禁無断転載
オバハンからの気まぐれ通信
(2007年01月&02月)
パキスタン大地震にご支援いただき、誠にありがとうございました
日パ・ウェルフェアー・アソシエーション(NWA)のHPをご覧ください
■□■2007年02月13日(火)■□■
先週の金曜日から5日間連続で雨。
通年に比べると1ヶ月余りも早い春雷、冬の終わりを告げる雨だ。日本と同様で暖冬気味の当地。ヒンズークッシュ山脈やカラコルム山脈に降る雪も少なく、アフガンに至っては旱魃かもしれないと案じていただけに、一部の地域にとって雨は恵みだが、被災地への道は土砂崩れ、ようやく年末から辛うじてかかるようになったという携帯電話も、まったく通じない。
治安の悪化はアフガンだけではなく、当地もムハラム月に入ってから現政権に反発するテロ活動が増え出した。
現政権へというよりも、遠因はすべてブッシュのアメリカにあるのだろう…。アメリカの重圧、内政干渉の厳しさ、それにムシャラフ大統領がおとなしく従い、イスラーム原理主義者たちを弾圧しているとしか見えないことに対する反発のテロ活動というべきか。
春になって観光シーズンは間近。今年はパーキスターン観光年というのに、困ったものだ…。
■□■2007年02月10日(土)■□■
先月末(イスラーム暦のムハラム月に入って)より治安が不安定なパーキスターン。
アフガニスターンに至っては不穏そのもの。
日本大使館からの注意喚起によると、パーキスターンの国境トルハムから陸路カーブルへ行き来する韓国人の拉致計画情報アリと。
韓国人の拉致計画は1年ほど前に逮捕・拘禁されたタリバーンの幹部との釈放交渉であり、韓国人が拉致対象に選ばれた理由は、韓国人が他の外国人に比べて安全措置を充分にとっていないというと伝えているが、たまに見かける日本からの観光客も、安全措置どころか、無防備なのものが殆ど。
日本の外務省はアフガニスターンについて、首都カーブルを含む5市以外には退避勧告を出しているが、5市にも出すべきだと最近は思うようになっている。1月下旬から2月初旬にかけての、僅か5日間で、テロ関連事故が全国で15件も出ていることを、もっと重く受け止めえるべきだろう。
■□■2007年02月09日(金)■□■
汗、汗、大汗。
パーキスターン・オタクゆえに、パーキスターンを少しでも知ってもらいたいと電話取材に応じたものの、汗、汗、大汗だった。普通に電話で話すのとは違って、シナリオがあるせいで口が強張った。普段から、何事も決められたようには出来ない性格がモロ出た。
おまけに放送開始直前、局側から「時間が2分おしています、質問3の答えを短く願います」だって。素人相手によく言うヨ〜〜。ま、1万円の素人ゆえに、ヘボはお許し願おう…。
■□■2007年02月08日(木)■□■
地震支援、難民支援、日本各地での報告会などなどで頂く謝礼などは、例え1万円であっても、当然のことながらオバハン自身のポケットにはただの一度も入れたことはない。今回のNHKの1万円という番組協力の超薄謝も当然のことながら日パ・ウエルフェアー・アソシエーションへ入る。番組担当者に、「ウエブ・サイトに書かれている記事の真意はなんでしょう?」と聞かれたが、やっぱり1万円の謝礼はオカシイ、もっと支払え!!と拘っているのかな??
しかし、これでNHK批判者ということでブラックリストに上がり、パーキスターンを紹介するというお役目も返上か。番組担当者の腹具合は如何にや…。1月17日の記事はNHKの番組全般への批判をしたつもりだったが、番組責任者としては僅かな批判と受けとれるようなことも嫌なのかね??
