教材観     指導観     展開
恋愛か友情か  ロールプレイ  Kの手記 

教材観 


  いくつかの問題が設定できる。 
      第一に、Kの自殺の原因と、自殺に至るまでのKと私の気持ち。   
           第二に、第一部の私の気持ち。   
           第三に、引用部以降の私の自殺の原因と、Kの自殺との重ね合わせ。  
  第一のKの自殺の原因は、まず遺書から考え始める。薄志弱行の意味と、お嬢さんの名前がないことが問題になる。単純に考えれば、私の裏切りと失恋が原因になるだろう。しかし、そう単純なものなのか。 
 いずれにせよ、Kのお嬢さんへの恋について考える必要があるだろう。Kが私にお嬢さんへの恋を告白した時の様子、私の動揺にも気づかず自分のことで頭が一杯になってい た。しかし、私にお嬢さんへの恋を告白した後もKは迷っている。そして、図書館で私に声を掛ける。「自分が弱い人間であるのが恥ずかしい」という。「弱い」とは恋に進むかどうか自分で決められないことを意味する。そして、私に「精神的に向上心のないものはばかだ」とかつて自分が私に言った言葉を返されて、「僕はばかだ」と認める。そして、お嬢さんの話はやめてくれと懇願する。私にやめるだけの覚悟はあるのかと問われて、 「覚悟ならないこともない」と独り言のように言う。この「覚悟」とは何なのかが問題になる。恋を貫く覚悟か、恋を諦める覚悟か、あるきは自殺する覚悟か。 
 その夜、ふすまを開けて「もう寝たのか」と聞く。そして次の朝、お嬢さんの話ではないとぴしゃりと言い切る。なぜふすまを開けたのか。自殺した夜もふすまが開いていたことから大きな問題になる。この夜に自殺するつもりだったのか、自殺するための準備なのか、私に何か言いたかったのか、とすれば何を言いたかったのか。 
 そして、私とお嬢さんの婚約も、最も落ち着いた驚きで迎えた。これはなぜか。もうお嬢さんのことは頭になかったのか、あるいは無理をしていたのか。 
 そして、自殺した夜、なぜふすまを開けておいたのか。 
 これらの疑問を解決するに当たって、Kの性格を考える必要がある。強い意志を持ち理解しにくい男である。その意味では一種の魔物である。それは、実家や養家からも勘当されてなお自分の道を貫いてきた投げ出すことのできない尊い過去に支えられている。反面、正直で善良である。どちらの面でKを捉えるかによって、疑問に対する答えは変わってくる。一度はお嬢さんに恋をするが、覚悟という言葉を口にしてからもお嬢さんを恋し続けたのだろうか。Kは平生を取り戻したのか、取り戻したとしたら何に対してだろうか。 
 私の気持ち。まずはKに対する気持ち。お嬢さんをめぐる嫉妬からKとの友情はこわれはじめる。そして、Kに先に告白されて、なんとか取り戻そうと焦るが、焦れば焦るほどKに対する恐ろしさが増してくる。しかし、図書館でKの平生と異なる様子を発見してからは、一転して攻勢に出る。それは勝つか負けるかの戦争のようなもので、嫉妬であるとか恋であるとかの感情は薄い。一時は勝利をものにしたように思ったが、再び不安にな り、奥さんへの談判という実際行動に出る。そうしてやっと人間らしい良心、Kに対する友情が復活する。そしてその良心が発露しないままKに自殺されてしまう。 

生徒観・指導観 


 導入は、「恋愛か友情か」の人生相談だ。これで、一気に図書館を出て上野公園を散歩するシーンまでいくことかができる。もっとも、まだ「こころ」を読んだことのない生徒は、気づくはずもないが。 
 まずは、二人の生い立ちから下宿に同居するまでをまとめる。次に、Kの遺書を読み、ポイントをまとめ、Kの自殺の原因を推測させる。Kが私にお嬢さんへの恋を告白する場面から、「覚悟」の意味と「ふすま」をポイントにKと私のこころの動きを追い、Kの自殺の原因を考える。 
 次に、第一部の先生の言葉から、Kの自殺が先生の人生にどのような影を落としているのかを考える。 
 最後に、私の自殺の部分を読み、私の自殺の原因を考え、そこからKの自殺の原因を考える。 
 Kの自殺の原因について、3回考えるわけであるが、グループを設定して考えさせても面白い。ロールプレイなどを取り入れて、Kと私のこころの動きを考えさせるのもよい。 この学習を通して、人間の心の複雑さを、心理描写を抑えながら考えさせていきたい。 
  また、最後にKの手記が残っていたらという課題を出してみても面白い。 
  小森陽一らの「お嬢さん悪女説」にもとづいた、葉月里緒菜がお嬢さんを演じるテレビドラマは一見の価値がある。 
 
  

 
 展開1(罫線の中は板書)

