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001 「建築は建て主と設計者の間に生まれてきた子供」

設計者の好み(形や色)がその設計した建築に現れて来るのは当然としても、 設計者の性格やその生い立ち(どのような環境で育ったか、どのような教育を受けてきたか)までもが、 出来上がった建物から透けて見てきてしまいます。
と同じように、建主の好み・性格・生い立ちも建築に現れてきてしまいます。(設計者が建て主の意見を全く無視したり、設計者の個性(遺伝子)がとても強い場合は別ですが………。)  これは丁度、夫婦の間に産まれる子供が二人の性格を受け継いでいるのに似ています。
またその建築が出来上がる過程も、出会いがあって、付き合って、やがて結婚し、二人の生活が始まり、子供をもうけるということとオーバーラップしてきます。

初めは相手探しから始まり
   積極的に相手を捜す人もいれば、知人に紹介される場合もあります。
   理想が高くて有名人でなければいやだとか、
   お金持ちでなければ駄目という人もたまにはいます。

出会い、お互いを知ろうと努力します
   建主は自分たちの希望を相手に伝えようとするでしょうし、
   設計者の過去の作品を見てその作風や仕事の進め方を知ろうとします。
   設計者は建主がどんな夢を持っているのかを知ろうとします
   自分たちの設計する案がどれだけ素晴らしいかを判ってもらおうと努力します。

「本当にこの人でいいのだろか?」
   設計者が本当に自分達の夢を叶えてくれるか心配します。

「結婚できるのだろうか?」
   仕事の依頼が来るか心配します。

そして、結婚
  まさに契約です。

幸せなハネムーンの期間
  設計をしている時はお互い夢が広がります。

「こんな筈ではなかった!」 「すわ離婚か!」という時期
  たとえば法規や予算という現実的な問題に遭遇してたまに起こります。

十月十日を過ぎ無事出産
  建物の規模にもよりますが、設計が終わり半年から一年で竣工となります。
  (当然、建主・設計者とも工事中の建物に愛情を注がねばなりません。)


これまでに私たちの事務所と建主との間に産まれた子供は11人。
美人・美男揃いとは言えないかもしれませんが、皆大きな病気もせずに順調に育っています.
子供達の様子はこのホームページで見ることが出来ますので、是非覗いてみて下さい。