禁無断転載

オバハンからの気まぐれ通信
(2005年06月&07月&08月)


■□■2005年08月15日(月)■□■
厳戒態勢の中、14日のパーキスターン独立記念日が無事に過ぎた。
14日を挟んでの2晩は深夜までアチコチで爆竹がなり、中には賑やかしのためにピストルを空に向かってぶっ放しているのらしい音も混じっていた。何時もの年なら、小型飛行機も降りられそうな大統領官邸前の大通りが、大中小のパーキスターン国旗をはためかせた車で埋め尽くされるのだが、今夏はテロ厳戒態勢とのことで大通りは閉鎖された。

日本も終戦記念日。敗戦記念日といわないところが姑息。
小学生になる姪の子どもたち3人に限らず、今の子どもたちの大半が、そして若者の多くがアメリカと戦争をした事実、負けた事実を知らないことは、「敗戦」をキッチリした事実として知らしめないからだと思う。僅か60年前の敗戦を「口をぬぐって」いるとしか思えないことにオバハンは改めて怒りを覚える。

今春、広島の原爆記念館へ連れて行っていただいた時も、大昔みたいに生々しい気絶しそうな写真が展示されていないのに、大きな疑問を持った。
あまりに生々しく残酷なのは「いかん」からだと。何を言うか!生々しく残酷な現実を注視してこそ「二度と戦争をしてはいけない」と、堅い決心が出来るのでは??戦争に乗じて儲けよう、復興ビジネスがなんぞないかな?とばかり息子はアフガニスターンへ出かけたのだが、廃墟になったカーブルを見て「戦争はいかん!」と、しみじみ感じたと。 あの廃墟を見れば、普通の神経の持ち主であれば、「戦争反対!」を思って当然。
臭い物にフタをせず、事実を事実として知らしめることこそ、本当の大人の使命ではないの?

■□■2005年08月11日(木)■□■
パーキスターンのアジス首相が訪日中。
ロンドンの同時多発テロではパーキスターン人が実行犯、パーキスターンが絡んでいたような報道まであってオバハンは気分を害していた。確かに容疑者の一部はパーキスターン系かもしれないが、彼らはれっきとした英国民だよ〜ン。事件後の調査で実行容疑者たちがパーキスターンへ出入りしていたとか、マドラッサ(神学校)を訪問とか書かれたが、そんなもんフツーの人ならフツーにモスクへも行く。訪パしていながら、もし行かなかったら…、そちらの方がオカシイと思われるくらいだ。イギリス治安当局の意向でムシャラフ大統領はマドラッサやモスクへの圧力を強めているが、おかげでムシャラフは信仰心の厚い人々からの批判にさらされている。
過日もアル・カイーダのナンバー2、ザワヒリがビデオ声明で米英への警告を発したが、その中ではムシャラフ大統領をも名指しで批判していたと。14日のパーキスターン独立記念日は当地でも厳戒体勢が取られるようだ。
サウジアラビアにある米大使館や米国の関連施設は一時閉鎖で、サウジアラビアから米国人は退避になったというし、まったく、ブッシュのおかげで世界は確実に不穏になった。

小泉首相の意固地さも極まれり!
「法案に賛成しない者は敵とみなす」と強硬姿勢を続け、すべての選挙区に対立候補を出すだと!!お友達のブッシュも「自分に味方しない者は敵とみなす」となかなかの強行路線を崩さないが、辛うじて保たれていた世界の治安を不安定にさせたのはブッシュ。日本を強硬な対米従属に引きずり込み、混迷にさせたのは小泉…と、まぁ、お二人には感心させられる。否、感心などをしていてはいけない。小泉は郵政民営化法案に対する自民党内からの声も無視して自滅的な戦略を採り、参院で否決され「解散」!反対派議員らはこの解散を「自爆テロ解散」と呼んでいるというからオモシロイ!!
それにしても、こんな変な小泉に人気??があるのだから…、まぁ目明き1000人、目のご不自由なかた1000人で、仕方ないか!総選挙、郵政民営化に反対した議員さんたちに頑張ってもらいたい。

■□■2005年08月05日(金)■□■
サウジアラビアのファハド国王がお亡くなりになって最初の金曜日である本日は、イスラマバードでも特別礼拝をする。ファハド国王の父王によって建設されたファイサル・モスクはモダーンで従来のイスラーム寺院のイメージから大分遠いのだが、建設されて20年近くもなると、そのモダーンさにもオバハン自身は慣れてしまった。このファイサル・モスクに隣接してイスラーム大学があり、学生はイスラーム圏の国々から、そしてエジプトなどからも有名な講師陣が来ていると評判になっている。911の頃にはこのイスラーム大学もアルカイダの隠れ蓑になっているともいわれたりしたが、最近はいろいろな面での取り締まりも厳しく静かな学園となっている。
が、ここ2年近く前から一般人の男女が「イスラームの経典」を学べる学校(マドラッサ)に入学し、勉強するのが流行っているのには驚いた!それも、欧米帰りのモダーンな人々、あるいは時間もお金もある人たちが教養や人間性を高めるとして、あるいは純粋にイスラーム原理に戻ろうとしての学ぶ動機の熱気に驚嘆する。そこで学んだと言えば、たぶん、このイスラマバードにあっても多くの住民から尊敬されるというか、一種畏敬?の目で見られるのは確か。
オバハンのようにガサツで根気のないものからすれば、幾ら「英語でも学べるのです」と言われても、勘弁願いたいと思ってしまうものだが日本人も2人真剣に学んでいてイスラーム原理の推戴者。
でも、そうした事柄からも判るようにイスラーム化の波は着々と高まっているのだと思う。
エジプトのザワヒリがアルジャジーラTVで、英米への攻撃を言い立てているが、神の御心のもと「聖戦」に赴くものは何千人、何万人と続くことを思いかえすべきだ。

