晩秋の北海道へ 〜4泊5日駆け足の旅〜

PART1 北海道上陸

初めて北海道を旅したのは15年前、22歳の時だった。その時は1ヶ月かけて道央と道東を巡ったのだが、道東があまりにも良かったこともあって日程の大半を費やしてしまい、道北には行けずじまい。だから日本最北端の地「宗谷岬」には未だ行った事が無かった。

日本の最北端はどうなってるんだろう。日本の端まで行って日本列島の大きさを肌で感じてみたい。そう思った私は、秋になって北海道の天気を毎日調べるようになった。正直に言えば一日3回も4回も、Yahooや気象庁の予報をチェックし、過去の統計も調べ上げた。旅に出れるのは11月以降だ。

それで判ったのは11月から2月までの道北は、雲りや雪ばかりの典型的な冬の日本海側の天気となってしまうということだった。一方で道東は晴天が多いのだが、行き帰りの途中にある日高山脈が雪に覆われてしまう。もし道東まで行けたとしても、日高山脈を越えられなければ、春まで帰れないかも。11月以降の北海道ツーリングはあまりにリスクが高いように思われた。

10月26日、札幌では8cmの積雪を観測した。TVは雪化粧した札幌の街を映し、峠道のライブカメラサイトは路肩に高く詰まれた雪を写していた。一度は北海道行きを諦めたのだが・・・。

冬といいうものは寒暖を繰り返しながら、徐々に厳しさを増していくらしい。11月初め、最初の寒波が去るとしばらく暖かい日が続いた。予報によればあと1週間位は暖かい日が続くようだ。普段は天気予報があてにならないとぼやいているくせに、こうゆう時だけは信じたくなってしまう。11月8日、祈るような気持ちで、既に冬の足音が近づいてきた蓼科を後にした。

北海道までのフェリー
北海道まではフェリーを使用することにした。関東近郊からの一般的なルートとしては、次の3つになると思う。

1.大洗−>苫小牧(商船三井フェリー・東日本フェリー):バイク15300円/乗用車23000円

2.新潟−>小樽 (新日本海フェリー):バイク10500円/乗用車16100円

3.仙台−>苫小牧(太平洋フェリー):バイク12500円/乗用車23000円

(注)バイクは400CC以下、乗用車は4m以下の閑散期の旅行当時の料金です。運行時間もその当時のものです。季節などによって料金は変わります。参考程度にしてください。

----------------------- ルート1〜3まで、ちょっと解説 ---------------------------

1.大洗発は夕方18時30分発と夜23時59分発の1日2便ある。東京近郊から一番近いのは大きなメリットだが、苫小牧到着が夕便で13:15、夜便で19:45なのだ。秋の北海道の夕暮れは早く、4時を過ぎると暗くなってしまう。13時に到着するとあまり走ることが出来ないし、19時に到着したら苫小牧で宿泊が必要だ。出来れば北海道上陸してその日(=天気予報が晴れ)の内に稚内入りしたかったので、これは遠慮することにした。

2.新潟発は10時30分で小樽着は午前4時10分となる。月曜休航。昔から北海道に行くには新潟発が断然安い。但し、東京〜新潟まで330km位自走しなければならない。15年前もこれを使ったのだが、その時は夜通し下道を走ったっけ。フラフラになりながら。で、乗船したらひたすら寝ると。(但し、体調が悪いと船酔いしやすいので無理は禁物です)。小樽到着も朝の4時頃なので、到着日はフルに走ることが出来るのも大きなメリット。

3.仙台発のフェリーは仙台20:00発苫小牧10:45着。ちょっと割高だが、このフェリーはほとんど夜間航海なのがメリット。寝てられる。昼にフェリーに乗ってしまうと、何もすることがなくて暇だし。また、午前11時発表の天気予報を見てから出発しても出航に間に合い、翌朝には北海道に立つことが出来る。天気を気にする場合にはうってつけである

実は、出発当日まで2.の新潟−>小樽にするつもりだったのだが、早朝ネットで調べたら休航日だという事が判り、慌てて3.の仙台−>苫小牧に変更したのだった。蓼科から仙台までは400キロ、ちょっと遠いけど。本当は下道で行きたかったが、天候都合を考えて佐野からは高速を使用することにした。

蓼科>佐野藤岡IC>東北自動車道>仙台東部道路>仙台港北IC>仙台フェリーターミナル

15時10分、佐野藤岡インターより東北自動車道に入る。仙台港北インターまでの距離は300km(ちなみに東京〜仙台港北ICは370km位です)。

出来るだけ急ぎ、それでも仙台港北インターを降りたのは18時50分だった。

高速を降りてから仙台港の表示に従って進んだら全然別の所に出て迷ってしまい、15分程ロス。フェリーターミナル到着は19時10分、乗船手続きギリギリであった。遥々仙台まで来て出航に間に合わなかったらシャレにならない。冷や汗をかく。

平日ということで予約なしだったが(いつも予約なしなのは私の悪いクセです)、この11月に北海道へ向かうバイクなど他に有るはずも無く、問題なく乗船することが出来た。

20:00、仙台を出航。

11月の夜の東北道は気温も4度まで下がり、一気走りして体はガチガチのヘロヘロだったのだが、船内で展望風呂に浸かって体を暖めてほぐすことが出来た。2等船室はすいていて快適だったが、一人当りのスペースはかなり狭いので、混雑期は寝台の方が良いかも。

