住宅のコンセプトを考える 千葉県市川市-麻生英之建築設計事務所


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居心地、落ち着きということ


 居心地がいいとはどんなことなのでしょうか?落ち着いた空間とはどのような空間のことでしょうか?

 今まで炬燵の和風空間でパジャマでくつろいでいた人が、新築してピカピカなフローリングにソファーの空間で居心地が悪くなってしまった話を聞いたことがあります。また高気密高断熱の住宅にして、窓が小さく季節のいい春や秋もまったく風が通らなく、息が詰まってしまうというお年寄りの話も聞いたことがあります。


 居心地がいいとはどんなことなのでしょうか?完全に空調が効いていることでしょうか?天井が高いことでしょうか?ピカピカの生活感のない真っ白な空間のことでしょうか?
 うちの猫のマメや犬のジャックは、季節や時間によって場所を変えてくつろいでいます。家のなかの居心地のいい場所を見つける天才です。そんなペット達の行動も居心地のヒントがあるような気がします。

 私は子供のころ新宿のおばあちゃんの家によく行きました。その家の2階の窓から一部平屋の屋根の上に出られるようになっていました。カラー鉄板瓦棒葺の勾配のゆるい屋根によく布団を干していて、当時20代前半のお兄ちゃんがその上で昼寝をしていました。小学生の私も横になってみると、そこでは今までに経験したことのない居心地の良さがありました。布団の柔らかさ、太陽のまぶしさ、緩やかな勾配が新鮮でした。2人で寝ているとたいていそこで飼っている猫も横にきて寝ていました。
千葉の親戚の家も印象的でした。そこはいわゆる茅葺屋根の古い家で、夏に網戸もない空間で畳に横になっていると南北に通る風が気持ちよく、いつまでもごろごろしていたのを覚えています。

上記のような今までに行った場所や感じたことも居心地のひとつのヒントになるのではないでしょうか?
 居心地とか落ち着きは数字で表れるものではありません。また人によって感じ方は違います。住宅展示場のような生活感のない空間をまねても居心地がいいわけではありません。

 自分にとって家族にとって居心地がよく落ち着いた空間が出来るかどうかが住宅にとって一番大事なことかもしれません。

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