古今和歌集仮名序  俊頼髄脳  無名草子  近代秀歌  正徹物語  源氏物語玉の小櫛  歌学提要


古今和歌集仮名序

 古今和歌集の有名な序文である。巻末にある漢文で記した「真名序」に対抗するもので、和歌に対する紀貫之の独自の見解を述べている。
 漢詩を「からうた」と言うのに対抗して、和歌のことを「大和歌」と称している。和歌の本質は、人の心を種にして、そこから葉っぱが出るように言葉が出てくるものである。世の中にはいろいろな関係の中で感じたことを、見たり聞いたりしたことに関して表現したものが和歌である。花にとまって鳴く鶯や水に住んでいる蛙のように、人間だけでなく生きているものすべてが、歌を詠んでいる。力も入れずに天地を動かしたり、目に見えない非情な鬼神をしみじみと感じさせ、男女の関係も仲良くさせたかと思うと勇敢な武士の心を慰めるという効用があるのも和歌である。


0.学習プリントを配布し、宿題にする。

1.教師が音読する。

2.生徒と音読する。

3.教科書の作品と作者の説明を読み説明する。

4.大和歌は、人の心を種として、よろづの言の葉とぞなれりける。世の中にある人、ことわざしげきものなれば、心に思ふことを、見るもの、聞くものにつけて、言ひ出だせるなり。

 1)大和歌の言い方について説明する。

 2)「ぞなれりける」の品詞分解と係り結びは。

 3)「種」「言の葉」の比喩に触れながら、和歌の本質を説明する。

 4)「言ひ出だせるなり」の品詞分解は。

5.花に鳴く鶯、水にすむ蛙の声を聞けば、生きとし生けるもの、いづれか歌を詠まざりける。

 1)「生きとし生けるもの」の品詞分解は。

 2)「いづれか歌を詠まざりける」の品詞分解と係り結びは。

6.力をも入れずして天地を動かし、目に見えぬ鬼神をもあはれと思はせ、男女の仲をも和らげ、たけき武人の心をも慰むるは、歌なり。

 1)「見え」「思は」「歌なり」の助動詞の意味は。

7.対句的表現を抜き出せ。

 1)「人の心をとして」「よろづの言のとぞなれり」

 2)「花に鳴く」「水にすむ

 3)「力をも入れずして天地を動かし」「目に見えぬ鬼神をもあはれと思はせ」

 4)「男女の仲をも和らげ」「たけき武人の心をも慰むる」

8.和歌の本質と効用は。



俊頼髄脳(和歌の効用)

 紀貫之の「仮名序」の「目に見えぬ鬼神をもあはれと思はせ」という和歌の効用の証明である。その紀貫之が、夜、馬に乗って蟻通明神の前を通ると、明神の怒りに触れて馬が死んでしまう。近所の人に聞くと、蟻通明神は咎め立ての好きな神様であることがわかった。そこで、神社の禰宜を呼んで来ると、その禰宜は普通ではない神がかった人物だった。その禰宜が神に代わって言うことには、「俺の前を馬に乗ったまま通った非礼に対する罰である。しかし、知らなかったのだから許してやる。ところで、お前は和歌の達人らしいので、歌を詠んだなら馬の命も助けてやろう」。そたで、貫之は身を清めて、歌を詠んで、紙に書いて、神社の柱に張り付けて、神社に参拝すると、しばらくして、馬が生き返った。
 禰宜は神様がお許しになったのだと言って神がかりから覚める。
 貫之が作った歌は、物名の歌である。物名の歌とは、予め歌の題として与えられた言葉を、前後の意味に関係なく、掛詞のような表現法を用いて、それとなく他の語に隠して詠み込んだ歌である。
 雨雲が幾重にも重なった夜中なので、星がある(有りと星)なんて思わなかったし、蟻通の神がいるなんて、思いもしなかった。


