社会人基礎力&オモロー村

 社会人基礎力について説明する。この授業の根幹をなす能力である。さまざまな省庁がさまざまなプランを提示しているが、この授業では経済産業省の「社会人基礎力」をもとに授業を組み立てている。それを前面に出して説明することによって、生徒に、この授業でつける能力を明示し、理解させる。ただ、提示するだけでは時間もかからず、定着もしないので、書き込み式にしたり、チェックシートも量を増やしたりして工夫し、具体的な例を提示して、生徒に選択させることも試みる。後半は、前回消化不良に終わった「カード式情報交換ゲーム」のやや簡単バージョンに挑戦させ、じっくりふりかえりをしたい。
 社会に出てから役立つ実践的表現力を身につける。さまざまな省庁がさまざまなプランを提示しているが、この授業では経済産業省の「社会人基礎力」をもとに授業を組み立てる。名称を『社会人基礎力養成講座』とする。「国語特講」では「書く」を中心に授業をので、「実践的表現講座」では、「話す」「聴く」分野を中心に授業を組み立てる。
 また、後期は11人という少人数での授業になる。利点として濃厚なコミュニケーションが可能になる。一人一人のケアをできるようになる。欠点として多くの人との交流ができないことである。後期も松原先生の『身近な社会』とジョイント授業もする。生徒にとっては、意欲的になってくれば少人数が利点として受け取れるが、そうでなければいつも注目されているので緊張感が強い授業になる。なにより、いままで大まかなプログラムで展開していたものが、精度を問われることである。その意味でも、性根を入れて取り組まなければならない。生徒の顔がよく見えるのだから、その都度意見を聞きながら修正していこう。

1.授業の目的を伝える。【5分】
 ★授業の目的を明確にする。
 1)表紙を配布する。
 2)「前期の感想」を配布し、読み上げる。
 3)授業の目的を説明する。
  ・社会に出てから役立つ実践的表現力を身につける。
  ・経済産業省の「社会人基礎力」が身につくような授業をする。
  ・「国語特講」では「書く」を中心に授業をので、「実践的表現講座」では、「話す」「聴く」分野が中心になる。
  ・座学ではなく、グループワークを取り入れたワークショップなどの実技を中心とした学習である。
  ・少人数なので、みんなで協力して授業を進めていきたい。

2.社会人基礎力をチェックする。【10分】
 ★それぞれの社会人基礎力を身につける能力がどれだけ備わっているかを自己点検する。
 1)『社会人基礎力チェック』を配布する。
 2)やり方を説明する。
 3)最初は読みながら、回答させる。
  ・謙遜しないで、あると思うものは高い評価をつけるようにする。
  ・従来のチェックより、高校での場面も想定しやすいように質問を換えた。また、質問項目を18から倍の36に増やした。項目は要素ごとに3つずつ並んでいる。3つを合計すればその要素の点数になる。
 4)結果を見る。
  ・要素ごとの多寡を見て、どの能力があって、どの能力が不足しているのかを知る。
  ・自己肯定感の低いものは、どの要素も低得点になる可能性がある。
 5)隣の人と、自分の結果について交流させる。
  ・結果を言語化させる。

3.社会人基礎力について説明する。【5分】
 ★社会人基礎力について、大まかな概念を知る。
 1)『社会人基礎力』を配布する。
 2)現代社会の変化について説明する。
 3)「社会人基礎力」の位置について説明する。
 4)3つの能力と基本になるものについて説明する。
 5)12の能力について説明する。

4.実際場面で社会人基礎力について考える。
 ★社会での実際的な場面で、社会人基礎力を発揮するためにはどのように行動すればいいのかを考えさせる。
 1)場面設定を口頭で提示し、選択肢を黒板に貼り、各自で回答させ、
  ・プリントを配布すると個人作業になり、適当に済ませてしまうことが多くなる。
 2)A アイスクリームショップ
 3)B マスコミの就職面接試験
 4)C アパレルメーカーでの勤務
                                            
