晩秋の北海道へ 〜4泊5日駆け足の旅〜

PART3 襟裳岬を通って

釧路湿原
翌日は雨だった。濡れたままテントをたたみ出発する。気温は12度と暖かく助かる。

霧の摩周湖にも行って見たが、やっぱり霧だった。トホホ。
15年前の北海道旅行で一番素晴らしい景色だと思ったのは釧路湿原だった。

まるでアフリカのサバンナのような平原を通る一本のダート。月並みな言葉だが日本じゃないみたい。草むらからシマウマやライオンが出てきそう。
ふと前を見ると、一人の女の子が歩いている。見渡す限り家も何も無いというに。心配になり声をかけてピックアップ(よく考えると、初めてのナンパか?)。しばらく行くと展望台があったので2人で登ってみると!!!素晴らしい展望が開けた。2人で喜び合う。

その時は今まで見た中で一番素晴らしい景色だと思ったのだ。まあ、その子とは近くの鉄道の駅で別れたのだが(・_・、)果たしてその素晴らしい展望は一体どこだったのだろうか?

15年来の疑問を解消すべく、釧路湿原に分け入ってみた。

まずやって来たのは細岡展望台だ。釧路湿原を代表する有名な展望台の一つだ。車やバイクはもちろん、釧路湿原駅からも徒歩で登ってこれる。電車でも来れるというのは価値が高いと思う。
大湿原を見渡すことができる。曇りで展望が利かないのと、冬枯れているのが残念だが。

次に岩保木水門に行って見た。見渡す限りの大湿原が目の前に広がっている。丹頂鶴はいなかったけど。
残念ながら、2箇所とも記憶とは違っていた。結局15年前の足跡を辿る事は出来なかった(後で調べたら、コッタロ湿原が昔感動した場所のようである。いつか緑の季節に訪問したい)。

冬枯れたこの季節に曇天では面白くない。それに明日寒波が近づいてくる前に道東を脱出したい。釧路湿原巡りは切り上げ、西へと向かうことにした。霧多布や根室や知床は夏の季節にとっておこう。

国道336号線
釧路市内を通過し、国道38号線で西へ向かう。茫漠とした景色の中を淡々と走る。それもまた北海道らしい。

浦幌で国道336号線に入った。雨も上がり、気分よく走る。この道がとても良かった。

国道336号線は今回の旅で一番気持ちよく走れた道だった。幅広の2車線で道も良いのだが、なにしろ交通量が格段に少ないのだ。浦幌から広尾まで60キロ程走って、出会った車は10台位だったと思う。余りにも車が少ないので、走行中ずっと不思議に思っていたほどだ。

 

長いストレートにゆるやかなカーブを交え、穏やかに起伏する丘陵地帯を延々と走る。

途中で気温がぐっと下がる。ある丘を境に、頬を撫でる風が急に冷たくなったのだ。寒波が近づいてきたのだろうか。こんなところで雪が降ってきたら、どうしようもない。ガソリンスタンドはおろか商店すら30キロ程走って見かけないのだ。無理やり走っても次の街まで辿り着けないだろう。テント張ってビパークするしかない?、しまった予備の食料買っとけば良かった、などと楽しげな想像をしつつ・・・

焦って少しペースアップしました。凡人ですね俺って。

黄金道路から襟裳岬

広尾から先が「黄金道路」である。工事に大変なお金がかかった事から、こう呼ばれているらしい。開通してからもずっと崩落と工事を繰り返し、訪れた時は5時〜19時片側交互通行(夜間通行止め)だった。

いつ通行止めになるかわからない道なので心配だったのだが、どうやら通れるようでホッとした。もしここが通れないと、日高山脈越えをするしかないから。

道路右側の崖が今にも崩れそうだ。無理やり道路を通した感が強い。

波しぶきが道の高さまで上がり、路面が濡れている。バイク錆びそう。

波よけフェンス?と崖に挟まれて走る。この先は20分間隔の片側相互通行だった。崩れては直し崩れては直し、おそらくこの道の工事は永遠に続くのだろう。そう思うと、ある意味凄いことのような気が・・・。