0.学習プリントを配布し、宿題にする。

1.教師が音読する。

2.生徒と音読する。

3.教科書の作品と作者の説明を読み説明する。

4.貫之が馬に乗りて、和泉の国におはしますなる、蟻通の明神の御前を、暗きに、え知らで通りければ、馬にはかに倒れて死にけり。

 1)敬語の種類と対象は。

 2)「おはしますなる」の助動詞の意味は。

 3)「知ら」の陳述を説明する。

 4)「通りけれ」の接続助詞の意味は。

 5)「にはか倒れて死けり」の「に」の識別は。

5.いかなることにかと驚き思ひて、火の火影に見れば、神の鳥居の見えければ、「いかなる神のおはしますぞ。」と尋ねければ、

 1)「いかなることにか」の「に」の識別と係り結びは。

 2)「見れば」「見えければ」の動詞の違いは。

 3)「見れ」「見えけれ」「尋ねけれ」の接続助詞の意味は。

 4)「おはします」の「ぞ」の識別は。

 5)誰に尋ねたのか。

6.「これは、蟻通の明神と申して、物とがめいみじくせさせたまふ神なり。もし、乗りながらや通りたまへる。」と人の言ひければ、

 1)敬語の種類と主体と対象は。

 2)係り結びは。

 3)「言ひけれ」の接続助詞の意味は。

 4)馬が死んだ理由は。

7.「いかにも、暗さに、神おはしますとも知らで、過ぎはべりにけり。いかがすべき。」と、社の禰宜を呼びて問へば、その禰宜、ただにはあらぬさまなり。

 1)敬語の種類と主体と対象は。

 2)「すべき」の助動詞の意味は。

 3)「問へ」の接続助詞の意味は。

 4)「ただ」の「に」の識別は。

 5)「ただにはあらぬさま」とは、どのように普通ではないのか。

8.「『汝、われが前を馬に乗りながら通る。すべからくは、知らざれば許しつかはすべきなり。しかはあれど、和歌の道を極めたる人なり。その道をあらはして過ぎば、馬、さだめて立つことを得むか。』これ、明神の御託宣なり。」と言へり。

 1)『 』が使ってある理由は。

 2)「知らざれ」「あれ」「過ぎ」の接続助詞の意味は。

 3)「つかはすべき」の助動詞の意味は。

 4)「得むか」の「か」の識別は。

 5)「その道をあらはす」とはどうすることか。

9.貫之、たちまち水を浴みて、この歌を詠みて、紙に書きて、御社の柱に押しつけて、拝入りて、とばかりあるほどに、馬起きて身震ひをして、いななきて立てり。禰宜、

「許したまふ。」とて、覚めにけりとぞ。

 1)「水を浴みて」とはどうすることか。

 2)敬語の種類と主体と対象は。

 3)係り結びは。

10.雨雲のたち重なれる夜半なれば神ありとほし思ふべきかは

 1)「夜半なれば」の接続助詞の意味は。

 2)「思ふべきかは」の助動詞の意味と係り結びは。

 3)物名の歌について説明し、どこが物名になっているか。

11.この話の主旨は。



無名草子

 ある女房が言った。
 女御や后のような身分の高い人でも、素晴らしいと書き伝えられる程の人はいない。まして、身分の低いものはなおさらである。恋愛や和歌の世界で活躍した人が多い中で、大野小町は、外見、器量、態度、心遣いのどれをとっても素晴らしかった。
   色は見えないけれども色が変わるものは、何かと言えば、人の心と言う花である
   つらい思いをしているので、憂き世の浮草のように、根を絶ちきって誘ってくれる人がいればいいのに。
   好きな人のことを思いながら寝たので、その人が夢に出てきたのだろうか、夢と知っていたら目を覚まさなかったのに
 どの歌も女の歌の代表のように思われて、自然と涙ぐんでしまう。
 他の女房が言った。
 小野小町の晩年はひどかった。小町ほどでもない人もそうまでなることはあるのだろうか。
 また他の女房が言った。
 それにしても、つらい無常の世の中が思い知らされてしみじみとしています。屍になってまで、こんな歌を詠んでいる。
   秋風が吹くごとに目が痛い。というのは小野の原ではない小野小町の私の目の中にも ススキが生えているのだなぁ
 広い野原の中でススキが生えているのを、風に吹かれてこのように聞かれているのだなぁ。それを聞いた人が、たいそうかわいそうに思ってススキを引き抜いて捨てた夜の夢に小野小町が出てきて、名を名乗り、ススキが吹かれる度に目が痛かったのだが、ススキを引き抜いてくれたことがうれしい。お礼として、歌を上手に詠ませてあげましょうと言ったと言う。その夢を見た人と言うのが藤原道信中将であると人々は申していますが、ほんとうでしょうか。ともかくも、それほどまで風流でありましょうか。色も香もしみじみとしていたければ、小町のように死後もこのようでありたいものです。
 最初の女房が、小野小町を絶賛する。次の女房は、小町の老後を批判する。最後の女房は、小町は死後までも風流に生きた女性であると再び称賛する。