あらすじ    Kの遺書    Kの告白  私の逆襲  私の決断  私の良心  Kの自殺     私の自殺   Kの自殺と私の自殺 

あらすじ  
1.「恋愛か友情か」をさせる。 
2.全体の構成を説明する。 
3.ここまでのあらすじを整理する。 
 
・中学時代に伝染病で両親を失う。    
・信頼していた叔父に財産を横領され、強い人間不信に陥る。          
・下宿のお嬢さんに接するうちに心を開いていくようになる。          
・Kを自分の下宿に同居させる。 
・真宗寺に生まれ、医者の養子になる。   
・養家を欺いて哲学を学び、養家からも実家からも勘当される。           
・生活に困り、神経衰弱気味になる。    
                    
・お嬢さんのぬくもりで健康を回復する。 


Kの遺書 
1.「こころ」の大きなポイントの一つは、Kの自殺であるが、その原因を考えるために、まず遺書を読むとを説明する。 
2.音読する。 
3.要点を聞く。 
 ・薄志弱行で行く先の望みがないから自殺する。 
 ・お嬢さんの名前だけはない。(私はわざと回避したと思う) 
 ・もっと早く死ぬべきだったのになぜ今まで生きていたのだろう。 

Kの告白 
1.Kがいつもに似合わない話を始める。 
 1)いつもに似合わない話とは? 
  ・お嬢さんのこと。 
  2)私の感じは? 
  ・面倒よりも不思議の感じに打たれる。 
  ・以前私のほうから二人の問題を話しかけた時の様子を説明する。 
 3)Kの口元の肉の震えに注意する。 
2.Kがお嬢さんに対するせつない恋を打ち明ける。 
 1)なぜ私に打ち明けたのか? 
  ・私を信頼していた。 
 2)私の気持ちは? 
  @魔法の棒で化石にされたようなもの。 
   a)「化石」とはどんな状態か? 
    ・恐ろしさと苦しさの塊。 
  A人間らしい気分を取り戻す。 
   a)人間らしい気分とは? 
    ・しまった、先を越された。 
    ★このパターンはKの自殺の場面でも出てくる。 
  B苦痛と恐ろしさを感じる。 
   a)なぜ、Kが恐ろしいのか? 
    ・相手は自分よりも強いと思ったから。 
    ★この思い込みが私の判断を遅らせる。 
 3)Kの様子は? 
  ・自分のことに一切を集中しているので、私に注意する暇がなかった。 
  ★ここで私の様子に築いていたなら結果は変わった。 
 
Kの告白                     
1.いつもに似合わない話を始める。           
 ・お嬢さんのこと                    
2.不思議の感に打たれる。               
3.お嬢さんに対するせつない恋を打ち明ける。      
 ・私を信頼していた。                  
4.魔法の棒で化石にされたようになる。         
5.人間らしい気分を取り戻した。             
 ・しまった、先を越された。               
6.苦痛と恐ろしさを感じる。               
 ・相手は自分より強い。                 
7.自分のことに集中して私に注意する暇がなかった。
3.私は悔恨にゆられてぐらぐらする。 
 1)何を後悔しているのか? 
   ・自分の心もKに打ち明けるべきはずだったのに時機が遅れた。 
 2)なぜあの時に打ち明けられなかったのか? 
   ・Kは自分より強いと思い、恐ろしかったから。 
 3)なぜ今から打ち明けられないのか? 
  ・自分の方が先に好きだったのに、Kが告白したから自分も好きになったように思われるから。 
4.「逆襲」「手抜かり」「突進」「不意打ち」からどんな気持ちが分かるか? 
  ・Kを友人としてでなく、恋敵として見ている。 
5.「仕切りの襖」の効果に注意する。 
 ・いつもは襖の向こうは気にならないが、この時に妙に気になった。 
 ・Kが襖を開けて突進してくればいい。 
 ・自分から襖を開けることはできない。 
  ★後々、この襖が大きな役割を果たす。 
6.私はKのことを考えながら散歩する。 
 1)Kが解しがたい男のように見えた。 
   ・なぜ突然私に打ち明けたのか。 
  ・どうしてKの恋が募ったのか。 
  ・平生のKはどこへ吹き飛ばされたのか。 
 2)永久にKに祟られたような気がする。 
  ★Kの自殺が私に与える影響を暗示している。 
7.部屋にいるKの気持ちを推察する。 
 
8.悔恨にゆられてぐらぐらする。 
 ・自分の心もKに打ち明けるべきはずだったのに時機が遅れた。 
 ・自分の方が先に好きだったのに、Kが告白したから自分も好きになったように思われる。 
9.Kのことを考えながら散歩する。 
 ・Kが解しがたい男のように見えた。 
  ・なぜ突然私に打ち明けたのか。 
 ・どうしてKの恋が募ったのか。 
  ・平生のKはどこへ吹き飛ばされたのか。 
 ・永久にKに祟られたような気がする。 
 
