13.カウンセラー適性チェック   9月6日(月)

〜カウンセリング実習1〜

2学期最初の授業。文化祭前なので45分短縮授業です。

作文の時間は、いよいよ小論文を書いていきます。小論文と作文の違い、小論文を書く手順、評価のポイントについて説明します。その後、第1弾として、構成と書く材料を与えて、材料を並べ替えたり接続詞等を使って小論文を書かせます。

ワークの時間は、カウンセラー適性チェックをします。いきなりロールプレイも考えたのですが、2学期の最初で夏休みボケもあるだろうし、文化祭前で落ち着かないこともある。そこで、チェックシートを使います。これなら、あまり気が向かなくてもやってくれるでしょう。ただ、以前も何回か体験したチェックシートの難しさ、生徒によってペースが違うこと、雰囲気が沈みがちになることなどに注意する必要があります。そこで、チェックシートは1枚ずつ配布し、区切りをつけるというささやかな工夫をします。
チェック1と2は、事例に対して自分ならどのように対応するか回答することによって、カウンセリング的かどうかをチェックします。結果を解説しながら、カウンセリング的な対応とアドバイスの違いなどを説明します。チェック3はカウンセリングに必要な要素をチェックします。結果を解説しながら、カウンセリングに必要な要素について説明します。チェックすることで興味づけをしながら、カウンセリングとは何かについて理解させようというのがこの時間の目的です。

時間 学習項目      活 動 内 容(★留意点 ▼生徒の反応)     
15



小論文の書き方  1)「小論文の書き方」を配布する。
2)作文と小論文の違いを説明する。
3)小論文を書く手順を説明する。
★メモを作ることの重要性を強調する。
4)小論文のポイントを説明する。
★小論文の評価の観点を説明することで、何に注意して書けばいいのかを説明する。
30 意見文を書く1  1)「意見文を書く1『日本人と英語』」を配布する。
2)書き方を説明して、30分で書かせる。
20


カウンセラー適性チェック1、2をする   1)ワークのねらいを説明する。
・1学期は、自分を理解することと、自分を表現することをワークして来ました。
・2学期は、相手の話を聞いて、相手を理解することをワークしていきます。
・相手の話を聞くには、カウンセリングという方法があります。
・そこで、今日から中間試験までをめどに、カウンセリングについてワークします。
2)「カウンセラー適性チェック1」を配布する。
3)事例を読んで、自分ならどのように対応するかを4段階で回答させる。
・非行に走ってしまった高校3年の女子の事例。自分に近い年齢の相手なので自分に引き寄せて回答できる。
★教師がカウンセラーらしく音読すると雰囲気が出る。
4)レベル毎に合計し、自分はどのレベルの点数が高いかを知る。
5)「カウンセラー適性チェック2」を配布し、2)3)をさせる。
・成人した息子の対応に悩む50歳の男性の事例。自分が父親の年齢になったらという気持ちで話を聞く。
6)レベルの違いを説明し、自分の対応の特徴を知る。また、カウンセリング的な応答とそうでない応答を理解させる。
レベル1 カウンセリングとは反対の態度です。
 やむにやまれぬ相手の気持ちを十分理解しようとせず、相手の対応を頭ごなしに否定し、断定的な判断を下す。一般的には正しいかもしれないが、相手のケースにとっては非現実的な解決策を一方的に押しつける。
 相手を絶望的な気持ちにし、二度と話したくない気持ちにさせる。
レベル2 部分的、表面的な繰り返しや同情や励ましの態度です。
 表面的に受け止め、なんとか原因を突き止めて、解決してあげようとするのだが、相手の気持ちを深い部分で理解しようとしていないので、本当の解決に結びつかない。
 相手も受け身的になる。
レベル3 カウンセリングの態度です。
 相手の深い感情に触れ、それをはっきりと言葉で表現している。解決策を示すのではなく、相手に自分の感情に気づかせ、自分で解決策を考えさせようとする。
 相手もより自由に自分を語り、自分を素直に見つめられるようになる。
20 チェック3をする 1)「カウンセラー適性チェック3」を配布する。
2)各項目について、はい・いいえ・時々の数字を○で囲ませる。
3)A〜Fの該当する項目の点数を合計させる。
4)「カウンセラーの適性」を配する。
4)A〜Fの項目について説明する。
・自己概念、傾聴、明確な表現、感情の取り扱い、自己開示、責任 性、これらはカウンセリングに必要な条件である。
★ここで、カウンセリングに必要な条件について説明する。
5)A〜Fの項目の高い場合と低い場合について理解させる。
・自分のカウンセラーの適性について考えさせる。
・24点満点で、8点以下が低得点、18点以上が高得点になる。自分の中で高い点数と低い点数の特徴を知る。
・点数は高い方がカウンセラーとしての適性に優れている。
★すべての項目で高い点数であることに越したことはないが、低い所は自分が人の話を聴く場合に足りない部分であることを自覚させ、高めるように心がけさせる。
 5 振り返り 1)「ふりかえりシート」を配布する。
・今回から、理解度と興味度を5段階で評価させる。
2)本日のワークを振り返らせる。