■□■2005年07月30日(土)■□■
ロンドンの同時多発テロ事件。
実行犯はソマリアなどの出身者で、母国での紛争や飢餓から逃れて来た「難民の子」が犯行に走った可能性アリ、と。それなら、ついこの間までの「実行犯は英国籍のパーキスターン人」というのは何だったの??と言いたい。
大体が、テロ直後の発表とだんだん違いすぎていくのも気に入らない。何としても犯人をというのも大いに理解は出来るものの、「怪しきは総て犯人である」式の捉え方であり、その場での射殺も寛容という英米の思考回路にはついていけない。
当初、パーキスターン人が実行犯、自爆テロだと言われ、そのお陰でどれほどの悪名が世界に流れたことか…。「また、パーキスターン人か!?」と。
オバハンがパーキスターンへ移り住んで約30年、この間、パーキスターンの良いニュースが世界に流れたことがあったろうか?
たまには遺跡の発見があった。また、ごく一時期はシルクロード・ブームで賑わったが、それだけでしかないような気がする。パーキスターン政府自身の宣伝下手もあるが、この素晴らしいパーキスターンを世界中が誤解していることに、大きな憤りを感じているオバハン。パーキスターンの何が?何処が素晴らしいのか??とにかく、一度来て見てとしか書きようがないところがオバハンにも情けないが…。

■□■2005年07月25日(月)■□■
何だかんだといいながら、早や7月も下旬。
日本の子どもたちは夏休みが始まり、楽しんでいるのだろうか?パーキスターンは酷暑のため平均して3ヶ月近い夏休みがある。5月下旬からの暑さは勉強や仕事にも差し障るが、今年は曇り空も多く有難い夏だ。

さて、日本は環境への思いやり?から、省エネに取り組むとしてクールビズたらいうネクタイなしの涼しげ風な服装を奨励。エアコンの温度を下げすぎないようにとの配慮らしいが、成果は上がっているのだろうか?いつもTVに映っている政府首脳の多くはネクタイなしだが、取り巻く護衛官や事務官は全員がネクタイ着用だ。法務大臣ドノは、「私は普段からネクタイを付けませんから、どうしましょう?」的なピント外れ発言をなさっていたが、どうもされる必要はない。省エネや環境への影響を考えてのクールビズなのだから、声高に「エアコン使用を控えろ!」と言えばいいのだ。クールビズたらいうものがどれほどの環境保護にプラスするのか?
でも、まぁ、何でもやらないよりはやる方がいいし、政府首脳が本格的に環境を考え取り組んで欲しいとは念ずる。

ロンドンやエジプトでのテロ。
いずれにもパーキスターン人が関係しているとして、ますますアメリカなどからの締め付けが厳しくなっている。7月19日からは警察がイスラーム過激派に対する一斉取り締まりを全国規模で実施、イスラーム聖職者や宗教学校の学生(経典を学ぶ者は全てタリバーンと呼ばれる)を300名以上逮捕したと。
ムシャラフ大統領はTVを通じて国民に、「テロとの闘い」を最重要政策の一つとして、今後さらに過激派に対して厳重に対処していくと表明している。まぁ、「テロとの闘い」が今や世界で最重要政策であることは解るが、締め付けて解決出来るものではない。民意を汲んでの上手な懐柔作戦はないものか??
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美味しい岩塩を送った方からの返信。
「岩塩を砕いて料理や友達に少しずつ送ってあげようと、彼に『ちょっ とだけ砕いて』と頼んだ所、いつもなら黙ってやってくれるのに、今回は、口をヘの字にしました。つまり『いやだ』の意思表示です。よっぽど、気に入ったみたいです。
改めて、お礼を言います。有難うございました。
それから、添付されていた手紙にホームページのアドレスがあったので私のメッセージボードに写真を入れて、そこのサイトと、オバハンだよりをリンクしました」と。

