日本理論心理学会小史

本学会は、昭和31年「理論心理学談話会」として活動を始めた。その前年(昭和30年)、京都大学で開かれた心理学会において原理部門で発表した研究者・関係者の間に、心理学の理論に関して同好の士が集まり談話会を開催したい、との話が持ち上がり、翌昭和315月に最初の理論心理学談話会が開催された。以来、「(1)多人数の形式的参加を求めず、小学会の長所を生かす。しかし、これは閉鎖的な性格を意味するものではなく、同好者の勧誘は望ましい。(2)年次大会は、小人数の話題をゆっくり聴き、全参加者が討論するようにしたい。」を会員の共通了解事項として、心理学の理論的研究を促進し心理学の発展に寄与することを目的として活動を続け、平成17年、創立50周年を迎えた。

   創立の年、5月と7月に2度の談話会が立教大学文学部で開かれ、その後は毎年1度の研究集会が開催されている。昭和39年度から、会の名称が「理論心理学会」に改められ、「日本理論心理学会」となったのは昭和51年のことであった。

最初の会誌『理論心理学談話会抄録』が創立の翌年920日に(第12号合併号)発行され、創立年の2談話会の内容が報告されている。主に研究集会の内容を報告する会誌は、その後、第37合併号が『理論心理学談話会抄録・記録集』(昭和37年発行)、第8〜11合併号からは『理論心理学会会報』、「日本理論心理学会」となった後の第2223合併号からは『日本理論心理学会年報』と名称を変えている。年報は34号の後、3年間発行されていないが、第3537回大会の内容は発表要旨集で知ることができる。平成11年度に年報を廃して『理論心理学研究』を創刊してからは、大会の発表内容を当誌の年次大会報告欄に掲載すると同時に、投稿論文を掲載するようになった。

50周年となった平成17年度は、奈良女子大文学部で51回大会が開催された。創立から51回大会までの研究集会の話題・発表テーマおよび投稿論文等のテーマを「日本理論心理学会 研究テーマ総覧―1956-2005」として『理論心理学研究』第71号(2005.12.31)発行の号末に掲載した。

過去50年間の研究集会の形態を見ると、談話会・理論心理学会時代は、1集会あたり23名が話題を提供しそれぞれの話題について参加者で討議するというスタイルをとっている。談話会の案内によれば、話題提供・討議ともそれぞれ4050分で行われていた模様である。第21回理論心理学会からシンポジウムと個人発表という現在の形態になっている。第29回大会の要旨集を見ると、1シンポジウムに3時間、個人発表に一人当たり45分を当てている。現在は、シンポジウム34時間、個人発表3040分であるから、ほぼ同等である。会期は、記録の残っている範囲で言えば、第37回大会までは第1回談話会を除いて1日間で、その後は通常2日間で開催するようになっている。シンポジウムは通常1大会1テーマであるが、第42回大会では2つのシンポジウム、また、第50回大会では1つのシンポジウムのほか2つの企画セッションが取り入れられた。

話題となった発表のテーマは心理学の理論に関するものであるが、その内容と立場は創立の時代から大変幅が広く、心理学のすべての分野の理論を覆い、その研究の立場も科学的立場から哲学的立場まで多岐にわたっている。

執筆者:事務局長 大沼 徹


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