Science Illustration Information

Science Illustration、もしくは Scientific Illustration は、Education のために利用されるイラストレーションのことです。したがって、Science Illustration にはなんらかの Context が存在する必要があります。(この定義はイラストレーターそれぞれなのですが、私は Summer Session の先生のこの説明が気に入っています)

例えば、博物館、科学館、水族館、動物園で展示解説のために描かれるものだったり、図鑑のために描かれたり、漁業の資源管理のためのリストのために描かれたり、科学論文のなかで必要な図であったり、研究に必要な復元画であったり、医学用だと手術の術式のミーティングやプレスリリースのために作られたり、アメリカだと製薬会社の株主総会のプレゼンテーションのために描かれたり、と知識を人に共有するための手段の一つとして描かれるものです。

Summer session のクラスでは具体的な表現方法として主に三つの表現が紹介されました。
1)1つの対象物を細かく描写すること
(復元図、図鑑などに利用される Very straight forward な表現)
2)なんらかの関係のある複数の対象物で画面を構成すること
(フィールドガイドなどに使われる表現)
3)カットアウト(断面を見せる)を行うこと
もちろん、このほかにもコンテクストを構成するためのあらゆる表現が利用出来ます。

さて、残念ながら日本にはこの分野を専門的教育する教育機関はありません。体系的に学びたい場合は海外に行く必要があります。

自然科学系では、The Science Illustration Certificate at University of California Extension, Santa Cruz があります。こちらは UCSCの1年間の Graduate Program です。修士はとれませんが、Natural Scienceに特化している唯一のプログラムです。

アメリカで一番充実したコースと言われているのは、 The Johns Hopkins University School of Medicine Department of Art as Applied to Medicine です。 医療イラストがメインですがバイオの絵もやるそうです。修士号のプログラムで、卒研で研究者と共同研究を行うそうです。

アメリカでは必ずしもコースに入って学ぶ必要はなく、自分で絵の技術を学んでインターンに行く人もいるそうです。独学でやる場合には、いろいろなアートのワークショップで絵の技術を学び、 ポートフォリオを持ってインターンの応募に行くのだそうです。

ナチュラルサイエンス系イラストレータの協会、Guild of Natural Science Illustrator ではさまざまなワークショップを提供しているので、それを利用するのも手だそうです。

もし、実際にどんなことをするのがサイエンスイラストなのか興味のある人はUCSCのサマースクールに参加してみるとよいかもしれません。サマースクールは高校生から受講可能な学部レベルの授業です。毎年サイエンスイラストのコースから2教科の授業が提供されています。(学部の授業なので本コースよりはだいぶ簡単な内容です)

2007年に私が行ったときの様子がblog UCSC Summer Session への道 にありますので、興味のある方は覗いて見てください。

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