言葉のレッスン(5)


03 1.前回のふりかえりと今回の目的を説明する。
1)「voice」を配布する。
2)前回は文の構造と修飾語を学習した。
3)今回は続きを考える。
10 2.ワンワードをする。


*文を作るウォーミングアップとして実施する。
1)4人組になる。
2)各組に1枚ずつ白紙を配布する。。
3)1人ワンワードずつ書いて、90秒間紙を回す。
4)書いた語を、主語・述語・目的語・修飾語・独立語に分類する。
5)2回目は2分間でする。                   
10 3.修飾語について考える。
*文を豊かにするために修飾語について考える。
1)『修飾語のルール』を配布する。
2)目的を説明する。
3)修飾語の分類を解説する。
 1)父は 昼から 母と 車で 街へ 買い物に 出かけた。
  主語 時間  相手 手段 場所 目的   述語
 2)私は できれば みんなの前で 自分の意見を 一度だけ
  主語 条件    場面       目的語     数量
  はっきりと 言おう。
  様子    述語
 3)激しく 雨が降るので 残念ながら 遠足は 中止になるだろう
  程度  理由・評価    主語  述語
4)2、3について説明する。
 ・2は連用修飾語。
 ・3は連体修飾語。
6)修飾語の順序について考えさせ、説明する。
1)(3)雨が(1)太陽が照りつける若葉に(2)豊かな潤いを与えた。
2)(1)初夏のさわやかな雨が 3)若葉に(2)豊かな潤いを与えた。
3)(1)初夏の雨が(2)もえる若葉に(3)豊かな潤いを 与えた。
*句を先に、語を後に。
*長いものを先に、短いものを後に。
*重要なものを先に、重要でないものを後に。
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4.助詞の使い分けを考える。



*細部についても考えて、正しくよりわかりやすい文にする。
1)『助詞の使い分け』を配布する。
2)目的を説明する。
3)「はとが」の例題を解説する。
 1)先生(は )私(が )書いた作文をほめてくれた。
 2)私(が )住んでいた家(は )幽霊(が )よく出る家です。 3)雨(が )降ってきた。明日の遠足(は )中止だろう。
 4)煙草屋の隣に本屋(が )ある。本屋(は )煙草屋の向かいで  はない。
 5)誰(が )犯人か。犯人(は )誰か。
 6)むかしむかし、ある所におじいさんとおばあさん(が)住んでいました。おじいさん(は)山へ柴刈りに、おばあさん(は)川へ洗濯に行きました。すると川上から大きな桃(が)流れて来ました。
4)定義をする。
 は *広い部分にかかる。
   *判断を述べる。
   *既知のもの。
 が *狭い部分にかかる。
   *事実を述べる。
   *未知のもの。
5)場所
 1)教室(で )勉強したので教科書を教室(に )忘れた。
 2)図書館(を )利用して、図書館(で )宿題をした。
 3)階段(を )昇って5階(に )着いた。
 4)裏門(から)逃げて坂道(を )かけおりた。
 5)京都(から)札幌(まで)一六〇〇キロを、北(へ)バイクを飛  ばし、やっと函館(に)着いた。この旅は札幌(で)終わりだ。
 6)相手の例題をする。
 1)犬は動物(を )愛する人(に )なつく。
 2)聖子はひろみ(に )プロポ ズし、ひろみ(に )一方的に婚  約を通告しておきながら、政輝(と )結婚した。
10 5.さまざまな文末表現について考える。
*日本語は文末決定式なので重要。
1)『さまざまな文末表現』を配布する。
2)目的を説明する。
3)予告の副詞について説明する。
 1)否定や禁止の言葉を伴うもの 
  *けっして、少しも、まったく、全然、断じて、絶対に
     ない。いけない。
 2)肯定(断定)の言葉を伴うもの
  *もちろん、むろん、当然、必ずーーである。
 3)希望の言葉を伴うもの
  *どうか、どうぞ、なにとぞ、ぜひーーしてほしい。
 4)比況の言葉を伴うもの
  *あたかも、ちょうど、まるで、さもーーようだ。
 5)推量の言葉を伴うもの
  *たぶん、おそらく、おおかた、きっとーーだろう。
 6)仮定のことばを伴うもの
  *もし、たとえ、かりに、万一ーーならば、〜。
 7)疑問・反語を伴うもの
  *なぜ、どうして、いつ、だれが、どこでーーか。
4)例題をする。
11)けっして嘘は申し(ません)。 
 2)神様、どうぞあの人に会わせて(ください)。
 3)よく勉強したので、国語はたぶん満点(だろう)。 
 4)たとえ受験に失敗(ても)、自殺なんかするなよ。
 5)なぜこんな簡単なことができない(のか)。 
21)先生の言う通りにすれば(きっと)できるはずだ。
 2)努力は(必ず、たぶん)報われるだろう。(けっして)あきらめてはいけない。
 3)(まるで)蝶のように舞い、(あたかも)蜂のように刺す。
 4)(どうして)虎になったのか、(まったく)私にはわからない。 
5)(たとえ)妊娠していなくても、(絶対に、どうか)捨てないで
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6.テンの打ち方を考える。


*読点によって文が読みやすくも読みにくくもなる。
1)『テンの打ち方』を配布する。
2)目的を説明する。
3)テンを打つ例題をする。
 1)何も事情を知らない軽薄な中居が、昔から香取が大変嫌っていた稲垣を、小学校から高校を通じての親友の木村に紹介した。
  ・文の成分の境目に打つ。
 2)昔から香取の大変嫌っていた稲垣を、中居が木村に紹介したので、小学校以来の香取と中居の友情は、ぷっつり終わってしまっ  た。
  ・重文の境目に打つ。
 3)木村に、何も事情を知らない軽薄な中居が、香取の大嫌いな稲垣を紹介した。
  ・長いものを先にすると「何も事情を知らない軽薄な中居が香取の大嫌いな稲垣を木村に紹介した。」となるが、語順が逆にな   っている語の直後に打つ。
 4)(「窓ガラスを割ったのは誰だ」と問われて)中居が、割りました。
 5)しかし、中居の軽薄さは何度注意されても治るものではなかった。
  ・強調する語の直後に打つ。
 6)近くを一回りして引き返してくると、今度はその中居が、店の入口の自動ドアの前に、ぽつんと立っていた。
4)ルールを説明する。
 *文の成分の境目に打つ。
 *重文の境目に打つ。
 *語順が逆になっている語の直後に打つ。
 *強調する語の直後に打つ。
05 7.ふりかえり  1)『ふりかえり』用紙を配布する。
2)今日の授業の満足度を10点満点で記入させる。
3)今日の授業の感想を書かせる。
4)回収する。

生徒の評価と感想

10
 1  5  8  7  3  6  0  0  0  1  0

 
1
)英語と全然違う。語学ってオモシロイ。2) 文章って「は」と「が」が違うだけですごく変な文になるので不思議だと思った。3)日本語って奥が深いと思いました。4)日本語の凄さ、感動です。5)普段から間違っていると思うと少し恥ずかしいなと思った。6)これが本来の「国語表現」の授業だろうなーと思った。正直、つらかった。7)日本語をしっかり使いこなすには1文字に凄く重要な意味があると思った。8)勉強ばっかでつまんなかった。

今日は生徒の評価がより一層大きく分かれた。前回よりもさらに一層勉強っぽくなった。で も、高い満足度を示してくれる生徒もいる。でも、退屈する生徒もいるので、ここはスピーディーにやろうと思った。こんな学習をきっかけに日本語に興味を持ってくれる生徒が一人でも増えれば本望だ。
 



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