禁無断転載

オバハンからの気まぐれ通信
(2007年04月・05月・06月)

パキスタン大地震にご支援いただき、誠にありがとうございました

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■□■2007年06月17日(日)■□■
小説『悪魔の詩』で知られる作家サルマン・ルシュディ氏に対し、英国が「サー」の称号を伴うナイト爵位を授与した。これに対してイラン政府は17日、「英国のイスラム社会への敵意の表れだ」として厳しく非難した。イランの最高指導者だった故ホメイニ師がかつて同氏に死刑を宣告しており、爵位授与は再びイスラーム社会の反感をあおりそうだ。

日本では、『悪魔の詩』を翻訳した五十嵐一・筑波大助教授が1991年に殺害され、事件は未解決のままとなっている。

■□■2007年06月12日(火)■□■
う〜〜う、暑い!!
5月が例年より涼しかっただけに、先週初めからの暑さがこたえる。

本日夕方5時、日陰、ウチの安物の温度計では気温46℃。
1昨日は暑さのために24人もの人がなくなったというが、きょうは南の方で53℃にもなったというから、死者はさらに増えることだろう。(たった3行のこの文章に20分もかかった。クソ暑いのに、やってられん!!)

■□■2007年06月03日(日)■□■
6月に入った途端、気温40℃になった。例年なら45℃というところだろうから、まだ涼しい…。
とはいえ、暑くなって来た上にパソコンが壊れ、文字変換もままならぬ状態から3週間、何をするのも面倒だわ…。

しかし、この暑さに負けることなく、市内の(世界で3番目だかに大きなモスク)へは金曜礼拝のために何万人もの礼拝者が集まったというから、たいしたものだ…。そういう篤い宗教心の人たちを相手に、アメリカは無謀かつ理不尽な紛争を世界の各地で巻き起こしている。

■□■2007年05月30日(水)■□■
ほぼ10日近く、素晴らしいお天気が続いている。
当地で言う「良いお天気」とは、「晴れていない日」を指す。曇り空で陽も射さない日は、文字通り神様からの贈り物だと思える。日本やヨーロッパなどの絵本には太陽はニコニコ暖かく人間の味方のごとく描かれるが、当地での太陽は悪魔の使いか、鬼のごとくであろうか…。
それほどまでに夏8ヶ月間の陽射しは過酷だ。モンスーン(季節風)に入る直前の6月は、1年中で1番暑く厳しい筈だが今年はどうなるのか?登山やトレッキングは天気に左右される。北方地域のみ、好天が続いて欲しいものだ。

またまたペシャワールの高等裁判所内で自爆テロ、ムシャラフ大統領に反発するテロだったのか、どうか?
いずれにせよ、春以来、都市部は不穏だ。各報道はムシャラフ政権始まって以来の危機と書き立てるが、人心が離れているのは確かだと思う。この7年間ムシャラフ大統領ファンだったオバハンですら、「ああ〜、やはりムシャラフ政権も、ついに独裁化しつつあるのか…残念!」と、その思いを深くしているのだから。

当国では、「大統領と陸軍のトップを兼任」という状態を憲法で認めていない。にもかかわらず、ムシャラフ大統領は軍服を脱がないと民主的な人たちから批判され続けている。そして、「大統領と陸軍のトップを兼任」について、憲法違反と判断を下しそうな最高裁長官を罷免したのが原因で国内が割れ、都市部では治安が悪化している。

■□■2007年05月28日(月)■□■
パソコン不調!修理のために日本へ移送。

代わりに借りているパソコンさまは物凄く気難しく、「文字変換」もままならず、なかなか思うように動いてくれない。まるで先日から悩まされている当地の大工や職人のようだわ…。せっかちなオバハン、連日イライラ、カリカリがおさまらず。しかし、たまたま涼しい日が1週間以上も続いているし、アタマに血が上らないのでブチ切れは回避されている。
そんなわけでパソコンの前に座る時間は激減、メールもままならず時間をもてあまし、味噌を仕込んでみたり八升豆サマの棚を作ってみたり…。そして、例によって筋肉痛。

今朝は珍しくパソコンが動いてくれているので、うっぷんを晴らすべく10日分の愚痴を書きたい気分。しかし、パソコンさまの気分が変われば「アカン!」やっぱり長文は控えよう…。

