2.私を語るワーク 4月26日(月)

前回の出会いのワークでは、人から質問してもらい、人から紹介してもらいました。情報としては、誕生日や出身校など表面的なものが多かったようです。
さて、2回目の今回は、いよいよ自己紹介です。普通なら1回目が自己紹介というのが定番ですが、もしそうしたならその内容は、前回の他己紹介と大差のない表面的なものになる可能性が強いでしょう。前回の他己紹介で表面的な紹介を人からしてもらったので、今回はそれ以外の内面的な紹介になるだろうというのが、あえて2回目に自己紹介を設定した理由です。また、ネーミングも単なる自己紹介ではなく、「私を語る」としてみました。自分を理解してもらうのに最もふさわしい話題について話す。例えば、趣味について話す、親友について話す、家族について話すでも可です。何を話題にするのか、そのあたりもセンスが試されます。さらに、内容以外に、時間は1分間(前後10秒は許容範囲)で、時間通りにまとめること、話し方を工夫すること等が評価の観点になります。
聞いている方もボーッと聞いているのでなく、話し方や内容を5段階で評価させます。さらに、話し手の印象を54の選択肢の中から4つ選ばせます。選択肢はどれも肯定的なものばかりです。
さて、どんなスピーチが飛び出すか、楽しみです。

   教師の活動      意図・留意点        生徒の反応   
1課題提示 ●教科書を使って、スピーチのポイントを説明する。(教科書は三省堂の「国語表現」34ページ)
■あらかじめ300字の原 稿を書かせておく。
■適切な話題を選び、主題を明確にし、組み立てを工夫する。
■短く、ピリッと塩味が効いていて、機知にあふれていること。
■声の調子、言葉づかい、姿勢や身振り等に注意する。
2自己イメ|ジ
●「私って何?」「ファーストインプレッション」を配布し、今の自分、過去の自分、ありたい自分に当てはまる項目を選ばせる。
■スピーチの時に他の人に評価してもらう項目との比較するために、最初に自己イメージを確認しておく。
■選択肢になれて、他の人のイメージを選択しやすくする。
▼配布した瞬間から興味を示す。
▼選択する項目は多くない。自己イメージが低いのだろうか。
3聞き手指示 ●「評価シート」を配布する。
●話し方・内容を5段階で評価する。また、印象を4つ選ぶ。
■ただ聞いているだけなら、注意が散漫になり、集中できなくなる。
■自分が語る時の参考にさせる。       
4スピ|チ
●1分間計り、順番にスピーチさせる。
●タイムを知らせる。1分間で評価させる。教師も簡単にコメントする。●29人繰り返す。  
■制限時間は50秒から70秒。
■50、60、70秒で呼び鈴を鳴らすなど小道具を使う。
▼すべての生徒が制限時間内でおさめる。     
▼原稿を読む生徒が多かった。
▼最後の1人だけがスピーチできなかった。
5振り返り


●「ふりかえりシート」は配布して、今日の感想を書かせる。
●「評価シート」を回収する。
■1時間ごとにシェアリングする。
■重ねて裁断し、1人ずつホチキスでとめ、次の時間に返却する。「私って何?」の他人の目の欄に書かれた項目を整理させる。
■評価は、話し方と内容について、生徒の評価の平均を10倍した点数と教師の評価を10倍した点数を合計する。
6作文


●主題と材料を提示し、つなぎ合わせて、短い意見文を書かせる。(『日本文章検定4級問題集』 より)
■時間が余れば調整するオプションである。
■いきなり書かせるのでなく、主題と材料がそろった段階からの作文指導をする。


資料

ファースト・インプレッション
1 有能な   2 賢明な  3 物分かりのよい  4 理性的  5 威厳がある  6 頼りになる  7 信念のある  8 責任感ある   9 堂々たる  10 注意深い  11 真面目な  12 公平な  13 礼儀正しい  14 清潔な  15 大胆な  16 勇敢な  17 エネルギッシュ  18 強い  19 陽気な  20 子供っぽい  21 社交的な  22 活発な  23 ユーモアある  24 野心的  25 敏感な   26 神秘的  27 個性的  28 理想主義的  29 味のある  30 感受性豊かな  31 静かな  32 穏やかな  33 冷静な  34 従順な  35 誠実な  36 合理的  37 現実的  38 常識的  39 親切な  40 ゆったりした  41 優しい  42 愛想のよい   43 寛大な  44 率直な  45 素朴な  46 気取らない  47 温かい  48 父親的  49 母親的  50 すがすがしい  51 おおらか  52 新鮮な  53 人情ある  54 正直な


