自己理解(1)&サイコロトーク

 前回、好評の内に第1回を終えた。ちょっと一安心という所だ。しかし、ここで畳みかけなければならない。後期はメニューを増やして、より充実したプログラムを展開したい。
 そういうことで、今回は新ネタが登場する。1時間目の自己理解については、エゴグラムの前に実感的なものを取り入れたい。ワークショップでよくする「20のわたし」で自分について考え分析し、「何でもアンケート」で自分の考えと人の考えの違いについて気づき、「スゴロクトーク」で自分についてグループで話す。「スゴロクトーク」は2種類あって、Ver.1は当たり障りのない自己紹介程度のもの、Ver.2は価値観や明面に迫る内容になっている。

1.前回のふりかえりをする。【5分】
 《ねらい》前回の全員の感想を掲載し、他のメンバーが何を感じ考えていたかを知る。
 1)『みんなの声』を配布し、読ませる。特に、下線部に注意させる。
  ・情報の共有
  ・思い切って発言してみる。
  ・諦めずに最後までやる。
  ・進め方一つで問題解決の難易度が変わる。

2.20の「わたし」をする。【10分】
 《ねらい》自分の知っている自分のイメージを挙げ、傾向を知る。
 1)『20の「わたし」』を配布する。
 2)「私は」の後に思いつく文章を書く。時間は3分間。
 3)作業させる。
  ・全員が20個挙げられるまで待つ。
 4)20の「わたし」について、客観的なもの【x】と主観的なもの【Y】に分類させる。
  ・Xの数が多い人は、自分自身を社会的な枠組みの中でとらえており、立場や役割や責任をより意識している。
  ・Yの数の多い人は、主観的で、自己中心的な物の考え方や評価をしている。
  ・日本の児童のXの平均はは3〜5個、アメリカ人は10個である。
  ・日本人の方が、主観的・内省的である。


2.何でもアンケートをする。【10分】
 《ねらい》自分の感じ方や考え方を明確にし、他の人との同調性を知る。
 1)『なんでもアンケート』を配布する。
 2)読み上げていき、自分の選択したものを○で囲む。
  ・プリントを配布してしまえば難しいが、進度を揃えるためできるだけ一斉にする。
 3)選択したものに挙手させ、数を板書していく。
 4)自分の選択と、他の人の選択の違いを考える。

3.サイコロトークをする。【20分】
 《ねらい》自己紹介を兼ねて自己開示すると同時に、他の人の感じ方や考え方を知る。
 1)5〜6人組になり、机を合わせる。
  ・前回と違うチームにする。トランプで交互に2分する。
  ・前の両端に机を合わせる。
  ・2時間目のゲームも同じメンバーでする。
 2)各チームに『サイコロトークVer.1』(A3)とサイコロを配布する。
 3)やり方を説明する。
  ・サイコロを振って進む。1と2は1マス、3と4は2マス、5と6は3マス進む。
  ・止まったマスの指示に従って答える。
 4)順番を決める。
 5)開始する。
 6)『サイコロトークVer.1』(A3)を配布する。
  ・時間がなければ、後日、パート2としてする。
 7)同じ要領です。

4.この授業のふりかえりをする。【5分】

 

 
みんなの声 〜20のわたし・なんでもアンケート・サイコロトーク〜  10月11日
 
ヌ自分の思っていることはたまにずれるんだなと思った。今まで知らなかったことが今日の授業でわかった。あまり一緒にいてもわからないことがわかった気がするし、今日はスッキリして終われた気がする。
ネ結構深い質問があって頭を使いました。他の人の答えを聞くとなるほどと思うことがいっぱいあったし、そこから話が盛り上がって楽しかった。自分で答えることも考えつつ人の話の集中することが自然にできて良い授業でした。次はもっと楽しい話題でやってみたいと思った。もっと質問数もふやして欲しいです。
ノ結構自分が一般の考えだとわかった。自分の知らない自分?がちょっとわかった。サイコロトークは、みんな考えていることがバラバラで面白かった。
ハ自分自身のことを他人に話したり、考えを述べたりするのは、言いたいことがあっても自分の頭の中で言葉にできなかったり、考えたことを伝えられるか不安で仕方なかった。
ヒ簡単な質問にはすぐ答えられるけれど、普段考えないような質問はなかなか答えられなかった。人の話を聞いて共感した所もあったし、意外だなと思った所もあって楽しかった。自分のことをいうのは少し恥ずかしかったけど、共感してくれてうれしかった。
フサイコロトークが何が当たるかわからなかったのでドキドキした。でも言えてよかった。「20の私」も面白かった。自分は思っていたより自己中心的だったのに驚いた。前より少しずつ自分の意見が言えるようになってきた。
ヘサイコロトークは楽しかった。
ホサイコロトークで最初は意見を言ったり質問を考えたりするのは難しいなと思っていたけれど、思った以上に意見をいうことができてグループの雰囲気もよかった。
マ自分の意見がみんなとあっていたのでよかった。サイコロトークでは、意見を一言で言うのは難しくないが、具体的に説明するとなるとなかなかうまく言えなかった。
ミみんなの事がいろいろ知ることができて楽しかった。自分の考えとみんなの考えは結構違うのでそれも楽しかった。ゲームを通してだっとお恥ずかしいがらずに自分のことを話せるし、いいと思う。でも、ちょっと刺激が足りなかった。
ム人それぞれ考え方は違えど、大まかな部分は合致していると思った。そういうところが常識になっていくのだなと思うし、結局はすべて自分の考えなんだと言うことに気づいた。同じ答えでもそれにたどり着くまでの過程が違ったり、実は根本的なところから違ったりと、人は面白いと思った。深い議題をみんなで集まって考える場も今の十代には必要なのかもしれない。

教師の感想
 自分について20個も挙げることは案外難しい。どれだけ自分を理解しているかに関係する。なんでもアンケート、自分が人と同じか違うか、同じである必要はない。自分は自分なんだから、自分の答えを大切にしてほしい。サイコロトークは楽しそうにやってくれました。Ver.1は表面的な質問でしたが、Ver.2は内面に迫る深い質問。普段考えたことがない質問にも、とっさに答えられる力は社会に出ても必要。要するに、自分をどれだけ掘り下げられるかです。

 



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