資料

カウンセラー適性チェック1

次の高校3年生の事例を読んで、後の1)〜9)の応答について、必ずそう応答するは 「3」、たぶんそう応答するは「2」、たぶんそう応答しないは「1」、絶対そう応答しないは「0」と答えなさい。

[事例1] 17歳 高校3年 女子
 姉が病弱で、私は5歳頃まで祖父母に預けられました。両親は姉にだけ過保護で、用事は私ばかりです。姉も具合が悪いとすぐ私に当たり、喧嘩になると母はたいてい私を叱るのです。小学校の頃は、だから暗くなるまで遊んでいました。家の用事もしないでって怒られるのですが、それでも外にいた方が気が楽でした。
 姉より私の方が成績はよかったんです。でも、父も母も認めてくれているって気がしませんでした。中学の頃には姉も丈夫になって、もう普通だったのに、相変わらず用事は私にばかり回ってくるので、よく反抗しました。
 中3の時に、ちょっとつっぱり風の女の子と付き合っていたら、周りの人は私のこともそう見るんです。それを変に意識していると、そうなりたくないのになっていってしまって、自分で自分がわからなくなっていったんです。その時、あぁ、もう自分はおしまいだって感じたんです。母は私を叩きました。母はずっと私のことをわかってくれなかったのです。その時に本当にあきらめたのです。

1)両方であきらめてしまったら、もう本当におしまいですね。( )
2)家がつまらないのって本当に苦しいですよね。( )
3)両親との間でいつもちぐはぐした感じできて、もう期待するのはやめようと思ったんですね。( )
4)あなたのやり方でわかってもらうのは無理でしょう。もっと両親に受け入れられる方を考えなかったんですか。( )
5)お姉さんばかりいい思いをしてるって感じで生きてきたんですね。( )
6)嫌な役割を押しつけられ、それに反発しているうちに、どんどん自分を見失ってしまったようなんですね。( )
7)あなたが一方的に親を悪者だって決めつけるのは間違っていますよ。もっと親の気持ちも考えなくっちゃねえ。( )
8)そんな中で成績が良かったというのは、あなたは努力家だったと思いますよ。( )
9)あなたのことをもっとちゃんと認めてほしかったのに、どんどんスレ違ってきたみたいなんですね。( )

  レベル1=1)+4)+7)=(  )   レベル2=2)+5)+8)=(  )   レベル3=3)+6)+9)=(  )


カウンセラー適性チェック2

次の50歳の男性の事例を読んで、後の応答について、必ずそう応答するは「3」、たぶんそう応答する は「2」、たぶんそう応答しないは「1」、絶対そう応答しないは「0」と答えなさい。

[事例2] 50歳 男性
 息子のことなのです、下の方は今年国立大学に入って、将来考古学をやるといって張り切っているのです、長男の方が、何と言うか毎日何をするでもなくぐうたらしておりまして、2年前に大学を卒業したんですが…元来神経質な子でしたけど、会社がうまくいかなくて、辞めてしまっているんです。
 ガールフレンドの一人もいないみたいだし、どうしたものか、ちゃんと仕事が出来ないなんてだらしないと思うんですよ。先日、酒を飲んで帰ってきたので、「そんな生活していてどうするんだ」と言ったら、「なんだよ、おまえのせいでこうなったんじゃないか、俺のやることなすこと、小さい頃から、それじゃあだめだってばかり言ってきたじゃないか、それで俺はこうなってんだろ」とすごい形相で怒っているんです。
 私は小さい頃、父親を亡くしましたから、他の人に負けないようにと頑張って生きてきましたし、息子にもそういう生き方を求めてきたとは思いますが…あんなふうになってしまって…。…父親を知らずに育ってきた人は、やっぱり父親になれないのでしょうか…。それにしても…。