0.学習プリントを配布し、宿題にする。

1.教師が音読する。

2.生徒と音読する。

3.教科書の作品と作者の説明を読み説明する。

4.「女御、后は、心にくく、いみじきためしに書き伝へられさせたまふばかりのは、いとありがたし。まして末々は理なりかし。

 1)3人の女房が語っている体裁になっていることを説明する。

 2)女御、后の説明をする。

 3)「書き伝へられさせたまふばかりのは」の品詞分解と「の」の用法は。

   1)連体修飾格。

   2)主格。

   3)同格。

   4)体言の代用。

   5)比喩。

 4)「理なり」は何がもっともなのか。

5.色を好み、歌を詠む者、昔より多からめど、小野小町こそ、見目、かたちも、もてなし、心遣ひよりはじめ、何事もいみじかりけむとおぼゆれ。

 1)係り結びは。

 2)小野小町は、恋愛、和歌、容姿、態度、心遣いとも称賛している。

6.色見えで移ろふものは世の中の人の心の花にぞありける

 1)係り結びは。

 2)2句までで謎かけをし、以下の句で解答を示す遊戯性がある。

 3)「世の中の人」とは。

 4)歌の心を説明する。

7.わびぬれば身をうき草の根を絶えて誘ふ水あらば往なむとぞ思ふ

 1)「わびぬれば」「あらば」の接続助詞「ば」の意味は。

 2)「うき草の」の格助詞「の」の用法は。

 3)「往なむとぞ思ふ」の品詞分解は。

 4)掛詞は。

 5)訳させる。

 6)「うき草」と「誘ふ水」の比喩は。

   誘ふ水=文屋康秀。

 7)歌の心を説明する。

8.思ひつつ寝ればや人の見えつらむ夢と知りせば覚めざらましを

 1)「寝ればや人の見えつらむ」の品詞分解は。

 2)「知りせば覚めざらましを」の品詞分解は。

 3)訳させる。

 4)反実仮想が使ってあるが、現実は。

 5)歌の心を説明する。

   「いとせめて恋しき時はむばたまの夜の衣をかへしてぞ着る」

9.と詠みたるも、女の歌はかやうにこそとおぼえて、そぞろに涙ぐましくこそ。」と言へば、

 1)係り結びは。

 2)「かやう」とは。

 3)3首の恋に生きた気持ちを確認する。

 4)1人目の女房の小町評は。

10.また、「老いの果てこそ、いとうたてけれ。さしもなき人も、いとさまであることやははべる。」と言ふ人あれば、

 1)2人目の女房の会話であることを確認する。

 2)係り結びは。

 3)敬語の種類と主体と対象は。

 4)「しもなき」の指示内容は。

 5)「さまであること」の指示内容は。

 6)2人目の女房の小町評は。

11.「それにつけても、憂き世の定めなき思ひ知られて、あはれにこそはべれ。かばねになりて後まで、

 1)3人目の女房の会話であることを確認する。

 2)格助詞「の」の用法は。

 3)「思ひ知らて」の助動詞の意味は。

 4)係り結びは。

12.秋風の吹くたびごとにあな目あな目小野とは言はじすすき生ひけり

 1)格助詞「の」の用法は。

 2)掛詞は。

 3)訳させる。

13.など詠みてはべるぞかし。広き野の中にすすきの生ひてはべりける、かく聞こえたるなりけり。

 1)「はべりける」「なりけり」の「けり」の意味は。

 2)「かく」の指示内容は。

14.いとあはれにて、そのすすきを引き捨てはべりける夜の夢に、かの頭をば、『小野小町と申す者の頭なり。

 1)「引き捨てはべりける」の主語は。

 2)『 』の会話の主は。

15.すすきの風に吹かるるたびごとに、目の痛くはべるに、引き捨てたまひたるなむ、いとうれしき。この代はりには、歌をいみじく詠ませたてまつらむ。』と見えてはべりけるとかや。

 1)敬語の種類と主体と対象は。

 2)「詠ま」の助動詞の意味は。

 3)「とかや」の説明。

16.かの夢に見たる人は、道信中将と人の申しはべるはまことにや。だれかは、さることあるな。色をも香をも心に染むとならば、かやうにこそあらまほしけれ。」

 1)敬語の種類と主体と対象は。

   はべる=丁寧、女房→作者。

 2)係り結びは。

   か(反語)→ある

   こそ→まほしけれ

 3)「ならば」の品詞分解は。

 4)「さること」「かやう」の指示内容は。

 5)「色をも香をも」が踏まえている「君ならで誰にか見せむ梅の花色をも香をも知る人ぞ知る」を訳す。

 6)3人目の女房の小町評は。



近代秀歌

 和歌の道は浅いようで深く、易しいようで難しい。和歌の本質をよく理解している人は少ない。古今集の時代、紀貫之は、歌の趣向、品格、言葉、様式を重視し、余情や妖艶を捨てた。その後の三代集の時代、貫之の流れを継いで、歌の本質を考えずひたすら貫之の歌風を真似するようになった。しかし、次第に、趣向、品格、言葉も堕落していく。最近では、思いついた風情を三十字に詠み続ける事ばかり考えて、全く歌の様式や言葉の品格を理解しなくなった。今の歌は、田舎者が花の下を立ち去ったり、商人が美しい着物を脱ぎ捨てたように、ただ賤しいだけで何の取り柄もない。しかし、ようやく源経信、源俊頼、藤原顕輔、藤原清輔、亡父の藤原俊成、彼に歌を習った藤原基俊など新六歌仙と呼ばれる人々が、古今集の時代に理想を求めるようになった。彼らの感情を込めて詠んだ歌は、六歌仙のレベルにも達している。現在、古今和歌集の言葉を尊重する歌が多く出てきて、僧正遍照、在原業平、素性、小野小町ら以降、途絶えていた余情や妖艶の歌風が復活してきた。しかし、ものの道理の分からない人は、全く新しい歌風が出てきて、歌の道が変わったと誤解する人もいる。最近の歌人は、新風の歌を本当の歌だと思い込んで、本当の様式を知らないようだ。ただ難解な歌に専念し、分かりやすいことを難しく表現し、別の意味と関連づけたり、理想とは離れた歌を真似している人も多い。


