白日夢  第十八の幻 (平成十五年十一月十五日)

“ANOTHER DAY”TOWARD A NEW DAY ENCORE TOUR〜横浜 BAY HALL〜に参戦して参りました!

 

 春、三カ所だけのライヴには何処にも行けなかったので、このツアーこそは!と気合いを入れ……。入れすぎてうっかりチケットを二重買いなんて事までしちまった。
 妙な気合いは空回りしたようで、開演時間ギリギリに会場へ駆け込んだ。入ってビックリ。フロアにはステージ幅と同じ間隔で四角い柱が立っている。四本も。フロアのどっち寄りからでも、柱が邪魔でステージが見えにくい!
 柱の間に入らないと、ステージセンターの位置に入らないと、全体が見えないのだ。ちっくしょー!こんな会場だと知っていれば、こんなギリギリにならないように気を付けたのに〜。
 人の隙間を縫って、見やすい場所を陣取る。時計を見れば、もう、開演時間だ。会場には聞いたことのない(ワタクシが無知なだけである)楽曲、'80っぽい洋楽が流れていた。なんか、ちょっと懐かし雰囲気のクラブっぽい?

 ずっと会場に流れていた洋楽に被さるように、キーボードの音色が聞こえた。あ、この曲は……!
 一曲目、『STEPPIN OUT』。
 イントロに乗ってメンバー登場!立て続けに5曲ほど演奏し、一息つく。

 おやおや?なんだ?ちょっと気になるぞ。ワタクシの立ち位置が良くなかったのか、音響の調整か分からないけど、ベースの音が少し強すぎて低音が綺麗に響いてなかった。ウウ〜〜〜、気になる〜!

 今回は“動”の色が強い。今までのライヴではふんわり、まったりとした空気だったのが、踊らなきゃ!って感じ。

 「イエ〜イ!!横浜ー!」
 ここのトコお馴染みな、ACEさん特有のふんわりとした挨拶ではなく、ちょっと聖飢魔II時代を思い出させる、低い声で。かと思えば一転して、
 「……たそがれ、ホテルの小部屋〜♪」歌に繋げるし(笑)先ずは笑いからか。そしていつもどおりの柔らかい声で、
 「え〜、品質の良いface to aceをお届けします」
 会場を見渡して、ACEさん、
 「ツアー初日にこんなに集まって下さいまして……ホントにありがとうございます。中には、「とりあえず1回見ておくか」という方もいらっしゃるかと思います。
 ええ、賢い消費者として、当然のことです。何千円も払ってね、何だ、こんなモンかという事があっちゃあね、たまったもんじゃありません」
 賢い消費者たるワタクシ達を納得させるため、ボーカリストとしてようやく自覚の芽生えたACEさんは、努力の毎日だという。
 「あるところで「プロポリスってノドに良いんだって」と聞けば、プロポリスを口にし、喉立て臥せを毎日50回」
 プロポリス飲むのも良いけど、煙草減らした方が格段に良いと思いますが、ACEさん。と、MC中に密かに突っ込んでみた。
 それから、“喉立て臥せ”って?(笑)
 「喉立て臥せとは……どんなだかは、皆さんのご想像におまかせしまして」って、ええ?おまかせにしちゃうの!?
 ともかく、「最高の品質のface to ace」のライヴが繰り広げられるのだ!

