白日夢  第十九の幻 (平成十五年十一月十五日)

“ANOTHER DAY”TOWARD A NEW DAY ENCORE TOUR〜新宿 LIQID ROOM〜に参戦して参りました!

 

 初日、本能のママに楽しんだ為、曲順なんぞさっぱり覚えていなかったワタクシ。ちょっと理性的に、とっくり見ようと己に課したこの最終日。はてさて……。

『STEPPIN' OUT』〜イントロに乗ってメンバー登場。歌直前にACEさんが飛び込んでバシッと始まる。このキチキチとしたタイミング、ステキ。
 しかも全員スーツだ。カッコイイ〜!……んだけど、しまっち、リーゼント&細目のグラサン。白いシャツにノーネクタイ、ジャケットを羽織っただけの崩した着方。気志團か、銀蠅か!?って感じ。どうしちゃったの〜!

 「Good evening東京!」高らかに一声。そのACEさんの声に会場大盛り上がり。そのまま、

『SPIRAL STEP』
『SPEED OF LIFE』
 と、二曲続き。

 「こんばんはー!え〜、face to aceがお送りする“'80オータムフェスタ秋の味覚日本列島丸かじり。どうする?どうなる!?冬のダイエット…”(まだ何やら続いた。TVの二時間サスペンスドラマか旅番組並みの長さだった)
 一気に言わないと忘れる(笑)
 ここリキッドルームにて、体脂肪を燃焼させましょう。冷え性でお悩みの方、きっと殆どの人がそうでしょう。ね?こちらにお集まりのあるある会員の皆さん(笑)最適なエクササイズ、適度な運動によって体脂肪を燃焼させましょう。えー、後ほど、二ヶ月で10s減というダイエットを成功させたスペシャルゲストをお呼びしたいと思っております。是非、メモのご用意を」
 のっけから長いMCだ!というか、長いツアータイトルだ!しかも、発表する度にタイトルが違っているんだけど!?
 初日同様、喉を鍛えてこのライブツアーに挑んだという話も。喉立て臥せの他に、ヒンズー喉ワット一日20回3セット、反復喉飛びも3セットと、メニューが増えていた(笑)
 「ですのでね、今日は元気良く唄います」

『THE RIDDLE』曲の後半、ピアニカを持ってフロントに出てくる本田さん。

 「今回のツアーでは全国の皆様に、私の身に起こった出来事をお知らせ……我が身の恥を!全国各地でお送りして参りましたが、今日を持って、この話に封印をしたいと思います。
 昨年11月、中野サンプラザでのライブを終え、一ヶ月程たったある日……」
 案の定、外反母趾の話だ。パネルを出す時に、「はいビリー、パネルを」と、しまっちに呼びかけた。今日のしまっちは、ビリーっていうんだ(笑)
 パネルも工夫が施され、余りにも酷く骨が突き出ている画まで用意されていた。そんな小ネタを用意するミュージシャンって……。
 「ちゃんとシューフィッターさんが居るトコで調べてもらって。今、そういうお店有りますからね。いくらお洒落な靴でも、自分の足に合わないのは、履かないように!これが言いたかったんです」
 というと、ACEさんは、足に合わない靴を履いていたわけ?
 通販で買った〈外反母趾矯正ベルト〉をお風呂上がりに一時間ほど巻いて約一ヶ月程で治り、今では、関東甲信越地方で素敵な右足と名高いんだそうで(笑)
 「さっそくエクササイズの続きを。少しずつストレッチを兼ねながら。いきなりこんなの(拳を振り上げる仕草)やったら、明後日くらいに筋肉痛でしょ?まあ、そんな曲はあんまりないけど。次の日に(痛みを)出したかったら、出してみろ!(笑)
 次のストレッチです。『HOW SILLY!』」

『HOW SILLY!』
『オルフェウスの朝』
『PROMISES PROMISES』

『HOW SILLY!』から『オルフェウスの朝』の曲の移り変わりの時、初日はぶっこトラブルがあった。ACEさんも、せっかく拍に合わせてクルッとターンして決めたのに、苦笑いで仕切り直した曲。今回はバッチリ決まった!

