What's Reenactment ?


 これから私たちと一緒にリエナクトメントを楽しもうとしている皆様、是非ご一読頂き、お互い共通した認識を持って、ヒストリカル・リエナクトメントを楽しみましょう!!

【ヒストリカル・リエナクトメントとは】
 リエナクトメントは、歴史上の戦争・戦闘の軍隊行動を当時の武器・装備などを使用して再現するものです。欧米では、中世の戦争から、南北戦争、WW1、WW2、朝鮮戦争、ベトナム戦争、等と多くのテーマにのっとって、リエナクトメントが開催されています。ただ漠然と、当時の装備用いて集まるのではなく、例えば「1944年8月フランス xxx戦線」という具合に、詳細なテーマを設定して行われます。したがって、そのテーマに合った装備を使用していないと参加資格がありません。リエナクトメントに参加する「兵士」は「リエナクター」と呼ばれ、戦史や装備類を「研究」し、自ら「研究者」と呼んでいる方もいます。リエナクターは、ひとたび装備を身につけると、兵士を「演じる」のです。おおっと、でも「演じる」と言っても、舞台俳優のようにセリフや立ち振る舞いが決まっているというこではありませんよ!、ココで言う「演じる」とは「なりきる」ということです。

 下記に私の尊敬するリエナクターの方が、リエナクトメントを次のように定義・説明しております。
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 「リエナクトメント」という遊びの「演ずる」というのは、大人の良識をわきまえた上で場面場面に柔軟に対応でき、そのシーンを自ら演出する能力と、アドリブの利く機転(これらはミリタリー、時代設定、背景などの関連する知識の深さが前提です)がなければ、困難なことなのである。リエナクトメントは「企画・運営・演出」、映画で言えば「小道具・大道具・衣装・脚本・考証、そして自らに対する演技指導」を自己完結的に作り上げられる「リエナクター」が他の参加者と時には共同し、時には新人を指導しながら構成する野外劇のようなものではないかと考る。
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なるほど・・・。つまり、「俺は、当時の兵士だ!ちゃんと基礎訓練も受けている!口から出る言葉も当時と同じギャグ!」という具合ですね。
当時の文化をすこし勉強しておく必要もありますね。

【ガイドライン】
 では、我が国内の状況を見てみると、「リエナクトメント」という遊びは、ごく少数の愛好家達が、ささやかながら行なっているというのが現状です。「研究」という意味では、国内では多いのですが、実際それが「リエナクトメント」へ結びつくようにはなっていないようです(研究者が「リエナクトメント」をしなくてはいけないという意味で述べているのではありません)。国内では、20年位前から、エアガンを使用した「サバイバル・ゲーム」が流行っており、現在に至っておりますが、「リエナクトメント」を実施しても、どうしてもこのサバイバルゲームのイメージ(戦闘ゲーム、勝負にこだわる、戦死した、しないにこだわる等)から脱却出来ずにいます。そんな中で、これから「リエナクトメント」を楽しむには、お互いにリエナクトメントの主旨を理解し、参加者個人の意識にゆだねられることになります。

先述しましたように、リエナクトメントは、軍隊行動の再現であるので、
戦闘行動だけがリエナクトメントではありません。ざっくり言って、つまり、自分を取り巻く環境、部隊における指揮系統、兵器取扱、階級やマナー、そして戦闘などの再現です、あくまでも戦闘はリエナクトメントの一部にすぎません。リエナクトメントは戦闘行動のみにクローズアップされがちで、また、サバイバルゲーム愛好者からこの趣味に転じた方には、戦闘行動のみを求める傾向にありますが、そうではないのです。リエナクターはひとたび装備を身につけると当時の「兵士を演じる」わけで、その兵士がおよそ体験する事柄を再現するのです。その一環として、「戦闘リエナクトメント」があるのです。したがって、例えば、テントを張って野営の様子を再現したり、塹壕を掘って待機する様子を再現しても、それは立派なリエナクトメントとなります。そして、実際の兵士のように、あらかじめ設定された部隊の一員となり行動をしなくてはいけません。また、指揮官となる、下士官・士官のリエナクターも「指揮を執る」という立場を自覚して、行動しなくてはいけません。

【戦闘行為至上主義は捨てる】
 戦闘行為至上主義を捨てて下さい。リエナクトメントはゲームではないので、勝敗や戦死などに固執する必要はありません。号令、敬礼、返礼などの軍隊組織でのマナー、嗜好品や食料などの小物、自分を取り巻く情景的環境(塹壕やテント、建物、道標、車両、重火器など)にこだわってみましょう。映画や記録写真の情景を再現してみるのもリエナクトメントの楽しみです。リエナクトメントは長時間にわたり行われるので、戦闘状態の時間より、非戦闘状態の時間の方が比較的長いので、この「情景作り」がリエナクトメントの楽しみを左右するといっても過言ではありません。まさに、1/1のジオラマを作るという意識です。

