OCTC宮崎校20周年記念講演会


講演内容

 10:00   開会  
10:15〜11:00 









 
週末17期卒
前川泰一



 Organic Occlusion 成長発育に基づく咬合論

オーガニックオクリュージョンとは、正常に成長した個人が自然に獲得する咬合のことである。
人は乳児期から小児期を経て成人へ。乳歯から永久歯へ変わり顎顔面骨格を形成する。成人の骨格パターンとして、T級、U級、V級と分類されるが、U級、V級は、歯周病、無呼吸、破折、咀嚼、発音、呼吸、嚥下、姿勢などに悪影響を及ぼす可能性を含んでいる。人がT級骨格を獲得するには乳歯列期の歯列が重要で、歯は顎顔面骨格を形成する上でとても重要な役割を果たす。
乳歯から永久歯への生え変わりや、永久歯列には欠かせない前歯が臼歯を守り臼歯が前歯を守るミューチュアリープロテクテッドオクリュージョンを構成するまでの要因を紹介したい。

11:05〜11:50  全日13期卒
藤崎啓太
 Basic color reproduction & value control of HT ZR

近年の歯科治療、特に審美の分野においては日々様々な事が変化し、進化しており、常に新しい情報や考え、技術が必要になってきている。
高透明度化されてきたジルコニアもその一つである。陶材を盛るクリアランスが少ないケースなどに透過性の高いジルコニアコーピングを使用すれば、PFM や従来のジルコニアコーピングに比べ自然な色調は再現しやすくなるが、透過性があるために支台歯の影響や明度低下が起こりやすく製作時の明度コントロールを如何に施すかが重要になってくる。
また、材料や道具、手法が変わろうとも患者の口腔内に合わせた歯牙形態の再現や色調再現をするという目的は今も変わる事はなく、診査・診断をし、患者に最善の治療計画を提示できても最善の補綴物を具現化する力がなくてはならない。
私は大阪セラミックトレーニングセンター宮崎校を卒業して4年半が経過した。自費補綴歴はトレセンを卒業してからなのでそれと重なる。短い期間ではあるがその間に学んだ事を臨床ケースなど交えながらお話させて頂きたいと思う。

11:50〜12:35   昼食  
12:35〜13:25  週末7期卒
橋本誠
 CAD/CAM 機器の選択基準

現在、歯科用CAD/CAM システムは多種多様なシステムが販売されています。選択肢が多すぎてどのシステムを使えば良いのか?どのシステムが自分に合っているのか?CAD/CAM システムに興味があっても販売メーカー、情報、噂も多く何を基準に選べばよいか悩むことも多く、導入後、こんなはずじゃなかった等、不満の声も多く耳にします。
そこで今回は、センター方式でCAD/CAM 技工を考えた場合、機器導入に関して注意しなければならない事、CAD とスキャナーの仕組みを中心にお話したいと思います。

13:25〜14:10  全日5期卒
菊池麻衣
 私の日常臨床

ジルコニアの普及が進んでいる近年、ジルコニア修復における設計理論や質の高さが更に要求されると思います。
私が勤務する会社では93%以上がジルコニア修復で、残り数%がe-max,その他です。日々、ジルコニアに携わっている環境でも、ジルコニアの特性を更に向上させる手法を試行錯誤しています。
今回はジルコニアを扱う上での注意点やフレームワークの違いによる口腔内での見え方の違い、また、日々の臨床における試行錯誤についても報告させていただきたいと思います。

14:10〜14:25 
 
 休憩  
14:25〜15:10  週末3期卒
下田昌幸
 欠損補綴におけるリムーバブルデンチャー(可撤性義歯)の存在意義

インプラント治療が主流になり欠損補綴における施術の選択肢は広がり歯列の安定が図り易くなり、それにより口腔内の永続性(Longevity)は格段に伸び安定した結果をもたらしています。しかし、全ての人がインプラント治療の恩恵に預かれるわけではありません。最終補綴物の大部分はリムーバブルデンチャーであるパーシャルデンチャーが担っているのも現実であります。その補綴物の安定が永続性につながり、歯列の崩壊が止められないケースにおいても崩壊スピードを少なからず遅らせることになります。
日頃の臨床の中で、リムーバブルデンチャーを成功に導くためのポイントとして、デンチャーを受け入れる残存歯の補綴を含めた治療(マウスプレパレーション)が重要になってきます。最終的に入るデンチャーの完成のイメージを描き、デンチャーが受ける、維持把持支持の力を許容し誘導するレストの設定やサベイドクラウンの設計を論理的に導きだす方法を解説していきたいと思います。
また、昨今では歯牙、粘膜、インプラントを組み合わせたリムーバブルデンチャーのケースも多くなってきました。患者様の口腔内の状況や経済的な理由により制限された条件の中で、より予知性の高い永続性を追求できるかが成功の鍵になります。その上、デンチャーカラーリングなど審美性を高めることも求められています。
いろんな臨床ケースを供覧していきながらリムーバブルデンチャーの存在意義をお話させて頂
きたいと思います。

15:15〜16:00  週末2期卒
徳冨博和
 色調再現のメカニズム- within a long distance -

セラミックスによる天然歯牙への色彩融合は、審美的補綴物の中でもとても難易度が高く、それに費やす時間は計り知れない。しかし、すべての患者はできるだけ少ない来院数と短期間での補綴物製作を望んでいる。本講演では特に遠方のドクター、患者への「色合わせ」を軸として歯科医師・歯科技工士が持つべき色への知識とコミュニケーションを考察し、そしてシェード・テイクおよびシェード・マッチング時におけるエラーの発生を防ぐため双方の役割を検討してみたい。
16:00〜16:20   評価  
16:20〜16:30   閉会