禁無断転載

オバハンからの気まぐれ通信
(2005年01月&02月)


■□■2005年02月28日(月)■□■
「日本放送の株保有者を守るために!」だって…。
それにしてもフジTVは堂々と良く言うよなぁ、真面目に言うところが凄い。
株保有者の中には、(乗っ取りを企んだから)ライブドアは入らないらしい。経済や株やのこと、会社経営についてはチンプンカンプンのオバハン、もしかしたらフジTVが持つ感覚の方が正しいのかもしれないと思いつつも、金で頬っぺたを叩くやり方には不快でならない。系列会社を守るため、またフジTVの経営に口を出されないために、ライブドアの堀江社長を排除する。あんな生意気なヤツに乗り込まれたくない、大嫌い!だからって正直に言えば良いのに。まぁ、ハッキリ言っているのだけれど…。西武も外からの影響を排除したいがために、自分たち堤一族で株を押さえていたというし、そこまでして護りたい会社なら何人もの人が言うように上場しなければ良いだけだ。
さてさて、どうなることか?
これらの現象は単に大会社の傲慢なやり方というだけではなく、日本社会の持つ金持たちの習性でもあるけれど。

■□■2005年02月27日(日)■□■
日本地理学界の調査では「4割強もの大学生や高校生がイラクの場所を知らない」と発表。TVや新聞で3年近くも報道され続けたイラク、それにも関わらずだ…。学校で地理が必須になっていないから、知識がついていないと地理学会はいうが、それだけではあるまい。早い話が自分のこと以外に関心がない証拠だろう。一昨日もイランで地震があった、先だってはインドネシアのアチェを中心に33万人からが亡くなる地震と津波。イラクやアフガンへのアメリカによる攻撃、それには結果的に日本も参戦したなんて意識もなかろう。「参戦」という単語の意味を若者は理解できていないかもしれない…。

先日、民放ではない放送局、すなわち日本帝国の大本営発表しかしない不公平報道に明け暮れるTV局が、韓国の徴兵制について放映していた。現代っ子の代表ともいうべき、弱々しくも見える韓国人の若い男の子が、2年間の徴兵義務に行く前後を追っている番組。その中で徴兵義務の意義や、徴兵に行って帰って来ると見違えるようなシッカリした人間になって来る?というような番組で、日本人に対する「徴兵制」への刷り込みが始ったと、オバハンは見た。
たまたま一緒に番組を見ていた息子の反応は、「徴兵制は悪くない」というものであったから、大本営の意図は報道を見た若者にシッカリ伝わっていると思う。少なくとも何%かの人間は、息子と同じような反応をしたことと思うし、この徴兵制に至るための「刷り込み」報道が何回かあれば、だんだんと洗脳される人は増える筈だ。それほど、この韓国の「徴兵制問題」は、現代っ子の若者を中心に明るく作品作りがなされていた…。
自分のことにしか関心のない日本の若者の周りでは、着々と「怖い布石」が政府によってなされている。学校で地理を!というより、大失敗だった「ゆとり教育」の反省をし、子どもや若者に対する大人の関心、普段のお節介も喚起すべきではないのか。

■□■2005年02月26日(土)■□■
あぁ、いよいよ2月も終わりというのに、未だにアフガニスターンやパーキスターン北方地域の天候は悪く、相変わらずのフライトキャンセルが続いている。いったい、いつまでこの荒天雪空は続くのか?幸いイスラマバードは晴れ間を見せる時間が長くなって来た、また気温も緩み最低気温が初めて10℃にはなったが、例年からは比ぶべくもなく低温。地球は温暖化に向かって進んでいるというが、一説には氷河期へ入ったともいうし、今年の天候をみているとさもありなんと思える。

本日のギルギットは、先月、殺されたシーア派指導者の40日目にあたり特別弔祈集会。そこへスンニー派が報復とばかりの行動で撃ち合いになったと。村人は通りどころか家から一歩も出られない状況という。
昨年のこの時期にはギルギットで杏の花が見られたというのに、自然も人間関係も寒々とした今春。ガイドたちも花の季節を前にして浮かぬ顔つきだが、これも神のなしたまう事柄なのか!??
そんなこんなで、ギルギットの母子センター工事は遅々として捗っていない。役所も全面閉鎖の日々とあっては、仕方なし…。

