白日夢  第十三の幻 (平成十四年十二月十四日)

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 山野楽器イベントスペース・JAM SPOTでのイベントは今回で2度目。4枚目のシングル『RAIN』と2本目のプロモーションビデオ『AFTER RAIN』の予約購入者だけが参加できる、特典イベント。
 今回も一日に2ステージという忙しいスケジュール。で、ワタクシが参加したのは1st.ステージ。開演は午後3時半という、昼の部。あいにくのクラウディ・デイでしたが、気持ちは晴れやか。会社を抜け出して行ってきましたよ〜
 途中、ポツンと雨粒が当たり、「何も、『RAIN』の発売記念イベントだからって降らなくても……」
 はい。これは余談です。

 予定時刻よりも5分遅れての入場、開演。前回はステージ前に30〜40人は座れる椅子席があったんだが、今回は全員立ち見。その方が、より沢山の人が入れるもんね。
 一通り入場が済んだところで司会の方が登場。リハーサルが押した為、開始が少し遅れる旨を報告。
 会場を見回して、「こんなに大勢の女性の前で少々緊張しております、司会のベンジャミンあさいです」ベンジャミンって……(笑)
 山野楽器のスタッフの方だろうか?トークのノリが妙に場慣れしている不思議な人物。時代劇に良く登場する、人のイイ番頭さん、なノリ。
 自己紹介を済ませ、どうして良いのかベンジャミンあさいとワタクシたち客席の間に微妙な間が空いた。半ば苦し紛れに出たベンジャミンの「フェイストゥーエィスッ!」の呼び声に目一杯戸惑いの色を隠しきれないこちら側の「……イ、イエーイ?」それでも繰り返される「フェイストゥーエィスッ!」「イエーイ!」何度かやれば慣れるモンで、空気がずいぶんと柔らかくなった。
 「みなさん、新曲はどうですか?」と客席に問いかける。即座に「サイコー」と答える。コール&レスポンスの素早い事。
 「この間、ライブがありましたね?サンプラザに行った人!」ザッと音がした。会場中が挙手したのだ。す、すげえ。手を挙げなかったのは、ワタクシくらいかも(涙)だ、だって。だってなんだも〜ん……。
 「face to aceのお二人に登場していただく前にPVを見ていただきましょう。もう少しお待ち下さいね」と、PV『RAIN』が上映。ステージ後ろの白い壁に映し出される映像。はぁぁ〜、大きいACEさん
 見ながら口ずさんでいたワタクシ。視野に入る中で同じく唄っている人を発見。やっぱり唄っちゃうよねえ。
 「いや〜、ACEさんカッコイイですよね。この『RAIN』はダウンタウンDXのエンディングになっていましたね。「あ、face to ace!」と思ったらドンドンちっちゃくなっちゃってね、もっと大きく見せろ!なんて思ったりね」うんうん。画面一杯に映るのはほんのワンフレーズだけだから。でも、エンディングとしての使用は10・11月だけ。もう、テレビでは映らないのよ〜。その分、家でじっくり見られるビデオでひたひたに頭まで浸かってやる〜。
 
 「お待たせしました、face to aceの登場です」
 本当、長いこと待ってました!朝一で整理券取って、5分押しで開始されてようやく!!今回のイベントではACEさん、本田海月さんお二人で登場!(ここまで来るのにこの文章も長いしなあ)
 「え〜……本日はようこそ」と相変わらず低姿勢のACEさん。本田さんはキーボードの前でニコニコ。
 「このイベントはCDとビデオの両方を予約して頂けた方がいらっしゃるんですよね?この社会経済が不安定にもかかわらず、CDとビデオのご購入、誠にありがとうございます」二人ともペコリ、と頭を下げる。
 「本当に有り難い。だって、入ってる曲被ってるんですよ!(笑)もう……重ね重ね……」とまたペコリ。
 「ところでね、マキシシングル『RAIN』ですが、なんと!山野楽器さんでの週間売上チャートで1位を取ってしまいまして……」と、得意げに二人とも腰に手を当て胸を反らす。おおー!何と1位。会場から拍手がわき起こる。
 本田さんが力強く、
 「あの、一番上の棚に我々の『RAIN』が!」
 「一番上の左にね。これはもう、何かの陰謀かと。国家の陰謀ではないかと思えてしまう」
 「え?陰謀なの?」
 「そう。我々を1位にしておいて、その隙にKIRINの淡麗を増税するっていうね(笑)」
 ACEさん、“face to aceの1位は国家の陰謀説”を披露。なんか、話の規模がデカイのかセコイのか?
 国家陰謀説はまあ、おいておくとして(笑)せっかくステージにキーボードとギターがセッティングされているのを有効にするため、演奏を始める。
 曲は『CLOUDY DAY』