0.学習プリントを配布し、宿題にする。

1.教師が音読する。

2.生徒と音読する。

3.教科書の作品と作者の説明を読み説明する。

4.大和歌の道、浅きに似て深く、やすきに似て難し。わきまへ知る人、またいくばくならず。

 1)対句についてまとめる。

  ┌─浅きに似て ┌─やすきに似て

  └─深く、    └─難し

5.昔貫之、歌の心巧みに、丈及び難く、言葉強く姿おもしろきさまを好みて、余情・妖艶の体を詠まず。

 1)「歌の心」「丈」「姿」「余情」「妖艶」の説明をする。

 2)古今集の編者である紀貫之が、重視したものと捨てたものをまとめる。

6.それよりこの方、その流れを受くるともがら、ひとへにこの姿に赴く。ただし世下り、人の心劣りて、丈も及ばず、言葉も賤しくなりゆく。

 1)「それ」「その」の指示内容は。

 2)「この姿」の指示内容は。

 3)貫之以降、堕落したものをまとめる。

7.いはむや近き世の人は、ただ思ひ得たる風情を三十字にいひ続けむことを先として、さらに姿、言葉の趣を知らず。これによりて、末の世の歌は、田夫の花の陰を去り、商人の鮮衣を脱げるがごとし。

 1)最近の歌人の傾向をまとめる。

 2)「田夫の花の陰を去り」「商人の鮮衣を脱げる」の比喩の意味を説明する。

8.しかれども、大納言経信卿・俊頼朝臣・左京大夫顕輔卿・清輔朝臣、近くは亡父卿すなはちこの道を習ひはべりける基俊と申しける人、このともがら、末の世の賤しき姿を 離れて、常に古き歌をこひねがへり。この人々の、思ひ入れて優れたる歌は、高き世にも及びてやはべらむ。

 1)何人挙げているか。

   清輔朝臣(藤原清輔)、亡父卿(藤原俊成)、基俊(藤原基俊)の6人。

 2)「古き歌」「高き世」とはいつの時代のことか。

 3)係り結びは。

9.今の世となりて、この賤しき姿をいささか変へて、古き言葉を慕へる歌、あまた出で来たりて、花山僧正・在原中将・素性・小町が後、絶えたる歌のさま、わづかに見え聞こゆるときはべるを、ものの心悟り知らぬ人は、新しきこと出で来て、歌の道変はりにたりと、申すもはべるべし。

 1)「古き言葉」とはいつの時代か。

 2)花山僧正、在原中将、素性、小町の中で、六歌仙に入っていないのは。六歌仙で挙が  っていないのは。

 3)「絶えたる歌のさま」とは。

 4)「ものの心悟り知らぬ人」が、「絶えたる歌のさま」の復活を、「新しきこと  

  (歌)」の登場だと思い込んでいることを明らかにする。

10.ただし、このごろの後学末生、まことに歌とのみ思ひて、そのさま知らぬにやはべらむ。ただ聞きにくきを事として、やすかるべきことを違へ、離れたることを続けて、似ぬ歌をまねぶと思へるともがら、あまねくなりにてはべるにや。

 1)何を「まことに歌」と思っているのか。

 2)「そのさま知らぬにやはべらむ」の係り結びと指示内容は。

 3)「聞きにくきを事として」「やすかるべきことを違へ」「離れたることを続けて」

  「似ぬ歌をまねぶ」とは。



正徹物語

 幽玄とは、「心にあって言葉には言うことができないものである」。例えば、「月に薄雲もがかかっている状態」であり、「山の紅葉に霧がかかっている状態」である。風情のある素晴らしいものがはっきりそこにあるのだが、それがぼんやりとしか見えない状態である。だから、幽玄とは何かと問われても、幽玄であるがゆえにはっきり言うことができないのである。それがわからない人は、「空が隅々まで晴れて月がキラキラと見えている状態」が素晴らしいと言うだろう。幽玄とは、「どこが趣深いとも、どこが優れているとも言えないもの」である。幽玄(いうげん)を辞書で引けば、歌論用語で「奥深く神秘的で計り知れないもの」とある。
 「見てもまたあふよまれなる夢の中にやがて紛るる憂き身ともがな」
 この源氏の歌こそ幽玄である。以前にも以後にも藤壺とは「あふよまれなる」である。それが「夢の中」で夢の中では逢うことができる。藤壺との逢瀬の夢が夢のまま終わるということは、そのまま夢に紛れていつまでも逢瀬を続けられることになる。いつまでも夢の中にいて、そのまま人生を終わってしまいたいと言うことである。夢の中で逢瀬、夢のままに終わってしまう人生、いずれも奥深く計り知れないものがある。
 「世語りに人や伝へむたぐひなき憂き身も覚めぬ夢になしても」
 これは藤壺の返歌である。藤壺は継母であるが、源氏と密通して、たとえつらい身は夢のようにはかなく終わり跡形もなくなったとしても、つらい噂は後世まで語り継がれるだろうとしている。源氏は夢を二人だけの逢瀬として夢に埋没することに満足している。しかし、藤壺は夢の中の二人では終わらない世の中の現実まで考えている。ここに五歳しか離れていないにしても母と子の差がある。ともかく、夢の中での出来事は引き継いでいる点では、藤壺の歌も幽玄である。
 「咲けば散る夜の間の花の夢の中にやがて紛れぬ峰の白雲」
 冒頭のこの歌は正徹自身の作である。この歌は源氏の歌の「夢の中にやがて紛るる」という部分を使い本歌にしている。だから幽玄の歌になる。また、定家の「春の夜の夢の浮橋途絶えして峰にわかるる横雲の空」が連想されるように、「夜・夢・峰・雲」を使って幻想的な雰囲気を出そうとしている。また、「の」の多用も幻想的な雰囲気を醸し出している。「咲けば散る夜の間の花の夢の中に」とは、桜の花が朝に咲き夜に散るというはかない時間であり、それは夢と同様であるいう意味である。夜が明けて外を見ると白雲が峰にかかっている。白雲は、春の歌では遠景の桜に見立てられる。「散りまがふ花のよそめは吉野山あらしにさわぐ峰の白雲」「さくら花夢かうつつか白雲のたえてつねなき峰の春風」の歌に典型的に表れている。ここで「紛れぬ」の「ぬ」の解釈によって情景が変わる。打消の助動詞ととれば、「夢の中に紛れずに峰にかかっている白雲であることよ」となり、夢の中で見た白雲が、朝目を覚ますと眼前に存在し、夢と実景が交錯する。夢の中の幻視的なイメージと鮮明な視覚的実景が対照的である。完了の助動詞でとると、「夢の中にそのまま紛れてしまった峰の白雲よ」となり、実景の白雲は存在せずすべてが夢の中で完結する。さらに、四区切れになり「峰の白雲」が中心になり、歌題の「落花」に即していない。字の鮮明な山の桜も紛らしてしまい、現実にあるかどうかも曖昧である。これもまた幽玄である。総合的に解釈すると、「咲くと(すぐに)散ってしまう夜の間の桜の花のように、(はかない)夢の(中で見たはずの桜と見間違った白雲は、朝目が覚めると、夢の)中にそのまま紛れてしまうのではなく、眼前の峰にかかっている白雲(であること)よ」となる。本歌の夢のようなはかない束の間の逢瀬を、束の間で散ってしまう桜のはかないイメージに置き換えている。