1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22  23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33  34 35 36 37 38 39 40 41 42 43 44  45 46 47 48 49 50 51 52 53 54
人から見た今の私
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33    34 35 36 37 38 39 40 41 42 43 44 45 46 47 48 49 50 51 52 53 54
これからのなりたい私
私から見た今の私
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33    34 35 36 37 38 39 40 41 42 43 44 45 46 47 48 49 50 51 52 53 54       
私から見た昔の私
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33    34 35 36 37 38 39 40 41 42 43 44 45 46 47 48 49 50 51 52 53 54      



話題

私の趣味◆私の一番好きな事◆決意◆野球人生◆自分の事◆テニスをやって◆バスケット◆映画との出会い◆水泳と私◆私の家族◆私の夢◆私のしたいこと◆バレーボール◆苗字について◆ハンド部に入って◆バスケ部のマネージャー◆大好きなバスケ◆スキな事◆私にとっての友達◆僕の夢◆テニス◆僕の将来◆私流演劇楽しむ方法◆趣味について◆私の好きな歌手


生徒の感想

発表すごく緊張したけど、みんなの発表を聞いていると、すごく楽しかったし、いろいろ考えさせられた。採点するのは、すごく難しかった。▼この前の友達の事を紹介するより、とても緊張して、内容もかなり悩みました。でもその分みんても苦労しはったっぽい文章が聞けておもしろかった。自分の事を話すのがこんなにむずかしいとは思わなかった。▼とにかく前へ出て発表するのは、とにかく緊張してしまう。でも、自分のことをよく知ってもらえたと思うのでよかったと思いました。▼自分が話したのや人が話したのを評価するもの後から見たらいいんだろうと思った。▼やることが多過ぎ。人の意見とかもっとゆっくり聞きたかった。せかせか中途半端に書いて提出は、納得いくまで考えられないし、いややなと思った。でも、2回目の国語表現もけっこう楽しみつつ頑張れたと思う。▼前に出で自分の事を話したりするのは、すごい苦手なので今日の授業はできれば出たくなかった。でも、いずれやらなくてはいけないんだと思って頑張ったら、意外と早く終わって、そんなに緊張もしませんでした。前に出て話すのが得意になりたいです。人前で発表することで少しずつ緊張がとれて言ったと思う。自分を見直すこともできた。1つダメだったのは、うつむいて発表したこと。ダメと思ったことを実感できるいい機会だと思った。


教師の感想

前回の最後に「私を語る」を予告したのですが、最後の最後まで迷っていました。半分以上の気持ちは、楽ができる。たしかに、生徒の活動が多い時は教師は楽そうに見えます。でも、生徒を動かすにはお膳立てが必要です。今回でいえば、いろいろなシートや小道具を用意することです。また、生徒が語っている間も、話を聞いているだけでなく、時間配分や聞き手の反応を見て、適切なコメントを考えるなど、瞬間の判断が必要になり、かなり緊張します。その緊張感が楽しめるようになれれば名人の域です。
生徒は実にまじめに取り組んでくれました。全員が制限時間内で終わったということは、かなり練習をしてきたのでしょう。その意気込みは素晴らしい。内容も非常に真面目なものばかりでした。惜しむらくは、どうしても原稿を読んでしまうことと、機知に飛んだ、笑いがおこるような内容が少なかったこと。まだ2回目なのに贅沢な悩みでしょうか。
教師が「隗より始めよ」とすればよかったのかも知れないが、前回教師への質問をしたので、あまり前面に出るのもどうかと自粛しました。次回は、GW明け、じっくりと教材の準備をしましょう。



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