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YAhoh!? Iidaの「随説館」+「作品館」/[I'm a trader]

■YAhoh!? IIda の「随説館」+「作品館」/[I'm a trader]とは
◆政治経済からスポーツまで、幅広い分野をカバーする元・全国紙新聞記者の青髭のムッシュこと、"YAhoh!? IIda"が、趣味と関心とに任せて、自作の小説や、随筆と小説を合わせた日記風「随説」を毎日、更新して発信しています。
◆それから、時に応じて、株の投資情報と実際に投資した株資産の成績動向をお送りします。あなたの投資の参考にしてください。いわば、実株を使った投資シミュレーションです。

■どのような作品が送られてくるのか
◆その時々、時々刻々の時事の話題についての評論「随説」と一年間連続掲載の連載小説を毎日発信します。
実例は、
http://www.pat.hi-ho.ne.jp/yoichi-i/

毎日発信「随説館」と「自立YAhoh!? 大学 」の文学館作品展示室のページを参照してください。
◆投資情報は「100万円レベル」「1千万円レベル」「1億円レベル」の三段階を設定し、それぞれ目標収益達成を目指します。

■いつからスタートしたのか
1999年10月中旬。

■いつ終了するのか
作者健在の限り、半永久的に継続して配信するつもりですので、終了時期は設定しません。

■配信頻度は
原則的には毎日ですが、長期休暇などの都合により、休止の場合もあります。その場合は、次回配信の際に休止分を一括送信します。

■スタッフは
執筆・入力・編集:YAhoh!? IIda
入力・校正:CHAKOちゃん
です。
Yahoh!? イラスト
(YAhoh!? IIda・イラスト写真)

                  [ S a m p l e ]
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=== [YAhoh!? Daily Mail 1999/10/1 No.1]===================
★YAhoh!? IIda の「随説館」+「作品館」/[I'm a trader]★
         1999年10月1日(金)創刊号 (原則・毎日発行)
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■政治経済からスポーツまで、幅広い分野をカバーする元・全国紙
記者の"YAhoh!? IIda"が、趣味と関心とに任せて時々刻々の話題を
取り上げ、随筆と小説を合わせた「随説」と自作の連載小説を毎日
発信しています。
 『CLICK INCOME』で読者登録された方へは、独自の情報網から得た
投資情報も[I'm a trader]として送付します。
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◆今日の「随説」

「星野ドラゴンズ」
 神宮球場で中日ドラゴンズが、11年ぶりのセ・リーグ優勝を決
めたとき、星野監督は「今日は泣きません。涙は、日本一まで取
っておきます」と言ったが、これは、一足先にパ・リーグを制覇した
ダイエー・ホークスの王監督とは、対照的だった。
 王監督は、素直に目頭を潤ませ「こんなにうれしいことはない。
日本シリーズのことまでは、まだ考えていません。これから、少し
休んで、データなどを見て考えます」と初優勝の感激に浸るのが先
だった。
 こう見ると、日本一に掛ける意気込みは、星野監督の方が、一段
上かとも思われるが、過去の経験では、王監督の方が上だ。何しろ
、巨人の監督として、日本一の経験を持っている。対して、星野監
督は、前回のセ・リーグ優勝では、日本シリーズに敗れて、日本一
を逃している。
 それだけに、日本シリーズ制覇への意気込みは強いのだろうが、
実際は、むしろ、王監督の方がその気持ちは、内に秘めながらも強
烈だ、と思う。何しろ、優勝の翌年の成績不振から、長年親しんだ
巨人を追われるように退団した「世界のホームラン王」だ。人一倍
のプライドを、ずたずたにされながら、必ず、この貸しは返しても
らう、の一念で玄界灘を渡って、都落ちしたのだ。
 本来なら、このリベンジの対象は、長嶋巨人なのだが、代わりに
セ界の覇者として、星野ドラゴンズが出てくるのだ。王監督に取っ
ては、巨人の身代わりのようなものだろう。シリーズ開幕までは十
分、時間的な余裕もあり、敵情視察に総力を挙げて臨んでいる。リ
ベンジ作戦は、おさおさ怠りなく進んでいる。
 さてこうなると、星野監督の「取っておいた涙」が歓喜の涙にな
るのか。それとも悲痛の慟哭となるのか、決戦の十月が始まった。
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■[連載小説」
「スクープ・薔薇の香りー皇太子妃は死なず」第1回

 第一章 「ウオッカに薔薇の香り」1
 冬の町の気だるさが、そのまま、持ち込まれたような、沈んだ空
気が、その部屋を支配していた。部屋の中には、五人の男が座って
いた。みな、煙草を吸っている。
 「仕方がないだろう。やられてしまったんだから。だが、今度は、
こちらのお返しの番だ。しっかり頑張ってくれたまえ」
 一番奥の窓側の席に座っていた高齢の男が、そういった瞬間、皆
は立ち上がって、会議は散会した。

