9.フレンドサポート2&社長ゲーム 12月15日 |
ねらい 成果 | フレンドサポートは、しっかり聞くことの難しさを考えた上で、実習をする。 「舞姫」を題材にした私の悩み読み、解釈が事実なのか推測なのかを個人で考 え、その後グループで考える。解答らしきものを説明し、思い込みによって勝手に推測したり解釈したりしていることに気づかせる。その後、このケースを題材にして、ロールプレイをする。自分の悩みを出したいものはそれを題材にしても良い。 2時間目は、社長ゲームをする。現代のメールのやりとりを中心にした会社での仕事をシュミレーション体験させる。社長の指示の出し方一つで会社の成果が決まること。部長や部下の限定された役割についても学習させる。メールだけでやりとりする現代社会の働き方の難しさも体験させる。 |
時間 | ねらい/目標 |
活動内容/問い | |
1 | 05 | 前回のふりかえりをする。 | 1)出席を取る。 2)『前回のふりかえり』を配布する。 3)前回のワークをふりかえる。 |
2 | 30 | 事実と推測について実習をし考察する。 |
手法コンセンサスゲーム 1)話を聞いていると、事実と推測が入り交じることがあることを説明する。 2)「事実と推測」を配布する。 3)一人で回答する。 4)3〜4人チームになる。 5)チームで話し合って1つの回答を作る。 6)結果を板書させる。 7)解説する。 1)私は親の言う通りに生きてきた良い子ちゃんだった。○ 2)私は親孝行な息子である。○ 3)私が留学したのは学問と出世のためだった。○ ・父の意志であり、母の念願であり、私はその期待通り留学した。 4)私が自分の生き方に疑問を感じたのは27歳の時であった。× ・22歳で大学を卒業し、3年間母と暮らしたのだから25歳。単純な算数の問題。 5)私が少女に声をかけたのは、少女がが父を亡くし葬式の費用が ないのがかわいそうだったからである。× ・話しかけてたら、父の日と葬式代について知った。 6)私は他の留学生からよく思われていなかった。○ ・留学当初一緒に遊ばないなど付き合いが悪かったのと、仕事 と勉強ばかりする私に対する嫉妬があった。 7)私がすぐに帰国しなかったのは、少女のことが気になっていた からである。△ ・帰国すれば学問も成就せず、残留しても学費を得られない。 ・少女のこともあったかもしれないが、大きな問題は学問の継続である。 8)母は病死である。△ ・私のクビを悲観して自殺した可能性もある。 9)私はクビと母の死のダブルショックを受けて絶望していた。○ 10)私はもう一度やり直そうと決意してドイツに残った。× ・少女と深い関係になったり帰国のチャンスを逃したからであり、決意したわけではない。 11)私は出世のチャンスだと思って友だちに会いに行った。× ・この時は出世は頭になく、ただ懐かしい友だちに会いに行った。 12)私は本当に少女と別れる気で友だちに約束した。× ・友だちの言うことにしかたなしに従うことが多い。 13)友だちが私が少女と別れたと大臣に報告していたので、大臣は私に一緒に帰国するように命じた。○ ・大臣は秘書を通じて少女と別れさせるよう指示し、約束したことを確認して、自分の片腕として使うことにした。 13)私は出世を取るか愛を取るかで迷っている。△ ・悩んでいるので相談しているようだが。 ・帰国を即断したのだから、帰国することは決めていて、少女 との関係をどうするかを悩んでいる可能性もある。 |
3 | 15 | フレンドサポートの実習をする。 | 手法ロールプレイ 1)同じ3人組で。 2)サポーターと相談者と観察役になる。 ・4人組の所は観察者が2人。 3)評価票を配布する。 4)この題材で5分間ロールプレイをする。 ・自分の悩みがあればそれでもよい。 5)評価表に記入し、振り返る。 6)時間があれば、役割を代えてする。 |
2 |
45 | 社長ゲームの説明をし、実習する。 | 手法シミュレーション 1)『社長ゲーム』を配布する。 2)ねらいを説明する。 ・組織のチームの中で、協力して仕事を達成するとはどういうことか。 ・チームで課題を達成するために、情報がどのように伝達され、共有されるか。 ・リーダーのあり方が部下に与える影響を考える。 ・組織における立場の違いと、チームワークについて考える。 3)トランプで5〜6人のチーム分け、着席させる。 ・25人=5×5 ・24人=6×4 ・23人=5×1、6×3 ・22人=5×2、6×2 ・21人=5×3、6×1 ・20人=5×4 4)チーム内の役割を決める。 ・社長1人(A)、部長2人(BC)、部下2人(DEF)。4)座り方を指示する。 部長(B) 部下(D) 部下(F) 社長(A) 部長(C) 部下(E) 5)社長に封筒とメモを取りに来させる。 6)ルールを説明する。 ・ルールは封筒に入っている指示書の中に書いてある。 ・作業は無言でする。 ・伝達はメモを使用する。 ・伝達は隣同士しかできない。社長は部長と、部長は社長と部下と、部下は部長と。部下が二人いる時はFはDと。社長は部下と直接伝達できない。 ・メモには何を書いてもよい。 7)ゲームを始める。 |