  

 

 展開2(罫線の中は板書)

あらすじ    Kの遺書    Kの告白  私の逆襲  私の決断  私の良心  Kの自殺     私の自殺   Kの自殺と私の自殺 

私の逆襲                
1.図書館でKが声を掛けて散歩に誘い出したことを確認する。 
2.Kの方から突然例の事件について口を切る。 
 1)「例の事件」とは? 
  ・お嬢さんへの恋を私に打ち明けたこと。 
 2)Kの態度は? 
  ・実際的な方面に進んでいない。 
 3)「実際的な方面」とは? 
  ・お嬢さんに告白する。 
 4)私に「どう思う」とはどういう意味か? 
  ・現在の自分について私の批評を求めたい。 
 5)「現在の自分」とは? 
  ・恋愛の淵に陥ったいる。 
3.そんなKを見て、私はKの平生と異なる点を認めた。 
 1)「Kの平生」とは? 
  ・こうと信じたら一人で進んでいくだけの度胸も勇気もある。 
4.Kは「自分の弱い人間であるのが恥ずかしい」と言う。 
 1)「弱い人間」とは? 
  ・迷っているから自分で自分が決められない。 
 2)「迷っている」とは? 
  ・進んでいいのか、退いていいのか。 
 3)「進む」「退く」とは? 
  ・お嬢さんに告白するか、お嬢さんを諦めるか。 
  ★これだけ迷っているKは確かに平生のKではない。 
 4)Kはなぜ迷っているのか? 
  a)女性に恋を告白した経験がないから、どうすればいいかわからない。 
  b)お嬢さんを恋することは、自分の道に反するから。 
  ★b)は出にくいだろう。後の部分を読んだ時に補ってもよい。 
5.私は、すぐ一歩先に出て「退こうと思えば退けるのか」と問う。 
 1)なぜ私はすぐにこんな問い掛けをしたのか? 
  ・一気に畳みかけて、お嬢さんを諦めさせようとしている。 
6.私は、他流試合をする人のようにKに注意する。 
 1)「他流試合でもする」とはどういう様子か? 
  ・私を隙間のないように用意して、一打ちでKを倒す。 
  ★Kを友達ではなく、敵と見なしている。 
7.Kは、理想と現実の間を彷徨してふらふらしている。 
 1)「理想と現実」とは? 
  a)理想=お嬢さんに告白する。 
   現実=お嬢さんに告白できない。 
  b)理想=自分の道を貫く。 
   現実=お嬢さんへの恋に進む。 
  ★44)同様、b)は出にくいだろう。後の部分を読んだ時に補ってもよい。 
8.私は、厳粛な改まった態度で「精神的に向上心のないものはばかだ」と言い放つ。 
 1)この言葉は、Kを一打ちだ倒せる言葉である。 
 2)この言葉は、旅行中にKが私に言った言葉だが、「向上心」に込められたKの第一信条とは? 
  ・道のためならすべてを犠牲にする。 
  ・欲を離れた恋そのものも道の妨げになる。 
 3)以前、Kはどういうつもりで言ったのか。 
  ・向上心のない私への同情よりも侮蔑の意味が込められていた。 
 4)今、私はどういうつもりで言ったのか。? 
  ・復讐以上に残酷な意味を持っていた。 
  ★単に言い返しただけではない。 
 5)「復讐以上に残酷な意味」とは? 
  ・Kの前に横たわる恋の行く手をふさぐ。 
  ・Kが私の利害と衝突するのを恐れた。 
  ・単なる利己心の発現。 
 6)この言葉がKに与えた影響を考える。 
  ・自分で言った言葉だけに、立場が逆転した今となっては非常に痛い。 
  ・今までの自分の全存在を否定される。 
  ★遺書にあった「薄志弱行」のきっかけになる。 
 7)ここで、44)や7について考える。 
9.Kは、「僕はばかだ」と力に乏しい声で答える。 
10.Kは、「もうその話はやめてくれ」と頼むように言う。 
11.私は、「君の心でやめるだけの覚悟があるのか」と言う。 
 1)何を「やめるだけの覚悟」なのか? 
  ・お嬢さんの話をやめる覚悟。 
     ・お嬢さんとの恋をやめる覚悟。 
  ★巧妙なすり替えが行われている。 
12.「覚悟ならないこともない」と独り言のように夢の中の言葉のように言う。 
 1)「覚悟」の意味を含めて、この場面でのKの気持ちをQ2として書かせる。 
  2)私の気持ちをQ3として書かせる。 
13.自然描写を味わう。 
 1)「霜に打たれて蒼みを失った木立」とは? 
  ・私の言葉に打ちのめされ、生気を失ったK。 
 2)「茶褐色が」とは? 
  ・二人の人間関係の色。 
 3)「薄黒い」とは? 
  ・私の行為の色。 
  ・死を暗示。 
 4)「寒さが背中へかじりつく」とは? 
  ・私が自分の犯した罪に寒気がした。 
14.グループで話し合う。 
  1)ロールプレイをする。 
 
