アクティブ・リスニング(2)
 
I 導入にリクレーション「ハイポーズ」をする。(5分)
1.2人組になる。
2.ジャンケンをして先攻後攻を決める。
3.先攻の人が、「ハイ、ポーズ」と言いながら、一つの動作をする。
4.後攻の人は、鏡のようにその動作を真似る。
5.真似できたら、また「ハイ、ポーズ」と言いながら、違う動作をする。
6.これを繰り返して1分間する。
7.交替して同様にする。
 
II 観察のスキル(5分)
1.「観察のスキル」を配布する。
2.「NLP」について説明する。
 ・「Neuro Linguistic Programming」の略で、「神経言語プログラミング」と訳されてい  る。
 ・人間の現実の認識の仕方を、視覚・聴覚・嗅覚・味覚・触覚の五感と言語の観点から研究した  もの。
3.3つのタイプを確認する。
 ・1.視覚タイプ、2.聴覚タイプ、3.体感(嗅覚・味覚・触覚)タイプ。 
4.それぞれの特徴を説明する。
 ・顔に目玉を書き入れる。
 ・自分にとって、右が未来・現在、左が過去。
 1)視覚タイプは、上。
 2)聴覚タイプは、横。
 3)体感タイプは、下。
 
III かかわり行動の実習(15分)
1.2人組になって椅子に座る。
2.真正面、真横、斜め前、後ろなど、いろいろな位置を試し、一番話しやすい位置を決める。
3.離れたり近づいたりして、距離を調整する。
4.話し手と聞き手決める。
5.ミッションカードを配布する。
 ・裏向けて見ないようにする。
6.話し手は、語りネタMAPの中から話題を選ぶ。
7.聞き手は、ミッションカードをめくり、聞く態度を決める。
 ・1)腕組みをする、2)後ろにふんぞりかえる、3)落ち付きなく動く、4)ずっと下を見る、5)相手  を見つめる、6)キョロキョロして目を合わさない
8.30秒間会話をする。
 ・話し手が嫌になったら途中でやめてもよい。
9.交替してする。
10.これをカードがなくなるまで繰り返す。
11.聞く時の関わり行動として大切なことを話し合う。
 ・カードを全部見てもよい。
 
IV かかわり行動の理論(25分)
1.「傾聴のスキル(1)」を配布する。
2.位置について説明する。
 ・正面は依存・対決、ま横は一体感、後ろは支持・独立、斜めは共感。
3.距離について説明する。
 ・距離を書き込ませる。
 ・密接=0〜45cm、個人=45〜120cm、社会=120〜360cm、公衆=360〜750cm。
4.姿勢について説明する。
 ・腕を組むと、a)防御、b)熱中して考え込む、c)批判や不快感を表している。
5.目線について説明する。
 ・高い目線は、相手より優位であることを表す。
 ・低い目線は、尊敬や感謝や謝罪を表す。
6.表情について説明する。
 ・3人組になって、指示に従ってどんな表情か考えさせる。
 ・ポイントは、1)眉、2)瞼、3)口、4)頬である。
 ・教師が実演しながら解答していく。
 ・喜び、怒り、嫌悪、驚き、悲しみ。
7.手振りについて説明する。
 ・手の果たす役割を書き込ませる。
  1)語句を強める。(数字・拒否)
  2)何かを指し示す。(話題の対象の明示)
  3)現実感を持たせる。(大きさ・図示)
  4)言葉のつなぎ。
  5)自己タッチ
 ・自己タッチについて詳しく説明する。
  a)唇・頭・頬・あご・首の後ろに触れる→気持ちを落ち着かせる
   ・過去に快感情を経験した部位をあらためて刺激するような動作。
   ・癒しの効果がある。
   ・唇は、おっぱいをもらっていた時の感覚。
    ・手や舌で唇をなでたりなめたりする。
    ・上下の唇を互いに押しつける。
    ・唇を口の中に巻き込む。
    ・指で唇を触る。
    ・鉛筆をくわえる。
   ・唇以外は、周りの人が幼児期になでてくれたところ。
  b)眉や口に触れる→表情を隠して、不快感を見せない。
   ・親指を頬に固定して、他の指で眉をこする。
   ・眉を指でつまんだり、眉間に手を当てる。
   ・手で口を覆う。
   ・片手で鼻をつまんだり、親指を頬に人指し指を鼻の下において口を隠す。
   ・顎に両方の親指をつけて、両手を合わせて立てる。
8.声の説明をする。
 ・トーンが高いのはうれしい、低いのは深刻。
 ・スピード速いのは、楽しく積極的だが、やや軽薄。
 ・遅いのは、思慮深いが、雰囲気は重い。
9.ペーシングの説明をする。
 ・相手のペースに合わせること。
 1)ミラーリング:手振り身振りを合わせる。
 2)チューニング:感情を合わせる。
 3)マッチング :言葉を合わせる。                            
生徒の感想
1)確かにそうだなと思うことがいっぱいありました。人って自然と話したり聞く態度や声や顔や身振りを使って気持ちを表現しているんだなと思いました。▼2)今日のミラーリングは面白かった。先生が出したミッションによって話している時の感じ方がそれぞれ違ったからびっくりした。▼3)人の話の聞き方でも色々あるんだなぁと思った。これから実践していきます。先生の表情が面白かった。▼4)面白かったけれど相手のミッションが何か気になって話に集中できなかった。今日習ったことを意識せずにできたらベストだと思った。▼5)人のしぐさや癖はその人特有のものに限らず一般的に人間の感情の性質としてあるということは面白いと思った。人のことを考える上で使えるテクニックだったし使っていきたいです。▼6)めっちゃ納得できた。普段と友だちの癖を見てその人を分析するのも楽しそうだと思う。話し方にも色々あると思った。▼7)すごくためになった。私は癖で腕組みしてしまう時があるから今日からはそこを気をつけたいなと思う。▼8)相手が聞く態度によってこっちの話す気も変わってくるし、相手がこっちに合わせてくれたらとてもしゃべりやすくなると思った。▼9)人の話を聞くのは苦手な方なので、これからちゃんと役立てていきたいと思います。無意識の内に動かしている体に意味があって驚きました。▼10)これは本当に役立ちそうな気がするので早速使ってみようと思います。話したり聞いたりするのが楽しくなってきました。▼11)相手に対してミッションを実行するのもされるのも不快でびっくりした。今回は面接とかに使えそうな授業でした。▼12)聞き手のテクニックをいっぱい学べて良かった。この人には相談してもよさそうと思ってもらえるうようなよい聞き手になろうと思う。▼13)すごく楽しかったです。こういうのをもっと深く勉強したいです。▼14)実際隣の人とミッションを交えながらしゃべって色々学んだ。不快感を与えるしゃべり方がよく分かった。
10
理解ができたか 10
興味が持てたか
役に立ちそうか 11
教師の感想
今日も、生徒も教師も楽しくて役に立つ、気持ちのよい授業ができました。実習と講義を程よくブレンドしながら展開するのは効果的です。それもこれも生徒たちが興味をもって取り組んでくれるおかげだと思います。いくら教師がすばらしいプログラムを用意しても、生徒が食いついてくれなければ良い授業は成立しません。生徒が乗ってくれれば教師もパフォーマンスで変顔ではありませんが、色々な表情をして見せることもできます。



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