何時も思うが、「批判」と「非難」はまったく違うのだがネ。何事にせよ「批判」や「苦情」は本来感謝してしかるべきものだと考えている。仮に的外れの批判ではあっても、そう思わせているものがあると考え、積み上げ、次に繋いでこそ良いものが出来ると思うのだが…。オバハンの「批判」を「非難」と思うなら積み上げにならず、積み下げになると思うがナァ〜〜。
■□■2007年02月07日(水)■□■
たいした人数が読んでいるものでもないと思い、勝手なことを書き散らしているオバハンの「きまぐれ通信」だが、1月17日にNHKへの批判を書いたら、当の番組責任者から電話をいただいた。
「書いてあることの真意はなんでしょう?」だって…。
「ふだん、思っていることをそのまま書いているだけにしか過ぎませんが…。」
「現地に暮らす素人におぶさり抱っこをしてもらい、現地からの写真をもとに数分間だけ電話で話し、電話相手に1万円を支払って済ませようというって言われてしまうと、実も蓋もないのですが…。」
「そうでしょ?違うンですか??」
責任者……絶句。
「いや、NHKもご存知の通り経費削減をめざして努力していますので…。どうぞ、お手柔らかに願います」ウンヌンのやりとり15分。
実は、この批判の中で名指しにした番組に、2月9日、声だけ出演する。声だけ出演を引き受けたのは、日本の方々に、オバハンの大好きなパーキスターンを少しでも知って貰いたいと思ったからであって、NHKに対して常日頃から感じていることと、番組に協力をすることとはまったく別物だと、オバハンハ自身は思っている。
たまたま番組を名指しにしたが、この番組に限らず、NHKの持つ体質は、オバハンが思うに日本政府の持つ体質に似通っている。日本政府のパーキスターン被災地支援は被災者に落とす支援金額が僅かでしかない。反して日本人への手当てなどは(オバハンから見れば過剰なくらい)厚くなっている。
番組協力に対する1万円というNHK側の超薄謝には、現地人の1ヵ月分の給料に当たるから、それで充分だろうという発想が見える。また、NHKに出してやるのだから、出させてやるのだから「有難く思え!」とする発想も見える。
NHK局内、そしてそこに関わって働く人たちには、どれほどの高給が支払われているのか?そして経費節減のための努力というものを、局内部でどのくらいしているのか?
現地に、おんぶに抱っこでの経費削減であれば、自分たちの腹は痛まないし、安くて評判のいい番組を作ったと上からは評価されるのであろう、彼ら…。日本政府はがんばっています!とパーフォーマンスの体質と同じと言いたいね。
■□■2007年02月05日(月)■□■
本日は、カシミール・デー(印・パカシミールの統一と独立を願う活動日)だというので、大統領官邸前の大通りなどでは大規模なデモが出るらしく、警官など警備は厳重。もっとも、カシミールの住民が真の解放を願っているのか、また仮に印パ両カシミールが独立したとして、内陸国としてやって行けるわけもないし…などとイマイチ否定的なオバハンだが、でも、街を走る車もなく静かなのが嬉しい。
ここのところ、麻生外務大臣と久間防衛大臣がアメリカのイラク政策を批判している。
心の中では、他の閣僚たちもそう思っているのかもしれない。公職にある外務大臣や防衛大臣の勇気ある発言には拍手する。ただ、もっと早くに「アメリカのイラク(アフガン)政策は間違いだ」と言って欲しかったけど。
スロバキアの首相もイラクから駐留部隊を撤退させ、「イラク戦争は信じられないほど不正義で誤りだった。イラクの民主化について語るのは空想にすぎない」と、辛らつな感想を述べたと報道されている。
塩崎官房長官は、「麻生太郎外相の真意は平和構築のために、日本の知見も使ってはどうかと言いたかったのではないか」と述べたというが、日本の知見ネェ???
言ってはなんだが…。いや、言うまい。またオバハンの独断と偏見だし…。
■□■2007年02月02日(金)■□■
わわわわっ!!もう2月ではないか!!