私の逆襲 
1.例の事件について突然口を切る。 
  ・お嬢さんへの恋を私に打ち明けたこと 
2.実際的な方面に進んでいない。 
  ・お嬢さんに告白する。 
3.私に「どう思う」と言う。 
 ・現在の自分について、私の批判を求めたい。 
  ・恋愛の淵に陥っている。 
4.Kの平生と異なる点を認めた。 
  ・こうと信じたら一人で進んでいくだけの度胸も勇気もある。 
5.「自分の弱い人間であるのが恥ずかしい」と言う。 
  ・迷っているから自分で自分が決められない。 
  ・進んでいいのか、退いていいのか。 
    進む=お嬢さんに告白する。    退く=お嬢さんに告白しない。 
         自分の道を貫く。             お嬢さんとの恋を諦める。 
6.すぐに「退こうと思えば退けるのか」と問う。 
7.ただ「苦しい」と言うだけ。 
8.他流試合でもする人のようにKを見ていた。 
  ・自分の隙をなくして相手を一打ちで倒す 
9.理想と現実の間を彷徨してふらふらしている。 
 理想=お嬢さんに告白する。    現実=お嬢さんに告白できない。 
            自分の道を貫く。              お嬢さんに恋をしている。 
10.厳粛な改まった態度で、「精神的に向上心のない者はばかだ」と言い放つ。 
 ・道のためならすべてを犠牲にする。 
   欲を離れた恋そのものも道の妨げになる。 
   私への同情よりも侮蔑の意味が込められていた。 
 ・復讐以上に残酷な意味 
  Kの前に横たわる恋の行く手をふさぐ。 
  単なる利己心の発現。 
11.「僕はばかだ」と力に乏しい声で答える。 
12.「もうその話はやめてくれ」と頼むように言う。 
13.「君の心でやめるだけの覚悟があるのか」と言う。 
  ・お嬢さんの恋を諦める 
14.「覚悟ならないこともない」と独り言のように夢の中のように言う。 


私の決断 
1.私は双方の点においてKの心を見抜いて、恐れるに足りないという自覚を持つ。 
 1)「双方」とは何と何か? 
  @投げ出すことのできないほどの尊い過去がある。 
  A現代人の持たない強情と我慢があった。 
 2)「尊い過去」を確認する。 
  ・養家に背き実家からも勘当されても哲学を勉強した。 
 ★ここのKの性格をきちんと抑えておく。私達のような凡人とは違う、非常に強い意志をもった人物である。 
 ★この時、初めて私とKの立場が逆転する。 
2.Kが、ふすまを二尺開け、「もう寝たのか」と落ち着いた声で言い、翌朝「近ごろは熟睡できるのか」と聞 く。 
 1)なぜふすまを開けて「もう寝たのか」「近頃は熟睡できるのか」と聞いたのかをQ5に書かせる。 
  a)お嬢さんについて相談したいことがあった。 
  b)現在の自分についてさらに批判してほしかった。 
  c)私もお嬢さんが好きであることに気づき、自分がお嬢さんのことを相談したばかりに眠れないほど悩んでいるのではないかと思い、謝ろうとした。 
  d)自殺しようとした。 
  e)自殺の下調べをした。 
  ★落ち着いた声で言ったのだから、a)b)は当てはまらない。また、「もうその話はやめよう」と強い調子で言ったことから、a)b)は考えられない。 
 2)書いたものを発表させる。 
3.私は、Kの「覚悟」の意味を考え直す。 
 1)私は、Kの一般を心得た上で、例外の場合をつらまえたつもりで得意だった。 
  @一般とは? 
   ・道に対しては果断に富んだ性格 
  A例外とは? 
   ・恋に対してのみ優柔 
 2)すべての疑惑、煩悶、懊悩を一度に解決する最後の手段をKが胸の中に畳み込んでいるのではと疑い始める。 
 3)果断に富んだKの性格が、恋の方面に発揮されるのが覚悟だと思い込んだ。 
 4)それ以外の最後の手段は考えられないか? 
  ・自殺 
4.私は、最後の決断が必要だと覚悟を決める。 
 1)最後の決断とは? 
  ・奥さんにお嬢さんをくれと談判する。 
  ・Kより先に、Kの知らない間に事を運ぶ。 
5.私は、仮病を使って奥さんに談判する。 
 1)「Kが何か言わなかったか」とは、Kが何を言うのか? 
  ・先にお嬢さんが好きだと告白する。 
  ★慎重に探りを入れている。 
  2)奥さんは何の条件も持ち出さずに承知する。 
  @なぜ本人の気持ちを確かめずに承知したのか? 
   ・お嬢さんも始めから私を選んでいて、奥さんに話していた。 
      ★「本人が不承知のところへ、私があの子をやるはずがありませんから」 
  Aなぜお嬢さんは私を選んだのか? 
   ・私が好きだった。 
   ・Kの禁欲的な性格に馴染めなかった。 
   ・Kは無一文だが私には財産がある。 
   ・父親がいないというハンデがあるので、もらってくれる人があれば喜んで承知しようと決めていた。 
   ★背の高さ、容貌、学力ともKの方が勝っていた。 
   ★お嬢さん(奥さんは)純粋な愛情から私を選んだのか、打算的な考えがあったのか。 
 