■□■2005年02月25日(金)■□■
久々に快晴!かと思いきや、裾が折れ曲がり乱れた筋雲が出てきた。
澄んだ朝の陽射しに目覚め、思いっきり爽やかムードで飛び起きたのに…。でも、お天気サマに文句は言えない、毎朝、命あって目覚めることができることに感謝!!
イスラマバードはとりあえず晴れたが、パ−キスターンの北方地域はアフガニスターン同様、相変わらずの悪天らしく、ここ1ヶ月間のフライトは殆どナシ。たまぁに飛ぶ時は、政府の役人や軍人が乗るだけらしくて、一般人にはフライトのチャンスもないようだ。
おまけにシーア派とスンニー派の抗争で、外出禁止令は解けたもののギルギットでは既に1ヵ月半も役所は閉まったまま、通常業務もすべて停まっている。知り合いの役人たちも抗争に巻き込まれては!と、ウカウカ外も歩けないからと、家中に篭ってウンザリしているという。かといって危険をおかし陸路でイスラマバードへ来るのもならず、生活物資も乏しくなる中、北方地域は雪の中に沈んでいると。
さてさて、例年ならフンザの杏の満開も近いが、日・パ旅行社では3月中のお客様をお断りし出した。

手前勝手!!、本当によく言うよなぁ!! 
フジTVの社長が定例記者会見で、「ライブドアによるニッポン放送株の取得を巡る他民放各局の報道は狂騒曲的。ニュースはただ面白おかしくやればいいのではない」と批判したって。信じられない!!
オバハンが知っている限り、フジTVの(一部の社員かもしれないが)物凄く信義に欠ける取材、金にあかせて嫌味な取材をするところ、それがフジTVだと、911パーキスターンやアフガン取材の時に骨身に沁みた。「いやぁ、金はアルんですよ、すんませんなぁ」と、他社TV局にまで言う輩たちが棲む会社だ。面白ければ良いとする取材を最も敢行して来たTV局が、よく恥ずかしげもなく口にするヨなぁ…。「金があるんです」と、金で頬っぺた叩く会社、当地の取材費を吊り上げ、多くの当地の人から人間性をなくさせ腐らせた会社。何でも平気でやる会社というのがオバハンの体験だ。
フジTVの社長が「(他の民放の)報道番組を見ていると、あまりにもチャラチャラして、『えーっ』と思う例が頻発していた。いかがなものか」だって。「チャラチャラという感じ」は社長にも解るらしい…、大いに反省してもらいたいものだがネ。

■□■2005年02月21日(月)■□■
聞くところによると、日本ではフジTVとライブドアとのバトルが、面白おかしく報道されているという。元来の報道というあり方を言い募れば固すぎることになるのかもしれないが、やはり「報道とは社会の公器であるからにして…世論形成などに重要。世論を左右する力を持つ存在」であるからと、言いたい昔アタマのオバハン。
とにかく視聴率の取れることだけが優先され、面白おかしく煽りたてる報道には不快感しかない。まったく日本社会は低劣になったものだ。
フジTVの会長も、「ライブドアが経営権を握る?(提携)するのは社員たちも嫌だと言っています」だって…。子どもじゃあるまいに、何たるコメント。まったく信じられないアホさ加減だ。その程度の経営者の下で働く社員なら、ライブドアが提携、あるいは経営権でも握れば節操もなく「ウエルカム!大歓迎ライブドア、堀江社長!!」となるンだろうなぁ。
まぁ、若くて元気の良い堀江さんにはますます頑張ってもらいたい。「成功すれば無限大、失敗したって命までは取られない!」と言い切っていた彼のような、本来的な日本人ではない発想をする人が増えれば日本も変わるかも。