■□■2007年05月17日(木)■□■
パーキスターンに住み始めて27年、「なんでもスムーズに上手く行 ったらパキスタンではありません!」と他人サマにほざき、自分にも言い聞かせながら暮らして来たが、今回の古家改装には全くまいった。連日のノロノロ作業、「3歩進んで2歩下がる」式の工事。棚、蛍光灯、取っ手、真っ直ぐついているものは1つもなし、雑なペンキの塗り方、仕上がりはどこもかしこも不満足。職人たちに詰め寄って手直しの要求をしても「ノープロブレム(問題なし)」の一言でお終い!トコトンやりあう気が失せ、黒星つづきの最近。

ようよう荷物も引越し終わり、寝られる場所を確保。取り付け曲がった蛍光灯でも、室内は明るい。取り付け曲がった取っ手でも、引っ張れば戸が開き出入りは可能。 もっともドアと床の間には3cmもの空間、蚊や蝿サマも出入り可能。…だが、職人たちの言うように「ノープロブレム(問題なし)」か?

いやいや問題はやっぱり山積み!コンクリートを割ったり塗ったり、パイプをあちこち繋ぎまくった台所と下水の配管。コンクリートの欠片が詰まっているらしく流れないわ…。連日のように職人たちと言い合いになった下水の配管、やっぱりなぁ〜〜。

■□■2007年05月13日(日)■□■
オバハンの敬愛していたムシャラフ大統領の危機!!
大統領就任から8年近いムシャラフ大統領だが、今年に入って大統領の強権、独裁ぶりには疑問を感じることも多くなっている。言い換えれば、どんな立派な政権でもその末期にも見られる「最後の足掻き」とも思える独裁ぶりが眼につき出したということか…。

特に大統領が「大統領と参謀長の兼職を、長官が憲法違反と判断する可能性があったため」として最高裁長官に停職処分を下した3月以降、国民の怒りは反政府デモとなって噴出。ついに昨日は流血事態に発展、カラチでは40人近い死者が出ている。

12日は政府主導による50万人規模の「ムシャラフ大統領支持デモ」が予定されており、政府機関のすべてに人員の動員命令までが出ていたという。しかし…動員されて来たのは僅か5万人といい、大統領の演説にもまばらな拍手、集会は盛り下がったと聞く。ムシャラフ大統領の命運は尽きそうだな、早い話がアメリカはムシャラフを見限ったのかも…。

■□■2007年05月01日(火)■□■
メーデーで祝日。
週半ばにある祝日は何だかとっても嬉しい!アメリカから始まった全世界労働者の祝典、日本では1905年に開始とあるから、100年以上もの歴史があるメーデー。当地も労働者の結束(ユニオン)は強いが、現政権の締め付けが厳しいせいかデモも低調気味。

近所のモスク(イスラーム原理主義者の砦と化している)からも日毎上がる雄たけびが聞こえなくなったし、原理主義化が翳ったとも思えないが、政府といくばくかの折り合いでもついたのであろうか?オバハンの老眼の進んだ眼で見ていても、アメリカ掲げるの「テロ撲滅」作戦の強圧のおかげで、イランやパーキスターンでは、そしてイスラーム圏全般でもイスラーム化は進んでいる。もちろん文化的な意味での進歩派もいるが、反米感情を表に出さないだけで、心の中ではイスラームへの回帰は進んでいると言えそうだ。

■□■2007年04月30日(月)■□■
3月下旬には終わるはずだった古家改装工事でイライラ、カリカリ、カッカしている間に4月も終わってしまった。
セメントを張った後で再び(時には三度)の掘り返し配管工事や、換気扇の穴あけ工事。新しく真っ白にペンキを塗った後に汚れた窓枠をザブザブ洗い、その泥水が壁を流れ落ち黒く太い筋をつけたのでと、ペンキの塗り直し…。
毎日「3歩進んで2歩下がる」式の工事に気分はヘトヘト。

パーキスターンに住み始めて27年。
「なんでもスムーズに上手く行ったらパーキスターンではありません!」と他人サマにほざき、自分にも言い聞かせて来たが、やっぱり疲れる。おまけに暑くなって、「花鳥木」を愛でる気分にもならない。窓の外に咲いている花石榴、花言葉が「おろかしさ」とあっては、自分自身の空回りに当てはまるようでもあり、妙にメゲル。

