進学コースの生徒に発展学習として課す。
 自分の力で訳せるようにする。ただ、この文章の訳する上での難易度がわからない不安はある。敬語についてはまだ教えていないので、できるだけ注釈をつけた。後は挿入文や極端な主語の省略がないので難しさはない。
 内容の面では、まず、天人の人間を超えた能力である。真夜中であるのに、満月の十倍の明るさになったり、雲に乗って地上1m50cmの所まで来たりしている。
 次に、かぐや姫の生い立ちの部分で不明であった、かぐや姫の正体と、地球に来た理由である。かぐや姫は月の王女であった。それが地球に来た理由は、姫が罪を犯したことと、翁が善行をした褒美である。どんな罪を犯したのかわからないし、翁がどんな善行をしたのかもわからない。また、なぜ翁だけが恩恵を受けるのかもわからない。天人にそれを与える資格があるのか、そもそも天人とは何者なのか。神なのか。
 そして、姫の罪の償いの期限が終わったこと、翁が恩恵を敷けて十分に豊になったことで、姫は月に帰っていくことになる。
 当然、翁は引き止めようとする。王が「片時」と言ったが実際は二十年以上たっていること、姫は重病であること。時間の問題は、地球と月(異界)の時間の流れの違いにある。
浦島太郎と同じである。
 王はそんな翁を相手にせず、強圧的な態度で姫を連れて行く。戸が自然に開いたり、姫が自然に外で出たりするのも、人間を超えた能力の表れである。人間である翁にはなすすべがない。


.本文のプリント、注釈プリント、学習プリントを配布する。

2.助動詞の意味や注釈を参考に、古語辞典を調べながら、本文プリントの左側に訳を書かせる。

3.内容を考える。
 1)登場人物は。
  ・天人
  ・王とおぼしき人
  ・翁
  ・姫
  ・嫗
 2)天人の超能力は。
  ・真夜中であるのに、満月の十倍の明るさになった。
  ・雲に乗って地上1m50cmの所まで来た。
 3)かぐや姫の正体は。
  ・月の王女。
 4)かぐや姫が地球に来た理由は。
  ・姫が罪を犯したこと。
  ・翁が善行をした褒美。
  ★姫がどんな罪を犯したのかわからない。
  ★翁がどんな善行をしたのかもわからない。また、なぜ翁だけが恩恵を受けるのかも   わからない。天人にそれを与える資格があるのか、そもそも天人とは何者なのか。
 5)かぐや姫を迎えに来た理由は。
  ・姫の罪の償いの期限が終わったこと。
  ・翁が恩恵を敷けて十分に豊かになったこと。
 6)翁は引き止めようとして言った事は。
  ・王が「片時」と言ったが、実際は二十年以上たっているので、別人である。
  ・かぐや姫は重病であること。
 7)時間の差がある理由は。
  ・地球と月(異界)の時間の流れの違う。
  ★浦島太郎と同じである。
 8)王の翁を相手にしない、強圧的な態度を確認する。
 9)天人の超能力は。
  ・戸が自然に開い。
  ・姫が自然に外で出た。
  ★人間である翁にはなすすべがない。



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