1)自分の育て方のせいもあるかもしれないけど、息子さんがだらしない生活をしていることには、目をつぶっていられないという気持ちなのですね。( )
2)息子さんが酒を飲んだくらいで、どうして叱ったりしたんですか。( )
3)息子さんに注意したけれど反発されてしまって、困っているんですね。( )
4)息子さんがそんな風になったのは、やはり小さい頃からの育て方と関係がありそうなのですね。( )
5)そもそも長男に強くやりすぎたのが間違いでしょうね。( )
6)今まで自分が生きてきて、大切にしてきたものを息子さんに否定されてしまって、とてもショックを感じているのでしょうね。( )
7)仕事も人間関係もうまくいかない息子さんを見て、自分のせいではないかと反省している気持ちと、もっとしっかりしてほしいという気持ちとで、揺れているんですね。
8)そういう息子さんをもって苦労しているお父さんの気持ちはわかりますね。( )
9)そんなことお父さんが困ることではないでしょう。これは息子さんの問題なんですから、そうやって甘やかすとかえって良くないですよ。( )

  レベル1=2)+5)+9)=(  )   レベル2=3)+4)+8)=(  )   レベル3=1)+6)+7)=(  )


カウンセラー適性チェック3

1から48までの項目について、よく当てはまる・たいていそうだの場合は「はい」、あまり当てはまらない・たいていそうでないの場合は「いいえ」、時には・相手によっては・状況によっては当てはまる場合は「時には」の数字を○で囲んでください。

はい いいえ 時には
1.人はよくあなたの話をきいているように思いますか 3 0 2
2.人の話を退屈しないできけるほうですか 3 0 1
3.話し出すとあれもこれも説明し始めて話が長くなる方ですか 0 3 1
4.あなたの言葉や語尾はきき取りやすい方ですか 3 0 1
5.人の変化や成長の可能性を信じられますか 3 0 1

6.もっと違った自分であればと思いますか

0 3 1
7.他の人のあなたに対する評価は正しいと感じられますか 3 0 2
8.自分の失敗や欠点は隠して話をする方ですか 0 3 1
9.相手よりよくしゃべる傾向がありますか 0 3 1
10.人がつらい話をすると相手の気分を引き立てる方ですか 0 3 2
11.話をする時相手の反応を確認する方ですか 3 0 2

12.よく知らない人とでも気楽に話ができる方ですか

3 0 1
13.過去の失敗がいつまでも気になる方ですか 0 3 2
14.人から非難されると、長い間不機嫌になったり、落ち込んだりしやすいですか 0 3 1
15.うれしくても、照れ臭くて素直に表現しにくい方ですか 0 3 1
16.相手に怒りを感じた時、理由を冷静に考えられる方ですか 3 0 2
17.相手にくつろいで話をさせることができる方ですか 3 0 1
18.あなたが、心から心配している人かいますか 3 0 1
19.深い、満足した話し合いを、持ったことがありますか 3 0 2
20.人はあなたの気持ちや状況を理解していると思いますか 3 0 2

21.いろいろなことを打ち明けて話せる人を持っていますか

3 0 1
22.自分のありのままでは人に受け入れられるのは無理だと思いますか 0 3 1
23.大したことはできないと、自分に悲観しやすいですか 0 3 2
24.反対されると、自分の考えは間違っていると思って、意見を変える方ですか 0 3 1
25.難しい局面では言いたいことを言わずに済ませる方ですか 0 3 2
26.傷ついてもめったに怒らない方ですか 0 3 2
27.人前ではあがりやすく、うろたえる方ですか 0 3 2
28.人がうまくやったり、自分にできないことに成功すると、ケチをつけたくなりますか 0 3 1
29.実際にはきいていなくても、きいているふりをする方ですか 0 3 1
30.相手の話の曖昧な点や不明な点を確認しながらきく方ですか 3 0 2

31.約束の時聞かさても悪いような気がして、いつまでもきいている方ですか

0 3 1
32.自分の発言で相手に大きな傷を与えた時、そのことで、その人と話し合う方ですか 3 0 2
33.要領よく自分の考えを説明できる方ですか 3 0 2
34.話し合って決定したことや自分が発言したことに、責任を強く感じる方ですか 3 0 1
35.人に相談することで、理解してもらえたり、考え方が変わるような経験をする方ですか 3 0 2
36.あらかじめ用意した答えが役に立たなくなっても、対話を続けられますか 3 0 2
37.人がわかってくれないと恨む方ですか 0 3 1
38.あなたの意見や返事は曖昧なことが多いですか 0 3 1
39.ちょっとしたことで大声で怒鳴ったり不機嫌になりますか 0 3 2
40.自分の考えを伝えて、ひどい目にあったことが多かったと思いますか 0 3 1