 エレアコ1本とキーボード。リズムは本田さんのmacちゃんが担当。このスタイルは……秋に行われた沖縄旅行でのミニライブと同じだそうだ。沖縄の時にはmacちゃんのトラブルがあったらしく、二人とも苦笑しながら「懲りずに何とかやってみます」
 会場は二人の奏でる音でうっとりムード。この時ACEさんが使っていたエレアコは『CLOUDY DAY』のPVで使っているものと同じかもしれない。
 トラブルも起きずに演奏完了。ホッとするお二人。
 「この『CLOUDY DAY』はね、思い入れがあって……もっと売れても良かったんじゃねえかな?って(笑)」
 そういう思い入れではなく、この曲はface to ace初のライブツアーの最中に作ろうと思ったけどやっぱりライブ中は曲作りはダメだねっていうのが分かったキッカケの曲。ツアーが終わると同時に『CLOUDY DAY』に取りかかったそうな。
 今年のface to aceさんは突っ走った一年。アルバム一枚、シングル四枚、PVも2本発売とは、こりゃ忙しい。そして今は来年発売のアルバムのレコーディングを終えたばかり。
 「この不況の中で、忙しいのは良いことと申しますが……忙しいのも限度があるよね(笑)前のバンドの時でもこんなに忙しかったのそうないもの」
 「ようやく、ホッとしているよね」
 二人して忙しかったこの一年を振り返る。

 「では、そのアルバムの中の一曲を……face to aceの中では特殊な曲かも知れない。でも、今後こういう曲ばかりになる訳じゃないから」
 そんな前振りで始まった『栞』
 そんな前振り……どんな曲よ!?どれだけ特殊になっちゃってるの?ドキドキしながら耳を傾ける。
 演奏中のライティングがとても効果的に曲を見せてくれる。そして、曲が特殊と言うよりも、詩の切り口が今までになかったなあという特殊さ。移り変わる時間、場面にはそれぞれの色があるよな〜と。で、その過ぎてしまった時間を留めておきたいとも思うよなあ……。
 ふふふ、ワタクシが栞を挟むのならこのイベントの最中に挟んでおきたいよ

 二曲の演奏を終え、これにて今回のイベントは終了。時間を振り返れば30分ジャスト。短いよー!でも、今回は本田さんと一緒だった為かACEさん、少し楽だったように見えた。こちらも場に(少しだけ)慣れた余裕のカッコイイACEさんを堪能できて楽しかった。そして、文章にはしにくい細かすぎる小ネタもとても楽しかった。余りにも細かくて覚えきれなかったよ…残念だ!

 前回のイベントと同様、握手をしてお別れ。しかし握手の流れが異様に早い。もう、ちょっとゆっくりいこうよ、ドキドキ……。何、話そうか考えてないのよ〜。ビクビク……。
 ACEさんに「前回の山野でのイベントに来たんですよ!前回も楽しかったですけど、今日も楽しかったです!!」
 「え!?ホントに?ありがとう」
 もう、全開の笑顔!か、可愛いよう!そして、間近で見てはっきり思った。ACEさん、すっごいスリムになった!PVの中のACEさんよりも細いかも?でも、今までが、ねえ(笑)
 本田さんに「前回は本田さんいなくて、寂しかったです。今日はホント、楽しかったですよ!」
 「あ〜、ごめんなさい。これからはいっぱい出るからね」
 目をじっと見てニコニコ穏やかな本田さん。こちらのおたおたした問いかけ全てに答えてくれ、自称「ネット弁慶」とは思えないほど、優しい応対で嬉しかった。
 二人とも、手を離すタイミングが取りにくく(ワタクシが離したくなかったっていう気持ちが強かった)体が斜めになりながら、さようなら〜だった。ああ、もっと格好良く振る舞いたいのに、何故間抜けな動きになってしまうのだ!

 会社へと戻る電車の中で、ちょっと後悔……。でも、優しい時間を一緒に過ごせたことはとても嬉しいこと。 face to aceと過ごすためには何枚の栞が必要になるのやら? 

 

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