私の決断 
1.双方の点においてKの心を見抜いて、恐れるに足りないという自覚を持つ。 
   ・@投げ出すことのできないほどの尊い過去がある。 
   A現代人の持たない強情と我慢があった。 
2.ふすまを二尺開け、「もう寝たのか」と落ち着いた声で言い、翌朝「近ごろは熟 睡できるのか」と聞く。 
3.私は、Kの「覚悟」の意味を考え直す。 
 ・Kの一般を心得た上で、例外の場合をつらまえたつもりで得意だった。 
  ・一般=道に対しては果断に富んだ性格 
  ・例外=恋に対してのみ優柔 
 ・果断に富んだKの性格が、恋の方面に発揮されるのが覚悟だと思い込んだ。 
4.最後の決断が必要だと覚悟を決める。 
  ・Kより先に、Kの知らない間に、奥さんにお嬢さんをくれと談判する。 
5.私は、仮病を使って奥さんに談判する。 
  ・奥さんは何の条件も持ち出さずに承知する。
 
  
 展開3(罫線の中は板書)

あらすじ    Kの遺書    Kの告白  私の逆襲  私の決断  私の良心  Kの自殺     私の自殺   Kの自殺と私の自殺 

私の良心 
1.私は、Kのことを考えずに散歩する。 
 1)奥さんがお嬢さんに私の告白を伝えている場面を想像している。 
 2)なぜKのことを考えなかったのが、自分でも不思議に思っている。 
2.Kの部屋を通るとき私のKに対する良心が復活する。 
 1)その瞬間、私はどうしようとしたか? 
  ・Kの前に両手を突いて、謝りたくなった。 
3.私の自然はすぐ食い止められた。 
 1)自然とは? 
  ・Kに両手を突いて謝ること。 
  ・良心 
 2)なぜ食い止められたのか? 
  ・奥に人がいて、土下座をしているのを誰かに知られたら、自尊心が傷つくから 
  ・恥の意識 
4.私は鉛のような飯を食う。 
 1)奥さんの様子は? 
  ・娘の結婚が決まったので、いつもよりうれしそう。 
 2)お嬢さんの様子は? 
  ・うれしいが、恥ずかしいので同席できない。 
 3)Kの様子は? 
  ・お嬢さんの様子の変化を不思議に思って追及する。 
 4)私の気持ちは? 
  ・Kの前で私とお嬢さんのことをばらされてはたまらないとひやひやしている。 
5.私は、Kに対する絶えざる不安が胸を重くしていた。 
 1)お嬢さんとの婚約をKに知らせる方法は? 
  ・自分で話す。 
  ・奥さんに頼む。 
 2)なぜ自分で話さなかったのか? 
  ・論理的に弱点を持っていることに負い目を持っていたから。 
 3)なぜ奥さんに頼まなかったのか? 
  @ありのままを告げられるとどうなるか? 
   ・私がKから相談を受けていたことがばれる。 
  Aこしらえごとを話してもらおうとすればどうなるか? 
   ・奥さんに理由を詰問される。 
  Bすべて事情を話せばどうなるか? 
   ・自分の弱点を自分からさらけ出さなければならない。 
  Cつまり、結婚する前から恋人の信用を失うのは堪えきれなかった。 
 4)私は正直な道を歩くつもりで、つい足を滑らしたばか者、狡猾な男であった。 
  @正直な道とは? 
    ・叔父に裏切られ、Kだけは裏切るまいと決心する。 
   ・Kに謝る。 
  A足を滑らすとは? 
   ・Kから相談を受けながら、Kを出し抜いて求婚し、Kを裏切った。 
   ・Kに謝れなかった。 
  Bそれを知っているのは、「天と私の心」だけである。 
6.Kは、最後の打撃を最も落ち着いた驚きをもって迎えた。 
 1)Kの様子は? 
  ・「そうですか」 
  ・微笑をもらしながら「おめでとうございます」 
  ・「結婚はいつですか」 
  ・「何かお祝いをあげたいが、私は金がないからあげることができません」 
 2)なぜ落ち着いていたのか?Q6として書かせる。 
    a)私がお嬢さんを好きなことに気づいていたので、あまり驚かなかった。 
  b)仮病まで使ってお嬢さんに告発するほど、私を追い込んでいたのかという意味で少し驚いた。 
  c)Kが驚くことによって、奥さんが私とKの間にあったことに気づき、私とお嬢さんの婚約に迷惑をかけてはいけないと思ったから。 
  d)驚くことはプライドが許さなかったから、自分の驚きの感情を抑えた。 
  e)自殺を覚悟していたからどうでもよかった。 
7.私は、Kには策略で勝っても人間としては負けたと思う。 
 1)策略とは何か? 
  ・Kを出し抜いてお嬢さんへの恋を奥さんに伝えたこと。 
 2)人間としては負けたとはどういうことか? 
  ・Kが私を責めずにいること。 
 3)しかし、今更Kに謝って自尊心を傷つけられるのは大きな苦痛である。 
 
