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       「あ……」 
      リョーマの唇からじれったいような吐息が漏れると、手塚はリョーマの首筋に唇を移動させながらリョーマの中心に触れていく。2、3度撫で上げてからリョーマのズボンのファスナーを下ろし、立ち上がりかけて窮屈そうにしているモノを掴み出すとゆっくり扱き上げた。 
      「ああ、はぁ……っ、くにみつ…っ」 
      「…リョーマ…」 
      手塚は堪らなくなって、リョーマのズボンを下着ごと膝のあたりまで押し下げる。首に巻き付いている腕を外させると、ドアの方を向かせ、リョーマの身体を後ろから抱きすくめた。 
      そのまま前に回した手で立ち上がったリョーマのモノを扱き、空いた片方の手をシャツの中へ滑り込ませて小さな胸の突起を摘み上げる。 
      「はぁっ、んんっ!」 
      二カ所の刺激を受けてリョーマの身体が跳ねた。 
      ガタン、と音を立ててリョーマが扉に手をつく。 
      「ああっ、ん…っ!」 
      「リョーマ……」 
      耳元で囁かれ、リョーマの身体がまたビクッと震えた。 
      「はあ……っあ!」 
      手塚の手の中でリョーマのものが湿った音をたてはじめる。そのまま、リョーマだけをイかせようと思って動かしていた手塚の手にリョーマの手が「待って」と添えられる。 
      「アンタは?…どうすんの…?」 
      「気にするな」 
      「来てよ」 
      「だめだ…おまえに怪我を負わせるかもしれない」 
      「……これ」 
      リョーマはおぼつかない手で膝まで落ちているズボンのポケットを探り、小さなチューブを取り出して見せた。 
      「さっき、マツキヨの前でもらった傷薬の試供品だけど…しみるかな…」 
      「…………」 
      手塚は軽く溜息をつくと、リョーマの身体を抱きしめた。 
      「…そんなに欲しいのか?」 
      「…アンタは欲しくないの?」 
      「分かり切ったことを聞くな」 
      手塚はリョーマからその小さなチューブを受け取り、キャップを外す。 
      「あ……っ」 
      チューブの中身をリョーマの内部へ直接絞り出すと、リョーマは微かに身体を硬直させる。 
      初めて身体を求め合った翌日、リョーマは何事もなかったように振る舞っていたが、実はかなり身体が軋んでいたらしいことを手塚は知っている。本人は隠し通せたと思っているようだが、手塚の目は誤魔化せなかった。 
      指でリョーマの秘孔を広げながら、その時のリョーマの辛そうな姿を思い出し、手塚はなるたけ自分を抑えなくては、と強く思う。 
      どこまで抑えきれるのかは自分でもあまり自信はない。だが自分の欲望を押しつけてリョーマに無理をさせるわけにはいかなかった。 
      「ねえ…っ、もういいからっ…早く……っ」 
      リョーマに求められて手塚はすでに形を変えている自分のものを取り出した。 
      「…力を抜け…」 
      「あ…っ、つっ!」 
      扉に額をつけてリョーマが呻く。 
      立ったままの行為は、やはりリョーマの身体への負担が大きいらしい。 
      手塚は動きを止めてリョーマの前に手を伸ばした。緩く扱いてやると、途端にリョーマの背が撓る。 
      「ああ、あ…んっ」 
      リョーマの身体から少し力が抜けた瞬間を狙って、手塚は自身を一気に埋め込む。小さなチューブの中身は大いに活躍してくれているようだった。 
      「はあっ!あ…あっ」 
      「くっ……リョーマ…」 
      リョーマを傷つけないように、ゆっくりと引き出し、ゆっくりと埋め込む。 
      それを何度か繰り返しているうちに、リョーマの腰が手塚に押しつるように揺れ始めた。 
      「…焦…らしてん……の?」 
      「………」 
      リョーマの身体を気遣った緩やかな手塚の動きは、結果としてリョーマだけでなく自分自身をも焦らすことになっていた。 
      それでもゆっくりと奥まで自身を埋め込んだ手塚は、一旦そこで動きを止めた。 
      「ん…っ」 
      リョーマの顔を自分の方に向かせて口づける。そして深く口づけながら手塚の腕はしっかりとリョーマの腰を抱え込んだ。 
      手塚の口づけに半ばうっとりと目を閉じていたリョーマは、次の瞬間、強烈な快感に目を見開いた。 
      「うあっ、ああっ!!あうっ!」 
      手塚が自身を奥まで埋め込んだ状態から、さらに最奥めがけて腰を突き上げた。反動でリョーマの踵が浮き上がる。 
      ぶつけると言うよりは、捩じ込まれるような感覚で何度も何度も手塚の肉剣がリョーマの中を抉り回す。 
      「あっ、うあっ、ああっ、ああぁっ!」 
      立ったままの体勢はスイートスポットに当たりやすいらしく、リョーマは息をする余裕もないほど喘ぎ続けた。 
      「く……う…っ」 
      「…っ!…ああっ、あ、はあっ、も、いくっ!」 
      耳にかかる手塚の熱い息づかいがさらにリョーマの官能をくすぐる。 
      もうほとんど浮いたままだったリョーマの踵がつま先だけ残して完全に宙に浮き硬直した瞬間、リョーマは扉に向けて勢いよく飛沫を迸らせていた。 
      リョーマの奥深くを抉っていた手塚も達したリョーマに締め上げられ、さらに深く自身を捩じ込むと激情を熱い腸壁に叩きつけた。 
      「あ……は……っ」 
      「………大丈夫か…?」 
      リョーマの肩に口づけながら手塚が気遣う。 
      「………言ってることと……やること……違いすぎ」 
      荒く息をしながら、リョーマが憎まれ口を叩く。 
      「………すまん……」 
      溜息をつきながら謝罪する手塚が何だかおかしくなって、リョーマはクスクスと笑ってしまった。
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