 「昨年のサンプラの次の日、住んでいるマンションの住民の為の組合があって、出席しました。で、満場一致で、わたくし副理事長となりまして……。今年の四月から副理事長でございます。こう見えても、偉いんです(笑)もう、昨年から言いたかった!みなさんも、セキュリティや住民同士のトラブルがありましたら、是非ご相談を」

 「今回のツアー、今日で7本目。最後です。もっとやりたいと思っています。とても実りの多いツアーでした」と、しんみり振り返るACEさん。良いところ、悪いところ発見だらけだったそうだ。
 実りの多いこのツアーを作ってくれた、この日集まった人、他の会場でも楽しんでくれた人みんなへ感謝を込めて、と

『桜』

 「……ありがとうございました。face to aceの音楽を聞くことによって心が軽くなったら嬉しいです」続く曲は、

『栞』
『a new day』
『CLOUDY DAY』
『MISSING WORD』
『早春』

 柔らかな曲が続く。『早春』はCDに収められているバージョンよりも、もっとキラキラとした明るさが強く感じられた。
 しっとりした余韻の中、スタッフからギターを受け取ったACEさん深呼吸。放った言葉は、

 「お遊びはここまでだ!(ちょっぴり“長官”チックな低い声で、挑発気味。しかしすぐに素に戻る)
 ここから本格的にハードなエクササイズになります(笑)
 何も考えないで、思考停止に陥ってください。3,2,1ハイ!!(観客、リアクションの取り方が分からず、とりあえず呆然となる)……どうやら既になっていたようですね。……行くぜ!」と、ハードな曲三連チャン。

『STREET GAME』
『がらすのゆめ』
『月夜のケモノたち』

 初日にも演奏しているし、以前のツアーの時にも演奏して知っているのに、改めて、ハードな曲を弾いているACEさんに惚れ直してしまった。「あぁ〜〜〜、カッコイイ〜〜〜」ってヘロヘロになっていたワタクシだった。硬派な格好良さに腰砕けるわ(笑)
 バラードを唄っている時の甘さにとろけて、MCのすっとぼけ具合に大笑いして、もう、どうしよう?ま、いいか。思考停止中だしっ!

 「どうもありがとー!」
 ステージのみんなニコニコで本編終了。
 引っ込んで間もないのに、すぐさま「アンコール!!」の声が上がる。

 本編最後のいい雰囲気そのままでアンコールへ。
 サポートメンバーはツアーグッズの黒Tシャツで登場。ftaのお二人はジャケットを脱いだだけ。

『カラックスの白日夢』
『Bring You Back To Me』

 2曲を終え、首にタオルを引っかけて、すっかりおくつろぎモードのACEさん。「気持ちいいネ〜」と笑顔もユル〜リ。
 「アンコールどうもありがとう!サイッコーに楽しいです。今日来てくれた人、スタッフ、全ての人にありがとう」
 もう、このライブ中、何度「ありがとう」と発言されたことか。そして、その“ありがとう”の要因、ツアーサポートメンバーの紹介へ。

●しまっち編
 「彼の成長っぷりには、わたくしついていけません(笑)」とACEさんは大笑い。
 なにしろこの日のしまっちの格好と言ったら……。勿論、それだけじゃなくて演奏面が実に良い!という事も言っている。
 「今回は、ギターソロもやって貰っちゃったりしてね」としまっち大活躍をねぎらうACEさん。
 「今回、しまっちは凄いんですよ〜。一昨日の日曜日は大阪でftaのライブ、昨日の月曜日は帰ってきてスウィンギング・ポプシクルのライブ。で、今日はface to aceリキッドルーム。ね?凄いでしょ。売れっ子ですねー。……あやかりたい!!いや〜、ツルカメ、ツルカメ」拝まれちゃうしまっち。
 しまっちは、横でずっとニコニコとしていた。

●YANZ編
 相変わらず、ベタ褒めするACEさん。しかし、「いつ、このセンターの位置を奪われるか!」と気が気でないらしい(笑)
 ステージ立ち位置のお互いの間にまきびしを撒いてセンターへの侵入を防がねば!と結構マジ。
 下克上が果たされたとしたら。……YANZが唄うのかぁ。ちょっと見てみたい
 「12月5日、中目黒の楽屋(らくや)でライブがあります。ドラムの西ヤンと一緒にやります。ドリンク付きで、フードもあります。ということは、えー……ディナーショーですね(笑)是非、来て下さい」
 と、YANZからライブの告知も。
 “楽屋”という場所は、最近改装されて収容人数もちょっぴり増えたそうだ。(50人が80人に)
 「彼はホントにね、歌上手いのよ。で、ギターも弾いちゃうし。もー……」
 微妙に嫉妬の混じる声だが(笑)きっちりお薦めするACEさん。「YANZくんのライブ、ぜひ足をお運び下さい」
 さて。次はライブ冒頭で告知のあったスペシャルゲストの登場!ドラムの西ヤンだ!

