2005.9.訪問 2005.10作成

信州から磐梯吾妻スカイラインへ

蓼科〜金精峠〜霧降高原〜磐梯吾妻スカイライン〜裏磐梯〜只見〜奥志賀林道〜志賀草津道路

一泊二日で信州から磐梯まで山岳道路走りまくり&一切教山、吾妻小富士登山


深夜の出発

9月13日火曜日、午前0時、深夜の蓼科を出発!行き先は福島県は吾妻連峰の一つ一切教山だ。

 


今回の旅のきっかけは、20年前に撮影した2枚の写真である。高校の夏合宿の時に一切教山という山に登山して撮影したものなのだが、登山中に見た雲間に浮かび上がる吾妻小富士の姿(写真左)と、山頂から眺める神秘的な色をした五色沼の姿(写真右)は、今なお強烈な印象として残っている。

実は、このサイトを開始した時に、一番初めに取り上げようと思ったのがこの場所だったのだが、なかなか訪れる機会が無くて、気がつけば6年が過ぎてしまった。思い立ってから6年、ツーリングには頻繁に出かけている自分だが、ただ単に思っているだけでは、なかなか実現しないものだ。多少強引に計画を立てないと、いつまでたっても実現しないぞ・・・、ということで、今回は深夜の出発となったわけである。


さて、走り出して、まずやらなければならないのは、ルートの選定である。蓼科から福島に向かうなら、普通に考えると、軽井沢から高崎、佐野、宇都宮といった関東平野北部を横断するルートになると思うが・・・あっ、懐に余裕は無いので高速は無しね・・・深夜とはいえR50あたりは物流トラックがガンガン通っているはずで、か弱い単車のツーリストとしては出来れば遠慮したいところ。車が少ない道ということになると、ロマンチック街道の金精峠経由ということになるのだが・・・、この時間に金精峠越えするのかオレ!?

午前1時、東御市の国道18号線まで降りてきて、深夜営業のガソリンスタンドで給油。VTRの航続距離は約300km位だ。この先開いているGSは無いかもしれない。さすがに深夜の日光の山奥でガス欠になったらヤバイし、なによりガソリンが無いから先に進めないという事態は避けたい。大丈夫だろうか・・・

ロマンチック街道を目指して深夜の湯の丸高原を抜ける。あまり通りたくない道だが、長野県ではどこに行くにも峠を通らなければならない。案の定、峠に登る途中で族らしき車のスキール音が聞こえてきて、突っ込まれるのではないかとびびる。やつら対向車線に平気ではみ出してくるからなー。とりあえずハイビーム&クラクション鳴らしまくりで走る。・・・普通の車2台と族車3台程とすれ違ったが、いずれも徐行して来たので無事だった。ホッ。

嬬恋に下って、あとはロマンチック街道を東へ向かう。気温は14度まで下がる。中綿入りのジャケットを着込むなど、9月中旬にしては防寒には気を使ったつもりたったが、だんだん寒くなってきて、ファミマで20分程店内をウロウロして暖をとる。外に出てホットコーヒーと肉まんで一服。深夜便の大型トラックが3分間隔位で通り過ぎていく。できるだけトラックに引っかからないよう、タイミングを見計らって発進。

沼田でR120に入る。GSがあるだろうと思ったが見当たらず、そのままワインディング区間に突入。

金曜の夜には尾瀬に向かう車で賑わいをみせるR120だが、平日深夜とあって車通りもほとんど無い。丸沼のスキー場を過ぎると、対向車はおろか、人家も街灯も全く無い暗闇に突入。深夜の真っ暗な原生林の中をひた走る。恐いよーw。見上げると、満点の星。オリオン座を見ながら走る。素敵だ、心が和む。バイクを走らせながら満点の星が見れるなんて・・・。それだけ周りが暗いのだろう。

午前3時頃、金精トンネルを通過。トンネルの前で記念撮影・・・って、こんな深夜のトンネルで写真撮るなってオレ・・・トンネルを抜けたら、どこか別の世界にでも行ってしまいそう・・・。対向車にも出会わないし、無茶苦茶恐かった。オリオン座が見えていることだけが心の支え。星が見えてなかったら、砕けてたかも。

