4.自己開示&言葉の体系 10月27日 |
ねらい 成果 | 前回の後半では、エゴグラムを使って自己理解をした。ジョハリの窓の自分の知っている自分」広げるための自己洞察である。そして、最後に『私って何?』というワークシートを書かせて、気づきをまとめさせた。今回の前半は、そのシートを使って、自己開示をすることによって、「他人の知っている自分」を広げて「開いた窓」を大きくする。そのためには、話し方が問題になる。話の組み立てなどが必要になるのだが、今回はそこまでできない。どのように話せば相手に思いが伝わるかの概略を「アクティブ・トーキング」として示す。しかし、会話が充実するには話し手よりもむしろ聞き手の聞き方にウエイトがかかる。「アクティブ・リスニング」である。これにはカウンセリングの傾聴を使ってきたが、もう少し日常会話に近づけて提示したい。両者をレクチャーした後、実際の自己開示に入るのだが、教師がデモンストレーションをしてみる。そうすることによってモデルが示され、実習がスムーズに進むことを期待する。実習は3〜4人組になって、1人が話し、後の2〜3人が聞き手になる。1対1もいいのだが、ここがカウンセリングと違う所である。普通2人きりではなすことは少ないだろう。一通り話した上で、新たな気づきを書き留めさせる。 後半は、話すことの基本になる言葉の問題を取り上げる。生徒は明らかに語彙不足の状態である。語彙を獲得するには読書をするのが一番であるが、この時間を読書に当てるわけにはいかない。そこで、言葉の体系を意識させることによって、言葉を増やすことを教えたい。日常使っている言葉の意味の上での関係性を明らかにし、それを意識することで言葉を獲得する。意味の広さから、上位語・同位語・下位語に分類できる。意味の内容から対義語と類義語に分類できる。また、それ以外にも何らかのつながりをもつ語を関連語とする。この関連語の位置づけはまだあいまいであるが、語彙を増やす上では大きな武器になる。これらの体系を教えた後、4〜5人組になって、言葉のツリーを作っていく。チームで協力して言葉をつなげていくグループワークである。その際、関連が分かるような線で結ぶことによって体系を意識させる。この時間だけで語彙が増えるわけではないが、言葉の体系を意識して生活するきっかけにしたい。 |
時間 | ねらい/目標 | 活動内容/問い | |
1 | 05 | 前回のふりかえりをする。 | 1)出席を取る。 2)『前回のふりかえり』を配布する。 3)前回のワークをふりかえる。 ・他者を紹介する、他人に紹介するという機会は少ないので、貴重な体験をした。 ・自己評価だけでなく他人からの評価を受け入れることで自己理解が深まる。 ・エゴグラムは占いではなく自分が答えた結果なので、自分が思っている自分が明らかになる。 |
2 | 15 | アクティブ・トーキング、アクティブ・リスニングについて説明する。 | 手法チェックリスト/レクチャー 1)『アクティブ・トーキング・チェック』を配布する。 2)回答させる。 3)10点以上あれば、話し方に問題がある。 4)点数の高かった部分を見る。 5)それぞれの対応策を説明する。 6)『アクティブ・トーキング』を配布する。 7)どのような点に注意して話せばいいのか、話題の探し方、話の流れ、言葉以外のかかわり、話の雰囲気について、例を交えな がら説明する。 8)しかし、会話が充実するのは、話し方より聞き方にある。 9)『アクティブ・リスニング』を配布する。 10)聞き方の姿勢として、相手への興味、観察、かかわり行動、傾聴技法、質問技法を説明する。 |
3 | 20 | 自己開示をする。 | 手法デモンストレーション/自己開示 1)『私って何?』を出させる。 2)1人指名して、話し手にならせ、教師が聞き方のデモンストレーションをする。 3)4〜3人組に分ける。 ・3人組なら10分、4人組なら14分、5人組なら18分。 ・残り時間を考えて、4〜5人組にすることもある。 4)順番を決める。 5)話し手が『私って何?』を見ながら、3分間話す。 6)メンバーは、アクティブ・リスニングのスキルを使って聞く。 ・3分間話せるようにする。それは聞き手の力である。 7)交替する。 8)「7.他の人に話してみて、どう思いましたか」を書かせる。 9)『わたしのミ・ラ・イ』を配布する。 10)次回に使うので、記入してくるように指示する。 |
4 | 20 | 言葉の体系について説明する |
手法問題演習/レクチャー 1)『言葉のネットワーク』を配布する。 2)18語のグループ分けをさせる。 (野菜・果物・お菓子) (白菜・大根・キャベツ) (みかん・バナナ・いちご) (あめ・ガム・チョコ) (ドロップ・キャンディー・キャラメル) (バター・牛乳・チーズ) 3)「あめ」グループと「ドロップ」グループの関係を考える。 ・「ドロップ」グループは「あめ」の種類である。 ・あめ(ドロップ・キャンディー・キャラメル) 4)同じようにグループの上下を考える。 ・野菜(白菜・大根・キャベツ) ・果物(みかん・バナナ・いちご) ・お菓子(あめ・ガム・チョコ) 5)(バター・牛乳・チーズ)は何でまとめるか。 ・乳製品 6)(野菜・果物・お菓子)は何でまとめるか。 ・食べ物、食品 7)言葉には上下関係があることを確認する。 ・食品→おかし→あめ→ドロップ 8)上位語・下位語・同位語について説明し、問題を解答する。 ・上位語は、いくつかの言葉に共通することをまとめた意味の広い,抽象的な言葉 ・下位語は、より詳しく分けた意味の狭い、具体的な言葉 ・同位語は、同じ上位語に含まれる、同じレベルやジャンルの言葉。 ・意識することによって言葉の数もふえ、言葉の表す事物や関係を正確に論理的にとらえることができる 1)(野球)部、(サッカー)部(剣道)部 2)甘いもの。 9)対義語について、問題を解き、説明する。 ・対照的な意味を表す言葉。 ・ことばの意味をより正確にとらえることができる。 1)信じる(疑う)2)鋭い(鈍い)3)はっきり(ぼんやり)4)原則(例外)5)権利(義務)6)時間(空間)7)消費(生産) 8)理想(現実) 10)類義語について、問題を解き、説明する。 ・意味の似た言葉 ・微妙な違いがあり、選び方を間違うとおかしな表現になる。 1)楽しい(うれしい、うきうきする) 2)速さ(速度、スピード) 3)リンゴの皮を(むく)。 【無理なく本体の一部を分離して中身を出す】 4)シールを(はがす)。 【多少無理に本体についているものを分離する】 5)頭の皮を(はぐ)。 【無理に本体の一部を分離する】 6)本のペ ジを(めくる)。 【無理なく回転運動で分離する】 9)川の水は寒かった(冷たかった) 10)して良いことと悪いことぐらい差別(区別)しなさい。 11)関連語について説明する。 |
5 | 20 | 言葉の体系を意識して言葉をつなげる | 1)『言葉のツリー』を配布する。 2)記号を説明する。 3)例を説明する。 4)前半のチームに別れる。 5)プロッキーを1人1色と模造紙を配布する。 6)スタートの語を決めさせる。 7)記号を使いながら言葉のツリーを広げていく。 8)時間があれば、各グループ1分ずつで前に出て発表する。 |
7 | 05 | 本時をふりかえる。 |
プリント『ふりかえりシート』 1)本時のふりかえりを書かせる。 ★半分以上書くこと。 |
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