アサーション・トレーニング(6)
 
ストレスは人間関係の中で生じることが多い。人間関係をスムーズにするスキルの一つが、敬語である。敬語を学ぶことによって、アサーティブな気持ちのよい会話ができる。
 
1.コーピングのグループ発表をする。
 
2.臨床動作法をする。
 1)「臨床動作法」を配布する。
 2)準備運動をする。
 3)構えの姿勢をとる。
 4)一人で肩上げをする。
 5)二人組になり、肩上げをする。
 
3.敬語の基本を説明する。
 
1)敬語の4つの機能
  @あがめ表現
   ・敬う相手は、高い地位にある人、優れた能力を持っている人、目上の人、自分に 利益になることをしてくれる人など。
   ・患者にとっての医者、生徒にとっての先生、商売人にとっての客。
    ex「先生がおっしゃったことは、心に残りました」
     「いつもご利用いただいて、ありがとうございます」
  Aへだて表現
   ・相手との距離を置く機能。
   ・初対面の人やあまり親しくない人に敬語を使う。
   ・逆に、敬語を使わないで話すことによって親近感を表現することができる。
    ex「初めまして、○○と申します。よろしくお願いいたします」
     「すぐに帰りますので、お気づかいなさらないでください」
     (部下に)「いつもご苦労さん。頑張ってるね」
  Bあらたまり表現
   ・正式の改まった場面を作る機能。
   ・同じ相手でも、場面によって敬語を使う。
    ex(会社の外)「今から今日の打ち合わせをしよう」
     (会社の中)「只今より本日の会議を開催いたします」
  C品位・軽蔑表現
   ・自分の上品さや教養を強調する機能。
   ・特に女性に多い。
   ・敬語を使う場面でもないのに使うことは、相手への軽蔑や皮肉の心の表れ。
    ex「お嬢様のお召し物、お高くていらっしゃったのでございましょ」
     「お大根にお塩でお味をお付けになっていただくとおいしくいただいていただ   けます」
     「お珍しいわね。こんなお高いお店でお買い物なんて」
 
 2)敬語の3つの種類
  1)尊敬語
   ex食べる→食べられる・お食べになる
    説明する→説明なさる・ご説明になる
    お美しい・ご多忙
    お車・お体・ご挨拶・ご卒業・貴社
  2)謙譲語
   ex持つ→「お持ちする」「お持ちいたします」
    連絡する→「ご連絡する」「連絡いたします」
    「茶」→「粗茶」 「品物」→「粗品」 「父親」→「父」 「息子」→愚息」
    「自社」→「弊社」
  3)丁寧語

 
10
理解ができたか
興味が持てたか
役に立ちそうか


生徒の感想
1)肩に手を乗せてもらったが、気持ちよかったです。ふぁって肩の荷が下りた気がしました。▼2)敬語の「お」と「ご」の違いの分け方を初めて知ってビックリしました。なるほどなと思うけど、普段何気なく使い分けられていることは、やっぱり日本人なんやしなーと思った。▼3)みんなのストレス発散法、また実行してみようと思った。尊敬も謙譲も言葉づかい一つで相手に与える印象が大分違うので気をつけようと思った。▼4)古文でも現代文でも謙譲は少し他の2つの敬語よりややこしい気がした。女の人が使う敬語はたまに嫌らしい言い方するなぁと思っていたので、やっぱりそういう表現があるんだと思った。▼5)手を離されたとき、フワーってなって気持ちよかった。敬語は使うのがちょっと苦手だから頑張ってマスターしたい。▼6)臨床動作法は身体もだけど心も落ち着いた気がしてよかった。これから活用していきたい。人間力を抜くときも必要だと思った。▼7)臨床動作法は気持ちよかった。自然と腹式呼吸になっていた。肩から手を離された時、スッて軽くなった。悪いものを一緒に取ってくれる感じだった。▼8)最初の臨床動作法は今の時期役立つと思う。敬語もこの先社会に出ていくに当たって絶対知っておかなければいけないことだと思う。▼9)尊敬語や敬語はある程度理解していても使う場面になったら変な言葉になったりする。もっと深い理解が必要なのかもしれない。次の授業もしっかり集中したいです。▼10)肩の力を抜くといい感じになれました。つらい時こそ「脱力」てリラックスですね。敬語の種類がたくさんあって面白かった。▼11)次は敬語というのは興味のあることで、この機会にマスターしたいと思った。臨床動作法は楽しかった。▼12)敬語の機能や種類がたくさんあって面白いと思うけど、日本語ってすごく難しいと改めて思いました。正しい日本語を使えるようにしたいです。▼13)臨床動作法は気持ちよかった。家でも布団の中ぐらいしかリラックスは普段味わっていない。▼14)これから社会へ出て行く人間として、必ず身につけておかなければならない敬語を学べて良かった。臨床動作法は自分には合ってなかったかな。

教師の感想
臨床動作法の肩上げは好評でした。日頃リラックスできていないことが改めてよく分かりました。肩から手を離したときのあのふわっとした感じは、得難いものがあります。言葉を使ったストレッサーに働きかけるコーピングとして敬語の授業に入りました。これは学問というより、世の中をストレスレスに生きていくためのスキルです。生徒もその必要性を感じてくれているようです。                       



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