トンネルを越えて待っていたのは、星空に薄っすら浮かび上がる男体山の姿だった。ちょっと感動。
戦場ヶ原まで来て、車の姿を見かけるようになる。中禅寺湖まで来ると、湖畔に点々と街灯が灯り、人の生活している雰囲気を感じられるようになった。人間界に戻ってこれたようでホッ。なかなか印象に残るツーリングのプロローグとなった。


誰も居ない薄明のいろは坂を下り、午前5時頃JR日光駅に到着。小じんまりとしているけど、古い木造洋風建築のモダンな駅舎だ。小学生の時に修学旅行列車に乗った記憶がある。昔の記憶が蘇って、しばしタイムスリップ、いい感じ。記念写真を撮って、再びバイクに跨る。

日光駅から北に向かうと、霧降高原有料道路だ。当初通る気は無かったのだが、よく考えるとこの時間ならバカ高い通行料を払わなくてすむ。よし、久々に霧降に行こう!


霧降高原有料道路

無人の料金所を過ぎると、グングン登って、高台に出たところで夜明けを迎えた。素晴らしい眺め。道の方も路面良好・コーナー適度で、快適に気持ちよく走ることが出来た。
高原を過ぎると、奥鬼怒の深い谷間を目掛け、タイトターンを重ねてどんどん降りていく。急坂急カーブが楽しい。

奥鬼怒の風景

鬼怒川のほとりまで降りて、川沿いの県道23を下流に向かう。道はちょっと細い区間もあるが、ローカルな感じがいい。

先程までの牧場風景とはうって変わって、美しい渓谷風景がひろがる。
しばらく走ると、ダム湖を渡る立派な橋にさしかかった。
端の袂から下を覗き込む。水面から姿を現した旧道が印象的。昔から好きなところ。

国道121号線、会津西街道

国道121号線に出て会津に向かう。

会津西街道と呼ばれるこの道は、高速が出来た今となっては日陰の存在だが、江戸期には会津と江戸を結ぶ重要な街道だったようで、その繁栄の面影は途中の大内宿などに残っている。

まあ、今でも下道派の人にとっては、東北に向かう最重要道路ではあるのだが。

 

昔は1.5車線位の狭い区間もあったが、今回通ったらほぼ全て2車線の立派な道となっていた。
五十里湖と交錯しながら北上を続ける。
ダム湖を過ぎると、森の中へと入っていく。国道標識の3連が珍しい。
トンネルを越えると福島県だ。時刻は6時半、夜通し走った割りに距離が稼げていない。これから浄土平まで行って山登りしなければいけないのに・・・。
会津田島からは開けた幹線道路を走る。地形的には険しい部分もあるのだが、道路としては平凡な田舎の幹線道路だ。会津若松まで淡々と走る。
会津鉄道の湯野上温泉駅が見えてきた。日本唯一の萱葺き屋根の駅舎だ。周囲には湯野上温泉、大内宿、塔のへつりなどがある。温泉に入っていきたいところだが、今回は先を急ぐのでパスだ。

磐梯山

朝の通勤渋滞の会津若松市内を通過し、磐梯山を望む猪苗代の湖畔までやってきた。うーん、磐梯山は雲の中。8時間もかけて夜通し走って来たのだが・・・。

裏磐梯レークライン

裏磐梯から吾妻山周辺にかけては、有料または元有料のワインディングロードが一杯あるわけだが、とりあえずレークラインを走ってみた。湖沿いの林間を延々と走る道で、視界が利くところは少ない。
レークラインの特徴は、湖岸に沿って180度近く回り込んだ深いコーナーが延々と連続することである。四輪で走ると横Gが延々と続くので、仕舞いには体をホールドするのが疲れて嫌になってくるほど。とかく疲れる道という印象があったのだが、バイクで走ってみたら、横Gがかからないせいか、疲れるということは無くて、むしろじっくりコーナリング出来て面白かった。深いコーナーを延々と回りこんでいくので、コーナリング中の自分を観察する余裕があるというか。そんな感じの道である。