私の良心 
1.私は、Kのことを考えずに散歩する。 
2.Kの部屋を通るとき良心が復活する。 
3.私の自然はすぐ食い止められた。 
   ↑・Kに両手を突いて謝ること。良心 
  ・自尊心が傷つくから 
4.私は鉛のような飯を食う。 
 ・奥さん→娘の結婚が決まったので、いつもよりうれしそう。 
 ・お嬢さん→うれしいが、恥ずかしいので同席できない。 
 ・K→お嬢さんの様子の変化を不思議に思って追及する。 
 ・私→Kの前で私とお嬢さんのことをばらされてはたまらないとひやひやしてい 
5.私は、Kに対する絶えざる不安が胸を重くしていた。 
 ・自分で話す→論理的に弱点を持っていることに負い目を持っていたから。 
 ・奥さんに頼む 
  ・ありのままを告げられる→私がKから相談を受けていたことがばれる。 
  ・こしらえごとを話してもらう→奥さんに理由を詰問される。 
  ・すべて事情を話す→自分の弱点を自分からさらけ出さなければならない。 
   ↓ 
  ・結婚する前から恋人の信用を失うのは堪えきれなかった。 
6.正直な道を歩くつもりで、つい足を滑らしたばか者、狡猾な男であった。 
  ・叔父に裏切られ、Kだけは裏切るまいと決心する。 
  ・Kに謝る。 
  ・Kから相談を受けながら、Kを出し抜いて求婚し、Kを裏切った。 
  ・Kに謝れなかった。 
7.Kは、最後の打撃を最も落ち着いた驚きをもって迎えた。 
8.Kには策略で勝っても人間としては負けたと思う。 
  ・Kを出し抜いてお嬢さんへの恋を奥さんに伝えたこと。 
  ・Kが私を責めずにいること。 


Kの自殺 
1.私が、進もうかよそうかとは何のことか。 
 ・進む=Kに謝る。 
 ・よす=Kに謝らない。 
2.Kは、この間の晩と同じようにふすまを開けたまま自殺をする。 
3.私の第一の感じは、Kから突然恋の自白を聞かされたときと同じ。 
 1)「Kから突然恋の自白を聞かされたときの感じ」とは? 
    ・恐ろしさと苦しさの塊になった。 
   ・人間らしい感情が失われた。 
4.私は、次にああしまったと思った。 
 1)なぜしまったと思ったのか? 
   ・私のせいでKが自殺したと思ったから。 
5.私は、Kの遺書に予期したことが書いてなかったのでまず助かったと思った。 
  1)「予期したこと」とは何か? 
    ・私のせいで自殺するということ。 
6.私は、ただ恐ろしかった。 
 1)この恐ろしさの正体は? 
  ・Kによって暗示された運命の恐ろしさ。 
  ・自分がKを殺したのだと一生思い込んで生きていかねばならない。 
7.私は、奥さんの前に手をついて「すいません。私が悪かったのです」と謝る。 
 1)私はどういう意味で言ったのか? 
  ・私の責任でKが自殺した。 
 2)奥さんはどういう意味で聞いたのか? 
  ・普段気をつけていたのに、隣にいながら気づかずに死なせてしまった。 
 ★私はここでようやく間接的にKに謝ることができたが、その意味は通じなかった。 
8.私は、二人が線香をあげて泣いているのを見て、ようやく悲しい気持ちになった。 
 ★始めて人間らしい感情になったので、一滴を潤いになった。 
9.私は、お嬢さんにKの死体を見せなくて良かったと思った。 
 1)なぜか? 
  ・若い美しい人に恐ろしいものを見せると、その美しさが破壊されるるのが怖かったから。 
10.私は、Kを雑司ケ谷に葬り、毎月墓参する決意をする。 
11.次の点を踏まえて、Kの自殺の理由を考え、Q7に書く。 
 1)なぜふすまを開けたまま自殺したのか? 
  a)私に何か言おうとしたが、寝ていた。 
   ・私に対する恨み 
   ・お嬢さんを幸せにしてくれ 
   ・私の気持ちを知らずに相談して苦しめたことに対する謝罪 
  b)私に第一に発見してもらうため。 
   ・お嬢さんや奥さんに残酷な死を見せたくない。 
 2)「薄志弱行」とは何に対する意志が弱かったのか? 
  a)お嬢さんに告白できなかった。 
  b)自分の道を貫けず、お嬢さんに恋をしてしまった。 
  c)自分で自分がわからない。 
  d)人を幸せにするために生きていこうと思ったのに、私を苦しめるようなことをした 
 3)お嬢さんの名前がないのはなぜか? 
  a)お嬢さんへの失恋のために死んだと思われたくない。 
  b)お嬢さんに迷惑をかけたくない。 
  c)私とお嬢さんの婚約に影響させたくない。 
  d)自殺を覚悟していたからどうでもよかった。 
  e)私を苦しめる。 
12.グループにわかれてKの自殺の原因について考える。 
 a)私がKを裏切って、お嬢さんに失恋したから 
 b)お嬢さんに玩ばれたから 
 c)自分で自分が決められない自分に絶望した 
 d)他人のことまで思いやれなかった自分に絶望した 
 