0.学習プリントを配布し、宿題にする。

1.正徹物語の説明を読む。

2.全文音読する。

3.第一段落を生徒に音読させる。

4.幽玄とは何か、該当個所を抜き出させ、板書する。

 例えば

 ×月のきらきらと晴れてあまねき空

5.幽玄の意味を辞書で調べたものを質問する。

6.例を検証する。

7.ここまでを訳す。

 1)幽玄体の歌なり。幽玄といふものは、心にありて言葉に言はれぬものなり。

  1)「言はれぬ」の助動詞の意味は。

 2)月に薄雲の覆ひたるや、山の紅葉に秋の霧のかかれる風情を幽玄の姿とするなり。

  1)「覆ひたる」の「や」の品詞は。

  2)「かかれ」の「る」の意味は。

 3)これはいづくか幽玄ぞと問ふにも、いづくと言ひ難きなり。

  1)「いづく」の結びは。

  2)「幽玄」の「ぞ」の品詞は。

 4)それを心得ぬ人は、月はきらきらと晴れてあまねき空にあるこそおもしろけれと言はむ道理なり。

  1)「それ」の指示内容は。

  2)「心得」の「ぬ」の識別は。

  3)「空にあるこそ」の結びは。

  4)「言は」の「む」の意味は。

 5)幽玄といふはさらにいづくがおもしろきとも妙なりとも言はれぬ所なり。

  1)「言はれぬ」の助動詞の意味を確認する。

 6)「夢の中にやがて紛れぬ」は、源氏の歌なり。

8.源氏の和歌について考える。

 1)「見てもまたあふよまれなる夢の中にやがて紛るる憂き身ともがな」を板書する。

 2)「藤壺の里下がり」の該当部分を復習する。

 3)本文の中の解釈を書き込む。

  1)「見てもまたあふよまれなる」=元も逢はず、後にも逢ふまじけれ

  2)「夢の中」=逢ふ

  3)「やがて紛るる憂き身ともがな」=やがてわが身も紛れて夢にて果てよかし

9.ここまでを訳す。

 1)と詠みしも、幽玄の姿にてあるなり。「見てもまたあふよまれなる」とは元も逢はず、後にも逢ふまじければ、「あふよまれなる」とは言ふなり。

  1)「姿にて」の識別は。

  2)「まじければ」のまじけれ」の意味と「ば」の用法は。

 2)この夢が覚めずして夢にても果てたらば、やがて紛れたるにてあるべきなり。

  1)「夢にて」「紛れたるにて」の識別は。

  2)「果てたら」の「ば」の用法は。

  3)「あるべきなり」の「べき」の意味は。

 3)「夢の中」とは逢ふを指したるなり。この逢ふと見えつる夢の中に、やがてわが身も紛れて夢にて果てよかしとなり。

  1)「果てよ」の活用の種類と活用形、「かし」の品詞は。

 4)見てもまたあふよまれなる夢の中にやがて紛るる憂き身ともがな

  1)正徹の解釈をもとにして訳す。

  2)この和歌の幽玄について考える。

10.藤壺の返歌について考える。

 1)源氏の和歌の言葉を使っている部分は。

 2)源氏の和歌の心と共通している部分は。

 3)源氏の和歌の心と創意する部分は。

11.ここまでを訳す。

 1)とあり。藤壺は源氏の為には継母なり。さるにかかることありしかば、たとひ憂き身  は夢にても果てたりとも、憂き名はとどまりて、後の世語りに言ひ伝ふべしとなり。

  1)「かかること」の指示内容は。

  2)「ありしか」の接続助詞の用法は。

  3)「夢にて」の識別は。

  4)「果てたりとも」の接続助詞の用法は。

  5)「言ひ伝ふべし」の意味は。

 2)「夢の中にやがて紛るる」の心をよく受け取りて詠みしなり。

 3)世語りに人や伝へむたぐひなく憂き身を覚めぬ夢になしても

  1)正徹の解釈に沿って訳す。

  2)どこが幽玄か。

12.正徹の和歌について考える。

 1)正徹の和歌を板書する。

 2)源氏の和歌と比較する。