■□■2007年04月27日(金)■□■
先週は暑くて少し辛かったが、一雨来て過ごしやすさが戻った。
窓を開け放つと、僅かに冷えた夜気が網戸越しに流れ込む。窓の脇には朱色がかった花石榴が満開、窓辺で微風を楽しんでいると冷気と共に甘い香気が立ち込め、匂いに圧倒される。花石榴の後ろには、葉も見えないほど豪勢に咲き開いた桃色の塊り、夾竹桃の花。ジャカランダの小花が薄紫色の レースを取り出したように天を覆って咲き始め、たちまち地面を も薄紫に染め出した。

4月も終わり、オバハンの大切な八升豆の栽培季節がめぐって来た。
昨年は収穫時に畑から豆を全部盗まれ、ショックのあまり倒れたオバハンだった。でも、めげずに今年も栽培に取り組むぞ!うまく栽培が出来れば、その多収穫さ故に、そして薬用効果も高い故に有用な植物だと信じている。ま、水さえあれば栽培は可能なんだけどね…。現在は早や蒔きした苗がスクスク育っているし、畑には今からいっぱい植えつける。

■□■2007年04月24日(火)■□■
風速50mの暴風雨が過ぎ、復興作業は着々と進んでいるかに見えたが…。
ここに来て作業が再び停滞し始め、イライラが募っている。改装現場へ行けばついつい口が出る、出来るだけ見ないようにと我が心を励ますが、時々ヒョッコリ日本人気質が顔を出すオバハン、気がつけば現場を想い眉間にシワが寄っている…。

ペンキ塗りは雑だし、台所や洗面所のタイルが曲がっている。
「真っ直ぐ貼れないものなの?!」
チョイと注意をしたら、うるさいマダムだと職人に逃げられた…。ああぁ〜!何時になったら改装工事は終わるのか!?

イランの国営石油精製流通公社が国内のガソリン代を10円から12円に値上げすると。どんなニュースも近隣諸国のこととなると気にかかる。日本にいて北朝鮮や韓国、中国の動向が気になるようなものであろうか?イランではガソリンの配給制が導入されるかもしれないという記事を読み、一抹の不安を感じている。イランのガソリンは羨ましいほど安い。炭酸飲料水の5分の1くらいだったような記憶もある…。ガソリンに対する国庫の負担は大きいと聞くが、それでもイランは10数年前にイラクとの戦争を終結、近年は国内も安定、力もつけている。しかし、力をつけたイランは、アメリカから見たら指に刺さった小さな棘が膿んできた感じなのだろう。
イランは年間のガソリン消費を20%以上減らすことによって、備蓄し対米戦争に備えるつもりなのであろうか?

■□■2007年04月20日(金)■□■
夜明けからの声高なアジテーションやお説教も聞こえず、久しぶりに静かな「金曜礼拝日」。

…となると、人間は勝手なものだ。
「きょうは静かだわねぇ〜。反政府デモもないのかね?」「モスクの前にデモ隊もいないし、旗も並んでいないわねぇ…」と、期待はずれで半ばガッカリする…。新聞などの報道によると、首都近辺だけでも逮捕者は300人を超えたというが、知り合いの活動家などは逮捕を逃れて潜伏、もう自宅へ3週間近くも帰っていないという。「逮捕されても拘禁は10日ほどだというし、家に帰って子どもの顔も見たいから捕まってもいいような気になって来た…」と、疲れた様子を聞き苦笑。

■□■2007年04月19日(木)■□■
911同時多発テロ以降、海外から帰パした金のあるパーキスターン人が増えたせいで、また、一昨年の大地震で平屋へ住み替えた多くの人のせいで、そして金融政策のせいで、当地の土地家屋は物件寡少につき数年前の3〜4倍と恐ろしいような値上がりバブル状態。結果、家賃も3〜4倍に上がり首都にはおいそれと住めなくなった感が強い…。

長年、途上国ゆえの安い物価に喜んでいたが、ガソリンも日本と替わらない値段の昨今、食べる物以外は何もかもが高騰中。パーキスターン駐在中の日本人たちも月2000〜5000$もする家賃を泣き泣き支払っているというが、彼らの家賃は日本政府や会社などによって支払われ、彼ら自身が自腹を切るわけではない。
「大樹の陰」にありつけないオバハン宅は、取り壊し建て直そうと考えていた古家を改装するはめに…。しかし、アフガニスターンの建築ラッシュ、大地震後の建築ラッシュ、911以降の建築ラッシュで労働者の確保は難しく、2週間で改装出来る予定が5週間を過ぎても終わらず。