 南向きの一枚ガラスの向こうに、皇居の森の緑が見える。南側か
ら指す朝の日の光が、北側のこちらから見ると、眩しいほどに、強
い。冬を終えて、日の光は一段と明るさを増していた。
 その朝の眩しい陽光をだれもいない編集局の隅で眺めていた岩田
隆は、夕刊番の同僚への引き継ぎを書きながら、泊まり番明けの今
日は何をして過ごそうか、ぼんやりと考えていた。
 (こんな、天気のいい日は、六本木に行って旨いランチを食おう)
 疲れているときに浮かぶのは、やはり食いものことだ。泊まり番
の朝は、決まって、社員食堂で納豆定食を食べる。本物の水戸納豆
に卵と味噌汁、御飯と小さな煮物の皿が付いて、三百八十円だ。今
は、それも終わっていた。
 岩田がこの朝飯を食べるのは、長いモスクワ勤務から帰って来て
からだ。五年も居たモスクワには、納豆はなかった、たまに、出張
でやってくる同僚や友人が、持ってきてくれたのを食べるのが、せ
いぜいだった。茨城生まれで、朝の食卓に納豆を欠かしたことのな
かった岩田には、これは最初は苦痛だったが、生来の順応性から、
すぐに慣れた。だが、体に染みついた食癖は、簡単には変わらなか
ったらしく、帰国後社内で最初に食べた朝食はこの朝定食だったの
だ。だが、この定食を頼む人は今は、少ない。日本がそれだけ、飽
食になったのだろう。最近、食堂のおじさんに聞いたのだが、「朝
は十食程出ればいい方なのだ」という。
 そういえば、昔に比べ、大体泊まっている人が少なくなった。十
年ほど前の社内には得体の知れない人間がうようよしていた。二段
ベッドの宿直室も、毎晩満員だったのだ、今は三割方は空いている。
それだけ、合理化が進み、人員が減ったのだ。新聞は斜陽産業だと
いわれて久しいが、確実に経営のスリム化は進んでいるのだ。
 そんななかで、外信部の夜勤デスクは、夜通し眠らない、と今で
も決まっている。この伝統は、どんなに機械化が進み、電子情報化
が進んでも、まったく変わらない。地球の裏の出来事は、朝刊が終
わった真夜中の午前二時すぎから明け方の間に起きることが多い。
伝統的に日本の新聞のニュース源であるアメリカやヨーロッパは、
そのころ昼間だから、人が活動している。だから、その活動の最中
の我が国の夜中が、外電の集中期なのだ。
 夜勤デスクは、入ってくる外電をチェックし、連絡してくる外国
特派員に適切な指示を出さないと行けない。大袈裟に言えば、翌日
の夕刊の国際ニュースは、編集局でただひとり、不寝番を続けるこ
の男の双肩に掛かっているのだ。地球の裏側で大事件が起きれば、
彼は直ちに所定の場所に連絡し、新聞発行のための段取りを付けな
いと行けない。それは、だが、大変だが、楽しみでもあった.何し
ろ、まだ、この国の誰も知れないほやほやのニュースに、まず第一
番に接することができるのだ。たとえ、半日位の猶予であっても、
これは、何ものにも代えがたい新聞記者冥利の喜びだった。
 岩田は、「ダイアナ事件では、新たな進展なし。中間まとめをロ
ンドンから、入稿済み。モニター挟む」「国連総会は波乱なし。米
国の出かたを探る、をワシントン電で予定」「タイの通貨危機、周
辺諸国の不安、を経済面へ予定、バンコクから」
 などと引き継ぎ簿を書き終え、机の隅のコーヒーメーカーに、ア
ルバイトの大学生が入れておいてくれた入れたてのコーヒーを愛用
のカップになみなみと注ぎ、一口飲んだころ、交代番デスクの飯島
が顔を出した。背は低いが、丸々と太っている体格を、辛そうに運
んでくる姿は、誰とも間違いようがない。その姿から、「ドン・ガ
バチョ」のニックネームを持つ元ワシントン特派員だ。
 「いやあ、気持ちがいいね。こういう朝は最高だ。日本はやはり
春先が一番だね。ワシントンにも、モスクワにもこういう気持ちの
いい朝はない、そうだろう、岩田君」
                      (明日に続く)
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◎今日の一言
 「宇宙で人は生きられないが、人の中には宇宙がある」
 (ロシアの宇宙飛行士の言葉から)    (by ふむふむ)
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