  1)同じ言葉を使っている部分は。

  2)修辞法は。

  3)幽玄の歌になる。

  4)源氏の和歌では、恋の逢瀬がはかなさを歌っているが、正徹の和歌では。

  5)「花」とは。

 3)定家の「春の夜の夢の浮橋途絶えして峰にわかるる横雲の空」との共通点は。

  1)訳す。

  2)共通する言葉は。

 4)他に幽玄さを出す効果は。

 5)「白雲」について。

  1)「白雲」の意味を他の和歌から考える。

  2)春の歌では遠景の桜に見立てられることを確認する。

 6)「紛れぬ」の「ぬ」の識別について。

  1)完了か打消か。

  2)打消で解釈した場合。

  3)完了で解釈した場合。

 7)訳す。

13.ここまでを訳す。

 1)「咲けば散る夜の間の花の夢の中に」とは、花を咲くかと見れば夜の間にはや散るものなり。

  1)「見れば」の接続助詞の用法は。

 2)明けて見れば雲は紛れもせずしてあれば、「やがて紛れぬ峰の白雲」とは言ふなり。「夢の中」とは咲き散る中を指すなり。

  1)「見れば」「あれば」の接続助詞の用法は。



源氏物語玉の小櫛

 源氏物語は「もののあはれ」の文学である。
 人の心情を感じるのは、恋に勝るものはない。だから、「もののあはれ」は恋に多く表れ、昔から恋を詠んだ和歌が多い。今の世の中でも、恋の歌が多いのも当然である。
 ところで、恋は、嫌なことも腹立たしいことも好ましいことも、人の感情はすべて恋の中に含まれている。
 このようにして、源氏物語は「もののあはれ」のすべてを書き集めて、読者を感動させようとして作られたものである。恋でなくては「もののあはれ」の深い部分を書けないので、恋する人のさまざまな様子を細やかに書き表している。
 後世にも、藤原俊成が「もし恋をしなければ人の心はないだろう。もののあはれも恋によって知る」と詠んでいるのは、源氏物語の本位と一致している。


0.学習プリントを配布し、宿題にする。

1.「源氏物語玉の小櫛」と本居宣長について説明する。

2.全文を音読する。

3.「源氏物語」の特徴を一言で何と表現しているか。

4.「もののあはれ」を表現するのに、最も有効なものは。

5.だから、「源氏物語」は「恋」について描いているのである。

6.人の情の感ずること、恋にまさるはなし。さればもののあはれの深く、忍び難き筋は、ことに恋に多くして、神代より世々の歌にも、その筋を詠めるぞ、ことに多くして、心深く優れたるも、恋の歌にぞ多かりける。

 1)「その筋」とは。

 2)「詠める」の結びは。

 3)「歌に」の結びは。

 4)「もののあはれ」の言い換えは。

 5)「もののあはれ」を表現するのには、「恋」が最もよいことを確認する。

7.また今の世の、しづ山がつの歌ふ歌に至るまで、恋の筋なるが多かるも、おのづからのことにして、人の情のまことなり。

 1)神代の歌だけでなく、今の世の身分の低い者の歌にも恋の歌が多いことに注意する。

8.さて恋につけては、そのさまに従ひて、憂きことも悲しきことも、恨めしきことも腹立たしきことも、をかしきこともうれしきこともあるわざにて、さまざまに人の心の感ずる筋は、大方恋の中に取り具したり。

 1)恋に含まれるさまざまな感情に注意する。

9.かくてこの物語は、世の中のもののあはれの限りを書き集めて、読む人を深く感ぜしめむと作れるものなるに、この恋の筋ならでは、人の情のさまざまと細かなるありさま、もののあはれのすぐれて深きところの味はひは、表し難きゆゑに、ことにこの筋を、むねと多くものして、恋する人の、さまざまにつけて、なすわざ思ふ心の、とりどりにあはれなる趣を、いともいともこまやかに書き表して、もののあはれを尽くして見せたり。