3 | 15 | ふりかえる。 | 1)『社長ゲーム ふりかえりシートを配布する。 2)ポイントを説明する。 ★課題は共有できたか。 ・課題(カードを4枚揃えること)と社長しか知らない。 ・社長は、全員が知っていると思い込んでいなかったか。 ★情報は共有できたか。 ・指示書は、社長と部長部下では内容が違う。 ・カードは何種類あるのか、何枚あるのか、誰がもっているの か。 ★コミュニケーションの質はどうだったか。 ・指示は的確に出されたか。 ・指示されるだけでなく、分からない指示には質問したか。 ・一方向ではなく、双方向のコミュニケーションだったか。 ・無言の作業は、最近はコンピュータのメールのやりとりで仕事をする。 ・メモに、情報だけでなく、励ましなどの感情があったか。 ★役割を果たしたか。 ・組織には上下関係がある。 ・社長は、最高責任者として、課題達成のためにどんな指示を出したか ・部長は、中間管理職として、社長の意向を理解し、部下に指示を出したか。 ・部下は、上司の指示を的確に理解し実行したか。 ・部下は、課題がわからないと勤労意欲(モラール)は低下する。 ・部下は、上司の指示を待つだけでなく、自分から問いかけたか。 |
6 | 05 | 本時をふりかえ る。 | 1)『ふりかえりシート』を配布する。 2)本時のふりかえりを書かせる。 ★半分以上書くこと。 |
前回のふりかえり
9.フレンド・サポート(2)/社長ゲーム 12月15日
生徒の感想
1)言葉って大切やなと思った。紙だけのやりとりとか文章だけのやりとりって難しかったし、現代の人間関係の孤立化ってこういうことかと思った。2)社長ゲームはホンマにわからなかったけれど、
何か面白かったような気もする。自分はカウンセラーに向いてないなと思った。3)社長ゲームは最初何をしたらいいのかわからなかったけど、社長に聞いてわかった時、だんだんやっていく内に楽しくなった。4)部下の仕事では最初暇だったけど仕事が入ったら忙しくなって何気なく楽しかった。5)はじめ舞姫を使ったプリントをして、授業でやっていたし、この話が好きだったので嬉しかった。
相手の悩みを聞くことは難しいと思いました。社長ゲームは頭を使うので難しかったけど楽しかった。6)正直やることの意味がわからなかった。部下の存在が悲しかった。7)今日一番参加できた。社長て楽だと思っていたが一番しんどかった。8)今日はすごく楽しかった。思っていることを書くだけで相手に伝えるのはすごく難しかった。9)ゲームの仕方を理解できた時楽しかった。もう一回したい。10)事実と推測を見分けるのは難しかった。社長ゲームは初めどうしたらいいかわからなかった(部下だったから)けど、わかるようになってからは積極的になれた。何も喋らずにやるのは難しいと思った。11)無言でこれだけ伝えられるのだなと思った。12)人の話を聞くのは案外難しいものなんだなぁと思った。社長ゲームはやっぱり社長がよかったからスムーズに動くなぁと思った。13)部下がひまだといい会社じゃないということを知った。14)初めどうなるか思ったが、社長がシッカリしてたしよかった。メールだけだとすごく疲れる。口で言った方が楽ということに今日はすごく感じた。今日はすごく楽しかった。でも、指示などで全てが揃った時は嬉しかった。15)紙で伝達するのは難しかった。理解するのに時間がかかったし疲れた。悩みを聞くのは自分の話じゃないと、
なんていったらいいかわからなかった。16)言葉で伝える方が早いと実感した。
教師の感想
アドバイスをしないでひたすら聞くことは、生徒の想像以上に難しいようだ。ついつい手助けするためにアドバイスや意見をしてしまう。カウンセリングはそうしたことをしないのだということをわかってくれたように思える。取り組めていないチームもあって、この種類の取り組みの難しさを感じた。
そうした雰囲気の中で2時間目に社長ゲームをするのは少しためらった部分があったが、生徒は面白がって取り組んでくれた。このゲームはある程度知的でないとできないので、すべてのチームでできたということは、生徒たちの能力の高さを証明できたようだ。メールで情報をやりとりする現代の会社のシュミレーションになっていて、その難しさや欠点などを学んでくれたようだ。