Kの自殺 
1.進もうかよそうかと考える。 
 ・進む=Kに謝る。 
 ・よす=Kに謝らない。 
2.この間の晩と同じようにふすまを開けたまま自殺をする。 
3.第一の感じは、Kから突然恋の自白を聞かされたときと同じ。 
   ・恐ろしさと苦しさの塊になった。 
  ・人間らしい感情が失われた。 
4.ああしまったと思った。 
   ・私のせいでKが自殺したと思ったから。 
5.Kの遺書に予期したことが書いてなかったのでまず助かったと思った。 
    ・私のせいで自殺するということ。 
6.ただ恐ろしかった。 
7.奥さんの前に手をついて「すいません。私が悪かったのです」と謝る。 
  ・私の責任でKが自殺した。 
  ・普段気をつけていたのに、隣にいながら気づかずに死なせてしまった。 
8.二人が線香をあげて泣いているのを見て、ようやく悲しい気持ちになった。 
9.お嬢さんにKの死体を見せなくて良かったと思った。 
  ・若い美しい人に恐ろしいものを見せると、その美しさが破壊されるるのが怖かったから。 
10.Kを雑司ケ谷に葬り、毎月墓参する決意をする。
 
  
 展開4(罫線の中は板書)

あらすじ    Kの遺書    Kの告白  私の逆襲  私の決断  私の良心  Kの自殺     私の自殺   Kの自殺と私の自殺 

私の自殺                  
 補助プリント(「下」の五十一節、五十三節の後半、五十五節、五十六節)を配付し、私の自殺について考える。 
★前時で教科書に収録されている部分は読み終わったが、Kの自殺については様々な考えを残したままになっている。Kと私は双生児のようであり、Kの自殺の原因を考えるには私の自殺の原因を考える必要がある。教科書ではその後のあらすじとしてまとめられているが、ここでは原文を読むことによって考えていく。 
 
