1.原文写しと書き下し文の宿題を点検する。
2.音読し、書き下し文のポイントを確認する。
3.学習プリントを配布し、訳させる。
4.あらすじを確認する。
 
(   )は早く(   )を失い、(   )に養われていた。十七、八歳の時に独立したが、まだ(  )がいなかった。
 ある日、大きな
(  )を見つけて(  )の中に入れておいた。十数日後、家に帰ると(      )が用意してあった。端は(   )がしたのだと思った。
 数日続いたので隣人に(  )
した。しかし、隣人は知らないと言う。
 後日、家の中をのぞくと
(     )が(  )の中から出て食事の支度をしている。端は(  )の中の(  )を見ると(  )だけが残っていた。少女に尋ねると、自分は(      )で、(   )が端のために遣わしてくれたと言う。しかし、正体を見られたのでを残して天に去る。
 端は(  )を得て、(   )になった。
 
1.晋安帝時、侯官人謝端、少喪父母、無有親属。為隣人所養。
 1)語句の意味を説明する。
  ・「為隣人所養」の受身の句法。
  ・AにBさせる。
  ・隣人に養われる。
 2)訳す。
  ・晋の安帝の時、候官の人謝端は、幼いときに両親を失い、親戚もいなかった。隣人に養われた。
 3)謝端が幼くして身寄りをなくしたかわいそうな境遇であることを確認する。
 
2.至年十七八、恭謹自守不履非法。始出居未有妻。隣人共愍念之。規為娶婦、未得。
 1)語句の意味を説明する。
  ・恭謹=恭しく慎み深い。
  ・自守=人から誤解を受けることはしない。
  ・非法=道に外れたこと。
  ・出居=隣人の家を出て独立すること。
  ・未有=再読文字。まだ〜ない。
  ・愍念=ふびんに思う。
 2)訳す。
  ・十七、八歳になって、恭しく慎み深く、人から誤解を受けることはせず、道に外れたこともしなかった。初めて隣人の家を出て独立したが、まだ妻がいなかった。隣人はこれを不憫に思った。妻をもらってやろうとしたが、まだ得られなかった。
 3)「愍念之」の指示内容を読み取る。
  ・未有妻
 4)妻がいないことを確認する。
 
3.端夜臥早起、躬耕力作、不舎昼夜。
 1)訳す。
  ・端は、夜遅く寝て、朝早く起き、一生懸命、農作業に励み、昼夜を分かたず働いた。
 2)端の勤勉さを確認する。
 
4.後於邑下得一大螺。如三升壺。以為異物、取以帰貯甕中。
 1)語句の意味を説明する。
  ・邑下=村の中。
  ・異物=珍しいもの
 2)訳す。
  ・その後、村の中で大きな田螺を見つけた。三升入りの壺のような大きさであった。珍しいものだと思い、取って帰り甕の中に入れておいた。
 3)田螺を説明する。
 4)三升の大きさを説明する。
  ・〇.六リットル。500mmのペットボトルより少し大きい。
 5)普通の田螺ではないことを確認する。
 
5.畜之十数日、端毎早至野、還見其戸中、有飯飲湯火、如有人為者。端謂隣人為之恵也。
 1)語句の意味を説明する。
  ・飯飲湯火=食事の用意ができていて、湯も沸いている。
 2)訳す。
  ・飼育すること十数日、端は朝早く野良仕事に出かけ、帰って家の中を見ると、食事の用意ができていて、湯も沸いていて、誰かがしてくれたようであった。端は隣人が好意でしてくれたと思った。
 3)「為之」の指示内容を読み取る。
  ・飯飲湯火
 4)誰かが飯飲湯火してくれたことを確認する。
 