 「“若さ”とは良いことばかりではなくて……。こう、敷き布団を三つにたたんで、その中に頭突っ込んで「ア〜〜〜ッ!!」って叫びたい。そんなこともありますね。
 デートの時、コインロッカーに花束を……薔薇の花束をですね、入れて置いて、別れ際にロッカーの鍵を渡して、花をプレゼント。なんてねぇ〜、そんな事もやっちゃってですね……。昔、学生の頃ですよ。
 ブラブラ歩いてね、ユーミンの歌にも出てきますけど、ドルフィンで食事してね、別れ際、駅で、ねえ」
 歯切れ悪く、めちゃくちゃ照れながら言うACEさん。
 余りにもロマンチックな事で、会場中、何とも言えない忍び笑いでいっぱいだった。
 「それがですね、そこの石川町のコインロッカーで(笑)。駅で、別れなくちゃいけなかったんでね。彼女は大学の寮に住んでたもんですから」
 石川町駅近くの大学寮?土地勘のある人にはピンとくる話。会場からも学校名が分かった方が居たようで、
 「え〜ぇ、フェリスですぅ〜」と言い捨てた。顔をしかめながら、語気もきつく言った言葉だったが、ものすごく照れているのがよく分かる。
 敷き布団に頭突っ込んで叫びたい程の事をやっちゃった思い出の街は、他に鎌倉と吉祥寺だそうな。
 すかさず「聞きたいー!」と声が上がったが、「うるせぇ!」と逆ギレするACEさん。
 「まあ、そんなね、若いっていうのは決して良いことばかりでなく、敷き布団に頭突っ込んで「ウワァ〜〜!」って叫びたくなる事もあるわけでして」
 そんな枕を振ってからの曲は『HOW SILLY』狙いすぎよ(笑)。
 そのまま『オルフェウスの朝』に流れ込む。綺麗に流れ……あれ?音が止まった。
 ぶっこ(本田さんの愛機macちゃん)トラブル!一瞬、本田さんが固まった。緊急措置として再びMCへ。
 「……え〜……。最高の品質のface to aceをお届けしますが(笑)何しろ相手はmacですから。そうこちらの都合通りには行きません。それにしてもmac G5。あれは、なんなんでしょうね。あんなの、人類はどうやって使いこなせるんでしょうかね?」
 喋り続けるACEさん、その間、本田さんはぶっこの微調整にかかりっきり。程なく「大丈夫!」と本田さんからGOサイン。
 「今日のぶっこはご機嫌が良い様です」とホッとするACEさん。もう一度『オルフェウスの朝』。
 後日、ぶっこトラブルの原因は振動と判明。ぶっこの側では本田さんがノリノリで踊りまくって演奏をしている。その振動が良くなかったらしい。現在本田さんは、蕎麦屋のバイクでお馴染みのスプリングを導入しようか、と検討中?

 「昨年、中野サンプラザでのライブを終え、しばらくしてから……十二月くらい。ある夜風呂に入っててふと気付いたんですよ。「あれ?なんだこりゃ?」って。右足親指の付け根が出っ張っているです!」
 ここで、しまっちに「すみませんアレを……」と大きなパネルを持ってきてもらう。
 「そう、外反母趾です!」ACEさん手書きと思われる外反母趾状態の右足図を掲げるしまっち。
 「風呂から出て、すぐに外反母趾矯正ベルトなる物をですね、通販で購入しまして(笑)それから約一ヶ月、ゴム製の矯正ベルトを夜に一時間ほど巻いてですね、治りました!でもね、全然痛くなかったんですよねえ。痛いと、ホント大変らしいですね。
 皆さんもね、つま先の尖った靴は止めて、シューフィッターさんの居る店で靴を選びましょう。
 ……いや〜、やっと言えてスッキリした!(笑)」
 しかし、通販の矯正ベルトって、胡散臭いよねえ。ちゃんと治って良かったね、ACEさん。

 穏やかで心地よい空間を作ってくれるface to ace。アッという間にライブは終了。
 「みんな、ありがとう!」ってニコニコ顔のステージの皆さん。その笑顔は観客のワタクシ達が本当に楽しめたライブだったからだろうと自画自賛。
 だって、も〜……本当に気持ちよかったんだもの。
 おまけにアンコール中に本田さんが客席に投げたタオルがワタクシの方へ!キャーー……しかし、ワタクシの頭を飛び越えて、すぐ後ろの人がキャッチ!取り損ねた〜、悔しいっ!!

 ドリンクサービスのあるバーカウンターでは、この会場特製のカクテル ACE のメニューがあった。粋なことやるじゃん、BAY HALL!
 しかし、入場時のドリンクチケットではこのカクテルは頼めない。別途\500が出せない金欠のワタクシだった(涙)悔しいっ!!
 落ち着いた深い赤のカクテル。カシス系かな〜?それにしても、ACEさんのカラーはやっぱり赤? 聖飢魔IIプロデュースのカラオケ店のスペシャルカクテルメニューでも、ACEカクテルは赤だった。
 どこかの会場でも、こういう企画があると楽しいな。場所丸ごとアーティストの空間って感じがして会場の印象もイイ感じ
 ライブ中、少し気になっていたベース音も、こういう会場特有のサービスで、帳消し!

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