言葉のねっとわーく (1)

 言葉のネットワークについて、試行錯誤しながら、体系に気づかせ、理解させていく。
 
1.「漢字・語句100選」(三省堂)から、熟語づくりの2種類の小プリントをして、ウォーミングアップする。
2.「言葉のリレー」を配布する。
3.5分間で、「春」をスタートにして、思いつく言葉を次から次へと書かせる。
 ・途中の場合もそこで打ち切る。
4.周囲の人と見せ合い、発想の違いを比較させる。
 ・同じスタートをしたはずなのに違ってきている不思議を確認させる。
5.「言葉のねっとわーく」を配布する。
6.例を挙げ、板書しながら説明する。
 1)対義語、類義語を例示しながら説明する。
  ・対義語は、説明しやすく、「机」いう例も出やすい。
  ・類義語は、複数の例が出る。また、「ソファ・ベンチ・マッサージチェア」など、下位語と混同しやすい。
   下位語が出ても、一旦保留しておく。
 2)同位語、上位語、下位語、を例示しながら説明する。
  ・「椅子」の例にもとに、同位語の「タンス・本箱・ベッド」などを例示して説明した後、上位語を説明する。
  ・下位語を「椅子」をもとに、より具体的な椅子を例示させる。この段階で、類義語との違いを理解させる。
 3)類義語について補足説明する。
  ・語の出身によって、和語・漢語・外来語の「語種」に分けられる。
  ・使用する場面や語感の違いによって、日常語・文章語の「文体」に分けられる。
 4)それ以外の関連する語は、関連語でまとめる。
7.「言葉のリレー」で書いたものを、「上位語」「同位語」「下位語」「対義語」「類義語」「関連語」に分類させ、点線の上に書かせ、点線を関係を表す実線を引かせる。
 ・6つの分類に入らないものは「飛躍語」で処理し、点線のままにしておく。


生徒の感想
 
 1)類義語と下位語の違いが理解できてよかった。「春」から「桜」に連想する人が多かったので、日本人の春に対するイメージに共通点があるんだと思った。▼2)自分のアホさがわかった。関連語ばっかりで、1つしか当てはまるのがなかった。言葉にもいろいろな種類があっておもしろいなと思った。▼3)頭があんまり柔らかくないなぁと思った。1つの単語からあんなに言葉が出てくるなんておもしろいなぁと思った。▼4)最初にやった小さいプリントが難しかった。けど、ひらめいたら嬉しかった。関連語を考えるのが楽しかったし、1時間が短く感じた。▼5)いろいろな発想をしていくのがおもしろかったです。言葉の関係とか注意したことがなかったから楽しかった。▼6)いろんな言葉の種類を知ることができてとてもよい勉強になりました。これから先使うことが有りそうな内容だったので興味を持って取り組めました。▼7)いかに自分が持っている言葉が少ないかよく分かった。あと発想力が乏しかったです。これからいろんな角度で物を見て考えていこうと思いました。▼8)自分のひらめきのなさにびびった。もっと言葉を知らなあかんなと思った。なかなか楽しめました。▼9)類義語と下位語の違いがよく分かった。あとになって類義語「座席」というのがあるなぁと思いました。▼10)今日やった言葉のリレーは関連語がとても多かった。語には類義語や対義語があるのは知っていたけれど、上位語や下位語というのがあるのを初めて知りました。自分が書いたものの語と語の関係を考えていたら、いまいちよく分かりませんでした。少し言葉に関心が持てました。▼11)上位語とか下位語とか難しくていまいちわからなかったです。でもおもしろかったです。▼12)今日は言葉のリレーをした。関連語ばっかで自分の頭はまっすぐしか向いていないんだと思った。輪をつなごうでは、2枚目が全く思い浮かばなくて書けなかったし悔しかったです。最初よく分からなかったけど、なんとかわかった気がする。言葉というかイメージでやったので飛躍しまくりでした。まぁ、ユニークでいいんかなぁ。
10
理解ができたか
興味が持てたか
役に立ちそうか

教師の感想
 
 生徒が優しいのか、言葉のネットワークに興味を示してくれました。そして生徒は謙虚です。自分の到らなさを受け止めています。
 それにしても、「言葉のリレー」をさせて机間巡視をして反省しました。生徒が思いつく言葉は、意味の連想からつながるものがほとんどでした。「春」→「桜」→「森山直太朗」というように、連想ゲームです。それも怪我の功名、後で言葉のネットワークを説明すると、自分のかいたもののほとんが関連語なので、そんな言葉の広がりがあったのかと新たな発見をしてくれました。
 この教材は20年前に教材化していたものをリニューアルしたもので、ようやく日の目を見ました。



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