「みどりの風に 〜平和・夢・未来〜」の作詞にあたって
この詩のテ−マである＜みどりの風＞は、一冊の書物と図録が着想のきっかけとなっています。
一冊の書物とは、歌人・佐々木幹郎の著書『河内望郷歌』(五柳叢書)に収められている大阪・南河内
の地を素材にしたエッセイ集「緑の風の夢見るところ」です。金剛・葛城・二上や生駒・信貴の山なみに
抱かれて広がる河内平野。その間を流れる大和川と石川。こんもり緑に包まれた大小の古墳・・と、私たち
とんだばやし混声合唱団のふるさと大阪・南河内から浮かんできたキ−ワ−ドが、＜みどりの風＞でした。
その季節は？と問われれば、この地域が一年のうちで最も美しく緑まぶしい5月から初夏の頃でしょうか。
また一冊の図録とは、今年没後30年目を迎える童画家・いわさきちひろの展覧会のカタログです。温かく、
優しいタッチで、清冽な情緒あふれる作品の中に、「みどりの風の中の少女」や「春の野原の子どもたち」
など、生きいきとした緑を色調とする印象的な作品がいくつかあります。
子どもの幸せと平和を願って描き続けたちひろさん。子どもをめぐる痛ましい事件が相次ぎ、また世界の
平和が再び崩れかねない今日、ちひろさんの目線をたどりながら、地域の少年少女合唱団から育ったメンバ−
が中心となって発足した合唱団にふさわしいメッセ−ジを、この詩に込めたいと思いました。
とんだばやし混声合唱団がかつて歌った曲に、「私は風に名前をつける」があります。合唱組曲『心のモザ
イク』(湯山昭作曲/若谷和子作詞)の中の一曲です。ひかる風、なでる風、うたう風・・という具合に、いろ
んな風の呼び方が出てきます。
ここから少しヒントをいただき、＜みどりの風＞を「希望の風」「愛の風」「平和の風」と名づけ、私たち
のメッセ−ジとしました。
大切なものは目には見えないといわれます。今こそ、“心の窓”をあけ、私たちにとって本当に大切なもの
を、“心の目・心の耳”で感じ取り、次代に受け継いでいかなければならないと思います。
新しく誕生する楽曲を通して、地域のすみずみに、さらに時空を超え、まだ見ぬ世界にまで、胸ときめく
歌声の輪を広げていければと願っています。
輝く未来の扉を、より多くの仲間とともに開くために・・・
とんだばやし混声合唱団 岡田重信 (2004年秋 記)
みどりの風に 〜平和・夢・未来〜
作詞 岡田重信
窓を あけてごらん
どこからか 吹いてくる みどりの風
若葉が そよぎ
心ときめく まばゆい光 空を 見上げてごらん
それは 夢を運ぶ 希望の風 どこからか 吹いてくる みどりの風
麦わら帽子が 舞い上がり
静かに浮かぶ 白い雲
耳を すましてごらん それは 地球を包む 平和の風
どこからか 吹いてくる みどりの風
鳥たちが さえずり
遠くに響く 鐘の音 大空に向かって ともに歌おう！
それは 幸せ祈る 愛の風 みどりの風に 限りない夢を乗せて
明日に向かって ともに歌おう！
みどりの風に 限りない夢を乗せて
今を 生きる私たち 窓を あけてごらん
一人一人の願いは ささやかだけれど
かけがえのない いのちの叫び
手をつなごう！
昨日と違う 明日が見えてくる
開こう！輝く未来への扉 こちらでは、当団にとっての宝物。当団委嘱・源田俊一郎作曲作品についてご紹介いたします。
 「みどりの風に 〜平和・夢・未来〜 」 岡田重信：作詞 源田俊一郎：作曲 完成 2012/02/25 初演 2012/07/15 2012年7月15日の第16回定期演奏会で初演を いたしました。 会場一杯のお客様にお立会いいただき、また、東京から 作曲家の源田俊一郎先生にもお越しをいただき盛会の 中で無事ご披露することができました。 |
 組曲化混声合唱とピアノのための組曲 「みどりの風に 〜平和・夢・未来〜 」 １．桜の頃 米澤美智子：作詞 源田俊一郎：作曲 You Tube ２．ルリビタキ 芝田敦：作詞 源田俊一郎：作曲 You Tube ３．小さなレクイエム 平川尚三：作詞 源田俊一郎：作曲 You Tube ４．おもい 貞松朋子：作詞 源田俊一郎：作曲 You Tube ５．みどりの風に 岡田重信：作詞 源田俊一郎：作曲 You Tube 完成 2014/01/25 初演 2015/07/19 2015年7月19日の第19回定期演奏会で初演をいたしました。 会場一杯のお客様にお立会いいただき、また、東京から作曲家の源田俊一郎先生ご夫妻 にお越しをいただき盛会の中で無事ご披露することができました。 |