襟裳岬にて

襟裳岬に向かうには、国道を外れて県道をさらに南下しなければならない。黄金道路とはうって変わった穏やかな風景に少し戸惑う。日高山脈はそのまま太平洋になだれ込んでいると思っていたのだが。
襟裳岬に到着。ここは風の岬だ。天気のせいもあるだろうが、何故かここだけ台風並みの風が吹く。日高山脈に遮られた風がここに集るのだろうか。

太平洋に向かって点々と岩が並んでいる。
西へ向かうにつれて天気は悪くなってきた。いくら北海道とはいえ、こんな天気の中を走っても面白くないというのが正直なところ。予報では明日も雨のようだ。雨ばかりでは・・・本州に戻ろう。

襟裳岬から苫小牧までは180キロ。夕方のフェリーに間に合うだろうか。

えりも町から西は人口も交通量も格段に多くなる。街中では渋滞しているほどで、のろのろと我慢の走り。日高山脈の東側では家も車も僅かしか見かけなかったのだが、山脈を境にして雰囲気は一変するのだった。札幌や苫小牧に近いという地の理がもたらした変化だろうか。鉄道も走っているし。

静内や新冠は牧場が広がるサラブレット銀座だ。競馬ファンではないのだが、ゆうきまさみの馬漫画を思い出す。実体験した訳ではないのに懐かしい。春か夏の晴れた日に、また来て見たいところ。

苫小牧から大洗行きのフェリーに乗る。18時45分出航。船内放送で「前線が通過するため波が高く揺れる」と言っていたのだが、その通りの大揺れ。

一眠りした後、明け方より船酔いが始まる。治すには降りるのが一番なのだが、海の真中で降りられるはずもなく、涙目のまま6時間ほどトイレの片隅にうずくまって過ごす。

ほとんどの人はこちらを見ない様に避けて通る(当たり前だ)のだが、大丈夫?と声を掛けてくれた方がいて、ちょっと勇気づけられた。世の中には、いい人いるなーと思たよ。

13時15分、大洗到着。衰弱してフラフラになりながら荷造り。バイクは同じVT系ご先祖様1名のみ、長期滞在組のようであった。

上陸。やっと降りられる。助かったーというのが、このときの気持ちでした。ホント辛かった。どうやら自分の場合、航行が10時間越えて海が荒れていると、船酔いしやすいみたい。
苫小牧と大洗を結ぶフェリー「ばるな」。今度乗るときは波の静かな時にしたい。乗れるときがあれば良いが。

 

フェリーを降りてからは地図も見ず、出来るだけ幹線を避けて、あてずっぽうに川崎の自宅まで走った。帰ってから地図にプロットしてみたが、それほど遠回りはしていないみたい。途中休み休みだったので帰宅は夜遅く。

・・・

11月の北海道は冬枯れていて、あまり面白くないんじゃないか?そんな出発前の心配は杞憂に終わりました。最北端への旅はあまりに良くて、忘れられない旅となりました。次は緑の季節に、もう一度道東を訪れてみたいと思います。何年先になるかは判りませんが。

今回の旅の日程はフェリー2泊、道内2泊、計4泊5日となりました。道内で過ごしたのは3日間です。北海道を大まかにグルッと回る、ほぼ最短日程の旅になったと思います。サラリーマンの方々がGWや夏休みに行くことも可能かなと思います。計画の参考になれば幸いです。フェリーの予約をとるのが大変でしょうし、予約してしまうと天気で旅程変更出来ないのも、難しいところでしょうけど。
北海道初めての方は、道東は別日程で再訪するくらいのつもりで行った方が良いかもしれません。あそこは見所ありすぎなので、早回りしては勿体無い気がします。

最後まで読んでいただいて、ありがとうございました。
では、また次のレポでお会いしましょう。

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