■□■2005年07月22日(金)■□■
イスラマバードの目抜き通りにはヘルメットをかぶり、楯を持った警察官がわんさか!
ロンドンの同時多発テロに発して、ムシャラフ大統領はアメリカやイギリスの「ご意向」を受け、国内にあるモスク(イスラーム寺院)やイスラームを教えるマドラッサを強制的に捜査したことに対しての抗議デモ。今回だけではなく、911以降、ムシャラフ大統領は宗教界を押さえつけるべく、努力を重ねて来た。強権を発揮し圧力を加えれば加えるほど、民衆が反発をい抱くのは当然ではないのか?
この間も畑からの帰りに大統領の車列とすれ違ったが、大統領車とまったく同じ防弾仕様の車が5台。それ等5台を取り囲む護衛の車、救急車、消防車、パトカー、白バイなど等が1km以上の車列で空港へのハイウエーを疾走して行った。早い話が影武者だけで4〜5人はいるのだろう。大統領が防弾仕様の車に乗っているのか?それとも後ろを走る消防自動車にでも乗っているのでは??などと考えたオバハンだが、これからはますます命を狙われる存在になろう。
そして金曜バザールへ出かけたら、黒のロングコート(ブルカ)が数件の店にズラリと吊るされ並んでいる。地方都市や田舎では普通に見かける黒衣が、この首都イスラマバードにまで並ぶようになったのか!!先週は見かけなかった黒衣の吊るしに何となく「イスラーム化が進んでいる」との印象を受けた。帰宅し、息子に聞くと、「イスラームへの締め付けが厳しくなった分、宗教指導者たちの活動に激しさが加わって当然ではない??かえってイスラーム化して来たと思うヨ。昨秋の国政選挙で宗教指導者たちが一挙に50議席も取ったのが証拠だ」と。

ロンドン多発テロではパーキスターンが揺れそうだ。
「アメリカに見捨てられても困る、攻撃され占領政策を取られたらアフガンと同じになる。我々の行く末はイランと同じく宗教指導者たちに牛耳られるのでは??」などとした意見もあって、心あるパーキスターン人たちは不安がっている。
なお、ロンドンのテロは謀略だという話が当地では早くから、もっぱら。
7月19日の田中宇の国際ニュース解説「★怪しさが増すロンドンテロ事件」http://tanakanews.com/をご参考にしてみてください。

■□■2005年07月22日(金)■□■
金沢の山田さんよりメールをいただいた。

「やっぱり送ってくれちゃったんですね!!びっくりです。写真添付します。
4.7kgもありました。すぐなめました。

この暑さで、夏ばて回復の一役買いそうです。それで、写真撮る時に、今朝、近郊の農家から野菜を売りに来るばあちゃんから仕入れた、枝豆と茄子を一緒に撮りました。 ビ−ルが好きな人には、たまらないワン・ショットです。

付いていた案内に、鉄分がこの塩の場合約700倍(?)含有している…とありました。ウワーッて改めて、感動。でも、日本にパキスタン岩塩の取り扱い店があるなんて!とにかく、鉄分ミネラルそして、近代の公害とは、無縁のミネラルあふれたお塩を食せるこの幸せに、本当に感謝です。」
パーキスターンのパハール岩塩

■□■2005年07月18日(月)■□■
6月30日のクイズの答えを、金沢の山田さんからいただいた。正解!
「キャベツや、白菜、レタスの中にアヘンの塊を置き、野菜たちがアヘン塊を自然に巻きこんでしまう」という、気の長い方法で麻薬業者はブツを運ぶのだ。

山田さんには、世界一おいしい(と、オバハンが思っている)、美しく澄んだ薔薇色の「パハール岩塩」 の塊をお送りします。室内デコレーションにもなり、岩塩が放つイオン効果によって身体にも良いと言います。どうぞ、お楽しみ下さい。

現在、私たちが口にしている食塩は殆どが化学塩。四海を海に囲まれた日本にいながら、昭和47年に施行された塩田法によって海からの塩を自由に作ることが出来なくなり、以来、私たちの使う塩の殆どが化学塩になった。天然の塩ではない化学塩はミネラルがゼロ、高純度の塩化ナトリウムで食べられはするが本来は食品とも言い難いものだ。知っていました??
人間はもちろん、あらゆる動物は大自然からのミネラルを摂らねばなりない。世界最大級の埋蔵量を持つパーキスターンのパハール岩塩には、そのミネラルが豊富に含まれている。

<パハール岩塩>
約6億〜4億年くらいの大昔、カンブリア紀の海水が陸に閉じ込められ結晶(化石)化して出来た天然の岩塩です。現在、国内販売されている天然塩や岩塩とは一味違い、海水の化石の岩塩で、恒久の年月を経て地球が作り上げた天然の味だといいます。

■□■2005年07月17日(日)■□■
日本は梅雨明けというのに、こちらはモンスーンの真っ最中。毎朝のように降る雨の酷さ。カラコルム・ハイウエーも数ヶ所にわたって土砂崩れというから、難儀なことだ。
しかし、雨のおかげで空は厚い雲におおわれ陽射しも弱く、庭木が生き生き艶々さを増している。5年前に植えたガジュマルの樹や、一叢の竹林が勢いをつけている。日本なら筍の季節は短いというのに、当地では6月半ばから9月いっぱいくらいまで筍が楽しめる。灰汁の強い筍だが根気良く、とにかく10回以上茹でると美味しく食べられるので、食感を楽しんでいる。特に筍のカレーの美味しいこと!!

