アクティブ・リスニング(4)

アイスブレーキング 
1.まず、質問せずに、次の指示通りに絵を描く。
 1)画面の右上から左下に線を引く。
 2)線の端に星を描く。
 3)星の上に雲を描く。
 4)雲の下に鳥を描く。
 5)鳥の下に建物を描く。
 6)右端に木を描く。
2.完成した絵を見せ合う。
3.今度は、同じ指示に対して、その都度わからない点を質問しながら描く。
 a)画面の右上から左下に線を引く。
  例えば、用紙は縦に使うのか、横に使うのか。
      線は何本引くのか、どこまで引くのか引くのか。
 b)線の端に星を描く。
  例えば、星の数は、大きさは、形は。
 c)星の上に雲を描く。           
  例えば、雲の位置は星の真上か。     
      雲の種類は、大きさは。
 d)雲の下に鳥を描く。
  例えば、鳥の種類は、何羽か。
 e)鳥の下に建物を描く。
  例えば、建物の種類は、個数は。
 f)右端に木を描く。
  例えば、木の種類は、本数は。
4.完成した絵を質問せずに描いた絵と比べる。

質問技法の説明
1.「質問のスキル」を配布する。
2.質問のメリットを答えさせる。
 1)聞き手が分からないことや知りたいことを明らかにする。情報収集。
 2)話し手に関心があることを伝える。好意の伝達。
 3)話し手の話したいことを引き出し、会話をはずませる。会話の促進。
 4)話し手が自分でも思ってもいないことに気づかせる。相手の理解や発見。
3.質問のポイントを説明する。
 1)1度に1つの質問をする。
  ×「小学校の時、何になりたかったの? それを卒業文集には書いたの?」
 2)何を答えればいいのかはっきりとわかる質問をする。
  ×「小学校時代はどうでしたか?」
  ○「小学校時代で、一番うれしかったことは何ですか?」
 3)広げる質問(アドバンス)か、深める質問(エクステンド)か、意識する。
 4)さまざまな角度から質問する。(広げる)
  「小学校1年の担任の先生の名前は?」
  「その先生のあだ名は?」
  「その先生について、一番覚えていることは?」
 5)関連した質問をする。(深める)
  A:小学校時代の一番の思いでは何ですか?
  B:修学旅行です。
  A:どこへ行ったのですか?
  B:ディズニーランドです。
  A:どんな乗り物に乗りましたか?
  B:スペースマウンテンです。

4.質問のポジションを説明する。
 ・右上:自他共有 相手も話したいし、自分も聞きたい。
  右下:気配り  自分は聞きたくないが、相手に気をつかって相手の話したい話を聞く。
  左上:自己中心 相手が話したくないことでも、興味があって聞きたいと思ったことを聞く。
  左下:社交 どうでも良いことを話題にして時間をつぶす。
 ・右上:現状。実際に起こっている様子を聞く。
  左上:原因。踏み込んで、原因を聞く。
  右下:感想。今どう思っているか感想を聞く。
  左下:心理。どんな気持ちがしているか、内面的に深いことを聞く。
 ・右上:現実。
右下:哲学、左上:日常、左下:無意味。
5.質問の種類を説明する。
 ・閉じた質問と開いた質問。
 ・完全質問と不完全質問
6.質問の広がりと深まりを考える。
 ・質問することによって、話題を広げたり狭めたり、深めたり浅くしたりする。
 ・どんな質問の仕方がどのポジションに当てはまるか、考える。
 ・それから、ほかに、次は、例えば、もし=浅く広げる
 ・なぜ、どのように=一つの事柄を追及する。
 ・いつ、どこで、誰が、何を=状況を確認していく。
 ・一番〜、最近〜=順位を付けたり、整理したりする。

生徒の感想
1)質問にもいろいろなメリットがあることがわかった。今まで自分の興味のあることだけ聞いていた気がするので今度から気をつけよう。▼2)質問にもいろいろあって勉強になった。質問って自分が新たに知るだけじゃなくて、相手も質問されることによって新たに気づけるとしたら両方にプラスになるんだと思った。▼3)質問するって難しい。質問ってその時その場面にあったことを言わないといけないのでタイミングも大事だと思います。雑談へのインタビューする人とか、大勢の前で話す人、どっちの立場も難しいと思いました。▼4)最初にやった絵をかくやつは、情報不足だとみんなの絵がバラバラになっていたけれど、自分が必要なことを質問することで具体的なイメージができて、ほぼ同じような絵になった。質問の仕方によって話がイロンナ方向へ進むんだと思った。▼5)相手が自分のことを聞かれてどのようなのかを考えたりすることも質問する上で考えないといけないなと感じました。▼6)質問にもいろいろあって勉強になった。そう言えば自分も「最近どう?」とかあいまいな質問をしていたのできっと相手も答えにくかっただろうなと思った。▼7)普段何気なく使っている質問の言葉にもそれぞれ意味があるとと知らなかった。相手の話したいことと自分の聞きたいことが合ったらお互い楽しく話せるけど、違ったらお互い相手を気づかって話さないといけないなぁと思った。▼8)質問は普段何気なくしているけど、いろいろな目的や効果があるんだなと思いました。▼9)質問もたくさん種類があるんですね。相手の言うことを鵜呑みにせず、わからないところがあれば聞くという姿勢を学習できました。質問を使いこなしていこうと思います。▼10)最初の絵は質問なしの時、みんなほんまにバラバラなのを描いていて、統一する言葉がないとこんなに違うのかと少しびっくりしました。「質問」は確かに興味を持たれているなと感じるし、良い感じに身につけたら友だちの話とかうまく聞いて上げられそうやなと思いました。▼11)人との会話でドンドン活かしていきたいと思った。とりあえず話すネタを考えないと駄目だなと思った。けれど良い聞き手をすることで向こうもドンドン話を広げてくれると思う。▼12)相手の話したいこととかって区別しながら話しているのかなぁって疑問に思いました。少しずつ学んで大人になっていきたいです。▼13)質問にはたくさんメリットがあることがわかった。そして質問するだけで話が盛り上がるって言うこともわかった。これから質問の仕方とか工夫していきたい。▼14)質問なしでは理解の仕方が人によって全然違うんだなと思った。そう考えると授業とかでも質問ができた方がいいんだと思った。
10
理解ができたか
興味が持てたか
役に立ちそうか


教師の感想
はじめの質問なしとありで書く絵は面白かった。使える教材です。そして、良い流れで質問の説明に入った。少し長かったかな、くどかったかな。わかってもらおうと言葉を継ぐのですが、却ってそれが冗漫になるのでしょうか。最後に質問の実習をしたかったのですが、あと5分しかなく,中途半端で印象を曖昧にするよりは、スパッと切った方がいいと思いました。ライブ型の授業は時間配分が難しい。
 



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