41.「いや」と上手に断れる方ですか

3 0 2
42.相手に気にいられるように、自分の気持ちを表現するのを抑える方ですか 0 3 1
43.トラブルが起きた時、それについて、怒らずに話し合いがで  3   0   2きる方ですか 3 0 2
44.相手の話をきいて、感想や意見、時には批判を言う方ですか 3 0 2
45.自分の経験を伝える時、脚色して話す方ですか 0 3 1
46.気に入らない人の話でも辛抱強くきける方ですか 3 0 2
47.話し合った後に、相手はたいてい満足していますか 3 0 2
48.自分のやったことに言い訳をたくさんする方です 0 3 1

A.自己概念   =6+7+13+23+24+28+41+48=
B.傾聴     =2+9+10+29+30+31+46+47=
C.明確な表現  =1+3+4+11+25+33+37+38=
D.感情の取り扱い=14+15+16+26+27+39+42+43=
E.自己開示   =8+12+20+21+22+40+44+45=
F.責任性    =5+17+18+19+32+34+35+36=


カウンセラーの適性

A.自己概念

自己概念(私たちが自分について抱いている概念)は、私たちが他の人や状況とかかわっていく時に大きな影響を与えます。例えば、自分は「全くダメな人間だ」と自分のことを考えている人は、他の人を、自分を責めたり、自分に恐怖や劣等感を感じさせるものと見てしまいがちです。反対に、「自分は有能である」と考えている人は、他の人を冷静に見ることができますが、時に他の人を見下したり、支配することになったりもします。
このように、自己概念がどのようなものであるか、少なくとも、「否定的な自己概念になっていないか」といった点は調べてみましょう。自己概念が曖昧であったり、否定的な自己概念であったりすると、応々にして、他の人や周りの状況を歪めて受け取る可能性が高くなるのです。

B.傾聴

傾聴は、<C.明確な表現>や<E.自己開示>と反対のものではありません。よくきくということは、自分を殺して相手を立てるという感じとは無縁です。むしろきちんと正確にきくためには、受け取るこちら側の内面が明確でなければならないからです。
自己概念が歪んでいたり、混乱している人は、相手の話をきく時にも歪めたり混乱させてきいてしまいがちです。人のことと自分のことをゴチャゴチャにしたり、人の話をききながら過度に自分のことを考えたりしてしまいます。
人の話をきくということには相当なエネルギーが要求されます。ただ単に話の内容をキャッチするだけでなく、話の背後にあるその人の気持ちまで敏感に、そして「その人のこと(自分のこととゴチャゴチャにしない)」としてきちんときくことが必要だからです。そして、このようにきくことができるためには、先に述べたように、自分の内面がある程度、明確になっていなければなりません。
このような態度や状態で人の話がきける時、その人との関係は一層深くなり、明確になっていきます。

C.明確な表現

自分の伝えたいことを明確に表現できるということは、自分が相手とどのような関係を作りあげたいと考えているかということと深く関わっています。
他律的(相手を基準にする)である時、過度に相手に依存的である時、コミュニケーションは消極的で曖昧なものになりやすいのです。わかってくれるだろう、言わなくても感じとってくれるといいな、といった気持ちや、こんなことを言うと嫌われるのではないかという気持ちが強い時、表現は明確になっていかないのです。
この次元は、自己開示や自己概念と結びついています。人に自分のこと(考え、感情、経験など)を伝えることを抑えたり、自分のことをはっきりつかんでいなかったりすると、曖昧で中途半端な表現になっていきます。
「私はこう考えている、感じている」ということを、まず、自分の中ではっきりとつかんでおく必要があります。