ロンドン地下鉄などの同時多発テロで、実行犯の3人がパキスタン系などと発表され、またまたパーキスターン人が恐ろしいように宣伝されてしった。何処にでも過激な人間はいるのに…、ことさら「パーキスターン系」を強調する必要もなかろうと不満を感じる。パーキスターンには温和で素晴らしい人がたくさんいる、むしろ最近の日本のように「理由のない」事件を起こす人がいないという点では、安心出来るくらいだ。こちらの事件には、明確な理由が必ずある。社会は日本より遥かに健全だとオバハンは何時も以上に感じている。その、健全さが日本(世界)へは通じないので、オバハンは歯がゆい。

■□■2005年07月15日(金)■□■
先日も、某大学から相談を受けた。
文科省からの『バーミアンの…生活改善調査』に予算が付いたが、現地は危なくて?入れないから、パーキスターン国内で会議をしたい、ついてはアフガン人や難民キャンプを紹介して欲しいと。自然環境も社会環境も余りにも違いすぎるバーミアンとパーキスターンだとオバハンは思うのだが、日本の学者サマから見れば大して違いはないらしく、研究が可能らしい…。衣食住、いかなる改善も学者サマが研究・ご指導をなさるより、彼ら自身が自活でき経済的なゆとりが出来れば、そんなもん勝手に改善出来るワ!!と、オバハンはこれにも怒りを隠さない。まずは、何事にも経済的基盤と余裕だろう。そうした研究も何処かで何時か実を結ぶのだろうが、そんなことより実質収入に結びつくことを考え、実践せよと言いたい。
日本政府は『バーミアン』とさえ名前が付けば何にでも予算をつけるのか??アフガン国内の山村中、バーミアンほど水に恵まれ豊かで、かつ現金で潤っているところはない。山村の小学生でアイスクリームを舐めながら、また買い食いしながら下校出来るのはバーミアンの子どもたち(一部にしても)くらいかもしれない。
日本政府は、我々の税金を惜しげもなく復興支援金として海外へ出しているが、「予算が付いたから消化しなければ…」式の復興支援活動が、実質、どれだけ人々の役に立っているのだろうか。そんな、プレゼンテーションが上手いだけで、実質のないものに金を出すより、命と直結している巡回医療や住民の経済的基盤を充実させることにこそ、予算を付けるべきではないのか!

■□■2005年07月14日(木)■□■
在アフガニスターン日本大使館の「草の根無償資金」への申請書を出してみたら、本当に必要としているプロジェクトには資金を出して貰えない。
オバハンたちがプロジェクトを展開している地域は、東京23区くらいの広さに約7000人130ヶ村が点在して暮らしている。そこだけが特別に人口希薄なのではなく大都市と、そういう場所にクッキリ分かれているのがアフガンだと表現するのが適切だろう。
アフガンの山村に診療所を設けても、交通手段がない中では診療所へも簡単には行けない。巡回医療チームが来ていると聞いて、半日もの山道を歩いてくる人も稀ではない。娘は小児科医であったが、目の前の患者を治療するのでは追いつかない、それよりも予防医学を目指すべきだと、公衆衛生の専門家に転進した。巡回医療ではそうした予防医学を踏まえて活動したいと思うが、「今までに実績のある診療所を充実させる費用なら出せるが、巡回医療用に車両だけというのは出せない」と。「草の根…」では、現地スタッフの人件費はダメ、消耗品もダメと規定がある。オバハンたちも人件費や医薬品、消耗品代を「草の根…」から出して頂こうなどとは考えてもいない。むしろ、出来るだけ予算を絞って車両のみを申請してみたら、「予算としては少な過ぎる。車両はどんなふうに使われるか判らないから」からダメだと。予算として少な過ぎるからダメだとは何たる言い草!馬鹿にするな!!と言いたい。山村にとっては巡回医療がいかに待たれているか、また、予防的指導が如何に大切か!!
首都カーブルの現状すら知らない大使館員どもに何が解るか!と、オバハンの怒りはおさまらない。電気が普通にあり、エアコンが効いた中で働く大使館員どもの現状知らずな状況には、ただただ腹が立つ。

オバハンたち『アフガン難民を支える会−SORA』のメンバーは、全員が自腹を切り好きで活動しているし、現地への支援金は多くの方々からの善意で成り立っているから無駄な経費は一切省いている。ましてや海外で英気を養うどころか、気温が40℃になっても事務所には扇風機すらない。
大使閣下は、そうした環境下でも支援に取り組んでいる小さな団体がアルとはご存知もないし、国際的な機関やJICA、天下の大NGO以外は数に入れておられないとお見受けする。邦人懇談会には我々のような団体も混ざっていることを認識し、現地事情をもっと把握し、小さな団体もあるという認識の下に言動してもらいたい。涼しい顔をして海外へ行き、リラックスできるのは日本政府からの恩恵を受けている団体だけだ(団体が悪いのではなく、認識の欠如している人を批判している)。

