「学校支援地域本部」について
- 社会教育・生涯学習に関する規定
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- 学校支援地域本部
- 「社会総がかり」の国民運動
06年12月に改正された教育基本法に学校、家庭、地域の連携協力に関する規定が新たに盛り込まれた。それを受けて、08年6月、社会教育法、図書館法、博物館法(いわゆる社会教育三法)が一部改正された。こうした改革は、これからの市民の生涯学習のあり方を明示しただけでなく、「社会総がかり」で子どもを育てる体制を構築する目的もある。その具体的な施策が学校支援地域本部である。
文部科学省では、平成20年度には全国1800か所、平成21年度予算に64億円を計上し、全国3600か所に学校支援地域本部のモデルを設置する学校支援地域本部事業を始めることとしている。
- 学校支援地域本部のねらい
文部科学省・学校支援地域活性化推進委員会が作成したリーフレット『みんなで支える学校 みんなで育てる子ども─「学校支援地域本部事業」のスタートに当たって─』(08年7月1日)には、学校支援地域本部のねらいとして以下の3点があげられている。
(1)教員や地域の大人が子どもと向き合う時間が増えるなど、学校や地域の教育活動のさらなる充実が図られること(@教員だけでは担いきれない、あるいは必ずしも教員だけがすべて行う必要がない業務について地域が支援することにより、教員が、より教育活動に専念でき、より多くの時間を子どもと向き合うことや授業準備等に充てられる、A子どもたちが地域の大人とふれ合う機会が増え、多様な経験の機会や学習活動、部活動の充実、学校の環境整備等が一層図られるとともに、多くの大人の目で子どもたちを見守ることで、よりきめ細かな教育にもつながる、B子どもの地域に対する理解やボランティアへの関心も高まる)
(2)地域住民が自らの学習成果を生かす場が広がること(地域住民が自らすすんで学校支援活動に参加することは、これまで培ってきた知識や経験を生かす場が広がり、自己実現や生きがいづくりにつながり、「生涯学習の理念」にも適い、社会的にも大きな意義がある)
(3)地域の教育力が向上することが期待されること(地域住民が学校で活動することで地域の教育力が向上し、地域の絆が強まり、地域が活性化することが期待される)
- 学校支援地域本部の基本的なしくみ
学校支援地域本部は、基本的には、「地域コーディネーター」「学校支援ボランティア」「地域教育協議会」から構成される(下図1を参照)
(1)地域コーディネーター
学校支援ボランティアに実際に活動を行ってもらうなど、学校とボランティア、あるいはボランティア間の連絡調整などを行い、学校支援地域本部の実質的な運営を担うもので、その成果を左右する重要な存在である。
(2)学校支援ボランティア
学校管理下の活動が対象となる。ボランティアに対する謝金は国の事業費には含まれないが、ボランティア活動の保険や必要な消耗品等の経費は対象となっている。
(3)地域教育協議会
学校支援地域本部においてどのような支援を行っていくかといった方針などについて企画、立案を行う委員会。
- 事業を実施していくうえでの留意点
学校支援地域本部は、学校と地域のパートナーシップにより、学校を核として地域の教育力を高めていこうとするもので、第一義的には学校の教育活動の支援を目的としている。学校のニーズに応じた支援が行われ、教育活動の充実につながるようにボランティアとの連絡調整はコーディネーターが一元的に行うなど、学校に極力負担をかけない配慮が必要とされる。
その一方で学校側にあっては、積極的に地域と連携して地域ぐるみで子どもを育てていこうとする意識がなければならない。そのためには、校長のリーダーシップの校内外での研修の場等を通じ、教職員の地域との連携協力に対する理解や地域の力をうまく取り入れていくマネジメント能力を深めていくことが求められる。
なお、「学校支援地域本部事業運用方針」(08年5月12日)には、「原則として中学校区を基本的な単位とする学校支援地域本部を設置する」とあり、特に、中学校長の本事業に対する十分な理解が鍵となりそうである。
【 図1 】
ご協力いただける方は、高時小学校、またはお近くのPTA役員までご連絡ください。
皆さまのご協力を、心よりお待ちしています。
- ○教育基本法○
- (学校、家庭及び地域住民等の相互の連携協力)
第13条 学校、家庭及び地域住民その他の関係者は、教育におけるそれぞれの役割と責任を自覚するとともに、相互の連携及び協力に努めるものとする。