白日夢  第八の幻 (平成十四年七月三十一日)

face to ace としては「はじめまして」ツアー初日

 

 昨年秋、デビューマキシシングル『MISSING WORD』を発売から、今年のお正月に1st.アルバム『face to face』、そして二月には2nd.マキシシングル『…I KNOW 』プロモーションビデオ集『As Cubic Eyes』と立て続けのリリースを展開する我らがface to ace。ここまで楽曲の発表があったら次に期待するのは当然ライヴ!
 そう、三月二日この日face to aceの初ライヴツアー“the first tour”の初日!さてさて。どうなることか……。

*ACE氏のMC中の言葉はかなりうろ覚え。雰囲気はこうだったという事を念頭に置いてさあ、どうぞ!*



 ほぼ定刻通りに開演されたこの日。客電が落ち、ステージにはメンバーが並び、颯爽とACE氏の登場。ステージに現れただけでまだ何も発していないのに、凄まじい歓声が(なぜだか笑い声も)沸き上がる。会場の皆からの様々な気持ちが込められた声、拍手、笑顔。それらを受けるかのように、ACE氏の笑顔で曲は始まった。
『SPIRAL STEP』『Bring You Back To Me』
 二曲を立て続けに演奏し、ちょっと一息。
「……ただいま!」
 この一言で会場の空気はほぐれたような気がする。みんな、待ってました、お帰り!と大きな拍手。
「え〜本日はお日柄も良く……あ?皆さん結婚式の二次会?こんなに大勢さんで。まあ、せっかくですからゆっくりしていって下さいよ」相変わらずのおとぼけさん。
「代々木公園交差点前の交番があってさ……ああ、それは又にしましょうかね」話を振っておいて放置。酷いわ!交番がどうした!?結局交番のネタはそのまま捨て置き。
「いや〜それにしてもですね。自分で作詞して作曲して歌まで歌っちゃう。こんなサングラスなんかしちゃってね。これじゃあどっからどう見ても、まるで浜田省吾じゃないですか!ハマショーって呼んで下さい」すかさず会場からはハマショーと声が挙がる。息のあったお客さんだ(笑)
「……と思ったけど、嬉しくないですね。
そう、浜田省吾と言えばさ、以前、聖飢魔IIのツアー先で…あ、ミサって言うんでしたっけ?(笑)メンバー全員とスタッフとで食事に出掛けたのよ。うどんを食べにね。歩いてたら後ろから女の子がスッゴイ勢いで走ってくるの。で、「あ、バレタかな」と思ってたら
「あ、あのー!!浜田省吾さんのスタッフの方ですよね!?」って。メンバー全員居たのに。よりによってスタッフに間違えられたというねぇ。その後のうどんはしょっぱかった」と昔話を告白。
「今日は、曲をやるんだから。演奏中心だから」と次の曲へ。

 曲毎に使用するギターを変えて、またギターを持たずに歌に専念したりと色んなACE氏を見ることが出来、ライヴっていいなぁと思ったこの時間。演奏もさることながら、彼独特の間のトークがオイシイのなんの!
「えー……本日三月二日、新宿コマ劇場では北島三郎先生も公演があって。クラウンレコードの方は忙しいですね。ご苦労様です。まあ、ココにはあんまり長く居ないでしょうけど」
「あのねえ、ツアーにあたって色々と考えてはいたのよ。過去の経験から。まず、歌詞を間違えない!トークは短めに!テキパキと!でもねえ……」この三点全部クリアできていなかったACE氏。無理もない?(笑)

 ツアーメンバーを紹介する時にはACE氏だけでなく、他の方も怪しい魅力満載のキャラクターと発覚。
 ギターのシマダオサム。
(漢字知らないもんでスマンっす) 通称シマッチ。非常に口数が少なく、好青年な彼にACE氏も絡みづらそうだ。
「彼はねえ、昨年バイクで転んで怪我をしてしまって……ホント、気を付けて下さいよ、うん。やホントにね」と念を押す。
 ベースのヤンズ。「彼はねえ、凄い上手いでしょ?ベース。でね、ギターも弾けちゃうんだよ。ドラムも出来るんだよね?歌も上手いしねえ、かっこいいし…」ベタ誉めのACE氏。でも、かっこよくてギターもベースもドラムもやって歌も歌っちゃうのは、貴方もそうじゃないか!とワタクシは思った。(こうした発想がイッチャッテルファンかもしれない……)
「そうそう。彼もバイクで事故って。大怪我で…ホント、危ないですから。気を付けて下さいよ」
 ドラムにダイコウワタル。
(彼の漢字も知らなくてスマンっす)以前ナントカってバンドでデビューし、いまは一ドラマーとして色んな方のお手伝いをしているそうな。
「彼は本当にイイキャラなんだよ。面白いんだよ。もう、絶妙に。で、このツアー中にもっと彼のキャラクターを知ろうと、謎に迫ってみようと思っているわけで。いや、私個人がそう思っているだけだから」どう面白いのか、こちらに教えるつもりはないらしい。
 最後に紹介するのは、本田海月。よいっしょ、とキーボードのセッティングされている台に乗り、「大事なパートナーです」なんというか……本田さんへの思い入れが伝わって来る。本田さんもまた同じ気持ちなんだろうという、あったかいラブラブなカンジが(いや、変な意味でなく・笑)ステージにほんわか〜と広がる。
 キーボードとアンプやスピーカーに囲まれる位置にすっぽりはまるように立って喋り続けるACE氏。「良いなあ、ココ。狭いトコ好き」ポソっと呟くそんな貴方が好きだよ、ワタクシは。(イッチャッテルファンポイントがココでまた少し上がったかもしれない・汗)
 ツアーを支える皆さんは、とても柔らかい印象の優しい好青年。それぞれの間の微妙なズレ加減が何とも言えないイイ色になっている。うん。類は友を呼ぶとはこの事だろうか?

 本編最後の曲(だった筈)『MISSING WORD』ではステージ中が小さなエメラルドグリーンのライトでいっぱいになり、客席から「うわ〜綺麗」と声が漏れる。まるで満天の星空の中で歌っているようだった。

 手を振りながら笑顔でステージから去っていった。姿を消すやいなやアンコールの声が挙がる。まだまだ足りません!と言った会場。

 アンコールに応えてくれ、ステージに戻ってきた皆さん。確かこの時だったろう。
 ACE氏ご愛用の真っ赤なES-335。ギターのシマッチも同タイプのギターを使用している。シマッチに目をやり、
「あ!同じギターですね、335!……335が二本。ふたつ合わせて670!」……苦笑。でも、この日のギャグではこれが一番ワタクシ好みだったなあ。

「良かったらみんなも一緒に歌って下さい」とこの日最後の曲、『誰よりもずっと』
 この時、face to aceを好きになって良かったなあと、誰よりもずっと思っていたワタクシ。多分、負けていないよ。この時の気持ちは。

 何度も「ありがとう!」と大きく手を振り、初日を終えたface to ace。ACE氏の新しい魅力というか、意外なほど可愛らしかったACE氏に惚れ直した、この日のワタクシだったとさ。

 

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