■□■2005年07月13日(水)■□■
ロンドンの地下鉄爆破テロを受け、日本も厳戒とのニュースを見てオバハン自身は日本が『参戦国』であるとの思いを更に強くしたのだったが、カーブルでの事務所スタッフたちも、「最近の日本はどうなってしまったのか?」と案じている。何でも当然のようにする米英追随ではオカシイし、危ないと言うのだ。海外で見る英語ニュースでは自衛隊の表現は『日本軍』だし、イラクやアフガン、もちろんパーキスターンを初めとする諸外国も、米英に追随した日本軍が占領支配の一端を担っていると見るのは自然の成りゆき、不思議ではない。
ぬるま湯的な生活の日本国内では感じられないことをアフガンやパーキスターンでオバハンたちは日々、感じ案じてはいるが、HPで騒ぐくらいではなんとも如何せん。日本の報道では取り上げられていないが、アフガン国内では大分前から日本(日本人)はれっきとしたターゲットとなっている。オバハンたちの事務所の看板も再び下ろされたし、なんとなく緊張が続いている。

そんな中、『怒りのアフガン』ならぬ、久しぶりに不快感でブチ切れた!!
『アフガン難民を支える会−SORA』を立ち上げて以来、オバハンは『会』に迷惑をかけてはいけないと自重し、書きたいことも書かないで来た!!もちろん言いたいことも色々我慢をして来た。だが、今回はカーブルでの話などを思い起こすと不快感で寝られず、年甲斐も無くはらわたが煮えくり返っている。

アフガニスターンの日本国大使館ではNGO懇談会?とやら称して、月に1度程度の集会が在留邦人を対象として開かれている。人の集まるところが大嫌いなオバハンは出かけたことがない。だが代理で行った者の話によると大使閣下からは、「カーブルでの生活(活動)は自由に外へも出られず、皆さんストレスも溜まることでしょう。出来るだけ休暇の折には海外へ出かけ、羽を伸ばしてリラックスし英気を養って来て活動に励んで下さい」など、涙がでるような暖かいお言葉を賜ったと。
また、在留邦人を統括する領事班長殿は、オバハンたちの事務所を指して、「へえ〜!?市内にまだ電気のない地域があったのですか?」だと。オバハンの認識によると電気のある地域は昨年に比べて増えてはいる。しかし、まだまだない地域の方が多いと思うし、電気をふんだんに使える生活が如何に恵まれているか、彼ら日本人たちの現状知らずが甚だしいと言わざるをえない。

■□■2005年07月08日(金)■□■
直った!直った!!
海中ケーブルの壊れていた箇所がわかって、ようやく国際電話回線が順調に使えるようになった。直ったのが夜になってからだったので、もうインターネットを繋がずに寝てしまったが、これでニュースにも接することが出来るし、つかえていたものがスッキリ。

ロンドンの同時多発テロで、東京にも注意喚起。
テロへの対策や警戒は、今となっては物凄く必要だと思う。しかし、米英と足並みを揃えイラクへの派兵、またアフガンでのオペレーションを続行する米英への給油にいまだにアラビア海で自衛隊が補給活動をしているなど、イラクやアフガンへの支援とはいえ、それは英米や日本の立場でしかない。当該国からすれば、解放軍ではなく占領軍としか見えない事実に我々は気づくべきだが、いったい何時になったら「日本が参戦」している現実に気づくのか??
「参戦国」が報復されても仕方があるまいに…。

■□■2005年07月07日(木)■□■
七夕。
今から25年前、オバハンはパーキスターンへ移住して民宿と旅行会社を開いたのだが、その折、初めて受け入れた日本からの登山隊の3名が、この日にセラック崩壊(氷の雪崩)で亡くなっている。25年前の七夕の夜は蒸し蒸しと暑く、雲が厚く、2階のベランダから子どもたちと共に見上げた空には星の一つも無かった。毎年、七夕になるとあの蒸し暑さと共に忘れられない重い記憶が戻って、彼ら3名の冥福を祈る…。
今年も次から次へと登山隊が山へ向かっているこの時期、残雪の多さと氷河からの融水、それらが引き起こす雪崩を案じている。

ロンドンの地下鉄駅などでテロ。アルカイーダが爆弾テロの犯行声明を出したとか。昨年のスペインでの鉄道爆破の折にも、アルカーダは犯行声明を律儀に出していたと記憶する。種々、他のテロや誘拐、拉致でも律儀に犯行声明をだしているのに、911多発テロでは犯行声明が出ていなかったという記憶があるのだが…。
それはそうと、小泉も、町村外務大臣も「イギリスの首相ブレイアの声明に対して支持をする」と、毎々、気軽に声明文を出しているが、ブッシュやブレイアの言うことなら、何でも支持するというお手軽さにウンザリしている。いつも書くことだが、こうして世界中にテロがばら撒かれるようになった根源を常に考えねばならないと思う。
イラクやアフガンから多国籍軍が1日も早く撤退してくれることを、国の主権は(我々から見て頼りなく、不安定に思われても)その国の国民によって決められるもので、他国によるものではないとしみじみと思う。

