ビオトープ池を作ったよ

家の庭にビオトープ池を作りました。その製作記を、、、

@計画編

 家を建て、庭を作る時に池を作ることは決めていたのですが、庭には木をいっぱい植えて、池を作ろう。そしていろんな生き物が集う場所にしたい。  そんなイメージで設計しました

 池の底は、ホームビオトープ用に売っている遮水シートや、コンクリートを打つのが一般的なようですが、ベントナイト(粘土)での遮水に挑戦することにしました。

 庭木とのバランスを考えて流れの部分と、たまりの部分を作ります。普段眺める方向に向かってくるように設計するのが、植木屋界のセオリーらしいのですが、オーバーフローの排水は、道路側にしたいので、手前から奥に流れ込む形になります。

 池からオーバーフローした水を、上流に返すことにしますが、制御はどうしよう、、、やりながら考えることにします。

A整地:地面を整え、水勾配を決め、排水パイプを埋める

 庭木を植えながら、土を掘り返して池の形を整えます。いの一番にやることは、排水の高さを決めることです。決めるといってもオーバーフロした水を、自然落下で排水するので、おのずと高さが決まります。そこに流れ込む上流側も、自然と高さが決められてしまいます。水の流れを思い通りに操るのは、思いのほか大変です。

敷地外の側溝に流れ出るようにするため、土留めを打つ時点で、パイプの高さを決めておき、穴をあけておきました。作業しているのは、山の仲間たちです。

  

池のオーバーフロー水は下り勾配で、土留めの寸前にある集水枡に一旦溜まり、ここから水中ポンプで上流に戻す仕組みです。

水中ポンプでさばききれない分は、土留めのコンクリートを突き抜け、屋外に排出されます。

この最終排水パイプは、池からのパイプより低い位置であり、排水口は池の想定水位より低くなければいけません。(このシステムの中で一番低い位置)

B遮水用にベントナイトの貼り付けと、池底の製作。

いよいよ、ベントナイトを敷設します。池の部分にメリハリをつけ、ベントナイトシートを張る部分は平らにならします。

   

通気性のあるシートにベントナイトをまぶしたロール状のシートと、粒状のベントナイトを併用して施工します。

   

ベントナイトは水を含むと膨張し、穴をふさぐ効果があり、水を入れてこねると恐ろしく粘ります。

   

排水の部分は、漏れやすいので念入りに加工します。パイプは後ほど現合切断するので、長めにしておきます。 

  

シート同士の重なり部に、粉末ベントナイトを塗布します。シートはホチキス状の針金で打ちつけます。

  

池底の全面にシートを張ります。シートは重く、見た目より大変です。作業しているのは山仲間でもある植木屋の橘君、手伝っているのは細君です。

だんだん池の形が見えてきました。予定の本数を使い切りました。

  

ベントナイトと赤土を混ぜて、池底に塗る土を作ります。思った以上に粘るため、コネコネマシーンのモーターから煙が、、、

  

この手のシートは、水底より肩の部分からの水漏れに注意するそうです。作った土を肩の部分まで、しっかり塗りあげます。

C完成と注水

  

一応全体に土をぬり終えた状態です。水は漏れていないようですが、実際はわかりません。

最初は、自然に降った雨だけで水をためる予定でしたが待ち切れずに井戸水をためてしまいました。

  

半月後には、待望の生物が泳いでいました(何かの幼虫)。その翌日、近所の田んぼでメダカとクチボソを採取し、放しました。 

D仕上げ

  

石を置いて、水辺の草を植えるといよいよ池らしくなってきました。水が透明になるのは時間がかかりました。

   

野芝と杉苔を植えたら、とりあえず出来上がり。

  

水の上流側に、ウイスキー用の樽を置いて、一旦ここに水をため、地面の下を通したホースから、水源に水を湧き出させる予定です。

写真では寝ころんでいますが、もちろん縦に使います。鏡板を外した樽は思いのほか弱く、後で補強をしたり、漏れ止めをしたりしています。

樽には、池からのオーバーフロー水が帰ってくるので、それで循環します。水が足らなくなったら、ボールタップで井戸水を自動的に補給します。

オーバーフロー側の水中ポンプは、当初まわしっぱなしでしたが、うまくいかないので、オーバーフローの枡に水位制御用の電極を設置して自動制御しています。

樽から出る水も、樽の下側から水量を絞って出していましたが、泥が一緒に出てしまうので、オーバーフロー式にしたところ、沈降濾過されたきれいな水が流れ出るようになりました。(樽はいつ掃除するのだろうか?)

屋根からの雨水も樽に落ちるようにしたため、雨の日は樽が溢れているのにもかかわらず、ポンプが回っているので、樽側にも電極を設置して、樽が満水になった時はポンプの動きを止めて排水するようにします。

E生物たち

   

カエルもやってきて、池はにぎやかになってきました。トウキョウダルマガエルでいいのかな?(8月)右のヒツジ草は花期が長くて楽しませてくれる。

  

シオカラトンボとクロイトトンボ(8月)

 

10月も過ぎて緑も落ち着きました。

 

メジロ,ルリビタキ,ジュウビタキの水浴び。その他、シジュウカラ、ヤマガラ、シメなどが遊びに来ます。

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