 1)「感ぜしめむと作れ」の助動詞に注意する。

 2)「源氏物語」が「もののあはれ」を書き集めていることを確認する。

 3)「源氏物語」の執筆の目的は。

 4)「源氏物語」の特徴は。

10.後のことなれど、俊成の三位の、「恋せずは人は心もなからましもののあはれもこれよりぞ知る」とある歌ぞ、物語の本意によく当たれりける。

 1)「恋せずは」「なからまし」の助動詞の意味は。

 2)「これより」「ある歌」の結びは。

 3)和歌を訳す。



歌学提要

 ものごとに直面した時、その時々に起こった第一印象の感情を詠み出すことが和歌である。理知的道徳的に考えた二義的なことを詠む時は、理屈っぽくなって感動がないものである。
 実際の景色を詠め、と言われて、見聞したままを詠むだろうか。あるがままを詠もうとするならば、例えば、梅の枝に来た鶯が鳴くのを、二、三人で聞いて詠むのに、「垣根に鶯が来て鳴いた」というより他に詠みようがない。
 その梅の垣根に鶯が鳴くのを聞いて、ある時は,声の素晴らしさを賞嘆する。ある時は、約束もしていない人を当てもなく待つ。ある時は、時の移り変わりの速さに驚く。ある時は、旅にあって故郷のあれゆく宿を思い出す。このように、一様ではなく百にも千にも変わる。それは人の顔が同じでないように、人の性格も変わるのである。
 だから、師は、「月花を見て外面的なことしか言わない連中とは議論できない」と諭された。しかし、多くの歌人は、実景と言えば、見たり聞いたりしたままを詠むものだと心得、もしくは、思ったままを詠むと言えば、口から出るままを詠むものだと心得ている者も少なくない。これはたいへんな間違いである。ただ、その感じたままを真情を偽らずに詠み出そうとするだけである。


0.学習プリントを配布し、宿題にする。

1.作品と作者の説明をする。

2.全文を音読する。

3.全体を4つの段落に分けさせる。

 1)はじめ〜感なきものなり。

 2)実景といへばとて〜さるものならむや。

 3)その鶯の鳴くを聞きて〜変はらざるべき。

 4)されば師〜おわり。

4.それぞれの段落の要点を抜き出す。

 1)初一念を詠み出づるこそ歌なるるべけれ。

 2)実景といへばとて、見聞あるがままをのみいふものならむや。

 3)(初一念を詠み出づる4つの例)

 4)ただその思ふままの実情を偽らず歌と詠み出でむのみ。

5.見るもの聞くものにつけ、あるいは悲しびあるいは喜び、そのことに、ものに臨みたらむ折、打ちつけにあはれと思ふ、初一念を詠み出づるこそ歌なるべけれ。二義にわたるときは、道理に落ちて感なきものなり。

 1)「臨みたら」の助動詞の意味。

 2)「詠み出づるこそ」の結びと意味。

 3)この部分で「初一念」に当たるものは。

 4)「二義」とは。

6.実景といへばとて、見聞あるがままをのみいふものならむや。あるがままをいはむに は、例へば垣根の梅に鶯の来鳴くを、二人三人にて聞かむに、皆垣根の梅に鶯の鳴くと よりほか、さらにいふべくもあらじかし。さるものならむや。

 1)「ならむや」の助動詞と結びと訳。

 2)「いは」「聞か」の助動詞の意味。

 3)「いふべく」の助動詞の意味。

 4)「さるものならむや」の助動詞と結びと訳。

 5)「見聞あるがままをのみいふ」の間違いを例を挙げて説明している。

7.その鶯の鳴くを聞きて、あるいはひとへに声のあやをゆかしみ、あるいは契りもおかぬ人を待ち、あるいは時の移りやすきを驚き、あるいは旅なる人は故郷の荒れゆく宿を思ふなど、一方ならず百に千に変はるものなり。そは人の面の同じからざるがごとく、性情もなど変はらざるべき。

 1)4つの例のそれぞれの感情を確認する。

 2)「など変はらざるべき」を助動詞の意味に注意して訳す。

8.されば師、常に「月花を見て、月花の上をのみいふやからは共に語り難し。」と諭されたり。しかるに大方の歌詠む人、実景といへば見聞あるがままをいふものと心得、あるいは思ふままをいふものなりといふを、口より出づるままをいふものと心得る類も少なからず。こはいみじきひがごとなり。ただその思ふままの実情を偽らず歌と詠み出でむのみ。

