11.パーソナルトランプ&社会人基礎力ふりかえり
ねらい 成果   最後の授業になる。
1時間目は、パーソナルトランプを使って、最後の自己理解を深める。パーソナリティ、性格は、基本的にその人の属性ではなく付属物であると考え、自由に獲得したり手放したりできるという前提に立つ。だから、こうなりたいと思えばその性格を自分のものにすることもできるし、今の自分のこの性格が嫌だと思えば変えることもできる。そうした認識の元に、52種類の性格の中から自分の持っているものを探す。好きな性格も嫌な性格もある。その中から嫌な性格を抜き出してなぜ嫌なのかを考えてみる。次にほしい性格を考えて組み入れてみる。これがジョハリの窓で言う自分の知っている自分である。それを並べてみて形にしてみる。グループになってそれをメンバーに説明した後、人から見た性格も加えてもらう。これはジョハリの窓の人の知っている自分である。こうして開かれた自分を広げていく。そんな作業を目に見える形でしてみる。
2時間目は、半期をふり返って社会人基礎力が付いたかどうかを振り返る。半年間にどんな学習をしたかを振り返り、12の能力について、初めと今で何点ぐらいであったかを点数化する。それによって自分の成長を確かめる。その次に、それを口に出して人に話すことによってさらに定着を図る。と同時に、半年間の感想を交流して寄せ書きをする。                            
時間 ねらい/目標
活動内容/問い プリント 形態 手法             
03 前回をふりかえ り、今回のテーマを提示する。   プリント『voice』
1)出席を取る。
2)前回のワークをふりかえる。
・チームワークの大切さを学んだ。その中で自分がどのような役割を果たしているかを考えた。
45 SPトランプを使って、自分の性格を考える。
プリント『パーソナリティ表』『SPトランプの進め方』
★半年間授業を受けて自分についていろいろ考えたと思います。今日は最後にもう一度自分について見つめてもらい、最初の授業で学んだジョハリの窓の開かれた窓を広げてほしいと思います。1)『SPトランプ』を配布する。
2)トランプの説明をする。
 ・SPとはサブパーソナリティである。
 ・トランプには、人の持つ性格が書いてある。
3)自分の持っている性格を表していると思うカードを10枚選ぶ。ないものはジョーカーカードに書き込む。
4)これからのワークの重要な注意をする。
 ・「I am personality」ではなく、「I have personality」である。
 ・私はそのパーソナリティではなく、そのパーソナリティを持っているだけである。
 ・だから、手放したり、持ったりできる。
 ・だから、「SP」、「サブ・パーソナル」である。
5)マークと数字の説明をする。
 ★赤=人中心。メンバーが気になる。
    友達と遊びに行く時に、誰と遊ぶかが気になる。
  黒=課題中心。何をするのか気になる。
    友達と遊びに行く時に、何をして遊ぶかが気になる。
 ★ハート、スペード=能動的。
  ダイヤ、クラブ=受動的。
 ★8〜13=好ましいと思われる。役に立つ。
  1〜7=好ましくない。良いようには働かない。役に立つこともある。
6)『パーソナリティ表』を配布する。
7)自分のマークの部分を読む。
 ・もう一度、「I am personality」ではなく、「I have personality」であることを確認する。
8)『SPトランプの進め方』を配布する。
9)選んだ10枚のサブパーソナリティの中から、嫌いなカードを3枚選ぶ。
10)次のことを考えて書く。
 1)嫌いな理由。
 2)それはいつ頃からいるか。
 3)そのサブパーソナリティがいて助かること役立つこと。
11)嫌なサブパーソナリティを次の○○○の中に入れて、心の中で10回唱える。
 「私は、○○○というサブパーソナリティを持っている。
  しかし、私は、○○○そのものではありません」
12)残ったカードの中から、自分に足りないサブパーソナリティを3枚選ぶ。
13)理由を書く。
14)新たに選んだ3枚のカードを加えた13枚のカードを、心の形に配置する。
 ・残りのカードは横においておく。
15)4〜5人組になる。
16)メンバーに、自分のカードとその形を説明する。
17)他の人は、その人の残りのカードの中から、その人に当てはまると思うカードを1枚ずつ選び付け加え、理由を説明する。
18)16枚のカード見て、自分について考える。
19)感想を書く。
時間があれば、
20)自分の嫌いな人のカードを10枚選んで、自分の選んだカードと比べる。
15 社会人基礎力の伸長をチェックす る。       ★半年間の授業をふり返って、最初の時間に説明した社会人基礎力がどれだけついたかをチェックしてください。、それを自己開示しアクティブリスニングで聞いてください。
1)『きずなのわーくをふりかえって』を配布する。
2)半期にやってきたことを確認する。
3)社会人基礎力の成長をチェックする。
4)何を学んだかを書かせる。
30 ポジティブ・メッセージ      ★最後の自己開示です。残された時間にできるだけ多くの人と交流してください。
1)テキストの裏表紙とサインペンを配布する。
2)裏表紙と『きずなのわーくをふりかえって』を持って立つ。
3)教室を歩き回って相手を見つける。
4)この授業で考えたことを2人で1分間話し、裏表紙にメッセージを書いてもらう。
5)合図をして交代していく。
6)『きずなのわーくをふりかえって』を回収する。

半期のふりかえり
11.SPトランプ/きずなのわーく  1月19日