●西ヤン編
 「なにしろ、二ヶ月で10kg減を目の当たりにしていまして……」
 そういわれると、ツアー初日と比べて細くなったと思えてしまう。
 ここからは西ヤンのダイエット講座。「皆さん、メモの用意はいいですか?聞き逃せませんよ」と怪しい販促員になるACEさん。
 西ヤン講師(笑)は低インシュリンダイエットで二ヶ月という短期間に10kg減。そして現在も引き続きダイエット中。講師によると、
 「あのね。パスタもご飯も食べたって良いんです。炭水化物は構わないんです。ただ!気を付けて欲しいのはGI値の高い物は食べちゃダメ!!ジャガイモなんかはダメ!」……でも、ご飯(白米)ってGI値高いのでは?食べても良いの?教えて、講師サマ!!
 そして、栄養バランスを考えるのは当然。ダイエットを始めてから今まで全く食べられなかった納豆が食べられるようになったという。
 「ホント、どうしてもダメだったんだけどね、奥さんがオクラを混ぜたりね工夫してくれたんで、食ってみたら「あ、大丈夫じゃん!」って(笑)」
 はいはい、奥様のおかげですね。なんだか、可愛いぞ。
 「みんな、頑張りましょう!僕もまだまだ頑張ります!!」
 頑張れ〜!って拍手と共にACEさん「メモ取れましたか?まあ、俺はダイエットは……」関係無いって風な口振りだったが。本当か?本当に関係ないってか!?(笑) 

●本田海月編
 「彼、無くしてはface to aceは有り得ない。相棒です」とACEさんから紹介され、本田トークの始まり始まり〜。
 「よく、お手紙やメールでも「海月さん、もっとお話ししてください」とか、中には「海月喋れ!」とか脅迫めいたことも言われるんですが、ホント苦手なので……」と演奏中のノリノリが嘘のようにおとなしい本田さん。苦手というトークを考え考え進める。
 今回のツアーは本当に実になるところばかりでとても楽しかったという。良いところは更に伸ばし、悪いところはすぐに直す。そういう対処がすぐに取れた。その結果、ツアー真っ最中に機材の配置転換という前代未聞の大騒動が!
 今までぶっこは本田さんの側に置き、本田さん自身が動かしていたが、「演奏中の本田さんの振動がぶっこに悪影響を与える」というので、振動の及ばないステージ袖のスタッフに動かしてもらう事に。
 ホントにトークは苦手なんだけど、と何度も前置きしつつ、
 「これだけは言わせて下さい!今回のツアーに参加してくれた人、全てがface to aceのライブスタッフです。そして次回、もっとパワーアップして皆さんの前に帰ってくることを、この場でお約束します!みんな、来てくれてありがとう!!」
 苦手だなんて信じられないくらい、嬉しく、力強い約束の言葉。さて。その次回とはいつになるだろう?

『IT'S ALL A GAME』
『RAIN』
『ノンフィクション』

 ここまで来ちゃうと(曲順が初日と同じだった為に進行が分かってしまっている・笑)、「ああ〜、もうライブも終わりなんだ」とちょっとしんみりしながら、でも、最後まではじけちゃうぞ!と賢い消費者であるワタクシ、しっかり楽しむ。
 『ノンフィクション』での間奏中、「次のライブは絶対、もっと良いライブにします!」とACEさんの宣言もあった。
  曲最後のコーラスを観客との掛け合いで繰り返す。
 「♪抱きしめた」「♪いつまでも」は歌詞の通りだが、他のバージョンも。これがまた、上手いこと歌詞とハマルもんで(笑)「♪もう一度」「♪聞こえない」「♪これが最後」と、本当に最後。
 ステージのみんなは本当に晴れやかな笑顔で、
 「みんな、ありがとうー!」とステージを降りた。

 大きな拍手はいつまでも止まず、またもや「アンコール!!」の声が。
 アンコールはかけてみるもんだ。照れくさそうなみんなが戻ってきた。
 ステージのみんなは顔を見合わせ笑いながら、「ありがとう」と頭を下げる。更に大きくなる拍手と歓声。 穏やかな空気の中でACEさん、
 「アンコールありがとう!もう一曲やっちゃいます!」
 ……ええ!?マジ?嬉しい〜急遽もう一曲の演奏。

『残像』

 本当に最後の演奏を終えたみんなと観客であるワタクシ達、どちらも名残惜しい想いタラタラでこの日のライブは終わった。
 マイクを通さない生声で
「愛してるよー!」と叫んだACEさん。この日の楽しさ、充実感、名残惜しさは、この一言に集約されていたかも。
 本田さんも、ソレを受けて(?)生声で叫んだんだけど、観客に背を向けて叫んだからこちらには聞こえなかった。でもきっと、ワタクシ達が聞いたら嬉しくなっちゃう事だよね。

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