6.数日如此。便往謝隣人。隣人曰「吾初不為是。何見謝也」端又以、隣人不喩其意。
 1)語句の意味を説明する。
  ・謝=謝礼。礼を言う。
  ・何見謝也=疑問の句法。どうして〜か。
  ・見謝=受身の句法。〜される。
 2)訳す。
  ・数日このようなことが続いたので、(端は)隣人にお礼を言いに行った。隣人は「私は最初からそんなことはしていない。どうして礼を言うのか」と言った。端は隣人がその意味をわかっていないと思った。
 3)指示内容読み取る
  ・如此=有飯飲湯火。
  ・是=飯飲湯火。
  ・其意=謝隣人。
 4)「端又以」の下に省略されている字を考える。
  ・為。「以為」で「思う」。
 
7.然数爾不止。後更実問。隣人笑曰「卿已自取婦、密著室中炊爨而言吾為之炊耶」端黙然心疑、不知其故。
 1)語句の意味を説明する。
  ・然(しか)レドモ=しかしながら。「然ルニ」も逆接。
  ・爾(しか)リテ=指示語。
  ・実問=ありのままを話して尋ねる。
  ・卿=あなた。
  ・言吾為之炊耶=疑問の句法。
 2)訳す。
  ・しかしながら、しばしばこのようなことが続いて止まなかった。後でさらに(端は隣人に)ありのままを話して尋ねた。隣人は笑って言った。「あなたはすでに妻をめとって、ひそかに家の中において飯を炊かせて、私が炊事したと言うのか」端は黙って疑問に思ったが、訳がわからなかった。
 3)「爾」の指示内容を読み取る。
  ・有飯飲湯火
 4)隣人が笑った理由を考える。
  ・端が結婚したのを隠して、炊事の礼を言っていると考えたから。
 
8.後以鶏鳴出去、平早潜帰、於籬外窃窺其家中。見一少女従甕中出、至竈下燃火。端便入門、径至甕所視螺、但見殻。
 1)語句の意味を説明する。
  ・鶏鳴、平早=夜明け。
 2)訳す。
  ・その後、夜明けに家を出て、夜明けにひそかに帰って、垣根の外からこっそり家の中を見た。一人の少女が甕の中から出て来て、竈の下に行き火を燃やすのを見た。端は門から入って、直ぐに甕の所に行き、田螺を見たが、ただ殻を見ただけであった。
 3)少女と田螺の関係を推理する。
 
10.乃到竈下、問之曰「新婦従何所来、而相為炊」女大惶惑、欲還甕中、不能得去。
 1)語句の意味を説明する。
  ・何所=疑問の句法。どこから。
  ・新婦=お嫁さん。
  ・惶惑=恐れと惑う。
 2)訳す。
  ・そこで(端は)竈の下に行き、尋ねた。「お嫁さんはどこから来て、私のために炊事をしてくれるのか」女は大いに恐れ戸惑い、甕の中に帰ろうとするが、去ることができなかった。
 
11.答曰「我天漢中白水素女也。天帝哀卿少孤恭慎自守、故使我権為守舎炊烹。十年之中、使卿居富得婦自当還去。
 1)語句の意味を説明する。
  ・卿=あなた。
  ・少孤=幼くして両親を失う。
  ・恭慎=恭しく慎み深い。
 2)訳す。
  ・答えて言った。「私は天の川の白水素女です。天帝が、あなたが幼くして両親を失い、恭しく慎み深く、人から誤解を受けることはしないのをかわいそうに思われて、私に仮に家の留守番や炊事をさせたのです。十年のうちに、あなたを金持ちにさせ妻を娶らせたりすれば、帰ることができるようになっていました。
 3)「少孤」「恭慎」と同じ意味の語を読み取る。
  ・少孤=少喪父母
  ・恭慎=恭謹
 4)天帝が端を憐れんだこと、白水素女の使命を理解する。
 
