0.学習プリントを配布し、宿題にする。
1.黙読し、登場人物を□で囲ませ、整理する。
先王 王  部下
闔盧 夫差 伍奢 伍員(子胥) 伯否
句践 范蠡    
2.大まかなあらすじを考えさせる。
 1)呉の夫差が子胥と父の敵討ちをする。
 2)越の句践が雪辱を果たす。
3.一人ずつ読ませ、読みを確認し、教師が範読する。
4.全員で音読する。
5.書き下し文にする場合の注意点を指摘する。

6.呉王闔廬挙伍員謀国事。員字子胥。楚人伍奢之子。
 1)「挙」の意味。
  ・登用する。
 2)「謀」の意味。
  1)察知する。2)相談する。3)計画する。4)たくらむ。
  ・ここでは、2)相談する。
 3)「字」の説明。
  ・男子が成人(二十歳)になった時に本名の他につける別名。実名は「諱(いみな)」といい、目下の者を呼ぶ時以外は、必ず「字」を用いた。敬称である。「諡(おくりな)」死後に追贈される称号であり、「号」はペンネームである。
 4)人物名と関係を確認する。

7.奢誅而奔呉、以呉兵入郢。呉伐越、闔廬傷而死。
 1)「誅」の意味と状況。
  ・(罪に処して)殺す。
  ・伍奢は楚の平王に疎んじられていた太子建を弁護して平王の怒りに触れ、誅殺された。
 2)「奔」の意味と主語。
  ・亡命する。
  ・伍員。
  ・伍奢には伍尚と伍員の二人の子があったが、兄の伍尚は父とともに死に、伍員は呉に亡命した。
 3)「入郢」の説明。
  ・郢は楚の都。
  ・子胥は、呉の兵を率いて楚に攻め入り、平王の墓をあばいて死体を三百回鞭打ち、父と兄の敵を討った。
 4)「呉伐越」の説明。
  ・呉が楚に攻め入っている隙に越が呉を攻め、呉は応戦して攻め入った。
  ★三国の関係が複雑なので、注意する。
 5)「闔盧傷而死」の説明。
  ・越が呉を破った時、闔盧は指を傷つけられ、それが悪化して死ぬ。

8.子夫差立。子胥復事之。夫差志復讎、朝夕臥薪中、出入使人呼曰、「夫差、而忘越
 人之殺而父邪」
 1)「事之」の指示内容。
  ・夫差。
 2)「復讎」の意味。
  ・復讐する。
 3)「臥薪中」の理由。
  ・わざと自分の体を痛めつけて復讐心をかき立てた。
 4)「出入使人呼」の「出入」の主語と意味。
  ・使役の句法。
  ・主語が夫差か部下か。
 5)「而」の意味。
  ・おまえ。
  ・「汝・女・若・爾」と同じ。
 6)「而忘越人之殺而父邪」の句法と構文に注意して訳させる。
  ・「A邪」で疑問の句法。
   Aか。
  ・複文で目的語の中に主述がある。

9.周敬王二十六年、夫差敗越于夫椒。越王句践、以余兵棲会稽山、請為臣、妻為妾。子 胥言「不可」太宰伯嚭受越賂、説夫差越。
 1)「夫差敗越干夫椒」の構文。
  ・主語+述語+目的語+(於・干・乎)+補語(場所)
  ・目的語を先に読み、補語の前に助字が入る。
  ・〜を(に)〜に(より)
 2)「為臣」の主語。
  ・句践
 3)「妾」の意味と反対語。
  ・女の召使。
  ・反対語は「僕」
  ・屈辱的な条件で助命を嘆願した。
 4)子胥が「不可」と言った理由。
  ・今、越を滅ぼさないと、やがて越に滅ぼされることを見抜いていたから。

10.句践反国、懸胆於坐臥、即仰胆嘗之曰、「女忘会稽之恥邪」挙国政属大夫種、而与范 蠡治兵、事謀呉。
 1)「懸胆於坐臥」の構文。
  ・主語+述語+目的語+(於・干・乎)+補語(場所)
 2)「即」の前の省略。
  ・坐臥
 3)「仰胆嘗之」の理由。
  ・苦い胆を嘗めて、屈辱の苦さを思い出し、復讐心をかき立てるため。
 4)「会稽之恥」とは。
  ・夫椒の戦いに敗れた時、臣下や召使になると言ってまで助命を嘆願したこと。
 5)「挙」の意味。
  ・すべて
 6)「而シテ」の意味。
  ・順接
 7)「謀」の意味。
  ・(攻める)計画を立てる。

