つながりのわーく(4)

前回の続きで、ネットワークのスケールフリーとスモールワールドについて学習する。

0.前回の「ネットワーク」の続き。
1.スケールフリー
 ネットワークの中心を考える。
 1)スケールフリー:枝が一部の人に集中していること。
 2)ハブ:多くの人とつながっている人。
 3)ネットワークの中心は誰か。図6で中心性の概念と人を考える。
  ・次数中心性:枝の数が多い人。B。
         地方の大物。中央の情報に疎い。
  ・近接中心性:誰からも距離が近い人。P。
         実質的な中心。
  ・媒介中心性:コミュニティを橋渡しする人。R。
         顔を広い人。
2.スモールワールド
 より早く目的の人にたどり着く方法を考える。
 1)スモールワールド:二者関係をたどって目的の人にたどり着けること。
           友だちの友だちはまた友だち。世の中は案外狭い。
 2)6次の隔たり:二者関係を6回たどると目的の人にたどり着くという法則。
  ・アメリカの心理学者ミルグラムが1967年に実験した。
  ・深夜番組で、身近な人から知人の紹介を通じて優香に到達できるかという実験をした。
  ・めざましテレビで、アフリカのサントメ・プリンシベ民主共和国から出発して笑福亭鶴瓶に   たどり着く。14人目で到達した。
 3)図2で考える。
  1)25人がバラバラの状態(2−1)
  2)50本の枝でつながった状態(2−2)
  3)AからYまで何枝で行けるか考える。
   ・ABGHNRWXYの8枝。
  5)6回でたどり着けるように、上下左右斜めに隣接する1人を飛ばした1本の枝を考える。
 ・AとMを結ぶ。
  6)この枝を「シートカット」と言う。ショートカットを使うと、世界が小さくなる。

3.「わたしのネットワーク」で、クラスター、スケールフリー、スモールワールドを考える。

 いろいろな人の考え方を集めて、さまざまな角度から課題を考え、よりよい答えを探す。多くの人で話し合うと、他の人の豊富な体験や意見を聞くことができる。ただ、時間がかかり、意見が対立した時は困まることがある。しかし、メンバーの仲が深まるにつれて気持ちも一つになることができる。

1.「ウィンター・サバイバル」を配布する。
2.ワークのねらいを確認する。
 ・課題解決のために互いに意見を出し合い、合意に達すること。
3.課題文を読む。
 ・雪山に不時着したヘリコプターから、ライフル銃1丁、大箱のマッチ1箱、5日分の朝刊、方向のわかる磁石1個、スキーセット1組、20pのナイフ1個、板チョコレート10個、大型の懐中電灯1個、ウィスキー1びん、固形の油の入った金属缶1個の、持ち出す順番を決める。
4.自分の順位を付け、理由を書く。
5.「にぎやか商店街」のチームで座る。
6.チームで順位を合意する。
7.黒板に順位を書く。
8.チームごとに理由を説明する。
9.正解を発表する。
ライフル銃 音の合図として使えます。しかし、獲物を撃つには練習が必要です。また、獲物を料理できません。イライラしてくると凶器にもなります。
徳用マッチ   寒さを防ぐのに役立ちます。また、物を燃やして救助隊に居場所を知らせることができます。                
新聞紙 火をつけるのに便利です。服の下に入れると寒さを防げます。読めば気晴らしになります。大きく広げると目印にもなります。 
方向用の磁石  10 移動に使えそうですが、冬山でむやみに移動すると危険です。 
スキー一式   助けを求めに行くのに使えそうですが、移動は危険です。旗を立てる棒や燃やす材料ぐらいには使えます。          
ナイフ      枝を切って燃やすぐらいしか使えません。凶器になります。  
板チョコレート 食べればエネルギーの源になります。            
大型懐中電灯 合図として役立ちます。近くの移動にも役立ちます。ただし、温度が低いので電池は長持ちしません。            
ウィスキー 飲めば体が温まりそうですが、眠くなるので危険です。消毒には使えます。                        
固形油の金属缶 体に塗れば寒さを防げます。燃やすこともできます。缶のふたで太陽を反射させて目印にもなります。             
・冬山に詳しい専門家の答えをまとめたもの。
・ポイントは、不時着する直前に近くの町に連絡ができたので、救助隊が来ること。
・素人が、冬山を軽い服装で30キロも移動するのは危険すぎる。
10.誤差を計算する。
11.ふりかえりシートを配布して書かせる。


生徒の感想
1)雪山で遭難したとき役立ちそうだと思った。自分の意見の説明をするのはたいへんでした。▼2)難しかったです。結果は良くはなかったけど、楽しかった。▼3)正解の理由を聞いて納得したけれど、考えているときには全然わからなかったので、難しい問題だと思った。役立つ情報だと思った。▼4)前にこういうのをやったことがあった。いろんな意見があって面白いと思った。本当にこの状況があった時、相手と気が合わなかったらたいへんだと思った。▼5)みんなの意見が聞けておもしろかった。納得させたり、納得させられたりするのが楽しかったです。またやりたいです。▼6)今日は楽しめた。またやりたい。▼7)雪山で遭難したらって考えながらいろいろみんなと話し合うのが楽しかった。▼8)何が1番生きるのに大切か考えるのが難しかった。でも答えを聞いて納得できた。▼9)かなり頭を使ったしたいへんだったけど、みんなで協力したら楽しくできたので良かった。▼10)専門家の意見についてなるほどなと思いました。自分の考え方がグループのものより正解に近くてびっくりした。道具の使い方を知らないと間違えてしまうなと思いました。▼11)多くの人とつながっている人を「ハブ」というけど、1人を無視して除け者にすることを「ハブる」というようなーと思った。みんなで話し合ってやるのは楽しいからまたしたい。▼12)この前と違い最下位でした。最初に焦点を当てる所がずれていたので全然違う結果になってしまった。何に重点を置くかをしっかり決めることが大事なんだなと思った。▼13)自分の言う通りに動いたらみんな殺してしまう結果だった。もし危ない場面にあった時は、みんなの言う通りにしようと思った。

10
理解ができたか
興味が持てたか
役に立ちそうか

教師の感想

 ふりかえりシートを書く時間が少なかったので、感想が後半のグループワークに偏った。時間があっても、理論は難しいということか。説明の仕方で改善の余地はある。後半のグループワークは好評でした。話し合うのが面白がってくれて大成功です。課題の結果だけでなく、プロセスに目を向けるようにしていきたいです。今回は、前半に前回の説明が残ったので、グループワークだけになりました。次の時間にふりかえりをするのは、初めての体験なので、生徒がどれぐらいふりかえってくれるか興味が知ります。
 



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