ついに我慢の限度も超え、現場監督に激しく詰め寄るオバハン。
どこもかしこもペンキや汚れたセメントでベタベタ。おまけにモノはなくなる、職人が置いてあるモノやカバンを開ける、服にも触るとあっては不快さは沸騰点。壁塗りは壁塗りだけ、壁を壊す人は壁を壊すだけ、配管は配管の仕事だけと、すべてに職分鮮明。それぞれが我が仕事のやり易いようにと、邪魔なコンクリート屑やかけら、大小ゴミを勝手に排水溝やマンホールへ捨てる。掃除は掃除人が工事終了後にすると思っているからボロボロ、ゾロゾロ落ちても気にせん…という有様。

「排水溝にゴミやコンクリートを落とすナァ!後で配水管の詰まる因となるぅ〜!!」と、喚いてもノープロブレム(問題ない)。ペンキ屋が高価な家具の上にペンキをポトポト、ベタベタ。これにも作業終了後に掃除人がきれいにするからノープロブレム!家具の足が折れたり、デスクの引き出しが壊れたり、なんでこうなるの??と思うことばっかり。

「オマエらの大丈夫と、アタシの大丈夫では基準が違う〜。オマエらのきれいとアタシのきれいでは基準が違う〜!」「きれい、汚い。大丈夫、大丈夫でない!」と話はどこまで行っても平行線。ついにブチ切れ実力行使で怒りの表現、久々に荒れ狂ったオバハン!!100リットルくらい入る大ドラム缶を力いっぱい蹴り倒し、ドアを蹴り外し金網にデッカイ穴を空け、ギャンギャン喚き倒し風速50mの暴風雨…。まったく我ながら品がないとは思う。しかし力いっぱい怒らないと、こちらの意思が通じない…。

■□■2007年04月16日(月)■□■
暑さで2夜続きの寝不足は拷問に近い。しみじみ歳をとったと思う。久々に睡眠不足が応え、きょうの昼間は涼しい地下の部屋に潜んで長々と昼寝。しかし昼寝をしてもとれない寝不足…。

中国の首相が来日。普段は中国などへも比較的好意を持っているオバハンだが、先日からの新聞報道にはチト、ムカつく。『日本政府と指導者が侵略を公に認め、深い反省とおわびを表明したことを積極的に評価する』だと!

従軍慰安婦や南京大虐殺、また沖縄戦における「自決強要」などの実態をぼかす今回の教科書検定の件を中国政府も知らぬではあるまいに、中国首相の外交舌に「評価」してもらって日本政府は安堵したのかネ?まったく人を馬鹿にした表現だと思う…。
中国首相の来日が、『氷を溶かす旅』だかなんだか知らないが、従来より中国に好意的だったオバハンだけに、馬鹿にされたとの感がより強い。

■□■2007年04月15日(日)■□■
風のない穏やかな早朝。玄関のガラス扉を大きく開け放ち、床に座り込んだまま明るんでいく外や、ユーカリの樹からこぼれ落ちた花滓で黄褐色になった地面をみつめているオバハン。

うううぅ〜〜!ついに夏になった、暑くて寝られなかった…。

エアコンは40℃を遥かに超える真夏でもほとんど使わない。エアコンの吐き出す音が心臓を圧迫する。暑いとはいえ空気が乾燥しているせいか、被り物がないと寝冷えをしそうだ。かといってタオルケットやシーツですらも身体に触ると暑苦しい。急激な気温の上昇に身体がついていかず、全身がだるい…。

昨日の新聞報道によると、反政府活動家の逮捕は200人にも上った様子だ。
終日、ザワついた空気が街に漂い、病院の前には警察の車輌が何台も停まっていたというから、怪我人も出たのであろう。ムシャラフ大統領に「テロ撲滅」の強圧をかけるアメリカ。パーキスターンとアフガニスターン国境に近い部族地帯でのタリバーン掃討作戦では、それに巻き込まれた一般市民の死傷者が連日のように(と感じられるくらい)報道されている。

つい先般、アフガニスターンでの米軍発砲事件でますます反米感情が増していると書いたが、本日の読売新聞では、「海兵隊特殊部隊は3月4日に移動中、自爆テロに遭遇し、その後、付近住民に発砲した。特殊部隊側は、住民から銃撃を受けて応戦したと説明していたが、その後の調査で、住民による銃撃の証拠は見当たらなかった」という、米軍特殊作戦総司令官の談話を世間が忘れたような今頃になって載せている。

