フレンド・サポートのわーく(2)
 
サポートのレベル考え、基本的な構え、正しい理解の話の3つの要素を確認しながら考える。
 
1.サポートのレベルについて考える。
 1)「サポート・レベル・チェック」を配布する。
 2)回答し、集計させる。
 3)サポートのレベルを説明する。
  レベル1・身の上相談のレベル。
      ・アドバイスを断定的に伝え、押しつける。
      ・相手に解決する力に与えず、依存的にする。
  レベル2・同情のレベル。
      ・安易な同感や励まし、勝手に解釈をする。
      ・自己満足で、相手の役に立たない。
  レベル3・フレンドサポートのレベル。
      ・共感や理解したことを伝える。
      ・相手が自分で気づき、自分で解決するのを援助する。

2.正しい理解について考える。
 1)「ある高校生の悩み」を配布する。
 2)一人で回答させる。
 3)4人組になって、正解を考える。
 4)解説をする。

3.感情と行動の関係を考える。
 1)4人組になる。
 2)「行動と感情」を配布する。
 3)「涙を流す」「嘘を言う」という行動の背景にある、感情・欲求・期待・意図をできるだけた  くさん挙げる。
  「涙を流す」
    さびしい、悲しい、憤り、悔しさ、見捨てられる不安、立ち往生、孤立感、無力感
    うれしい、ホッとした、受け入れられた、出会えた
  「嘘を言う」
いけないことをした、自分のイメージを壊したくない、失敗を認めたくない、叱られたくない、見栄をはりたい、困らせたい、褒められたい、認められたい、期待を裏切りたくない、現実を否定したい、注目されたい、前の嘘を守る
喜ばせたい、人をかばう、悲しませたくない、失望させたくない、傷つけたくない
 4)発表させる。
 5)「感情と行動」を配布する。
 6)「好き」「さびしい」という感情の時、人はどんな行動をとるか、できるだけたくさん挙げる。
  「好き」
自分のことを話す、近づく、電話する、助けようとする、着飾る、言葉をかける、一緒にいる、気持を伝える、相談に乗る、プレゼントする、相手のことを知りたがる、いい所を見せようとする、その人の持ち物を大切にする、寝られない、食事が喉を通らない
隠そうとする、おどけて見せる、からかう
「さびしい」
音楽を聴く、泣く、電話をする、旅に出る、本を読む、大声で歌う、日記を書く、一人になる、何かに打ち込む、スポーツする、買い物をする、人と話す、部屋の整理をする
わざと怒られることをする、いじわるをする、平気を装う、はしゃぐ
 7)発表させる。

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理解ができたか
興味が持てたか
役に立ちそうか 11


生徒の感想
1)皆で話し合うと盛り上がるし楽しい。いっぱい出てきてこっちのためにもなるし、相手のためにもなってよかった。▼2)人の感情って難しくって人によってとらえ方や感じ方が違うと思った。自分の感情を出すのは心地よい。人の話を上手く出せる人になりたい。▼3)少ない情報では相手を確実には理解できないので慎重にならないといけない。▼4)あらたまると人の感情とかを推測するのは難しいって分かりました。普段は無意識にしているんだなぁ。意識してやったらもっとできるようになるかもしれない。▼5)相手の気持ちを探ることは楽しいことに気づいた。相手の話を聞いて想像を膨らませ過ぎないことが大切だと思った。▼6)人の行動を見て気持ちを考えるというのは日常生活でもよくあることだと思った。けど、思い込み過ぎたら駄目になると思った。▼7)考え過ぎてしまった部分があった。自意識過剰になってしまうと駄目。▼8)感情と行動はすごく面白かった。人の行動は気持ちの表れだと思いました。▼9)みんなで話し合って決めるのがいろんな意見があって楽しかった。たくさんのパターンがいろいろな行動に感情として含まれているのが分かった。▼10)人の相談に乗る時、同情ばかりして入り込もうとしなかったと思う。▼11)思い込みなんかしていないと思っている時点で思い込んでいるんだなぁと気づいた。感情と行動って面白いなぁと思った。▼12)だいぶ先入観があることがよくわかった。感情について連想するのは楽しかった。自分の友だちの感情などよく考えられたと思う。

教師の感想
今日はいろいろなメニューを持って授業に臨んだ。最初にレベルチェックすることは決めていて、ここからら生徒の反応を見ながら次のプログラムを考えた。そして選んだのが、「正しい理解」。話を聞いて事実だと思い込んでしまうことがよくある。そうすると相手の話が本当に聞けない。ついついアドバイスしたり同情したりしてしまう。いくつかの可能性は残しながら決めつけないことが大切だ。しかし、感情については、自分の中にいろいろなアンテナを張っていないと引っかかって来ない。行動と感情とは裏腹なことも多いので、さまざまな可能性の中から、確かなものを絞っていく作業が必要である。こんなワークをグループですることによって、人はどのように感じているかを知ることができて、一石二鳥である。次回は、マイクロカウンセリングのビデオを見て、本格的にカウンセリングの世界に入っていく。



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