1.(私)Kの自殺の原因について質問を受ける。 
 1)私の気持ちは? 
    ・良心がちくちく刺されるように痛む。 
      ・早くお前が殺したと白状してしまえという声を聞く。 
      ・お嬢さんが引き合いに出されたら堪らない。 
  ★私はKの死後も良心と自尊心の間で悩む。白状してしまいたいがお嬢さんに迷惑をかけたくない。 
2.(私)間もなく引っ越し、二カ月後に卒業し、半年以内に結婚する。 
  1)外見は? 
     ・幸福。 
  2)内面は? 
     ・最後に私を悲しい運命に連れていく導火線。 
  3)悲しい運命とは? 
     ・私の自殺を暗示している。 
3.(私)Kの墓参りをする。 
 1)妻の気持ちは? 
   ・二人の結婚を喜んでもらう。 
 2)私の気持ちは? 
  ・(私)腹の中で自分が悪かったと繰り返す。 
    ★私の妻のズレに注目する。「新しい墓・新しい妻・新しいKの白骨」という表現に注意する。 
4.(私)書物を読むだけの生活をする。 
 1)妻の反応は? 
  ・何のために勉強をするのかと質問する。 
 2)私の気持ちは? 
    ・世の中で自分が最も信愛しているたった一人の人間すら自分を理解していないと思い悲しかった。 
5.(私)Kの自殺の原因について考える。 
 1)以前の考えは? 
  ・失恋のために死んだ(=私が殺した) 
  ・現実と理想と衝突 
 2)新たな考えは? 
  ・たった一人で淋しくて仕方なくなったから急に自殺した。 
 3)Kの淋しさとは? 
  ・世の中で最も信頼する人(=私)すら、自分を理解してくれない。 
  ・「覚悟」を、恋を諦め自殺まで含んだ意味で使った。 
  ・私には恋に進む意味だと誤解された。 
  ・自分の道を捨てて、恋に走るような人間だと理解されていた。 
    ★Kは奥さんから私とお嬢さんの婚約を聞いた時、初めて私のお嬢さんへの気持ちを知った。そして、自分がお嬢さんの恋に進むと私が思っていたことも知った。Kは婚約のことより、私がKをそんなふうにしか理解していないことの方にショックを受けた。 
 4)そうすれば自分は? 
    ・私もKと同じ道を歩いている。 
6.(私)腕組をして世の中を眺めだした。 
 1)妻の反応は? 
  ・生活に困らないから心に弛みができた。 
 2)私の気持ちは? 
  @叔父に欺かれ、他人は頼みにならない。 
  A自分だけは立派な人間であるという信念がある。 
    BKを裏切り、自分も叔父と同じ人間だと意識する。 
  C自分にも愛想を尽かす。 
    ★何かをしようとすると、「お前は何もする資格のない男だと抑え付ける」、身動きの取れない状態であることを理解させる。 
7.(私)一番楽な努力で遂行できるものは自殺より外にないと感じるようになる。 
 1)Kの「薄志弱行」について考える。 
  ・Kはお嬢さんに恋をしている現在の自分についての批評を私に求めた。 
    ・私に「精神的に向上心のない者はばかだ」と言われ、自分が道から外れていたことに気づき、自分の全存在を否定する。 
  ・「覚悟」とは、恋を諦めて、再び精進することであった。 
  ・しかし、一度踏み外した道に再び戻るのは至難の業のように思われた。 
  ・そんなKにとって、最も楽な方法は自殺であった。 
8.(私)妻に心をひかれて自殺を思い止まる。 
 1)私の妻に対する気持ちは? 
  ・妻と一緒に死ぬ勇気はない。 
  ・私がいなくなった後の妻を想像すると不憫になる。 
    ★生きているのも苦しいが、死ぬことも許されない私の出口のない気持ちを理解させる。 
9.(私)明治天皇が崩御する。 
 1)私はどう思ったか? 
  @明治の精神が(明治に始まって明治に)終わった。 
  A最も強く明治の影響を受けた私が生き残るのは時勢遅れだという感じがする。 
  B明治の精神に殉死する。 
 2)明治の精神とは? 
  ・「自由と独立と己れとに充ちた現代」(上十四節) 
  ・他人を犠牲にしてでも、自分の自由と独立を獲得しようとする時代。 
  ・利己心に満ちた時代。 
 3)私の明治の精神とは? 
  ・叔父の裏切りから自分だけは信用できると思う。 
  ・Kを裏切ってお嬢さんを手に入れた。 
  ・Kを自殺に追い込んだ。 
4)Kの明治の精神とは? 
  ・養家や実家に背いて、自由と独立を獲得しようと思う。 
  ・お嬢さんに恋をしてしまった。 
  ・私に相談して、私を卑怯な手段をとらせるまで追い込んだ。 
10.(私)乃木大将が殉死する。 
 1)乃木大将の殉死について私の思いは? 
  ・生きていた三十五が苦しいか、自殺する一刹那が苦しいか。 
  ★自殺することよりも生きていることの方が苦しいこともあることを理解させる。 
11.(私)自殺する決心をする。 
 1)妻への配慮は? 
  ・妻には自分の過去を秘密にしておきたい。 
  ・妻に残酷な驚怖を与えたくない。 
  ・妻が私の過去に対してもつ記憶を、成るべく純白に保存しておいてやりたい 
 2)Kがふすまを開けて自殺した理由は?お嬢さんの名前を書かなかった理由は? 
  ・私に発見させ、お嬢さんに血を見せたくない。 
  ・自分がお嬢さんを好きであったことを知られたくない。 
   知られれば優柔さがばれる。 


Kの自殺と私の自殺 
 
1.淋しさについて 
 ・(私)最も信愛する妻すら理解してくれない。 
 ・(K)最も信頼する私すら理解してくれない。 
2.お嬢さん(妻)に対して 
 ・(私)妻に血の色を見せないで死ぬ。 
  妻が己の過去に対してもつ記憶を、純白に保存しておきたい。 
 ・(K)ふすまを開けておいて、私に発見させる。 
   遺書にお嬢さんの名前がない。 
3.明治の精神について 
  ・(私)自分だけは立派な人間だという信念を持っていたが、Kを裏切り、自殺に追い込む。 
  ・(K)養家や実家に背いて自分の道を進むが、お嬢さんに恋をしてしまい、私を苦しめる。 
4.自殺について 
 ・(私)一番楽な努力で遂行できる方法。 
 ・(K)薄志弱行でとうてい行く先の望みがない。 
5.プリント「Kの手記」を配付し、教師の読みを示す。 
 ★ 正解ではなく、一つの読みであることを言う。 
6.最終感想文を書かせる。 
 
  



コメント

ホーム