■□■2007年04月13日(金)■□■
桑の実が完熟し、濃い紫色の実をポタポタと地面に落とし始めた。
口移しに桑の実を食べさせているカラスの親子は微笑ましく、キャーキャーと甲高い声で縄張り争いをしながら実をついばむ椋鳥は賑やかだ。朝晩には何羽ものインコが舞い降りる桑の木。小鳥たちに混ざってオバハンもザルに桑の実を集め、ジャムにしてみた。若くて可愛いコックのアシスタントにジャム作りを教えるべく、この間からイチジク、杏、桑の実とたて続けにジャム作り、今ならオバハンお手製のジャムが食べられるヨ。

さてさて廻ってきた金曜日、反政府デモを組織しそうな活動家を閉じ込めるべく、前夜には多くの活動家に対して逮捕状が出たと聞く。にもかかわらず、早朝から市内の道路はアチコチで封鎖。先週に引き続きオバハン宅前の道路をデモ隊が通る。人数は先週より増し、押し立てる旗の数も増えた。シュプレヒコールの声にも力があり、先頭集団の持つ旗は先週の4倍もの大きさ、勢いがある。政府が取り締まりを強化すればするほど、人々の反発は増え、現政府によって国外追放をされた、元首相たちが現政府を批判、帰国を口に出し始めた…。

当時の首相による、突如の解任でクーデターを起こして以来8年近く、現大統領のムシャラフは数々の国難を見事なバランス感覚で乗り切って来た。オバハン個人は現大統領ファンであるが、ここに来て現大統領は「やりすぎ、独裁的」ではないかと思うことが幾つも出てきた…。

■□■2007年04月12日(木)■□■
アメリカも、イラクやアフガニスターンへ派兵している部隊の駐留期間を延長すると発表している…。イラクの治安については、公式発表や評価はどうあれ、どこの誰が見ても保たれているとは絶対に見えない。にもかかわらず米英政府は治安維持を「評価」し、後はイラク自身の努力に任せるようなことを言い出し、徐々に撤兵しつつ、アフガンへ「対テロ戦争」の力点を移すのはなぜか?

タリバーンが僅かずつながらも勢力を盛り返して来たという見方は一面正しいかもしれないが、いつも言うように「タリバーン」はテロ集団でもなければ、悪の象徴でもないとオバハンは思っている。米英の理不尽なやり方、駐留に反発する多くの人の結集とでも見る方がいい。

さて、イラクで削減した軍隊の代わり(NATO軍)が駐留するのはイラン国境に直ぐのヘルマンド州だと聞き、納得、納得!!なんのことはない、米英は核開発の凍結に同意をしない、米英の言うことを聞かないイランに圧力をかけるためのアフガン駐留なのか!?アフガンからイランへは砂漠を突っ走ればほんの一投足、イラン睨み、攻撃の準備かい?!アフガンに「対テロ戦争」の力点を移すということで、イランに限らずイスラーム化が却って進むことになったパーキスターンをも睨むつもりらしい…。

アメリカが、ムシャラフ大統領に押し付けた反米組織の掃討作戦、無理難題の幾つかは国民の反米感情を高め、イスラーム化への原動力となっただけではないのか?「対テロ戦争」「世界の治安を守る」という口実の下、アメリカは地球上の各地で紛争を巻き起こし、それによって自国の膨大なる軍事産業を守ろうとしているにしか過ぎないのが、ますます明確になっている。

■□■2007年04月11日(水)■□■
オーストラリアの首相が、アフガニスターンへ増兵と発表。
タリバーンの攻勢で治安情勢が悪化しているアフガンに現在の550人から、特殊部隊300人を含む950人を送り込むと。また来年中には1000人規模に増やすと。英国もアフガンへ1400人を増派する方針、これによりアフガンに駐留する英軍の規模はイラク駐留部隊を上回り、8000人近くとなる。日本政府(安部)は北大西洋条約機構(NATO)との連携強化の一環として、アフガンでの地方復興支援チームへの協力は、今のところODAによる資金面での支援にとどまる見通しだという。しかし、依然としてアフガンへの自衛隊の参加はくすぶっているのではないかとオバハンは疑っている。

アフガニスターンに限らず、イラクやイランへの派兵は大国のコントロールによって治安が安定、徐々に減るどころか増えている。米英、そしてオーストラリアなどなど、いずれの大統領や首相も、「さらなる努力を続けなければ戦いに勝利できない」と国民へ訴えているらしいが、何をもって「勝利」とみなすのか?大国は何時になったら他国への干渉の愚かさを覚り、また「正しい現地状況」を自国民へ伝え、自国の政策への判断材料を提供するのか?