D.感情の取り扱い

カウンセリング関係の中で取り扱う重要な要素を二つあげよと言われたら、「相手の感情」と「自分の感情」といってもいいでしょう。この次元で扱っているのは特に「自分の感情の取り扱い」です。「自分の感情くらい自分でわかっているし、コントロールできている」と誰しも考えます。しかし、実際の対話の中でいかにそれが難しいかには、なかなか気づかないものです。
過度に我慢して気持ちを抑えこんだり、我慢のあげくイライラしたり、また時には爆発させてしまうこともあります。またその反対に、感じていることを抑えて、憂欝になってしまいその人の前から離れたくなったり、自分を責めたりもします。
自分の感情の中で取り扱いの一番難しい感情は、「怒り」に関する感情かもしれません。相手がこちらに「怒り」を向けている時、その逆にこちらが相手に「怒り」を向けている時、その人との関係をどうするか、自分の感情をどうするかといったことが問われてきます。
もう一つだけ言及しておきますと、「怒り」はその人の「期待や価値観の表現」であるということです。自分は相手に、相手は自分に何を望んでいるのか、ちょっと考えてみる必要があります。

E.自己開示

正直に、打ちとけて自分のことを話すことです。そういう人は安定した自己概念を持っている人であり関係を積極的に作っていくことができる人です。ある研究では「こちらの自己開示は相手の自己開示を促す」ということを示しています。この自己開示を妨げるものは恐怖心や不信であり、自分をつまらない、ダメな者だと感じることです。
ところで、自己開示を促進するのは自由で善意のある雰囲気ですから、相手の自己開示を促すには、このような関係を作り上げていく必要があります。
一方、過剰な自己開示は、時に相手の自己開示を押しつぶしてしまいますし、関係を一方的なものにしてしまいます。依存心や自信が過剰ではないか、自他の境界線は明確かなどをチェックしてみる必要があります。

F.責任性

人に誠実に、正直につき合おうとしているか、その人と深い意味のある結びつきを作ろうとしているか、といったことがまず大枠としてカウンセリング関係を支えています。この責任性の上に立ってはじめてカウンセリング関係が成立するのです。自分を大切にし、そして相手を大切にしようとするところから対話的関係が始まると言って良いでしょう。
責任性に該当する項目を参照してみれば、責任性を貫いているのは、関係から逃げずに正面から向かおうとする姿勢であることがわかるでしょう。
    低い場合(8点以下)        高い場合(18点以上)   
  ・自分を否定的に捉える傾向
・周りに振り回されて、自分をどう 捉えていいか混乱している傾向
・客観的に、正確に自分を捉えられていない傾向(人を歪めてみる傾向)
・自分についての期待や理想が高すぎる傾向
・厳しい自己評価、あるいは自分の失敗に捉われやすい傾向
・他人の評価を気にしすぎる傾向
・自分を肯定的に捉える傾向
・自分を見失わずに保つ傾向
・客観的、正確に自分を捉える傾向
・自分に対して寛容で、柔軟にコントロールできる傾向
・自分の失敗に拘らず、気持ちを上手に切り替えられる傾向
・他人の評価にあまり惑わされず、自分を理解できる傾向
・時に独りよがりになる傾向
  ・人に対して、肯定的な関心が狩て ない傾向
・人の気持ちを感じにくい傾向
・人を尊重したり、人間関係を良い ものだと感じにくい傾向
・過剰に人の気持ちに振り回されや すく自分を見失いやすい傾向
・人を傷つけるのではないかと恐れ る傾向
・人に対して緊張し、自分を否定的に感じやすい傾向
・人に対して、好意や関心を持ちやすい傾向
・人の気持ちに敏感な傾向
・人を尊重し、良い人間関係を作ろうとする傾向
・人との距離を適切に保つ傾向
・人や自分をくつろがせることができる傾向
・時に自分を抑えすぎて、人にわかられにくくなる傾向
  ・自分を正しく把握できず、すぐに混乱しやすい傾向
・自分に否定的で、人に対しておびえる傾向
・相手の気持ちや考えを勝手に解釈しやすい傾向
・自分の考えや感情を正確に把握しにくい傾向
・人の評価を気にしやすい傾向
・人に対して過剰な気配りをする傾向
・自分を正しく把握する傾向
・自分に肯定的で、人に対して開放的な傾向
・人の考えや気持ちを冷静に受けとめる傾向
・人の評価を恐れない傾向
・人と適切な距離感が保てる傾向
・時に自分に自信過剰になる傾向
  ・感情の起伏が激しくなる傾向
・怒りの感情をコントロールしにくい傾向
・自分の感じている気持ちを曖昧にしたり隠したりする傾向
・自分を否定的に感じる傾向
・人の思惑を気にしすぎる傾向
・愛情表現を苦手とする傾向
・穏やかで公正な傾向
・怒りを上手にコントロールする傾向・自分の気持ちを明確に把握し、適切に表現する傾向
・自分を肯定的に感じる傾向
・人の感情に巻き込まれにくく、自分を保つ鎖向
・愛情を上手に表現できる傾向
・時にややクールになる傾向
  ・人に対して打ち解けず、固くなる傾向
・失敗を恐れやすい傾向
・対人関係に消極的で、防衛的になる傾向
・自分の失敗を隠そうとしたり、人の評価を恐れる傾向
・自分を否定的に捉え、クヨクヨする傾向
・自分や他人に不満を感じやすい傾向
・人に打ち解けやすく、気楽な傾向
・自分の失敗に寛大で、時に甘くなる傾向
・対人関係に積極的で、開放的な傾向・人の評価を余り気にせず、ざっくばらんに自分を伝える傾向
・自分を肯定的に捉え、さっぱりとする傾向
・自分や他人に満足を感ずる傾向
・時に図々しく、自分勝手になる傾向
  ・人との距離が離れ、孤立しやすい傾向
・人と深くかかわらず、表面的に済ませる傾向
・自分を見失いやすく、曖昧になる傾向
・人に対して不信感を感じやすく、傷つきやすい傾向
・人を低く見、軽蔑しやすい傾向
・人や自分が「変化する」ことを信じられない傾向
・人と適切な距離感でつき合える傾向・人と深くかかわり、絆を作る傾向 ・自分を明確に把握する傾向
・人に肯定的な関心を持つ傾向
・正直に、誠実に人とつき含おうとする傾向
・時に頑張りすぎて、人に窮屈な思いをさせる傾向




