Favorite Movies.
おとなになった君の少年時代の勇気を
おとなになった君の少女の目の優しさを
初恋のきた道(2000年/米=中国映画)
★★★★★
中国の映画もいいものだな〜と思う。この映画はレンタルビデオ屋で気になっていた1本だったがようやく借りることが出来た。中国でも辺境のちいさな村に赴任してきた新任先生にあこがれる少女の思いを綴った物語。
四季の美しさが、それぞれの季節に応じ様々な色に変化する様子。また食べ物の映像がいかにも美味しそうで、まさしく食は中国にあり!とでもいわんばかり。しかし何といっても一番は少女の笑顔の美しさであり、またひたむきさ、熱心さだろうか。プロモーションビデオにも匹敵する表情のアップの数々、そしてみずみずしい映像の連続で引き込まれるものが多々あった。
ストーリーは単純なものだが、中国も大きく変わりつつある中で、過去を振り返った作品を作ったのだろう。食器を大事に使うのもいいものだなあと変なところで納得。使い捨てにならないようなものを選び、大切にしていくことか。質素でありながらも別の面で豊かさを感じる。
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二十四の瞳 (1954(昭和29)年/日本映画)
★★★★★
壷井栄原作、高峰秀子主演の小豆島の岬の分教所を舞台にした作品。実際にあった話を映画化したもの。2002年の夏、小豆島を訪れたことがきっかけで、幼い頃読んだ記憶のある小説をあたらめて映画で見ることに。
モノクロのなかでストーリーが展開されていく。丁寧に描かれた生徒と先生の人物描写に最初から引き込まれていった。島の入り江の蒼さ、棚田の緑......モノクロなのになぜか色彩を感じさせてくれるものがある。人々の生活、昭和の暮らし...素朴さの中に何か懐かしいものを感じた。
先生の生徒への視線が優しい。生徒の先生を慕う気持ちは、成長とともに時代とともに、それでも変わることのないものとして描かれている。小学校に入った頃は、いっしょに学び遊んだ仲間は、やがて貧しさや家庭環境、戦争への足音のなかで、時代の渦に巻き込まれるように翻弄されていく。
浜辺で撮った1枚の記念写真。大石先生といっしょに12人の生徒たちが写っている。生徒は皆この写真をこころに秘めて、大人へと成長していく。振り返ると懐かしい、そして過去の楽しい出来事として内にしまっても、いまを生きる確かな力となっている。幼い頃の記憶を振り返ったとき、いい思い出がたくさんあることは大切なことだと思う。
戦争の後、再会。戦死した生徒もいる。かつての12人の生徒の中で、再会できたものは半数。それでも島は変わることなく人々を迎い入れ、育んでくれる。
瀬戸内に浮かぶ小豆島。当時と変わらない静かな時間の流れがある。
【参考】二十四の瞳映画村HP