磐梯吾妻スカイライン

レークラインを過ぎると、土湯峠への登りとなる。天気はイマイチだが、とりあえず磐梯吾妻スカイラインに進路をとる。雲へ向かってGO!
県道30号線は磐梯吾妻スカイラインの取り付け道路となる道だ。この道路からして、まずは尋常でない。ひたすら空へ向かってグングン高度を上げる。空へ向かう道はとても気持ち良くて、磐梯吾妻スカイラインの凄さの片鱗を見る思い。

 

キター、ついに磐梯吾妻スカイラインにやって来た。

既に乗鞍スカイライン無き今、そして草津志賀道路が観光バスに占領されてしまっている今(いやまあ、ここもその傾向はあるのだが)、日本で一番ホットなスカイラインといえよう。その磐梯吾妻スカイラインにやって来たのだ。

・・・のだが、今にも雨が降り出しそうな天気だ。料金所のおじさんに、天気ダメですかねー・・・と聞いてみると・・・

浄土平の方は晴れてるよ!

立ち込める雲の向こうに、本当に晴れ間があるのだろうか?喜び半分、疑念半分でバイクを走らせる。
磐梯吾妻スカイラインは実に面白い道だ。まず、一つとして同じようなカーブが無い。景観、曲率、勾配、カントといった要素が無限の組み合わせで存在している。非常に変化に富んだコーナーの連続なのだ。

この先どうなっているのだろう?ワクワクしながらコーナーに入っていって、道の変化に度肝を抜かれる。想像を越える曲率のカーブ、急登。そして、コーナーをクリアーすると、想像を遥かに越えるワイルドな景色が現れるのだ。

クゥー堪らん、面白すぎ。意外性ありすぎ。

高度を上げるにつれて雲が切れ、やがて、道は緑に覆われた穏やかな麓へと降りていく。

一切教山と吾妻小富士に挟まれた平原が、ここ浄土平だ。穏やかな緑色の湿原を抱きつつも、所々に火山性ガスが発生し、死の川が流れている。

スカイラインは浄土平を突っ切り・・・
草木も生えぬ荒野を突き進み、空中回廊へと繋がっていた。この空中回廊を走るのがまた気持ち良くて、このまま麓まで走っていきたいという衝動にかられたのだが・・・、

ぐっとこらえてUターン。今回の主目的は登山である。

浄土平の有料駐車場にバイクを停めた。

 

目の前にドーンと聳える一切教山。今日はこれに登るのだ。

一切教山登山

さて、登山道を確認しよう。現在居るところが浄土平ビジターセンター標高1600メートル。

第一の目的地が地図左上の一切教山1948メートル、所要時間は往復3時間。

第二の目的地が地図右下の吾妻小富士1707メートル、所要時間は1時間ほど。

 

遊歩道、登山道の事等詳しくは浄土平ビジターセンターHPへどうぞ

荒涼とした登山道に取り付く。
古い噴火口の脇を通る。まったく荒涼とした山だ。
1時間程登ると、穏やかな大地の上に出た。非常に風が強い。
浄土平の駐車場から1時間20分程で山頂に到着。まるで月面に降り立ったような風景だが・・・そのまま歩いていくと、突如として崖ッぷちに立つ事になる。

そして、崖の下には・・・

エメラルドグリーンの水をたたえた池が姿を現した。魔女の瞳とも呼ばれる五色沼だ。赤茶けた荒涼たる大地に突如として現れる青いオアシス。衝撃的な展開である。

知らないで来てこの湖を目にすると、すごく感動的なんだが・・・スマン、ネタばれしてしまった。でも知っていて来ても、感動的だと思う。機会があったらぜひ訪れてみて欲しい。

 

山頂から降りてきたところで青空が広がった。日が射して、曇天の下で霞んでいた高山植物の緑が、生き生きと輝きだす。
登山道を下りながら吾妻小富士を見下ろす。

この写真には元噴火口が3つ写っているのが判っていただけるだろうか。一つは写真左の吾妻小富士。一つはその右隣の森に囲まれ青い水をたたえる桶沼、もう一つは写真下側やや右に写っている泥の沼だ。一切教山は今もって活火山で、昭和52年には小規模な噴火が起きている。

