初夏の道東へ

〜5泊6日、道東いいとこどりで早回り〜

PART4 知床

知床横断道路
早朝6時に出発。知床横断道路を登っていく。
幾つかカーブを重ねただけで、路肩には雪が増えてくる。

正面にはドーンと羅臼岳の雄姿が!

見下ろせば、今走って来た道が、美しい曲線を描いている。

・・・それにしても、走っている車が全然いないぞ!?

ダケカンバの白い幹、青い若葉と、残雪のコントラストが美しい。

天空の回廊を伝って、羅臼岳に迫る!
その回廊を走っているのは、自分一人だけ。
知床峠に到着だ。
ほとんど、独り占めしてしまいました。エヘへ。

峠から先は、何故かほとんどストレート。グングン下っていく。

知床五湖
知床五湖を訪ねてみることにした。五湖までの道は、タイトコーナーが続くワインディング。

ちなみに、有名なカムイワッカの滝への道はゲートが閉まっており、歩行者、自転車を含む通行禁止となっていた。夏季はシャトルバスが運行するが、この季節に近づく手段は、全くない。

前回訪問時はびびってしまって、あまり登れなかったので(周囲に人がいなかったので、余計に恐かったというのもある)、リベンジをしたかったのだが。残念。

知床五湖駐車場に到着。
と、鹿が、まるで当たり前の様に、俺の目の前を通り過ぎていく・・・。

いや、これが知床の当たり前なのかもしれないが・・・。スゲーところだなあ。

知床というのは、基本的には動物の領域に人間が入り込んでいる所らしい。地域や行政としても、そういうスタンスで取り組んでいるようだ。なにしろ知床は世界有数のヒグマの生息密度を誇る地だし、生態系の状態としては極めていいハズ。

とりあえず知床五湖を散策する。

さて、5個の湖のうち、3,4,5はヒグマ出没中につき立ち入り禁止となっていた。あまり時間も無いので、1湖だけ散策(20分位)して帰る事にしたのだが・・・。

森の中をのんびりと歩いていると・・・
前方で20人程のツアー客が固まっている。何事かと思いきや・・・

「お兄さん危ないよ、熊だよ熊!」

横を見ると、10メートル先の熊笹がガサゴソ、ガサゴソ。ドヒャー。お、俺の横にいるんかい・・・。

「静かに下がって、下がって」

静かに後ずさり。

ツアー客が写真を撮ろうとすると、ガイドさんが低い緊張した声で静止した。「カメラはダメです、撮らないで、刺激したら危ないです。追って来たら早いですから逃げ切れません←コワ!」「静かに下がって、今、熊はここから離れろと言っています。静かに離れれば大丈夫ですから」

実は、昨年の6月、似たような状況で、客がガイドの静止を振り切って撮影を続けたり、熊だ!と歓声をあげ、いらだったヒグマがいったん突進してきて立ち止まる「ブラフ・チャージ(威嚇突進)」をしたという事例があったのだ。大変危険な事態で、それ以降、20日間知床五湖は全面立ち入り禁止となった。ガイドさんには、その事件の事が頭にあったのだろう。

人を襲うと食料が得られるということを熊が学習してしまうと、その熊は人を襲うようになる。実際、北海道の開拓史を見ると、一頭の人食い熊に開拓農家12軒が襲われ、多数の死傷者を出す事件も起きているのだ(苫前三毛別事件)。

ゆっくりと離れ、一息ついてから望遠で写真を一枚。後で読んだヒグマ遭遇マニュアルによると、50メートル以下の接近となると、偶発的な遭遇であり、それだけで「失敗」らしい。知床での例は無いそうだが、ヒグマの場合は捕食目的で人間を襲う可能性だって皆無とは言えないわけだし。体長2メートルのヒグマに襲われたら・・・ふーっ、ヤバかった。

さあ、あとはドーンと海沿いを走るのだ。

途中でオシンコシンの滝に寄る。
雪解けの季節の為か、水量が凄い。
開陽台
R244で根北峠を越える。標高は490メートルと低いが、車と出会う事は稀で、周囲は延々と原生林が続く、なかなかダイナミックな峠だった。

峠を下りてからは開陽台へと向かった。今や道北の一大観光地であり、要所に標識が出ていて、迷うことはない。緩やかに起伏する台地に直線路が延々と続く。

開陽台は、広大な牧草地帯に飛び出た見晴らしの良い丘だ。地球が丸く見えますというのが、ここのキャッチフレーズ。開放的でいいところだ。
展望台の裏に、無料のキャンプ場が有る。広大な大地を見下ろす高台の芝生に、爽やかな風が吹き渡る。ライダー達がここにキャンプしたくなる気持ちがよく判る。