ここ2〜3日で陽射しも急激に春めいて来たし、朝晩の寒さも和らいだ。世界的にも凄い暖冬らしいが、日本経済そのものは政府が言うほどの暖冬とは言い難いのではないか?多くの国民が「実質生活は以前に比べて寒い、質素」と感じれば、それは暖冬ならずだ…。
柳沢厚労相の不適切発言で、またまた湧き起こる安部内閣への人事不適切問題。これは、きっとどこかに仕掛け人がいるんだな。安部内閣潰しをしたい妖怪が、安部内閣とその周辺を熱心にさぐり、「なんぞ不適切、不始末はないものか?」と動き回っているに違いない。まったく、そうとしか思えない昨今の状況ではないのか?
とにかく、『次に来る政権が、「失敗政権だった。やっぱり小泉でないとダメだ!」と言わせ、小泉待望論の出ることを待っている』と、1年もの前に言っていた議員さんがいたから、その議員さんの言っていたことが当たっているのかも?と、思い始めているこの頃だ。
■□■2007年01月31日(水)■□■
不二家に限らず食品会社には大なり小なりネズミもいるし、ゴキブリもいるだろう。また、どんなに厳正な管理を敷いていても何らかの手落ちがあるだろう…。不二家のドタバタが急浮上、それをオバハンハとても不思議に思っていたのだが、案の定どこかで儲けているやつがいるらしい。
最近は一つの会社、団体、個人、まぁ何でもいいけどイキナリ叩かれ出すのは必ず何かの伏線になっているということだ。報道はそれらを面白オカシク、金と太鼓で報道し伏線が表へ出るための手助けをしているに過ぎない。不二家がゴールドマン・サックスの食い物になった。インサイダー取引だったとする1月14日の『江草 乗の言いたい放題』というサイトはなかなか面白かった。
今、半藤一利という人の「昭和史」を遅ればせながら読んでいる。何故、日本が戦争に突入していったのかを明快に説明しているし、同時に報道の醜悪さも充分に書いている。報道の厳正さは追求されなければならないのに、報道も所詮「売り物」であり、人間が「売れんかな!」で書き散らす無責任さ…。昨今では半官半民の報道局を初め、民報、新聞社への政府の「指導」はどうだ!記者クラブ制度に代表されるよう、そこから締め出されたら充分な???報道が出来ないとばかり、政府の言いなりではないのか…。
■□■2007年01月30日(火)■□■
26日午後、くぐもった「バフッ」という重い音とともにガラスがビリビリ揺れたのを皮切りに、パーキスターン国内ではこの数日間で何件もの自爆テロがあったことか。ムハラム月(イスラーム暦1月)に入って最初の聖なる金曜日(26日)、何事もなければいいネ…と、話していた矢先のことだ。
アメリカの強力な内政干渉でもあろうが、ムシャラフ大統領は、首都内でも2週間ほど前から、幾つかのマドラッサ(イスラーム教を学ぶ学校)などの封鎖に踏み切った。中には空港への道路際にあるからという理由で取り壊すモスクもあるという強硬さだ。こうした強硬手段を採る大統領に反感を募らせるイスラーム教徒は多く、「大統領の命運は長くない…」と言い切る人も多い。
そもそも、10年くらい前まではパーキスターンに自爆テロなるものは存在しなかった。
世界中の情報がいとも簡単に取れるようになったことの結果、一種の流行でもあろうか。昨夜などは自爆テロを行いそうな者を10数人捕縛したといい、市内の商店街はシャッターをおろし、警察や軍による超厳戒態勢に入っている。
■□■2007年01月27日(土)■□■
