栗駒の道たち

国道398号線、元栗駒有料道路、国道342号線、国道397号線、国道108号線

最近信州が続いたので、たまには目先を変えようということで、栗駒道路特集です。ツーリングのメッカではありますが、関東以西の方にとっては比較的なじみの薄いところだと思います。まだ訪れたことのない方の参考になればと、過去数回に渡るツーリング写真を元に、道にスポットを当てて編集してみました。

春の栗駒 PART1
国道398号線

栗駒山地は東北地方中央に位置する巨大な山塊である。深いブナの森に囲まれた東北地方ならではの静寂で広大な山塊である。ツーリストにとって都合の良い事に、この山塊を貫いて国道4本と県道が走っている。5月中旬のある日、東北の雄大な自然を目指した。

深夜に川崎を発ち、常磐道をひた走っていわきで夜明けを迎えた。下道に下りて国道6号線を北上し、昼頃仙台を通過、栗駒の山裾についたのは午後3時頃だった。と遠い・・・。

R47からR457のワインディングで峠越えをして国道397号線に入る。花山湖の湖岸を通り、かなり長いこと山間を縫って走る。

十数年前に初めて訪れた時は細い道が結構あったのだが、今やほとんどが幅広の舗装路に変っていた。

やがて山里を離れ、つづら折れで高度を上げていく。
登りつめると湯浜峠である。雄大な栗駒の山塊が姿を現す。
残念ながら栗駒山は雲の中であった。5月中旬だが、雪は少なく、緑は濃くなってきている。残雪と新緑の組み合わせはゴールデンウィークのあたりが見頃だったらしい。ちょっと残念。
広大なブナの森を縫ってワインディングが延々と続く。至福の時だ。
小安峡温泉
県境を越え、そのまま下ると子安峡である。無料駐車場にバイクを停め、階段で深い渓谷に下りていく。
川底から湯気がもうもうと上がっている。湯気をあびながら10分程の散策。新緑が美しいが、紅葉はもっと綺麗だろう(混雑しますけど)。
国道を挟んで散策路の反対側には、とことん山キャンプ場がある。露天風呂を備えていることもあり、テントを張って一泊することにした。料金は温泉込みで820円だった。
折角なので、バイクで30分の河原毛湯大滝へ行ってみることにした。昔は秘湯だったらしいが、今や雑誌で紹介されることも多い人気上昇中の温泉である。ちょっとミーハ-だとは思ったが、20メートルの滝がそのまま温泉になっているというのだから、行ってみるっきゃないでしょう。
興味津々でやって来たが、時間が遅かったようだ。真っ暗になってしまって、帰りにこの橋を渡れるだろうか?落ちたら洒落にならないので退散。それにしても、夜の東北の山中は寂しい。
春の栗駒 2日目
河原毛大湯滝
翌朝、再び、河原毛大湯滝に向かう。

県道51号線を20分程走ったあと、枝道に入り10分程進まなければならない。この道が狭く1車線ほど。終点には30台ほど停められる無料駐車場がある。車中泊している車もあったが、火山性ガスが恐いのでは。

なお、上流の泥湯温泉から歩いてくることも出来るらしいが、徒歩30分とのこと。

 

「この付近熱湯につき、ご注意ください」なのだそうだが、川に手をつっこんでみると冷たい。あれ?
15分程歩くと、輝く新緑の向こうに滝が見えた。

駐車場からは結構遠かった。道も崖っぷちだったし、夜歩いてたら危なかったかも。

これが河原毛大湯滝だ!高さ20メートルの温泉、滝壷に浸かるのだ。

雑誌のグラビアで、水着のねーちゃんが楽しそうに滝にうたれてるのを、そこの君も見たことがあるだろう。残念ながら今日は水着のねーちゃんはいないが、さあ、我ゆかん。

 

はて湯加減は?

手を入れてみると・・・・

冷え冷え。ただの雪解け水でした。

浸かったら死ぬー。

すごすごと退散しました。

(夏でないと無理な模様)

 

駐車場まで戻ってきてみると、マッパの野郎が一人、河原にたたずんでいた。どうやら河原を掘ってつくった湯船に入るつもりらしい(写真左側に小さく写っている、アップの写真は自粛)。

失礼して手をつっこんでみると、ちょっと熱い。彼は川の水を導入して冷ましている模様。豪い!漢だ!!団体さんの観光客が来ないことを祈ってあげよう。

私は・・・止めときました。軟弱?

 

県道51号線で小安峡まで戻る。人里離れた山間を凄くいい道が続いている。

交通量の少なさと景色の良さは栗駒ならではだが、道良すぎのような気が。

国道398号線 〜再び湯浜峠へ〜
再び国道398号線を上って湯浜峠までやってきた。山頂は見えていたが、春霞で白いモヤがかかった状態であり、絶景とは言い難い。

が、しかし・・・

時に、栗駒の山塊を眺めながら、

 

時に、深いブナの森を縫って走る。
国道398号線、いい道だ。
仁郷大湯線(旧栗駒有料道路)
旧栗駒有料道路を走る。元有料だけあって道が良い。
新緑に彩られた山々のパノラマが圧巻だ。肉眼では真っ白な鳥海山が正面に見えて感動倍増だったのだが、春霞に阻まれて写真には写せなかった。残念、また来たい。
この道の全長自体は数キロ程度と短いのだが、ちょっと登るだけで景色は一変する。
須川湖あたりで湿原探索でもと思っていたのだが、まだ冬だった。
峠付近で国道342号線にぶつかる。
須川温泉
国道342号線のピークが栗駒峠である。峠は岩手県と秋田県の県境となっており、2軒の温泉宿がある。
岩手県側にあるのが須川高原温泉。栗駒登山口脇に巨大な露天風呂が出来ていて、入浴料は500円。
お湯はやや緑がかった硫黄臭の強い強酸泉。毎分6000リットルの湧出量を誇り、つまりは沸いて出る湯のほとんどは捨ててると思う。ちょっと熱すぎだが、長旅で疲れた体には丁度良い刺激だった。
今回は入浴しなかったが、秋田県側にあるのが栗駒山荘である。公共のすこぶる立派な建物であり、人気が高いせいか駐車場は満車であった。