開陽台はライダーの聖地と言われるところだ。
遥々来たなあ・・・・・、ふうっ。

達成、したな、旅の目的。

帰るか・・・。

 

摩周湖

裏摩周湖展望台にやって来た。表と裏のどちらが良いかは、光の加減によるだろう。裏の場合、昼以降は逆光になりやすいようだ。展望のパノラマ感という点では表の方が凄いかもしれない。

帰路へ

帰りのフェリーの出航時間は明日朝10時30分だ。小樽までの距離は約500キロ。今日の内に距離を縮めておかなければ、フェリーに乗れなくなってしまう。

道道で釧路の平原を走る。道東には、こんな道がありふれているのが凄い。


北海道基準で言えば、ゆっくり派ということになろう。
撮影時スピードメーターは壊れていたらしい

摩周湖があれだけ晴れていたのに、釧路を過ぎると霧に覆われてしまった。海霧に巻かれると、体寒温度が-10度位下がる気がする。寒い。
大正カニの家
旧国鉄大正駅の跡。今は公園として整備されている。

今日の宿は、この公園の中にあるライダーハウス「大正カニの家」だ。出会った人に勧められて、なりゆきで泊る事になった。相客は4名。ちなみに、ライダーチャリダー限定施設である。(4輪OKにすると、旅人以外の人が入ってきてしまうからとのことだった)

宿泊費は無料だ。そもそもの起源は帯広駅近くに設けられた旅人用の臨時テントだったようだが、今では立派なログハウスとなっている。釧路市の観光施設という位置付けで、年間利用客は2千人、建設費は5千万円だそうだ。

近所の商工会の方がボランティアで運営されているようで、チェックインの際は身分証明書の提示を求められる。夜中も地元のバイク乗りの方が見回りに来られた。元駅というだけあって街の中心に有るし、公的施設なだけに、羽目を外すのは厳禁のようだ。

大部屋に雑魚寝とはいえ、建設費5千万円のログハウスは凄い立派で・・・、これで無料である。ありがたいと思う一方で、十勝には民間のライダーハウスもあるだけに、同業者としては複雑な思いを抱かざるを得なかった。利用しておいて言うのもなんだが・・・。まあ、有料化したとしても、宿泊料一人千円、有料化で利用客が半減して年間千人とすると、千円×千人=年間売上100万円だから、建物の償却すら出来ない訳だが。有料化してしまうと、却って赤字が問題になってしまうのかもしれない。
帯広〜小樽
小樽までは約250キロ。朝5時に出発して、日勝峠を越える。非常に雄大な峠だ。

 

R274は日高山脈をぶち抜くルートで、地図で見ると魅力的だが、道東と札幌を最短距離で結ぶ産業道路なだけに、トラックが多い。

・・・峠を越えた直後から、遅いトラックの後ろを排ガスまみれで延々と走る。ミラーを見ると後ろにも延々と車列が続いている。長い直線でやっと抜いたかと思うと、今度はトンネル下り坂で大型トラックが推定120kmで背後から迫ってくる。こちらは90位だ。まさか狭いトンネル内で止ってやり過ごすことも出来ず、こちらもジリジリとスピードを上げざるを得ない。もう、やだなー。次の登り坂で大人気なく全開し、引き離す。あっという間にトラックは視界から消える。随分長い上り坂だ。多分、数キロは離しただろう。あとは札幌までマイペースだ。しかし、たま〜にしか車が通らない道東のローカル道道は良かったなあ・・・。

札幌市内の車の雑踏にまみれるのは嫌だったので、300円払って札幌市内の均一区間だけ高速を使う。小樽到着は8時30分。

出航まで時間が有ったので、念のため小樽運河を見に行くが・・・遭遇したのは大量の修学旅行生だった。まあ、夕方に行って大量のカップルと遭遇するのもなんだが。彼女とならともかく、ここは俺には関係ないところのようだ。運河ということであれば、俺は柳川にでも行きたいな。今度は九州に行こうか・・・。
10時30分小樽出航、新潟着は翌朝5時30分の予定だ。

段々北海道が遠ざかって行く。また来よう。

さよなら北海道。

という訳で、僕の北海道の旅は終了しました。

ずっと行きたかった所に行ってしまったので、達成感がある一方で、少し寂しい気もします。ツーレポの空白域も、だいぶ少なくなって来たましたし。

また、新たなるダイナミックな風景と道を求めて、旅に出たいと思います。読んで頂いてありがとうございました。

PART5(おまけ) 印象に残った道、印象に残った風景

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