「不二家が賞味期限切れの牛乳を使って…ウンヌン」というところから始まって、賞味期限切れ食品を使ったとして、幾つかの食品会社やホテルなども槍玉に上がっている…。記載事項(期限など)を恣意的に事実と異なる表現にするのは、確かに問題だと思う。しかし、日本から遥かパーキスターンまでやって来る日本食品の多くは賞味期限切れ、もしくは間近なものが多い。また、貴重な日本食は「もったいなくて」簡単には口に出来ない。結果、冷凍庫や冷蔵庫へしまい込まれることが多く、年がら年中賞味期限切れの食品を食べることになっているオバハンたち。
たまたま不二家などが槍玉に上がったが、「賞味期限」なるものを規定し、あたかも国民の健康を守っているように見せかけている政府の陰で、儲けているのはいったい何処の誰だろうか??地球上で生産できる食べ物には限界もある。それを「賞味期限」が切れた食品だからと、惜しげもなく廃棄する方が罪が重いのではないかとオバハンには思われる。
食品には賞味期限だけではなく、「食品表示」もある。
日本で生きて行かねばならない限り、自給自足の出来る人は一握りもいない。みんなが何らかの形で大量生産され、パック詰めされた商品を買い、食べ、生きている。経済効率の陰で野菜は農薬にまみれ、生鮮食料品は信じ難いほどの添加物が含有だ。多くのジュースには果汁が殆どなく砂糖水だというのに代表されるように、マーケットからの購入品が本当に安心して食べられるものなのか?と、何時も思う。
■□■2007年01月17日(水)■□■
昨日の閣議で総務大臣が「NHKは受信料の義務化を求めているが、(料金水準が)今のままでは国民が許さない」と述べ、NHKに2割程度の受信料値下げを求める考えを改めて示したと報道されている。
受信料の支払いが義務化されると、約1000億円の増収になるというが、昨今のNHKによる番組の低劣さ、やっつけ仕事の粗さ、経費をかけない番組作り、さらには再放送、再々放送、再々々放送、再々々々放送など等による手抜きはどうだ!!
呆れて物が言えない、段階を遥かに超えていると思う。特に20数年にわたりTV取材のコーディネイトをして来たオバハンなどの立場から言うなら、視聴者を馬鹿にし過ぎているとしか見えない。そんな手抜き番組に受信料を義務化したいだなどと、厚顔も甚だしい!
1月4日からスタートしたと聞く「アジアクロスロード」なる番組でも、局側による取材というものは殆どなく、アジアで暮らす日本人に電話でリポートさせようという短絡さだ。話題の提供から何もかもを現地に暮らす素人に負ぶさり抱っこをしてもらい、現地からの写真をもとに数分間だけ電話で話し、電話相手に1万円を支払って済ませようという安っぽい番組らしいが、そんな番組作りがまかり通るのには驚きだ。
■□■2007年01月14日(日)■□■
久々に曇り空、薄寒い。各家庭で一斉にガスストーブを暖房に使うらしくてガスの圧力が低く火力が弱い。調理にも時間がかかるようになって来た。
パーキスターンの人口が世界第6位になったという。僅か30年間で人口が倍になっている。この調子で人口が増え続ければ食料だけではなく燃料、水資源、すべてが枯渇する…。生存のための競争力(国力)がイマイチのパーキスターン、10年後にはどうなっているのか?
日本政府は13日、「国連平和維持活動(PKO)協力法に基づき海外で活動する自衛隊員らの武器使用について、従来の憲法解釈を変更し、自らの身に危険がない場合でも、任務遂行への妨害を排除する場合は使用を容認する方向で検討に入った」と。
キタキタキターーーーーーーーーー ついにキターーーーーーー!