生徒の感想
1)初めてやった「オモロー村」は一人ではできなくてこんなゲームもあるんだと思った。2)最初はどうなるのかと思ったが、いろいろな人と喋れたし、楽しくできたのでよかった。自己表現が前より上手になっているかはわからないが、前より意識してみたから少しは変わったと思う。社会人になったらもっといろいろたいへんだと思うから頑張ろうと思いました。3)「無言共同絵画」はめっ茶楽しかった。「社長ゲーム」はメモだけで情報を提供するのは難しかった。メモじゃなくて言葉で伝える方はすごく楽なことに改めて感じた。「リアル人生ゲーム」でこゃはゲームだったけど、これが本当なら嫌だなと思ったので、これから本当の人生はちゃんと考えな阿寒と思った。これからは自分の意見などを分かりやすく相手に伝えるよう努力したいです。4)印象に残った授業は一番初めのチーム作りと自己紹介です。みんなの前で自己紹介したことないし、すごく緊張した。オモロー村を紙に書いた時、できもしない村ができて楽しかった。「言葉のツリー」をつなげるのもたいへんだった。「リアル人生ゲーム」は本当の自分に置き換えてやったのでなんか変な感じがした。これからはもっといろいろな人と接していけるような基礎力を付けたいです。どちらかというと、自分から発信することができず、受け身な状態なのでそこから抜け出したいです。5)一番初めの授業でやった「オモロー村」はけっこう印象に残っている。みんなでとても頑張っていたことを思い出します。「貿易ゲーム」ははじめはどうしていいのかわからなくて迷っていたけれど、最終的にすごく良い方法を考えついて勝つことができたので記憶に残っています。チームワーク力よりコミュニケーション力の方が私はとても苦手でした。人見知りが治るといいなと思っていたけれど、あまり直すことができなかったので、早く直すことができればいいなと思いました。6)最初にやった「自己紹介」はこれからも使うと思うので、相手に自分のことを知ってもらうのに役立つと思う。また、「他者紹介」も印象に残っています。自己紹介とはまた違い他者紹介の方が難しかったような気がします。フレンドサポートは自分が思った意見を言うだけでなく、相手の話をよく聞くことが大事だなと思った。「そうなんだ」や相手の言葉を繰り返すことも必要だと知りました。7)初めて話す人と喋ったり遊んだりすることで相手のことが少しでもわかって仲良くなれるし、社会でもその積極性があれば直ぐにでも馴染めて上手くやっていけると思う。そういう意味で半年間やってきたこの表現の授業はいいことであると思いました。8)はじめは「表現」という授業がどういうことをするのかわからなかったので不安でした。でも、実際に受けてみて、ゲーム感覚でできるものばかりで時間が過ぎるのがあっと言う間でした。一番初めにやった「自己紹介」は緊張したので今でも覚えています。でも、授業が最後になった今では、人の前で話すことがそれほど緊張しなくなりました。チームプレイをやった時はすごく難しかった。「社長ゲーム」が面白かったので印象に残っています。9)いつもおもんなかったし、暇すぎた。ゲームとかで社会人基礎力とか身に付くわけないし、実際身についていない。社会人基礎力とかチームワーク力とかそんなんは学習したり計算して習得するものでなく、生きていく行程で身につけるものだから表現の授業は無駄だと思った。10)はじめは楽しいのかなと思っていたけど、楽しかったのでよかった。みんなでいろいろ話してゲームをしたりすることは好きなので考え直してそれを授業でできてよかったです。ゲームを通して少しは自分の性格も理解できたのでこの授業はとても役立った。11)一番印象に残っている授業は「エコロール」です。一番楽しかった授業は「コイン回し」だが、私はどちらかというと自分の意見はすべて正しいと思うタイプなので反対されるのが新鮮でした。それと反対意見にもちゃんとした理由があって圧倒された。反対されると思わないで発言したのでちゃんとした答えが返ってきてなるほどなぁと感心した。この授業で一つのことでもいろいろな人の考えがあって、見方によって意見が変わるんだなぁと思った。この授業で自分の世界観が広がったと思う。でもこの授業だけでなく全体的に楽しかった。12)発信力、自分の意見を分かりやすく伝える力を付けたいと思った。一番印象に残っているのは「オモロー村」。はじめての授業でよく分からないゲームをして最初ものすごく思ったし理解できなかったけど、最後はスッキリして、表現ってこういう授業なんだと思ったのを覚えている。その時すごく楽しいと思った。13)とりあえず自分がいかに自己表現の能力が低いことがよく分かった。正直コミュニケーション力がほしい。
教師の感想
後期の半年間、前期の反省の元、2時間連続なので1時間ずつコミュニケーションプログラムと、チームワークプログラムを1時間ずつ授業できるように工夫した。これで、飽きることを防ぐのと、継続してできるので力が付くと思ったからである。その効果はわからない。2時間連続だとやはり2時間目は目さきが変わっても疲れてしまう生徒もいた。そういう生徒には強制はしなかった。だれた感じもしたが、他の生徒は一生懸命やってくれていた。生徒の印象に残っている授業もさまざまで面白かった。どのプログラムもそれなりよかったのかと肯定的にとらえておこう。ただ、この授業は机上の空論、畳の上の水泳と書いてくれた生徒もいた。たしかに気になっていたところである。なるほどと思える授業へさらに改良していかなければならないと思った。受講してくれた生徒に、半年間ありがとう。



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