■□■2005年07月03日(日)■□■
未明に2日続いての雨、おまけに高曇りできょうも35℃と、とても涼しい。
高温に身体が慣れてしまうと、45℃から35℃に下がると「涼しく感じる」のだから「順応」とは凄いことだと思う。神アッラー(大自然)のなし賜うことは偉大なり!モンスーンの始まる前は、開封して湿らせてしまった昨年からのアラレやオカキ、せんべいがカリカリ・パリパリによく乾いた。アフガニスターンなどは湿気が10%以下と凄いので、時々は湿らせてしまったアラレやオカキを(もったいながりのオバハンは)乾かして食べようとイスラマバードからカーブルへ運んでいる。
四国、中国地方の大雨は凄いが、こちら砂漠の国パーキスターン(パンジャーブ州)でも洪水。大体が降雨対策というほどのものはなく、大都市の一部以外は降った雨が地面にしみ込むのを待つのが普通。大雨になると通勤バスやスクールバスも走れなくなって、臨時休校も珍しくはないし職場に出て来られない人も出る。また、冬場の大雪が融け流れ出て、インダス川の下流域では現在20万人が被災中。

国際電話回線の修理が遅々として進んでいない。
後3日、後1週間、後3日と、もう何日間、国際電話回線が使えない(回線が物凄く少ない)ことか。電電公社が民営化に反対してスト、修理の人もいないというので海中ケーブルを修理するエンジニアが海外から来て海中ケーブルを引っ張り上げてはチェックしているというが…。

■□■2005年07月01日(金)■□■
いよいよモンスーンの始まり。
未明、飽和状態にまで達した湿気が賑やかな雷鳴とともに土砂降りとなって滝のように落ちて来た。風も台風並みに吹いて背の高いユーカリ樹が枝を上下左右に揺らし轟々と音を上げている。しばらくは夢うつつで聞いていた風の高鳴りだが、フト気がついて雨の吹き込みを心配し、屋上の重い鉄製のドアを閉めに走り上がった。
実はオバハンは物凄く怖がりで、中でも正体のないお化けとか幽霊が大嫌い!!
なのに、屋上へのドア横にあるガラス窓まで行くと、びっしょ濡れの髪の毛を顔に張り付かせた男の首から上だけが突然、稲光で浮かび上がりスーッと消えた!!ギャワ〜ッ!!
アワワワワ…深夜2時半丑三つ時というのか、そんな時間にビショ濡れの男??
もしかしたらオバハンの見間違いかも??
オバハンは勇気を出して窓ガラスの前で2度3度と身体を左右に揺らしてみたが窓ガラスには何も映らない。
寝ぼけているのか?勘違いか、躊躇しているうちに背筋一瞬ザワッ。再び恐怖がのど元までせり上がってギャワ〜ッ!
しかし…正体を確かめずにはいられない!!
重い鉄製のドアを必死で開けようとしてもドアはビクとも動かない。渾身の力を振り絞っても動かない。よく見れば内側から鍵がかかっているではないか!!では、外に見えたような気がしたのはやはり勘違い?否、確かに男だった!
階段を駆け下り、1階の踊り場でアワワワワ…ワ震えながら混乱した頭を必死で廻らせる。ヨレヨレしながら当直番を起こしに行くと…、いない!当直番がいない。さては屋上の主は当直番らしいと気がついて、ようやく気分がおさまったものの、本当に怖かった。当直番も、あまりの雨風に屋上がプール状態になり、屋内に雨が伝わらないかと、ズブ濡れになりながら屋上チェックをしていたという。鍵は怖くてよく見えていなかったみたい。
オバハンには最近刺激が少なかった。
当直番にオバハンはボーナスを上げることにする…。

ニュースでは「食品の産地表示を明確にするよう」との通達が厳しく、スーパーなどで抜き打ちの検査などをしているようだが、ナンセンスも極まりない。抗生物質などの薬をてんこ盛り使った養殖の鶏、魚、農薬まみれの野菜や果物、保存料や添加物、着色料満載の食べ物。日本国内で生産するよりも安いからと海外からの輸入にたよって、日本の農業政策誤っておきながら、さらには日本国民の健康を充分損ないながら、何を今さら産地表示かと片腹痛い。
旱魃、大雨、いかなる自然災害時にも日本政府には国民を飢えさせないための対応策があるのだろうが、「食べられはする」けれど、「害があるもの」では何の意味もない。
便利ではあるが、将来的に健康を損なうものならどんなものも政府は許可してはならないと思う。オバハンはニュースを見ながら、きょうも政府のやり方に悪態をついている。