【でも本当の軍隊でない】
 
軍隊行動の再現といっても、本当の軍隊ではなく、あくまでもアソビですから、その場面に合うように機転を利かす行動が必要です。例えば、笑える一例ですが、「敵を待ち伏せをしていて、敵が来ないから一日中同じ場所で待ち伏せをしていた」という例があります。これは、本当の軍隊ならば、それが任務ですからそれで良いでしょう、しかし一緒にいる者はシラケてしまいますね、この場合、部隊を率いる指揮官リエナクターは「機転」を利かして、仲間が楽しめるように、移動したり、違う任務を与えたりした方が良いですね。軍隊行動を再現すると言っても、あくまでも趣味なのですから、その範疇で軍隊行動を再現・体験するということでしょう。

では、始めましょう!
(装備類を用意しなくては・・・)
装備・被服は当時のテーマにあったものを使用しましょう。実物・レプリカは問いませんが最低でも次のものは用意したいです。
1.ヘルメット 2.被服上下(シャツ類も含む) 3.ブーツ 4.弾帯 5.水筒 6.小火器 です。コレさえあれば、ひとまずリエナクターの仲間入りですね。自分の装備類が代用品やレプリカであったりなどで、
参加するのに躊躇してしまったり、敷居が高いなぁ、と思われがちですが、そうではありません。まず参加するという「第一歩」を踏み出すことが大事です、気楽にいきましょう!!
ちなみに、私は、最近は実物装備を、質の良い(出来の良い)リプロダクション品に変更しています。理由は簡単です、実物は経年劣化で作りがもろくなっている場合がありますし、リプロ品ならばガンガン使って汚損しても心理的、強度的に安心です。リエナクトメントでは実物装備使用を主張する人もいますが、USARではそれについては関係ありません。必要なのはリエナクトメントの理解と情熱です!

【戦闘シチュエーションでは】
 戦闘時に、よく見られるのは、「個人行動」をする方がいるということです。個人行動は、実際の軍隊では特殊な場合を除いて、ありえない行為です。個人行動をすると、それを援護してくれる味方がいないわけですから、個人行動=死を意味するのです。ですが、「ゲーム」感覚で戦闘リエナクトメントに参加してしまうと、どうしても敵を「やっつけたい」という気持ち=即行動という具合に短絡的な行動となり、組織行動を無視し単独で敵前突撃をして「相撃ち」となるわけです。相撃ちとなっても、ゲーム感覚ですから、本当に死ぬわけではないので、ついその行動をしてしまうのです。現実の軍隊では、こんな馬鹿げた行為はしません、誰もが「命」が惜しいのです。だから、その「命」を無駄にしないように組織行動をして、安全で合理的な戦闘をするわけです。リエナクトメントでも、自分や仲間の「命」の尊さを自覚して行動して欲しいのです。ある意味では、それが真の再現、リエナクトメントの真髄と言えるのではないでしょうか

【タブーなこと】
 号令や敬礼などは、しっかりはっきりとやりたいですね。確かに始めは恥ずかしいかもしてませんが遠慮せずトライしてみましょう。中途半端な号令、敬礼ほどカッコ悪いものはありません。また、指揮官となる士官・下士官リエナクターは、リエナクトメントを楽くするようなシチュエーションに部隊を誘導する義務を持っています。その場のシチュエーションに合った雰囲気を盛り上げるような行動を率先して行なわなければいけません。そういう意味で、指揮官になるリエナクターは、リエナクトメントを盛り上げるために色々な「仕事」をしなくてはいけません。リエナクトメントでの階級章にはそれ相応の「重さ」があるのです。
 持ち物もできれば考証にあったものを持って欲しいですね。例えばデジタル時計や携帯電話は当時には無かったものですから雰囲気を壊しますよね、個人の持ち物は、個人の嗜好が含まれますから一概に強制は出来ませんが、リエナクトメントの時は、外す、使用しない等のご理解をいただきたいところです。
 戦闘リエナクトメントの場合、どうしても、敵味方の距離が詰まってしまい、敵前20〜10m位で戦闘してしまいがちです。実戦では、敵前200m〜100m位から戦闘が開始されます。なので、
リエナクトメントの時でもその「距離感」を十分に認識して欲しいのですね。
 また、実戦では、地上戦における小火器の弾丸の命中率は4〜7%と言われています。つまり20発撃って、やっと1発が命中するわけです。そんな現実で、戦闘リエナクトメントの時に、
相手に2、3発撃って「おまえ当たったはずだから戦死だ!!」と言い放つのはナンセンスです(もちろん、至近距離で完全に自身を暴露していた場合は違いますが)。リエナクトメントは「ゲーム」ではないので撃った方も撃たれた方も紳士的に対応しましょう。
 
純粋にリエナクトメントを楽しむのであれば、「兵・private」が一番であるといえます。自分の置かれているシチュエーションを存分に堪能することができます。また、「兵」はリエナクトメントの「主役」であり、コアになる存在です。リエナクトメントの真髄は「兵・private」の体験にあるのでしょう。



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