アイデンティティ チェック


 人間は、生まれてから,予定された各発達段階に沿って成長していき,大人になると考えられています。その発達段階での課題を克服して,自他ともに認識できる<自分は自分である>というアイデンティティを獲得していきます。しかし,その課題を克服できないと,<危機>になります。

 非常にそう思うを「7」、全くそう思わないを「1」として、回答しなさい。

乳児期     不信感   5  10  15  20  25  30  35  基本的信頼感
幼児期前期  恥・疑惑  5  10  15  20  25  30  35  自律性
幼児期後期   罪悪感  5  10  15  20  25  30  35  自主性
児童期     劣等感   5  10  15  20  25  30  35  勤勉性
青年期   同一性拡散  5  10  15  20  25  30  35  同一性

【I.乳児期】 基本的信頼感 対 不信感
 誕生から1才半頃までの,子どもが母親との一体感・相互信頼を体験する時期です。
 <基本的信頼>とは,自分のすべてをあるがままに受け入れてくれる他人がいるという安心感と,自分は他人に受け入れられる価値のある人間であるという自分自身に対する信頼感です。それが得られないと<基本的不信>に陥り,他人や自分を信用できなくなったりします。
( )1.普通,人間はお互いに正直に,かつ誠実にかかわりあっているものだ。
( )2.誰も私の弱みにつけ込もうとしないだろう。
( )3.本当に信頼のおける人は必ずどこかにいる。
( )4.私は,本当に欲しい物を我慢して待つことができる方だ。
( )5.私は,欲しい物を手に入れるのに時間がかかりすぎても,そのものに興味を失    わない。

【U.幼児期前期】 自律性 対 恥・疑惑
 1才半頃から4才頃までの,子どもの自立が始まる時期です。躾が始まるので分離不安を感じるようにもなります。
 <自律性>は,自分をコントロールしようとすることです。何事に対しても積極的に関わっていこうとする意欲の源が生まれます。しかし,自己コントロールに失敗したり親の意志によって過剰にコントロールされたりすると,未熟で愚かな自分がさらしものになっているのではないかという<恥>の意識が生じます。
( )6.いったん決断したことについてくよくよ考えたりしない。
( )7.友人の前で失敗しても,別にくよくよしない。
( )8.私くらいの年になれば,両親が反対しても,自分のことは自分で決断しなればならない。
( )9.自分の人生なのだから大事なことは人に頼らないで,自分で決断を下していると思う。
( )10.私は,何か重大な決断をしなくてはならない時には,一人で考える。

【V.幼児期後期】 自主性 対 罪悪感
 4才頃から6才頃までの,自発的に行動できるようになると同時に,親や仲間に合わせるような自制心が発達してくる時期です。
 <自発性>は,失敗を恐れず欲しいと思うものに対して積極的に働きかけることです。そして,自分が将来どのような役割の人間になろうとしているのかを考え始めます。しかし,高じると親の期待に反するのではないかという意識が過剰になり<罪悪感>が生じます。
( )11.私は,これまで,学校のクラブ活動や生徒会活動に進んで参加する方であった。
( )12.私は,一生懸命やれば,成果があがると思う。
( )13.人と知り合う時,その人があなたの生いたちや家族について,知っていても親しくなれる。
( )14.私は家族に誇りを感じている。
( )15.現在,いかにたくさんの仕事に追われているとしても,次にやらなければならないことについて何らかの計画をもっていることはいいことである。

【W.児童期】 勤勉性 対 劣等感
 6才頃から12才頃までの,小学生の時期です。
 <勤勉性>は,社会について関心が強くなり自分なりに参加しようと試み始め,ものを生産するという方法によって認められることを学ぶようになることです。自尊意識を高まり社会へ出ていく基礎ができます。しかし,生産しても周りの人から認めてもらえなかったりすると,自分は何をやっても駄目だという<劣等感>にさいなまれることになります。逆に,自分のような優秀な人間が存在するためには劣った人間がいなければならないという歪んだ優越感を持つこともあります。ようになります。
( )16.働くということは,人間が生きていくために必要なことである。
( )17.勉強しなければならない時には,それがいかなるもので積極的に取り組む。
( )18.私は1つのことに集中することができる方だ。
( )19.何か仕事にをする時に,無駄かもしれないことも試してみる。
( )20.人と競い合わなければならないような仕事をしたい。

【X.青年期】 同一性 対 同一性拡散
 13才頃の中学時代から22才頃の大学時代までであったが,最近の状況から30才頃までの,子どもから大人になる青年期です。本当の自分とは何か,自分は何をやりたいのか,自分は何になりたいのかがテーマになってきます。
 <同一性>は,自分自身にとっても他者にとっても自分は自分であるという確固たる自信です。しかし,ただでさえ不安定な状態である上にさらに困難な状況が生じると,自分で自分がわからなくなり様々な形で逃避を企てる<同一性の拡散>が生じます。
( )21.みんなが私のことを理解してくれるように思う。
( )22.人生をうまく成し遂げていく上で,私の容姿や行動が妨げとなっているとは感じない。
( )23.私は,現在自分が歩んでいる道にかなり満足している。
( )24.私のやり方は,他人に誤解を受けることがない。
( )25.将来自分が何をしたいか確信を持っており,あるはっきりした目標をもっている。