12.而卿無故窃相窺掩、吾形已見。不宜復留。当相委去。
 1)語句の意味を説明する。
  ・而ルニ=そうであるのに。
  ・宜シク〜ベシ=当然〜べきだ。
  ・当ニ〜ベシ=当然〜べきだ。
 2)訳す。
  ・しかしながら、あなたは理由もなくこっそりのぞき見をしました。私の正体がばれてしまいました。私は二度と止まっていることはできません。私はあなたを捨てて帰らなければなりません。
 
14.雖然爾後自当少差。勤於田作漁採治生。留此殻去。以貯米穀常可不乏。端請留終不肯。時天忽風雨、翕然而去。
 1)語句の意味を説明する。
  ・少差=暮らしが少しよくなる。
  ・田作漁採=畑仕事や漁。
  ・治生=生計を立てる。
 2)訳す。
  ・そうはいっても、この後の暮らしは少しよくなるでしょう。この殻をここに残していきます。これに米穀を蓄えれば、いつも減ることはないでしょう。端は止まるように頼んだが、素女は承知しなかった。その時、空は突然風雨が起こり、素女はぱっと飛び去った。
 3)「雖然」の指示内容を読み取る。
  ・天帝があなたを裕福にするために私を使わしたのに、あなたが私の正体を見たために帰らなければならないこと。
 
15.端為立神座、時節祭祀。居常饒足、不致大富耳。於是郷人以女妻之。後仕至令長云。今道中素女祠是也。
 1)語句の意味を説明する。
  ・郷人=村人。
 2)訳す。
  ・端は素女のために神棚を作り、時節ごとに祭った。日頃の生活は豊かになったが、大金持ちにはならなかった。そこで、村人は娘を端の妻にした。その後、県の長官になった。今道端にあった素女の祠はこれである。



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白水素女
  
学習プリント

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学習の準備
1.左右1行ずつ空けて原文を写しなさい。
2.次の漢字の読み方を書け。
 少クシテ 恭謹 娶ラン 於イテ 早ニ 便チ 然レドモ 数 爾リテ 更ニ 已ニ
 密カニ 窃カニ 径チニ 但ダ 乃チ 何レノ 当ニ 而ルニ 宜シク 雖モ 爾ノ
 肯ヘンゼ 忽チ 仕ヘテ
3.原文の右に書き下し文を書きなさい。特に、次の部分に注意しなさい。
 1)始出居未有妻。隣人共愍念之。
 2)端毎早至野、還見其戸中、有飯飲湯火、如有人為者。
 3)吾初不為是。何見謝也。
 4)卿已自取婦、密著室中炊怕而言吾為之炊耶。
 5)見一少女従甕中出、至梔下燃火。
 6)故使我権為守舎炊烹。
 7)使偕居富得婦自当還去。
 8)不宜復留当相委去。
 9)雖然爾後自当少差。
 10)以貯米穀常可不乏。
 11)居常饒足、不致大富耳。
4.空欄に文中の語句を入れて、あらすじを把握しなさい。
   は早く  を失い、  に養われていた。十七、八歳の時に独立したが、まだ がいなかった。
 ある日、大きな を見つけて の中に入れておいた。十数日後、家に帰ると    が用意してあった。端は  がしたのだと思った。
 数日続いたので隣人に した。しかし、隣人は知らないと言う。
 後日、家の中をのぞくと   が の中から出て食事の支度をしている。端は の中の を見ると だけが残っていた。少女に尋ねると、自分は    で、  が端のために遣わしてくれたと言う。しかし、正体を見られたので を残して天に去る。
 端は を得て、  になった。
5.原文の左に現代語訳を書きなさい。

学習のポイント
1.謝端の性格と日常生活を理解する。
2.不思議な出来事の発端を理解する。
3.謝端と隣人のやりとりを理解する。
4.白水素女が謝端の元に現れた理由を理解する。
5.白水素女が謝端の元を去った理由を理解する。
6.白水素女が謝端の元を去る時にしたことを理解する。
7.白水素女が残したものの効果を理解する。
8.その後の謝端を理解する。
9.受身、疑問、使役、限定の句法、再読文字を理解する。