イスラーム教シーア派の行事、アシュラは終わったが、パーキスターン北方地域での治安はイマイチ。昨日もカラコルム・ハイウエーでNATCOのバスがスンニー派に襲撃されたというので、再び緊張が高まっている。ギルギットなどでは一旦解除された外出禁止令が、アシュラの期間中は再び出されたし、ここしばらくは要注意になっている。まぁ、今年の春は遅そうだし杏の花もまだまだのようで、オバハンたちもついついノンビリ構えている。慌てることはない、今年の春は遠い。

■□■2005年02月18日(金)■□■
最近の新聞報道を知らないが、一応、「報道は社会の公器」と言われている。
でも民放ではないTV局は大いに偏り過ぎているとしか思えない最近の報道だ。朝日新聞と民放ではない報道局との「言った、言わない」問題でも(どちらが正しいかは別にして)TV報道の方が圧倒的に有利で、自分たちの立場をタダで何度でも報道できる。もうウンザリ!!新聞なら自分から進んで読まなければならないが、真実を知ろうと努力しない人、TV報道を鵜呑みにしている人に対し、TVは勝手に自分たちの言い分だけを流して行くのは非常に卑怯だと思う。

ライブドアのニッポン放送株の大量取得も同じ。
自民党幹部からの批判や、経済界の(年寄りたちの)意見を流す前に、ルールとしては違反でなかったと、誤解がないように報道すべきだ。それをあたかもライブドアが卑怯なような印象を与えてから、擁護派の意見をチョビッと流すのは、公平ではない。自民党や経済界の重鎮が発言すると、それが社会的に重んじられるような風潮も嘆かわしいけれど。
いずれにせよ、社会の出来事を自分で感じ考えない昨今の日本人の多くが低レベルになってしまったのだろう。しかし、そうした「考えない人間作り教育」を望んできたのも、いわゆる経済界や日本を指導してきた人々によるものだから、日本の重鎮と言われる人の言動に惑わされてはならない。我々は、山羊について歩くおとなしい羊ではなく、もう少し自分で考えられる人間に近い何かでありたいと、「一匹メス狼のオバハン」などはついつい思ってしまうのだが。

■□■2005年02月17日(木)■□■
パーキスターンは夜中の3時(日本は朝7時)、この時間のニュースは1日の中でも比較的充実しているので、目が覚めたら見るようにしているというか、習慣のようなモノでこの時間になると自然に目が醒める。

今朝は、『4月7日からムザファラバードとスリナガール間で、印パのバスが相互乗り入れ』との正式発表ニュースに大喜びのオバハンだ。
アフガニスターンとタジキスターンの国境を流れるアームダリア(河)や、パーキスターンと中国に国境を接するワハーン回廊には30年も憧れて、ついに昨夏、その思いを遂げたのと同じように、この印パを分断した地域へも、オバハンの憧れは深い。特に2番目の亭主の家が、スリナガールに大きな農作地を置いたままギルギットへ逃げて来たとの話を聞いてからは、ますます彼の地に対する憧れが増した。
オバハンにとっては、パーキスターン側カシミールから、インド側カシミールへ陸路で行くことに意義がアル。1947年の印パ分断の折に、人々はどんな思いを抱いてこの道をたどったのか?インドからスリナガールへ飛ぶのでは、オバハンの拘りを満足させてくれない。ワハーン回廊でもそうだったが、バダクシャーン県を通って回廊全部を廻ってみなければ意味は無い。新聞には印パの住民のみがこの路線を行き来できるとあったが、何事にもメゲないオバハン、早々と関係各庁へ問い合わせ…。外国人はアカン!との回答だが、きっと何かの策はある筈。メゲないオバハンの出番!!

