のことを約束していたのかもしれません。たとえば,天下統一を助けるとか。

藤原:なるほど,協力するということだね。

佳代:ハイ,そして,秀吉とは,まったく別の約束をかわしていたのではないでしょうか。

藤原:それは?

佳代:まずは,天下統一を助けるということでしょう。後の小牧・長久手の戦いでは,軍事的に優位だったのにもかかわらず,秀吉に屈している。これは予定の行動だったのではないでしょうか?

藤原:う〜ん,その辺は,まだまだ研究の余地がありそうだね。でも,なかなか面白いよ。

佳代:それから,家康は関東平野がほしかったんではないでしょうか。

藤原:これはまた大胆な意見だね。

佳代:秀吉が,北条を滅ぼし,全国を統一した時,泣く泣く関八州を受け取ったということですが,私には,どうも初めからもらう予定になっていたような気がします。

藤原:う〜ん,難しいねぇ。

佳代:元々,徳川家は,今の群馬県出身だと聞いています。

藤原:それもうそくさいけれどもね。

佳代:ええ,でも,私は,そういう密約をしていたと思うのです。それならば,秀吉も乗ってきやすいと思いますし。

藤原:すると,秀吉に畿内を渡し,自分は東国を支配するというような密約を結んだってわけ?

佳代:そうです。

藤原:う〜ん,説得力がないなぁ。

佳代:そうですか。でも,そこに家康の大きな野望を感じるのです。

藤原:野望?

佳代:そうです。

藤原:どんな野望?

佳代:ハイ,実は,家康こそが朝廷を殲滅したかったんではないでしょうか?

藤原:えっ,えっ,えっ・・・。

佳代:結果的に殲滅はしませんでしたが,禁中並びに公家諸法度を出して力を削いでいます。

藤原:うん,確かに。でもねぇ〜。

佳代:家康は,朝廷を殲滅し,徳川王朝を作りたかったのではないでしょうか?そのために,中心を関東に持ってきたかった。これまでのしがらみを断つために。

藤原:だから,関東をもらう密約を結んだということか。

佳代:ええ,考えすぎでしょうか?

藤原:考えすぎのような気がするねぇ。

佳代:いずれは,豊臣家もろとも朝廷をも殲滅し,関東に王朝を築く。そこまでの野望は無理がありますかねぇ。

藤原:無理があるねぇ。でも,今の関東の繁栄を見ると,あながち否定はできないけれども。それにしても佳代ちゃん,大胆すぎるよ。

佳代:でも,そのぐらい言わないと,このページの常連さんは燃えませんよ!

藤原:なるほど,佳代ちゃんは,客集めがうまいねぇ(笑)

佳代:冗談ですよ。佳代は本当に思っています。家康の野望を。だからこそ,結果的に幕藩体制という世界に類を見ない社会制度になってしまったのではないのですか?

藤原:う〜ん,分からない。とにかく飛躍しすぎているね。でも,読者の方に,こういう大胆な説を披露するのも悪くないだろう。そこから,真実が浮かび上がってくるということもあるからね。

佳代:ハイ。どちらにしても,いろいろな人の意見を聞いて真実を探り出すつもりです。

藤原:そうだね,がんばろう!

★ というわけで....

皆さん,長々と私の説に耳を傾けていただきありがとうございました。かなり,いい加減なところもありますが,思ったままを書きました。是非,ご意見をください。なにぶん,知識も認識も未熟なものですので,皆さんのご教授を願えればと思います。

特に,中国大返しの準備に,なぜ信長が気づかなかったのか?やはり,信長の指示だったのかという点については意見をもらえるとありがたいです。そこに不信を持ったところから,家康犯人説は始まっているわけですから。よろしくお願いします。
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