生徒の感想

今回から、理解度と興味度を5段階でアンケートしてみました。
理解度   5−6 4−8 3−6 2−1 1−0
興味度   5−10 4−6 3−3 2−0 1−0

▼私はこの頃進路のことで悩み、とても精神が不安定です。本当カウンセリングしてほしい程です。カウンセリング・チェックでは、自己概念が4点と非常に低く、コメントが書かれている文は「ズバリその通り!」というようなことが書いていて、とても驚きました。▼とてもカウンセラーについて興味があるので、今日のワークの時間はとてもよかった。▼いろいろなことが分かってよかった。▼楽しい。もっといろんなことが知りたいと思った。今日の適正チェックは、当たっている気がしました。▼すごく楽しい。心理テストみたいで好きです。すごい当たっていると思った。▼私はあんまりカウンセラーに向いてへんなって感じた。▼チェックは、平均的に高くて驚いた。▼今いち何をやったか分からない。とりあえず、自分の性格とかはなんとなく分かった気がする。▼自分に当てはまった結果が出て、少しびっくりしました。今日のワークは、自分を知ることができたので、とても勉強になったし、なんだか面白かったです。▼自分でもそうやなって見ていたことが当たっていて、楽しかった。もっと、こんなワークがしたいと思った。▼カウンセリングには、前から興味を持っていたので楽しめそうです。▼私は、人の話を聞いたり相談に乗ることが、結構あるんだけど、レベル3やったし、結構高得点だったのでよかった。▼心理的なことなのでとても興味が持てました。




教師の感想

2学期最初の授業。夏休みに練りに練ろうとして練りきれなかった。やはり、「今、ここで」、目の前の生徒に対してみないと最終決断はできません。そのためにも、本当にいい授業をしようとすれば、いくつか選択肢を持っていて、臨機応変に組み合わせていかなければならないと改めて思いました。道は、遠くて深い。
29人中6人も休んでいて、出鼻を挫かれた。チェックをしていても、笑い声は起こらないまでも、ニコニコしてくれたらいいのに無表情、反応がない。エエイッと思ってふりかえりシートを書かせてみた。読んでみると、案外好評だった。それならそれなりの反応をしてくれたらいいのに・・・というのは贅沢で、これだけ「面白かった」「楽しかった」と言ってくれれば満足です。
生徒は予想以上に心理学やカウンセリングに興味を持っている。自分を知りたいという気持ちが強い。さらに、人の話を聞く力もつけてくれたら、とってもいい人間関係が築けるでしょう。やってよかったと思ってもらえるようなカウンセリング実習をしたいです。




参考文献

福山清蔵『独習入門カウンセリングワークブック』日本・精神技術研究所
福山清蔵『独習実践カウンセリングワークブック』日本・精神技術研究所



コメント

ホーム