アフガニスターン東部ジャララバード近郊では、3月初旬に米軍の車列を狙った自爆攻撃と待ち伏せ攻撃があり、米軍が応戦したと伝えられている。その結果、アフガン民間人が20人近くが死亡、20数人が負傷した。報道では、「自爆攻撃に続いて複数の方向から小火器の発砲があった」と言い、「タリバーン過激派の卑劣な行動の結果、無実のアフガン市民が犠牲になったことを遺憾に思う」と発表されてはいるが、本当にその通りであったかどうか、どうすれば判るのか?

車列を狙って自爆による攻撃があったことは確からしい。しかし、地元から伝えられる話では「米軍の兵士が恐怖にかられ、四方八方へ発砲した結果、罪もない一般市民に多数の犠牲が出た」とされ、市民の反米感情は静まらない。

■□■2007年04月10日(火)■□■
日パ・ウェルフェアー・アソシエーション(NWA)は、この度、日本での登記が完了し、2007年3月1日付けで晴れて、『特定非営利活動法人(NPO法人)日パ・ウエルフェアー・アソシエーション』となった。

3月31日には、新法人の定款に基づき、第1回理事会・総会が開催され、その際には、新しく事務局を設置することや、会員の募集を行うことなどが了承された。新しい事務局長には、パキスタン責任者として、オバハンと共に支援活動を続けてきて、堀が就任。会員に関しても、正会員・賛助会員の募集を行うことが決定した。(詳しくは、日パ・ウェルフェアー・アソシエーションのサイトを!)

今年は、オバハンの長年の夢でもあった、ギルギットの母子保健センターも完成するし、地震被災地にもコミュニティセンターも完成予定。皆さまにも会員として、今後もNWAのパキスタン支援活動に加わってくださいますよう、よろしくお願いいたします。

■□■2007年04月09日(月)■□■
火炎樹が天を突き、燃えさかるように花ひらいた。反対に、垂れ下がり地面に向かって花を伸ばすのがブラシ・ツリーの赤い花。カチュナールがリンゴの花に似た大ぶりの華やかな薄紫色やピンク色で街路をいっぱいに染め上げる。カチュナールの蕾をひき肉と一緒に料理し、ほのかな苦味に初夏を味わう…。
いよいよ夏だ。

日本では統一地方選挙が終わった…。
大きく眺めると、第一野党、特に民主党のだらしのなさが際立ったとしか言いようがないのかも。総体的には地方議席を伸ばした??のかもしれないが、都知事や県知事選など、主要な所では主張が薄かった。見方によるだろうが、何と言っても昨今の民主党は「党」としても体をなしていないようにオバハンには見え、残念でならない。
とはいえ、アタシゃ民主党の支持者というわけではないからネ。
個人的には推したい人もあるが、「党」としての存在価値が年々薄く、魅力がなくなって行く民主党からは離れていく人も多いのでは?個性的な人材がいないからなのか?指導力のある人がいないからなのか?ま、そのだらしない体たらくに自民党は大喜びだろう…。

近所のマドラッサ(イスラーム神学校)が過激さを増していることに関心深いオバハンだが、政府が(アメリカの内政干渉に抗しきれず)「テロ防止、テロ対策」としてのイスラーム弾圧を強めれば強めるだけ、全国からイスラーム原理主義者が応援に駆けつけ、今やイスラーム教を守るための聖域となってしまった感が深い。
個人的には、リベラルなムシャラフ大統領ファンであるだけに、これはムシャラフ大統領のアキレス腱だと深く案じている。報道によれば、マドラッサの幹部はイスラームの教えに基づいて善悪を判断する私設のイスラーム裁判所の設立を宣言したらしい。売春や音楽ビデオ販売など「反イスラーム」的な行為を政府が摘発しなければ「我々が行動を起こす」と語ったともいう。
このマドラッサを中心にタリバーン化、もしも「宗教警察」のようなものが地方へも波及するなら…。政府は、自分で自分の首を絞めたことになる。否、アメリカがイスラーム化を増強させたという方が正しいだろう。マドラッサの幹部は、「政府が我々を弾圧するならば自爆テロで対応する。犠牲を覚悟した者は数千人いる」と脅迫したというが、近場での物騒な話は、お許し願いたいものだ…。


