タテ社会とヨコ社会


中根千枝の『タテ社会の人間関係』を参考にして、日本人の集団の特徴について考える。

タテ社会       ヨコ社会
★集団構成の第1条件は、「場」の共通性である。
★一定の「場」にいるという条件によって、集団への所属が認められる。              
★集団構成の第1条件は、構成する個人の「資格」の共通性である。
★同じ「資格」を持つという条件によって集団への所属が認められる。
★1人が同時に1つの集団にしか所属できない。 ★1人が複数の資格を持ち、複数の集団に所属することができる。
★集団は、異質な成員によって構成される。 ★集団は、同じ資格を持つ成員によって構成される。
★集団は、個人的な人間関係によって維持される。 ★集団は契約関係によって維持される。
★序列は、何らかの基準によって決まり、その序列は簡単には変わらない。
★多くの場合、年功序列や入団順である。
★序列は、その資格についての実力によって決まり、その序列は実力の増減によって変動する。
★古顔が常に力を持ち、新参者は一番下の立場に置かれる。 ★新参者も古顔と同列の立場で、実力さえあれば上位に立てる。
★外に向かってその下方において解放されている。   ★排他的である。
★入団の条件は、親密な関係にある既存の成員の推薦である。
★入団の条件は、集団のルールに適合するか否かで、適合すれば契約を結ぶことで入団が認められる。
★親分・子分関係、官僚組織によって象徴される。        ★カースト、階級的なものに発展する。

参考文献

中根千枝 1967 『タテ社会の人間関係』 講談社現代新書


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