 1)「師」とは。

 2)「諭さたり」の助動詞の意味。

 3)対句的表現を確認する。

 4)「もの思ふまま」と「口より出づるまま」の違いは。



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古今和歌集仮名序  学習プリント

学習の準備

1.次の読み方を歴史的仮名遣いで書きなさい。

 大和歌 言の葉 鶯 蛙 天地 武人

2.次の語句の意味を調べなさい。

 たけし

3.訳を本文プリントの左側に書きなさい。

学習のポイント

1.和歌の本質を理解する。

2.和歌の効用を理解する。

3.対句表現に注意する。

4.係り結びに注意する。


俊頼髄脳(和歌の効用) 学習プリント     

学習の準備

1.次の読み方を歴史的仮名遣いで書きなさい。

 御前 火影 社 禰宜 汝 託宣 夜半

2.次の語句の意味を調べなさい。

 とがむ すべからく しかはあれど さだめて たちまち とばかり

3.訳を本文プリントの左側に書きなさい。

学習のポイント

1.馬が死んだ理由を理解する。

2.禰宜の状態について理解する。

3.神の託宣の内容を理解する。

4.貫之が詠んだ歌を理解する。

5.物名の歌とは何かを理解する。

6.この文章と仮名序の関係を理解する。

7.敬語の種類と主体と対象を理解する。

8.「なり」「に」の識別をする。

9.接続助詞「ば」の意味に注意する。

10.係助詞と終助詞に注意する。

無名草子 学習プリント     

学習の準備

1.次の読み方を歴史的仮名遣いで書きなさい。

 女御 后 理 見目 往なむ 寝れば 憂き世 

2.次の語句の意味を調べなさい。

 心にくし いみじ ありがたし 色 かたち もてなし わぶ そぞろ うたてし さまで 定めなし 

3.訳を本文プリントの左側に書きなさい。

学習のポイント

1.3人の女房の小町評があることを理解する。

2.第一の女房の、小町を絶賛している点を理解する。

3.「色見えで」の謎かけを理解する。

4.「わびぬれば」の掛詞や比喩を理解する。

5.「思ひつつ」の区切れと、反実仮想を理解する。

6.第二の女房の、小町を批判している点を理解する。

7.第三の女房の、小町を絶賛している点を理解する。

8.「秋風の」の掛詞に注意する。

9.夢の話を理解する。

10.敬語の種類と主体と対象に注意する。

11.係り結びに注意する。

12.接続助詞「ば」に注意する。

13.指示語の指示内容を明らかにする。

14.格助詞「の」の用法に注意する。

15.助動詞「る・らる」「けり」「す」の意味に注意する。


近代秀歌 学習プリント     

学習の準備

1.次の読み方を歴史的仮名遣いで書きなさい。

 難し 余情 体 赴く 賤し 趣 田夫 商人 後学末生

2.次の語句の意味を調べなさい。

 わきまへ知る いくばくならず 心 体(てい) さらに すなはち 事とす まねぶ あまねし

3.訳を本文プリントの左側に書きなさい。

学習のポイント

1.紀貫之が和歌において重視したものと捨てたものを理解する。

2.貫之後の和歌の変化を理解する。

3.最近の和歌の歌風を理解する。

4.和歌を復興した人々と傾向を理解する。

5.新しい歌風の正体を理解する。

6.最近の歌人の歌風を理解する。

7.指示語の指示内容を理解する。

8.係り結びに注意する。

9.「に」の識別に注意する。



正徹物語  学習プリント

学習の準備

1.次の読み方を歴史的仮名遣いで書きなさい。

 幽玄 風情 妙 継母 

2.次の語句の意味を調べなさい。

 幽玄 やがて 風情 あまねし 妙 姿

3.訳を本文プリントの左側に書きなさい。

学習のポイント

1.「幽玄」とは何かを理解する。

2.源氏の和歌が幽玄であることを理解する。

3.源氏の和歌の夢の意味を理解する。

4.藤壺の和歌の源氏の和歌との共通点と相違点を理解する。

5.冒頭の和歌と源氏の和歌の関係を理解する。

6.冒頭の和歌の語の幻想的なイメージを理解する。

7.冒頭の和歌の「の」の多用の効果を理解する。

8.冒頭の和歌の「白雲」のイメージを理解する。

9.冒頭の和歌の「ぬ」の意味の違いによる解釈の違いを理解する。

10.接続助詞「ば」の意味に注意する。

11.受身の助動詞「る」の意味に注意する。

12.推量の助動詞「む」の意味に注意する。

13.推量の助動詞「べし」の意味に注意する。

14.「ぬ」の識別に注意する。

15.「なり」の識別に注意する。

16.「に」の識別に注意する。

源氏物語玉の小櫛  学習プリント

学習の準備

1.次の読み方を歴史的仮名遣いで書きなさい。

 情 神代 筋 三位 本位

2.次の語句の意味を調べなさい。

 筋 ことに 大方 取り具す

3.訳を本文プリントの左側に書きなさい。

学習のポイント

1.「もののあはれ」と「恋」の関係を理解する。

2.「源氏物語」にはなぜ「恋」の話が多いのかを理解する。

3.格助詞「の」の用法に注意する。

4.使役の助動詞「しむ」と推量の助動詞「む」「まし」の意味に注意する。

5.「る」「に」の識別に注意する。

6.係り結びに注意する。


歌学提要  学習プリント

学習の準備

1.次の読み方を歴史的仮名遣いで書きなさい。

 初一念 道理 一方 類

2.次の語句の意味を調べなさい。

 打ちつけ 契りおく 一方ならず されば しかるに 

3.訳を本文プリントの左側に書きなさい。

学習のポイント

1.全体を4つの段落に分ける。

2.和歌とは本来どのように詠むかを理解する。

3.本来の詠み方でない和歌はどのようになるかを理解する。

4.鶯の声を聞いてどう詠むかの4つの例を理解する。

5.「思ふままをいふ」と「口より出つままをいふ」の違いを理解する。

6.「む」「べし」「る」の意味に注意する。

7.係り結びに注意する。