■□■2007年04月06日(金)■□■
NHKの受信料が、支払い拒否・保留の減少で3年ぶりに増収。
06年度の決算では、「受信料収入は予算5940億円より120億円程度上方修正」とか、NHKにとっては結構なことだと思う。NHKの受信料が(予定より)増収になったからといって、それが即、NHKの儲けだとは短絡的には思わないが、「増収になったのなら受信料を下げろ!公共放送が儲けるのはおかしい。嫌なら民営化しろ!」という一般の意見も多いことだろう。

それにしても6060億円という膨大な受信料収入の何割が適正に使われているのか?多くの人も感じているのだろうが、NHKは日本政府に守られている公共団体だ。最近でこそNHKは経費節減などを外部(下請けなどへやかましく)言い出したが、NHKで働く人にどこまでの経費節減意識があるのか?と問い直したい。
NHKスタッフの考える、あるいは実行している経費節減と、オバハンの言う、あるいは実行する経費節減の意識には、月とすっぽんほどの差がありそうだ。オバハンなどから見ればNHKは受信料の上に大胡坐をかいて来たし、たいした経営努力をしているようにも思えない。

さて、またもや廻って来た金曜日、きょうも朝はやくから近くの(600mくらい離れている)モスクから雄たけびが聞こえる。いや、頭からつま先まで黒衣におおわれた女性たち30人くらいも、モスクを背に道路へ並び、身長大の長棒を警察官たちに対して構え、声を限りに叫んでいるから、その場合は雄たけびとは言わないのだろうな…。
イスラーム教への弾圧としか見えない政府のやり方。マドラッサが強制的に閉鎖されたり、一部反政府活動の盛んなモスク指導者の拘束など、その締め付けが強過ぎる結果、招いたトラブルは1月以来続いている。モスクへ立て籠もる人たちの目は血走っているし、ラール・マスジッド(赤いモスク)前と横の道は騒動に巻き込まれないよう、通らないようにオバハンたちも気をつけている。

■□■2007年04月05日(木)■□■
室内にいて初めて暑いと感じる日になった。
いつの間にか桑の実の粒々にほのかな色がつき始めたし、陽射しの中にユーカリの樹からの細かな花粉?が粉雪のように反射し、舞い落ち出した。人によっては僅かだが花粉症状態となるようだが、野性的なオバハンは涙目にも鼻水にも無縁でありがたい。

アフガニスタン南西部ニムロズ州で、フランスのNGO職員2名とそこで働くアフガン人3名、合計5名がタリバーンに拘束されたと言う。タリバーンは3月にも南部でイタリア紙の記者を拘束している。昨年以来、タリバーンはアフガン政府に拘束されている幹部たちの釈放と引き換えに、この手の作戦を推進し始めたようだ。
タリバーンによる「幹部釈放のための、拉致予告声明」には、各国政府も神経を尖らせアフガンで活動するNGO等に、それらの情報は随時、流しているようだ。 タリバーンによる拉致、あるいは強盗に遭うなどは交通事故より確率は低いのかも。しかし、日本人であるオバハンたちが拉致されたなら…。オバハンたちの支援活動のみならず、日本の押し進める支援活動全体にも影響する。
そう思えばよく知った地域であっても、陸路での移動は出来ないし、ついそこまでと思っても出足が鈍る昨今だ。にもかかわらず、現在のアフガンへスタディーツアーなどという日本の団体もあるから、ご立派としか言えない。勇気があるというよりも蛮勇としかオバハンには思えないのだが…。

■□■2007年04月03日(火)■□■
8時半、イスラマバードでも有感地震。
南太平洋の揺れが世界各地へ波及しているのだろうか…。被災地は大地震から丸1日、きっと被害状況はまだ簡単に把握できていないことだろう。一部地域では10mにも及ぶ津波と聞く、世界中からの速やかなる支援を願う。