政府は「専守防衛」の線を飛び越えようとしている。
海外派兵される自衛隊が丸腰では…というのであろうが、そもそも自衛隊を海外へ派兵させる時点でおかしかったPKO協力法。「武器使用の対象は、犯罪集団など国の正規軍でないことが明確なケースに限定」とあるが、1つ前例や間違いが起こり、武器使用が報道されてしまうと、人間は慣れてしまうものだから、後はなし崩し的に武器使用がフツーーになっていくのだろう。
日本政府は着々と憲法改正への道に進んでいる、それも猛スピードで。
同じく13日、総務、経済産業、文部科学の各省と内閣府が所管する情報通信や放送行政を統合した「情報通信省」(仮称)を創設する構想を明らかにしている。お題目は「情報通信分野の国際競争力を強化するのが狙い」とあるが、これも報道規制への道に通じる…。国民に「色つき」の報道がなされて行くと見たほうがいいだろう…。
■□■2007年01月11日(木)■□■
晴れた日が続くのは有難いが、放射冷却のせいかマイナス気温日が続いている。45℃にもなる酷暑にエアコンを使わないのと同じ理由で、マイナス気温になる(僅か10日間ほどの)真冬も自室にストーブを設置していない。
今冬のアフガンは寒さがことの他、厳しいという。被災地でも充分な燃料に恵まれているとは言い難い。地球上の資源をも考えれば自分だけが快適に暮らして良いわけはないと、ついつい思ってしまう…。
昨年晩秋だったかに、農水省が海外に、「本物の日本食を世界に広めたい」として「優良店」の指定制度を打ち出し、07年の今年、具体化されるとか。海外の日本料理店で出す「日本食」を選別する制度というが、何をもって本物の日本食というのかの定義も、昨今では甚だ怪しい気がする。
農林水産省の優良店構想には、沈滞する農業を食材の輸出増で元気にする狙い、また日本食には「ヘルシーで高品質」というイメージが定着したらしいことを背景に、「本食材の輸出」ということを検討して強気らしいと報道にあるが、本物の日本食といわれるものを輸入し、使わない限り「優良店」のお墨付きが得られないのだとしたら随分オカシナ制度だ。
さらには海外にある、推定2万5000軒もの日本食屋を相手に、どういった基準で査定がされるのか?
例えば、オバハンの経営する日本食屋では昔風の日本の家庭料理を出している。しかし昨今の若者は、昔風の味付けに慣れないようだ…と、思うのは化学調味料を使っていない味付けを「まずい」と感じるらしい。また、化学調味料てんこもりの市販の漬物などは「うまい」と感じるらしい。
そんな日本人を相手に本物の(と、オバハンが思う)手間暇をかけた味噌や、漬物、豆腐料理を出してもイマイチの反応には、どんな日本食の食材を輸出するのかと、ある意味、笑えてしまう。
防腐剤を一切使わない手間暇かけた「さつま揚げ」「ちくわ」などは2、3日もすれば腐敗を始める。いまや日本食材なるものに添付剤、防腐剤の含まれていないものはない。ましてや長期保存に耐えるモノともなれば、実際問題どれだけの防腐剤や添付剤が含まれているのか。そんな日本食材を使わねば「優良店」なるもののお墨付きが得られないとしたら、ナンセンスしのもの、かえって「恥」ではないのか?
■□■2007年01月09日(火)■□■
年末からネット回線の調子が悪いのか、メールがまったく受け取れていない。この間、メールを下さった方々、オバハンからの返信がない場合は、メールの受信が出来ていないと思って頂きたい!
お詫び!
ついに防衛省発足…。
同時に手廻し良く、日米政府は、北大西洋条約機構(NATO)などとの関係強化を言い出した。NATOは現在、アフガニスターンで活動中。もしも連携強化が進めば、アフガニスターンで展開するNATO主導の国際治安支援部隊(ISAF)などに対する陸上部隊の派遣や財政支援など、日本の関与拡大を求められる可能性が出てくるのだろう。
■□■2007年01月05日(金)■□■
パーキスターンは比較的平穏無事な一年を過ごし、穏やかな年明けを迎えているようだ。2〜3年おきに大事件が起こり、取材の先頭に立ち大翻弄される我が事務所、2007年はどうなるのかと期待半分、恐れ半分。
イスラーム教徒にとっては、1年で一番大切な巡礼最終日の聖なる金曜日に、イラクの元大統領フセインが処刑され、当地の新聞などは翌日1面トップ、中味もほぼ全面が処刑ニュース。翌日もほぼ似たような扱い。
世界のイスラーム諸国ではジワジワと、フセイン処刑に対する反応が起き始めているようだ。何よりもハッジ(メッカ巡礼)の最中の処刑は、アラブやイスラーム諸国の人々の神経を逆撫でしたことと思う。アメリカにもイスラーム教研究機関はたくさんあるだろうし、米首脳部に対しても様々な進言がされていることと思うのに、ブッシュ政権が聞く耳を持たないのであろうか?