須川高原温泉源泉から分湯しているらしい?が、こちらの湯は白濁していてマイルドな感じ。白濁しているということは空気劣化しているのかもしれないが、もとの源泉が強烈なので、湯がマイルドになって丁度いいのかも。露天の展望も最高で、大好きな温泉の一つだ。

強くてインパクトがあるのは須川温泉、マイルドで心地良いのは栗駒山荘って感じだろうか。好みに応じてどうぞ。

草津でいえば須川温泉は西の河原露天風呂に、栗駒山荘は大滝の湯に似ていると思う。

国道342号線
栗駒峠から一関側に下ってみる。峠付近は景色良好。
すぐに道幅は狭くなり、残雪と新緑に彩られた緑の谷を下りていく。このまま下れば道は深い森の中に入っていく。1.5車線と狭いので、栗駒の中ではそんなにいい道ではない。
途中で引き返し、今度は湯沢側に下っていく。峠付近は幅広で展望も良好だが、少し下ると道幅も展望もごく普通の田舎の国道となる。
秋田側に降りて鳥海山に向かう。その後は日本海側を南下して帰宅。一泊三日の強行軍でした。

春の栗駒レポはこれでおしまいです。

 

さて、栗駒山塊を貫く国道はあと2本。そのうちの国道397号線は夏に訪れました。では、どうぞ。
夏の栗駒
国道397号線 
盛夏の頃、国道397号線に向かった。水沢から湯沢まで、栗駒山塊を貫いて走る道だ。本州で最も山深いところを走る道の一つだと思う。
幾つもの急峻な沢を、幾つもの橋で渡り、胆沢川沿いを遡上していく。道は舗装も荒れがちで、最新の国道と比べるとカーブがきつく、今や古ぼけた2級国道だが、建設当時としては最新鋭の高規格道路だったに違いない。

そんな手間のかかった国道が通っているにもかかわらず、周囲の森はどうにも異様に深い。人の手が加わった形跡が見られないのだ。

何だろう?この森は。思わず道端にバイクを停めて、あたりを見回す。

手がかりとなる看板を見つけた。河畔の森の一部は試験地に設定されているようだ。Web上の試験地の説明によれば、こうだ。

冷温帯落葉広葉樹林。渓流沿いに発達した天然林で、最老木の推定樹齢は約1000年と見積られ、人為による撹乱の痕跡はほとんど認められない。ニホンカモシカやツキノワグマなどの中〜大型獣も棲息する。

 

周囲は全くの原生林であり、まるで未開の地に彷徨いこんだような気がする。
道は胆沢川に沿って走る。山奥に近づくにつれ、不思議と河底が上昇してくるのだが、平坦地にも人の手が入った形跡はない。普通、日本だと平坦地には必ず人が工作をしているものだが・・・。
未開の沢だ。ガスが立ち込めているせいもあり、まるでアマゾンの奥地にでも入ったような気がしてくる。
登りつめると、大森山トンネルで峠を抜ける。トンネルの向こう側は雰囲気がガラリと変り、スキー場もある人の領域となる。走り屋が行き交うつづら折れの道で、人の集落へ一気に降りていく。
少し下ると国道342号線と交差する。左折すると栗駒山だ。
夏の栗駒はこれでおしまいです。
初秋の栗駒
R108仙秋サンライン
さて、栗駒山塊を抜けるもう一つの国道は、R108仙秋サンラインである。宮城と秋田を結ぶ東北の最重要国道の一つだ。周囲の地形は険しくて、旧道など崩落しっぱなしで手がつけれられない状態なのだが、そんなことはお構いなしにトンネルと橋梁で山並みを串刺しにしていく。おそらく一般国道としては最も地形を無視した道ではないか。
9月末。実りの季節に鬼頭から湯沢へと向かった。
東北らしい山、河、田園風景が広がる
新道はダイナミックにトンネルで山脈を貫いていく。

写真上の方に崩落した旧道が見える。

写真ではたまたまクリアーだが、大型トラックが時速100キロ位でバンバン行き交うハイウエーだった。ちょっと恐いかも。
鬼頭温泉のすぐ近くに吹上キャンプ場がある。キャンプサイトは車で一周しても十分位かかりそうなほど巨大でビックリ。お盆休み中は人が一杯と聞いたが、普段の土日は空いている。

温泉も併設されている。この温泉、湯の花がたくさん浮いているいい湯なのだが、つるつるしていて私は2回訪れて2回とも滑って転びました。裸で転ぶといろいろな意味で痛い。注意されたし。

鳴子温泉の国道47号線沿いにある東多賀の湯。一昨年、ふらりと立ち寄って凄く良かった。

外観はアパートみたいな特に風情の無い造りだが、浴室に入ると木造の湯船から白濁した硫黄泉があふれ出ていて、浴感は自分のなかでは最高クラスだった。湯船は小さいので空いていたら訪れてみてください。

栗駒周辺は、磐梯吾妻や十和田八甲田のような派手さはありませんが、山塊は深く広大で、走り回ってもなかなか道が尽きません。走り飽きたら平泉のような名所もありますし。特に目的地を決めず、ふらふらっと走るのが私は好きです。では今日はこの辺で。

 

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