■□■2005年06月30日(木)■□■
2005年も半分が終了し、夏至も過ぎたのでこれからは日に日に陽射しも短くなっていく。
夏至、1年中で一番陽射しの長い頃が1年で一番の酷暑。夏至が過ぎた途端に暦は正直に暑さをやや、和らげてくれた。暑さに強い人々が住む、このパーキスターンでも、10日間あまり前項規模では、いったい何人の人が亡くなったことか。とにかく、暑さが厳しくパーキスターンではジャガイモやトマト、タマネギ、キュウリ、なすなどの野菜しか見られなくなってきたので、この間はカーブルから15個ものレタスを買い込んできた。高原都市のカーブルではまだまだシャキシャキのレタスが出回っているからと。

ところが、カーブル空港で引っかかり、1枚1枚葉っぱをむしられた!!レタスや白菜、キャベツなどは麻薬運びの方々が好んで使う小道具なんだと!
さぁて、どうしてでしょう??
判る方は回答を7月10日までにお寄せ下さい。当たった方3名(大盤振る舞い!)には、美味しいパーキスターンのパハール岩塩を1セット差し上げます。オバハンには想像もできなかった方法で麻薬が運ばれていた驚き!もしかしたらオバハンだけが知らなかったのかもしれないけれど…。

6月10日頃から、当地の電電公社が民営化反対ストライキに入ったとかで、日中の電話回線の悪さったら表現に困るほど。もうメールの送受信は出来ないし、何かしら送ったはずのメールが相手に届かないことは夥しいし、相手方からのメールも当然うまく着信してくれない。
電電公社の表には楯をもった警察が警備、中には軍隊が駐屯しているという。軍隊には電話の回線を何とかする術もないようで、それを求めるオバハンも酷かと我慢しているが、フラストレーションは溜まりまくっている。

■□■2005年06月27日(月)■□■
ううぅ〜暑い!日本も暑いと聞くが、こちらも連日45℃と暑い!
自衛隊が活躍??するイラク、サマーワでも連日45℃にはなっているのでは?
その上、暑さに加えて自衛隊を狙ったらしい爆発物騒ぎもあり、また駐屯する世界中の軍隊から「イラクは戦闘状態にある」と、はっきり言われているにもかかわらず、小泉首相や大野防衛長官は自衛隊を撤退するどころか、アメリカの要請により、さらに延長するかもというではないか??
確かにいつの時代にもエライ方々は、命にかかわるような悪条件から回避できる場所にいて号令を発して来た。それこそ、下々の思惑や生きるための必死さなど知らずに一生を終えるのであろう。それだからこそ、官邸や国会内でネクタイなし、省エネなどと悦に入っているエライ人にはむかっ腹が立つ。2-3日でも良い、冷房もない中の45℃で動いてみろ!と、オバハンは言いたい。連日の45℃がどんなものかを自分自身で体験してみろ!!
実は、オバハンも今夏は暑さにへばった。60年余、夏バテ知らず。365日何でも美味しく食べられる「お口」を持っているのが自慢だったのに、くやしいけれど今夏は3日間も食事が美味しく食べられなかった…。知り合いの看護師に「年々、歳を取るのですから…」などと言われて、それにも傷ついた!!

天皇両陛下がサイパンへ慰霊と花を供えるため行かれたと。
同行した団体の代表ともみえる一人が、「これで、戦後60年の区切りがついた。散華した霊も慰められた?霊も喜んでいるでしょう」などの意を述べていたが、ド阿呆も甚だしい!!!建前論とは解っていても胸糞悪い!!遺族の誰が、心から「慰められた」などと思っているか!!心から両陛下が慰霊のために訪れられたとしても、あの代表者の白々しい建前論で台無しになった感じ。
小泉の靖国神社参拝は、自衛隊々員がイラクで殉死(散華)した時のために、天下晴れて堂々と靖国に祀りたいとの思惑をかねているとしか思えない。小泉などの靖国参拝は慰霊だけのためではなく、あくまでも慰霊にことよせた「戦争肯定」でしかないと、オバハンには思える。
今夏も敗戦記念日がやって来る。改めて戦争反対を声高に言いたい。

■□■2005年06月25日(土)■□■
16日に乾燥して涼しく快適なカーブルからイスラマバードへ戻り、翌々日から世界で9番目だったかの8000m峰ナンガパルバット(8126m)の山麓へ出かけていたが、ようよう昨日帰って来た。ここしばらくは事務所で少し落ち着きたいところだが、イスラマバードはモンスーンが始まったらしく、ベタベタ暑くて爽やかさから程遠い。
なにしろ外気温は46℃にもなっているし、湿気が多くて風呂やシャワーが大嫌いなオバハンでさえも、何度も水シャワーを被りたい。ウゥ〜たまらん、たまらん。ナンガパルバットはヒマラヤ山脈の西端にあり、山麓のメルヘンビーゼ(妖精の森、おとぎの森)はヒマラヤ杉や松の大木におおわれ、空気がしっとりして乾燥したカラコルムとは一味も、ふた味も違った素晴らしい地域だ。何よりも日本から一番近い8000m峰だから、山に興味のある方は是非、一度おいで頂きたい!!