■□■2007年01月04日(木)■□■
安倍首相が年頭記者会見で、「憲法改正をぜひ、私の内閣で目指していきたい」と述べているニュースに鳥肌たった…。安倍の言う『美しい国、日本』と、オバハンたち一般庶民の考える『美しい国』の概念の違いでもあろうが、「国際社会で平和に貢献をしていくために、時代に合ったウンヌン…」にまやかしを感じて仕方がない。
憲法9条が改正されれば…。その先に待ち構えるモノはおのずと知れている。
私たち大人は憲法9条を守るために努力をするだけではなく、もっとシッカリと、今の享楽的、衣食住にまつわる無駄の多い生活を改め、若者たちのために安心できる地球を残す義務もあるというのに。
敗戦後の朝鮮特需や経済拡大路線の中で、「消費は美徳」として育った私たち世代が後世に残すものに大きな反省をしなくては…。
■□■2007年01月02日(火)■□■
犠牲祭(イードゥル・アドハー)はイスラム暦(ヒジュラ暦)の12月10日(メッカ巡礼の最終日)に行われる。そもそも、犠牲とは自分の欲望を犠牲にして、アッラー(神)の教えや道に従うと言う意味であり、自分の命さえもアッラーに捧げる用意があることを示す信心だ。神への絶対服従心は、日本人の私たちには絶対、解し得ない。
そんなイスラーム教徒にとって、一番大切な巡礼最終日の聖なる金曜日に、イラクの元大統領が処刑されたのには驚きを通り越し、イスラーム教徒の神経を逆撫でしているとしか思えない。イスラーム国のイラク(クルド人やシーア派住民)がフセイン憎しと言えども、そんなイスラーム教徒の心情を解していなかったとも思われない。
アメリカがイラクの自主的な行動と言えば言うほど胡散臭い。
■□■2007年01月01日(月)■□■
今年は西暦の新年と、イスラームの大祭(犠牲祭)が珍しく重なり、我が家でも2頭のヤギが屠られアッラー(神)に捧げられ、従業員に振る舞われた。本来は3分の1が貧しい人に、3分の1が親族に、3分の1が近隣者へというが、2頭から取れた肉は思ったより少なく、結局は、バケツ1杯分ほどの肉が貧しい人へと振舞われ、残りは全部が従業員へ。ただし知り合いから我が家へ振る舞われた肉の中にはラクダの肉があって、30年目にして初めてありついた肉に、どんな味、食感がするのかと興味津々…。
1985年施行の「国籍選択制度」によって、日本か外国かいずれかの国籍を選ぶよう迫られる重国籍者数が、今年は約1万人と推定されると。この「国籍選択制度」にも長短所、いろいろ入り混じる。何事にも長短・表裏のあることを思えば、単に良し悪しで切り捨てられないが、なぜ2重国籍であってはいけないのか?と、オバハンには不思議でならない。
オバハンが国際結婚をした30年もの昔は、生まれた子どもは父親側の国籍しか取れなかった。それを思うと国籍法は一歩進んだとも言える。しかし、日本人で国際結婚をする人のパーセンテージが5%とも7%とも言われるようになっている昨今、年間出生数を100万人としたら5〜7万人もの「国籍選択者」が毎年のように増え続けるわけだし、今後はさらに増えるのであろう…。
世界には「出生地主義」「血統主義」と国籍取得にはいろいろなルールがある。また国によっては2重国籍を認めてもいる。オバハンは日本国籍保持者であるが、長く暮らしているパーキスターンに日本以上の愛情を感じている。
「国籍」などに拘らず、「地球人であれば良い」とは多くの進歩的な、そしてリベラルな人々の思うところであろう…。
重国籍であることのマイナスは何なのか?