苫小牧上陸

午前10時、北海道が見えてきた。雲は多いが晴れていて、未だ雪国という感じも無くてホッとする。
10時30分下船。今日は稚内まで走るつもりだ。出来るだけ日があるうちに着きたいのだが。予想走行距離は370キロ。平均時速60キロで計算しても所要約6時間となる。休息無しで走ったとしても、果たして日没までに辿り着けるか。

なぜ日中の走行にこだわるかというと、夜になると気温がマイナスになってしまう可能性があるからだ。天気予報は晴れだが、もし雨が降る位なら雪になってしまうだろう。夜間の走行は避けたいところ。

 

港を出ると、幅広の道路が現れた。やっぱり本州とは違う景色だ。ちょっと緊張しながら、バイクを走らせる。
国道234号線
苫小牧から岩見沢まで普通にナビ検索すれば道央自動車道の札幌経由だと思うが、今回は最短距離を結ぶ国道234号線を走ってみた。室蘭本線沿いの沢山の街を結ぶ道なので時間が掛かるかと思っていたのだが、幸運にも予想は大きく外れた。

写真のような広くて走りやすい道が延々と続く。北海道らしく左右に牧草地が広がり、しかも何故か青々とした緑色なのだ。枯れてない。う、嬉しい。
オロロンライン

岩見沢で国道12号線に合流。札幌と旭川を結ぶ幹線国道は信号も交通量も多く、ペースは本州並に落ちる。滝川からは国道275号線、国道233号線と乗り継ぎ、標高200メートルほどの美葉牛峠という峠を越える。ここでツーリング中と思しき荷物満載のバイクと初めてすれ違い、ピースサインを交わす。北海道っぽい感じで、思わずメットの中でニコニコしてしまった。

美葉牛峠と留萌の中間地点あたりで警察が取り締まりをやっていた。これから訪問しようという方は注意されたし。

海だ!オホーツク海だ!本州では見られない光景に、走っているだけで楽しくなってしまう。

遥か彼方まで、海に沿って道が伸びている。はたしてどこまでこんな道が続くのだろう。

 

のんびりした風景が続く。何も無い丘の上に巨大な風車が現れた。ホント、何も無いなあ。

海から吹く風は強いが、日が出ていて暖かです。留萌から稚内まで約180キロ。それほど大きな街も無いはずだし、快適な旅になりそう。

時おり丘陵地帯の上に出てアップダウンを繰り返す。左手には広大な日本海、右手には延々と続く原野と広大な牧草地。全く雄大なところだ。時々停まって写真を撮りながら進む。

一箇所速度取締りをやっているところがあり、高台からおまわりさんが双眼鏡で監視していた。ちょうど大型トラックがゆっくり走っていたので抜こうかどうか迷っていたところ。危なかった。これから訪問する方は注意されたし。

天塩からは県道106号線を走る。稚内まであと70キロ。時刻は午後3時30分なのだが、やけに太陽が低い。もうすぐ日没って感じだ。ちょっと早すぎでないかい、泊る所まだ決めてないんだけど・・・。
 
端正な山が見えてきた。利尻富士だ。


サロベツ原野の中を延々と走るオロロンライン。とても魅力的な道だった。

午後3時50分日没。3時台に日没とは早い。
夕焼けに浮かび上がる利尻富士。余りにもきれいで、バイクを停めてシャッターを切る。

よく見ると利尻富士は冠雪していた。

周囲には誰もいない。ホントきれいだ。晴れて良かった。出来れば昼にも来てみたいけど、日程的に無理だろう。名残惜しくて暫らく佇む。

 

夕闇が迫り、冷え込んできた。指先が耐えられないほど冷たい。今日はどこに泊ろう。寒さが身にしみ、急に不安になる。

稚内市内に入ったところでライダーハウスに電話してみた。電話に出たオヤジはかなりぶっきらぼうな口調で戸惑ったが、宿泊OKとのこと。最北端の町は氷点下に迫る冷え込みで、風も強く、キャンプする雰囲気ではなかった。ありがたい。

宿についたら天ぷらの差し入れをいただきました。ありがとうございます。セイコーマートで一番安い弁当を買ってきて夕食にする。

 
「ライダーハウスみつばちの家、ライダー駐車場」、稚内で通年営業してるのはここくらいらしい(一応出発前にモーターサイクリストで情報を調べておいた)。場所は通りから少し入ったところにあり判りにくい。南稚内駅の西側で旭湯のすぐ近く。宿泊料は700円だった。北海道を長期旅行する貧乏ライダーにはとても有難い存在だ。壁には旅行者の写真や落書きが一杯貼ってあって愉快。まあ建物はだいぶ昔に建てられた怪しげなもので、果たしてこのHPの読者層の方々が許容できるかどうかカナーリ疑問だけど。

さて、この季節には珍しく相客が2人いた。一人はKLX250に乗る北海道一週の若者。KLX氏は翌日も時々出会う事になるのだが、無事本州へ帰れたのだろうか。ちょっと心配である。もう一人は数ヶ月は滞在してそうな沈没者だった。こちらは別の意味で心配な気がする。元気でいてほしいが。

沈没者の人からいろいろ話を聞き、歩いて3分の近所の旭湯という銭湯へ行った。この銭湯も非常に年季の入った味のある建物で愉快。夏はライダーハウスもやっているらしい。やっぱ銭湯が近くにあるのは良い。冷え込んできたので、宿に帰ったら直ぐ寝てしまった。外気温は氷点下まで下がり、小さな石油ストーブがある室内も冷えてきたので、ダウンシュラフに包まって寝るしかなかったのだ。翌朝起きてみたら、バイクは霜だらけでガチガチに凍っていた。

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