とにかく山々は例年の5月初め状態。今冬の多積雪が、この酷暑で一気に融け出しインダス川は濁流で川幅いっぱい。ギルギットの街の一部は洪水になり、軍隊がレスキューに出ているとか聞く。アフガンでも同じように山々から近い町や村では洪水となり、死者がでていると聞く。自然の災害をも含めて、「治安」というのは国(政府)によってコントロールされるべきだと、しみじみ思う。
8月半ばから10月上旬まではアフガニスターンはさらに治安が悪化するし、オバハンのアフガン行きも来月上旬以降は、秋の取入れまでお預けになりそうだ。

■□■2005年06月02日(金)■□■
この冬からメールの送受信状態が物凄く悪い。
用事のある方は再送して下さったり、改めてのお問い合わせでオバハンのメールが相手に着信していないと判明。同様に、こちらから送信しているパーキスターン便りや、アフガン便りの多くも相手には届いていないようだ。オバハンからの『アフガン便り』を受信できていない多くの方々にお詫び!!
かっては国際電話をかけるにも電話局へ行き、並んで順番を待ってかけた電話。またFAXなるものが登場した折にも感動したが、やはり送受信にはプロブレム続きだったパーキスターン。いずれも、その当時を思うと隔世の感ある便利な世の中にはなったが、通信事情そのものが確実になるのは何時だろう?メールに関しては、きっとサーバーが悪いのだとは思う…が、今週もサーバーがダウンのまま既に6日目になる。
とにかく一旦、便利さを知ってしまうと反動で、その不便さも大きく感じる。

日本政府は環境保全、地球上の資源を守る、省エネの推進とネクタイなしを推奨。
今頃、思いたったように号令をかけて、アホかいな!!と思うオバハン。前にも書いたが、オバハンは内閣府募集『2005年 生活達人』にケチケチ生活を書いて選ばれた。ケチケチを恥ずかしいと思ったことはないし、40℃を超える酷暑の中でもエアコンの不使用を率先している。酷暑に抵抗して我が体力気力を試す、そのサドマゾ生活もまた楽しい!そのためには(ネクタイどころか)下着もつけないで、ひたすら涼しく!を心がけている。
消費経済がもてはやされた頃であれば、オバハンなどケチケチ生活者は国賊モノであったろうが、今となっては「生活達人」だって!!
まぁ、日頃から熱しやすく冷めやすく、また飽きっぽい日本人の多くが、何時まで省エネ生活に取り組めるのか??
内閣府が選んでくれた、生活達人。以下、そのオバハンの生活達人ぶり…。
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若い頃は山登り一途、究極の山登り(と、自分が思っているだけ)は、無駄なものを省くところから…というので、無駄なモノを持たない習慣が身に付いた。山には軽量で行き、身体への負担を減らして余裕を楽しむ。その習慣の延長で、生活必需品も「食べるもの」以外はほとんど買わない。子どもの服や下着に限らず、欲しいものがあれば「お下がり」を求めて「ダメモト精神」を発揮、友人たちに回状を出す。下着も洗ってあれば汚くはないし、どこの家庭にも余っているもの処分したいものが必ずあるはず、それを貰ってあげるのも親切というもの。そうした生活を今も合理的と自負しているので、他人のお古を恥ずかしいと思ったことは一度もない。むしろ形あるもの、まだまだ使えるものを最後までキチンと使い切って、その物の存在を全うさせたと誇らしくさえもなる。かくして、靴や服や化粧品は買ったことがなく、服は常に洗いざらしで顔はスッピン。歯を磨くのにも歯ブラシを使うだけで歯磨き粉は使用せず。昔は石鹸で毎日顔を洗うことも、風呂にも毎日入らなかったはずと考え真夏以外は風呂も1週間に1度。親子で冬も半袖Tシャツ、衣服は最低限の枚数だけ。おまけに靴下を履かないことで洗濯用水も洗剤も自然に倹約。さらには、楽しく遊ぶためにはまず健康。酒もタバコも嗜まず、トレーニングを兼ねてテクテク歩く生活優先。経済的に余裕のない者こそは保険加入が必要と、それにだけには入って精神的ゆとり。

とにかくあらゆる無駄を省き、毎月幾らで暮せるものかを友人と競う、楽しいゲーム生活10年余り。でも貯めるだけでは単なるケチで気分がギスギスするとメリハリをつけ、好きなこと(山登りやトレッキング)にはお金を消費、ついには生活費が10分の1で済むパーキスターン(カラコルム山脈がある)へ移住。パーキスターンには先進国からの古物が滝のように流れ込み、バザールでは古着、古靴、古下着、布団に毛布、中古家具、とにかく捜してないものはなく、売り手との丁々発止も面白く、毎週のバザール漁りは「儲けた気分満喫」で最高!

こうした若い頃からの生活習慣によって、計算上では30年で3000万円の無駄が省けた。資本主義経済、消費経済にはまったく参加して来なかったが、その恩恵だけは充分に受けたので、まだまだ使える「いろいろなモノ」をこれからも大切にし、地球上の限り有る資源を少しでも後世の人のために残すとともに、楽しいケチケチ競争会の会長でも努めたい。