朝から家の前の道路が渋滞し、ザワついている。
…と思ったら、政党の旗を押し立てシュプレヒコールを上げながらのデモ隊の行進だ。デモ隊は主だった道路を締め出され、オバハン宅の前の道路を使用することになった様子だ。金曜礼拝の後の集会、あるいは土日の集会というのなら理解も出来るが、平日にもかかわらず反政府(反大統領)デモが組織されるようになったのか…と、感慨深い。
いよいよ政府交代劇が切って落とされるのか。アンテナを張り巡らせ、心の準備をせねば…。

■□■2007年04月02日(月)■□■
昨日はイード・ミラドナビー(ムハンマッドの誕生日)という宗教行事、一晩中お祈りをすれば1年の罪が許されるという結構な日。イスラーム教徒が現実的だと思えるのは、メッカへの巡礼を果たすと、それまでの罪が消えるということ…、免罪符を持つ者の生き方は強い。

能登半島地震から約10日。以降、日本の各地で小さな地震が次々に起こっている。一つの地震は当然のことながら連鎖反応を起こすようだ。この能登半島地震の10数分前に南太平洋で能登半島地震を上回る大地震が起こっている。そして昨日も、再びソロモン諸島沖でマグニチュード(M)8.0の強い地震が発生。
パーキスターン大地震はM7.3だった。オバハンの住む首都イスラマバードは震源地から100kmも離れていたが、あの恐怖はなかなか言い表せない。能登半島地震被災者、その周辺部に住む人々の恐怖は共有できる…。大都市での地震に対する備えはあるのだろうか…。

■□■2007年04月01日(日)■□■
クーデター!! ムシャラフ大統領拘束さる!!

「空港が封鎖され、イスラマバードに降りられずラホールに下りた」という知り合いの電話に息子が走りこんで来てTVを付ける。たまたま一緒にいた息子の友人(大使館員パーキスターン人)の血相も変わっている。TVは報道規制がなされているのか、普段とはまったく変わらず…。食い入るようにTVを睨みつけていると、息子の知人からの再電話。「エプリルフールだよぉ〜ン!」

建国以来、暗殺された大統領2人の年齢が共に64歳だったこと。自叙伝を書いたら暗殺されるというジンクスがムシャラフ現大統領に合致すること。また強権を発揮、独裁的なポリシーに傾いて来た昨今、反ムシャラフ活動が活発化していることなどから相まって、クーデターが近いと緊張している多くのパーキスターン人、そしてオバハンたち。

きょうか、明日かと案じているところへのエプリールフールで、物凄く多くの人がひっかかったと思われる…。

■□■2007年04月01日(日)■□■
「2月からHPの更新がない、せっかく見に行っても無駄足だ」とのメールをついに貰ってしまった…。
確かに2月13日より更新していない…。幾つもの書きかけをいっぱい下書きの中に溜め込んで、そのまま仕舞い込んでいる…。毎日、感じたり思ったりすることはあるのだが、何だかまとめる気分になれないな…。オバハンらしくない平穏無事で緊張感のない生活をしているせいなのかも。しかし、珍しくオバハン自身は平穏でも、家の外は緊張感にあふれている。

2月13日以降の書きかけを幾つか拾ってみると、2月20日にはパーキスタン東部グジュランワラ市で州政府の女性閣僚(社会福祉相)が政党関連の会合に出席中、男に銃で頭を撃たれて死亡したというのもある。
地元警察の発表では女性大臣がイスラムの教えに反する服装をしていたのが殺害の動機だというではないか。イスラム教を曲解した過激主義者の犯行とみられる。フマ氏は女性の権利向上のための運動で知られていたという。

大きなところでは3月9日にムシャラフ大統領が、突如、最高裁判所長官を職務停止にした結果、最高裁長官の職務不全にする権限が大統領にあるのか?という議論が司法界に湧き起こり、連日のように反政府(反大統領)に対する大規模なデモが起こっている。
同長官の存在は現政府にとって、不都合なものであったらしいが、その処分を審理する最高司法会議に反対する弁護士や野党支持者ら数千人が投石。息子の事務所の直ぐ近くでも警官が撃つ催涙弾が飛び交い、一時は視界が霞むほどで息子などは涙が止まらなかったという。催涙弾は翌日も飛び交ったようで、事務所へ出かけたオバハンもクシャミと鼻水、なみだ目。政府はデモの全国的な広がりを阻止するべく、報道を全面的に禁止。当地に事務所を置く現地TV局や報道関係をシャットアウト。果敢に報道しようとする関係者、警察官たちの攻防戦は紙面にバッチリ。