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楽しくて, ピョンピョンはねるような 足取りで この子は 走って います. 抱かれている テディベアの手足も ピョンピョン はねています. ウサギ 達が, びっくりして 眺めて います. |
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野の花が沢山咲いた小道を, 跳ねるような足取りで行く女の子. <小さいものたちの物語> を御覧下さった方の中には, カットボードに 描いた冬の道を行くこの子を憶えておいでの方も いらっしゃると思い ます. これは あの冬の場面と同じ場所です. 冬の野道を行くこの子は, 心細そうにテディベアを ギュッと抱きしめて, トボトボと歩いていま した. 野山は雪に覆われ, 木々は すっかり葉を落し, 空は鈍色. 道は 凍てついて滑りやすく, 女の子は ひたすら家路を急ぎつつ, 滑らない ように, 足元に目を落して用心ながら歩いていたのです. でも, 今, 時は初夏. 木々は緑, 花は咲き乱れ, 女の子は 足取も軽く, はずむように走っています. 女の子が はずむのにつれて, テディベア の手足も ピョンピョンと はずんでいます. ウサギ達も びっくりして, 草の陰から伸び上り, 用心深く顔をのぞかせます. そして アノ子ナラ 知ッテル とでもいうように, じっと女の子を眺めてます. これは 女の子が主役の絵ですから, ウサギを二匹描くだけで, やめに しました. こういう絵を気の向くままに描いていると, ウサギ の他に リス, ネズミ, 小鳥, カエル, 虫などに画面を占領されてしまいます. |