5.身につけたい社会人基礎力について考える。
 1)『私の社会人基礎力」を配布する。
 2)自分がすでに持っている力、付けたい力、付ける必要がないと考えている力をチェックさせる。

6.カード式情報交換ゲームをする。
 1)『オモロー村』を配布する。
 2)やり方を説明する。
 3)2つのチームに分かれる。
 4)カードと紙を配布する。
 5)ゲームをする。
 6)解答解説をする。
 
 
みんなの声 〜社会人基礎力&オモロー村〜  10月5日
 
ヌ社会人基礎力は、あまり納得のできない答えが多かったけれど、社会に出たら、こういうことを言わなければならないといいました。オモロー村は、最初はどの位が必要なのかわからなかったけどみんなで情報を提供しているうちにだんだんわかってきた。やっていく内に「犯人」?わかってきて楽しかった。
ネ社会人基礎力は、アイスの問題が難しかった。物事を無難に判断できるようになりたい。オモロー村は一つの課題に取り込めた。難しかったけれど楽しかった。毎回こういう授業なら楽しく取り組めると思った。
ノ自分から取り込めたけれど、一回で正解できなかったのがめっちゃ悔しい。もっと整理しながら話をまとめていけばよかったと思いました。ストレスがたまるだけだったし、次やるときは、一回で正解したいし、最後やっぱりすっきりして終わりたいと思いました。
ハ数ある情報まとめて一つのものにするのは難しいと思った。決まらなければイライラしたく気になるし、全員が集まって考えというわけでもなかった。これは五人が同じ分の情報を用い、同じ様に共有しなければ解決できないので、もっと協力し合うべきだったと思うし、発言をオーラスだすべきだったとも思う。授業を通して楽しかったけれど、社会力は結構人それぞれなのかもしれないと思った。
ヒ社会人基礎力は、本当に勉強になりました。自分が思っているよりも難しい問題が多くて、いつも以上に集中力を使いました。でもすごく楽しかったです。またやりたいと思いました。オモロー村は自分の問題をいう時少し緊張したが言えてだんだん楽しくなってきた。
フ半ば初めて話すような人を相手に相談しその場に合うような行動や言動を選んだり、発言のみで自分の持っている情報を伝えようとするのにある程度抵抗を感じていて、正直上手に発言したりできるかどうか結構心配だったし、多少怖かったけれどうまくできてよかった。
ヘ基本的にイライラした。ストレスコントロールが全然だったなと思う。でも諦めずに最後までやりきったら、最終的にはすっきりできたしよかった。この歳になるとあまり皆で話し合う機会がなくなっているから久しぶりできてよかったと思う。
ホ社会人基礎力は自分が思っている考えとは違うことに少しイラっとしてしまった。ストレスコントロール力をもっと身につけるべきだと感じました。オモロー村は、大した課題じゃないのに、それぞれに少しずつキーワードが与えられていて、それを見せ合わずにすることだけでものすごく難しかった。キーワードを解いていく順番が変わるだけでややこしくなることがわかった。
マ社会人基礎力は、身近なことなのにあまり正解できなくて嫌でした。オモロー村は、楽しかったです。頭を使うのは苦手で全く役に立たないけれど、みんなと一緒にやれて面白かったし、一回間違ったけど次に正解できたしうれしかったです。
ミ最初はためになると思ったけれど、めんどくさそうな授業だなと思っていたけれども、授業を進めていくうちに、もちろんためにもなったし、みんなと話し合ったり考えたり、意外にも盛り上がったので楽しかったです。でもあんまり人前で発言したりするのは得意じゃないので、この授業で頑張りたいと思います。
教師の感想
 新しいメンバーでの授業。かなり緊張しました。でも、みんな協力的でとても楽しい授業になりました。やっていく内にだんだん楽しくなる。何事もやってみなければその面白さはわかりません。苦手だったけど思い切ってやってみて成功したら、それは自信につながります。そのようにして、自分の可能性を広げて行ってくれたら授業をした甲斐があります。オモロー村はどちらのチームもあきらめずに最後までやりとおしたのは素晴らしいことです。

 



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