 

ところで、自分は元来た登山道を戻ったのだが、どうも隣の鎌沼経由で下山した方が良かったようだ。

というのも・・・一切教山の下りで転倒してしまったのだ。この山は砂利が積もったような山で、下りは非常に滑りやすい。危ないなと思いつつ歩いていたら、見事に滑って転倒。ゆっくり滑ったので大丈夫だと思ったのだが、妙に痛い。すっごく痛い。肘を見たら血だらけ・・・orz。一応長袖シャツを着ていたのだが、暑くて無意識の内に袖を捲くっていたようだ。しかし時速2km位で転んでもこの有様なのだから、バイクで転んだらどうなることか・・・。ウエアーって重要だなあと思う出来事であった。

吾妻小富士登山

さて、痛いのは我慢して吾妻小富士に登ることにした。

傍から見ると、富士山のミニチュアのような可愛らしい山だが・・・。

空へ登っていくかのような階段を登る。雰囲気は良いが、意外にキツイ。
10分程歩いて火口の縁に立った。
火口の縁を歩いていく。面白い。

最初は磐梯吾妻スカイラインを見下ろしながら歩く。この道が非常にダイナミックで変化に富んだ道だとことは、上空?から撮影したこの写真でも判って頂けるだろう。

火口の縁を歩いていく。写真は大した事無さそうに見えるかもしれないが、実際には非常に恐い道だった。尾根の右側も左側も滑り落ちたら止りそうにない崖で、しかも、この日は非常に風が強かった。風が吹くたびに姿勢を低くして、ジリジリと進む。

 

東側にあるピークからの眺めは素晴らしかった。福島盆地が一望出来る。

火口壁の上を歩くなんて、なかなか出来ないものだ。面白い体験だった。


磐梯吾妻スカイライン

再びバイクに跨り、スカイラインを下っていく。
独特の風景が展開。
高所感が素晴らしい。ちょっと恐いが・・・。
まるで空中回廊のような道路。
美しい曲線を描きながら、道は福島市街へと降りていく。

高湯温泉、あったか湯

さて、磐梯吾妻スカイラインの福島側料金所を出たところで、真新しい建物が目に入った。あったかの湯という日帰り温泉施設らしい。

このあたりに湧く温泉を高湯温泉という。濃い硫黄泉が特徴の名湯で、その中でも有名なのが玉子湯という古い旅館だ。ここで日帰り入浴をさせていただこうと思っていたのだが、日帰り専門の施設があるなら、そちらの方がいい。風情は少ないけど、気兼ねなく入浴出来るからね。

早速入ってみると、濃い硫黄泉が露天風呂になみなみと注ぐ、とてもいい温泉だった。それでいて入浴料は250円!。極上の日帰り温泉である。

原則木曜日定休、営業時間は9:00から21:00。最終入館時間は20:30、


・・・ここから先は誤ってメモリーカードをフォーマットしてしまい写真が無いです・・・

一旦福島市街まで降りて、山際を広域農道で南下し、R115で土湯へ。土湯峠は新道のトンネルではなく、旧道である県道30の方を越えてみることにした。県道30号線はちょっと狭いところもあるが、地形的にも植生的にも道路的にも面白い。

再びレークラインを通って裏磐梯へ向かう。桧原湖畔につく頃には夕暮れとなっていた。紅く染まった磐梯山の爆裂火口がど迫力。桧原湖はいつ来ても美しい。せっかくなので無料化された西吾妻スカイバレーを走るが、走り屋の車線を無視したブラックマークで路面が真っ黒になっていてあきれる。白布峠でUターンし、桧原湖まで戻って湖を一周。まだ狭い区間がだいぶ残るが、いい道だ。

コンビニで弁当を購入した後、「ライダーハウス裏磐梯」に宿泊。料金は2000円也。大部屋の相部屋だが、寝るだけならこれで十分。古いCB750に乗る若者と同宿となり、世間話をして就寝。

明日は蓼科に帰らなければ・・・zzz。



おまけ:↑昔作った地図です。西吾妻スカイバレーは無料化されています。


2日目へとつづく(作成中)

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