11.太宰嚭譖子胥恥謀不用怨望。夫差乃賜子胥属鏤之剣。
 1)「太宰否譖子胥恥謀不用怨望」の構文。
  ・主+述+目(主+述+目(主+述)、述)
 2)「謀不用」の説明。
  ・夫差が斉を討とうとした時、子胥は斉よりも先に越を討つべきだと進言したが用いられなかった。
 3)「夫差乃賜子胥属鏤之剣」の構文。
  ・主語+述語+間接目的語+直接目的語。
  ・〜ニ〜ヲ。
  ・目的語の間に「於」などの助字を置かない。
 4)「賜子胥属鏤之剣」の意味。
  ・その剣で自殺することを命じた。

12.子胥告其家人曰、「必樹吾墓檟。檟可材也。抉吾目、懸東門。以観越兵之滅呉」
 1)「樹吾墓櫃」の理由。
  ・櫃は棺桶の材料になり、それで夫差の棺桶を作る。呉がやがて越に滅ぼされることを予言した。
 2)「抉吾目懸東門」の意味。
  ・越が東から攻めてきて、呉を滅ぼすのを見るため。

13.乃自剄。夫差取其尸、盛以鴟夷、投之江。呉人憐之、立祠江上、命曰胥山。
 1)「其尸」の指示内容。
  ・子胥
 2)「盛以鴟夷」の意味。
  ・酒を入れた形が鳥に似ている。
  ・死体を酒袋に入れることによって、死者をさらに辱めるため。
 3)「投之」の指示内容。
  ・尸
 4)「江」とは何川。

14.越、十年生聚、十年教訓。周元王四年、越伐呉。呉三戦三北。夫差上姑蘇、亦請成於越。范蠡不可。夫差曰「吾無以見子胥」為幎冒乃死。
 1)「三」の意味。
  ・数の多いこと。
 2)「姑蘇」の説明。
  ・絶世の美女西施を住まわせた離宮があった。
 3)「請成於越」の構文。
  ・述語+目的語+前置詞+補語
 4)「范蠡不可」の理由。
  ・呉が句践を許したことによって滅びたことの繰り返しをしないため。
 5)「幎冒乃死」の意味。
  ・子胥に合わせる顔がない。



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臥薪嘗胆 学習プリント

学習の準備
1.次の漢字の読み方を書け。
 挙ゲテ 謀ラシム 字 誅セラレ 奔リ 事フ 讎 而 妾 賂 説キテ 赦サシム
 懸ケ 嘗メテ 而シテ 賜フ 自剄 尸 北グ
2.原文を写しなさい。
3.原文の右に書き下し文を書きなさい。特に、次の部分に注意しなさい。
 1)奢 誅 而 奔 呉、以 呉 兵 入 郢。
 2)出 入 使 人 呼 曰
 3)「夫 差、而 忘 越 人 之 殺 而 父 邪」
 4)太 宰 伯 嚭 受 越 賂、説 夫 差 赦 越。
 5)「女 忘 会 稽 之 恥 邪」
 6)而 与 范 蠡 治 兵、事 謀 呉。
 7)太 宰 嚭 譖 子 胥 恥 謀 不 用 怨 望。
 8)「必 樹 吾 墓 檟。檟 可 材 也。
4.原文の左に現代語訳を書きなさい。

学習のポイント
1.登場人物と国名を整理する。
2.夫差の「朝夕臥薪中」の意義を理解する。
3.句践が許された経緯を理解する。
4.句践の「懸胆於坐臥、即仰胆嘗之」の意義を理解する。
5.夫差が子胥を殺そうとした理由を理解する。
6.夫差が「樹吾墓櫃」「抉吾目懸東門」と言った理由を理解する。
7.夫差が「為幎冒乃死」の理由を理解する。
8.使役の句法を理解する。
9.疑問の句法を理解する。