今回の印パ雪解けには、いろいろな利害があるようで、まずイギリスは、印パ間をまとめて?今までのイラクやアフガニスターンでの失敗を覆い隠そうとしていると。また、元宗主国としての権威?もメンツもかかっている。対してインドは…。国連の安保理入りを目指して地域の安定化に意欲を示しているといわれている。日本の新聞は常にインド寄り、親インド的な発言だが、何時も書くようにパーキスターンは大国インドとの間に、ことを構えようなどと思ったことはない筈だ。核保有についても、生き残りをかけ、抑止力として開発せざるを得なかった小国の悲哀だとオバハンは考える。

子ども同士が遊んでいて、投げたボールが当たって「心臓震とう」とやらを起こして、死亡した子どもの両親が訴訟。判決では一緒に遊んでいた子どもたちの両親に6000万円を支払えというものだった。死んだ子どもの両親の無念さは解るにしても、何だか暗澹たる思いがする。こうなったら、もう軽々しく子どもたち同士遊べないではないか…。かって、善意で預かった子どもが池で溺れ死んだ折にも、預けた方の両親が訴訟を起こしたケースがあった。こうした事柄が続けて起こると、人間不信に陥らざるを得ない…。他人の子どもは気軽に預かれないし、子ども同士一緒に遊ぶな!と、親は言わねばならない。6000万円の支払いを命じられた2人の子どもの両親は、きっと「一緒に遊んで欲しいと頼んだか!」と、言いたいかもしれない。いずれにせよ、暗澹たる思いだ…。

■□■2005年02月16日(水)■□■
カーブルは連日の降雪から抜け、晴れた日には陽射しが強くなって来たという。けれども、カーブルから100kmほど北にはヒンドゥークッシュ山脈を通り抜けるサラン峠というのがあって、13日には峠で雪崩。5人が死亡、多くの車がトンネル内に閉じ込められたという。他の幹線道路でも雪崩れたり、道路崩壊や落石があって100人近い人が亡くなったと聞くから、大雪=旱魃の解消であっても、一部では有難くなかったようだ。
今朝のイスラマバードは晴れていたが、今は雲間から雨と光りが落ち、「狐の嫁入り」。天窓からの暖かな光りが斜めに落ちる部屋で、めったにない「狐の嫁入り」を味わっている。

本日から『京都議定書』が発効、地球の温暖化に向け、大企業の努力は当然必須。当然、小さなこととはいえ個人の毎日の努力や、環境問題に対する意識を高めることも私たちに求められる。小池環境相が「挨拶」をしていたが、この人の個人生活部分は、どの程度の努力をしているのか?との疑問が沸いた。小池環境相だけではなく、小泉首相も、他の指導者も似たようなものだろう…。個人的努力をしているなら、その人の環境問題に対する姿勢がわかる。そうでない人がお題目を並べたところで、お笑い草だ。
補助金を出してまで、海外の企業や施設に「地球環境を守るために努力せよ」とする、金でカタをつけようとする施策の愚かしさや、大企業や個人に痛みを強いると「アナウンス」する前に、小さなことでも馬鹿にせず積み重ねる、個人個人の環境保護問題意識醸成に金をかけろ!と言いたい。幼稚園や小学校での教育に、環境問題をドンドン取り入れ、不便な生活を当然のこととして受け入れられる人間造りに金をかけて欲しい。まぁ、まず、わが身を振り返れ!と言いたいネ、首相や環境相には。

■□■2005年02月15日(火)■□■
昨日、一昨日と2日ばかり晴れたが、きょうは再び雨に戻ってしまった。
用事があってカーブルへ電話をしたら、カーブルも雪に交じって時折りの雨とか。それにしても2月初旬からの雨が10日以上も降り続き、連日、カーブル行きのフライトがキャンセルになるとは予想の範囲外だった。でも、カーブルが雨とのことで、彼の地も確実に暖かくなっているのが判る。

電話では、暖かくなって来たから、事務所の犬たちも回復したという。
それにしても思うのは人間も犬も一緒で、甘チャンで育てられた犬は極端に弱いということ。1月10日、事務所のスタッフから「2、3日前から犬が動かなくなった、きょうは死んでると思う…」と言われ諦めていたが、1月下旬に行ったらガリガリに痩せてはいたもののまだ生きていたので、その夜からは看病一筋。とにかく、お犬サマのお口の中に美味しいものを入れて差し上げ、他の2匹から餌を獲られないように守って差し上げ、シュラフを敷いてやり、いったい何をしにカーブルまで行ったやら!元捨て犬たちは寒くても元気いっぱい、朝から雪の中で転げまわっているのに、子犬の時からペットとして日本人に飼われた犬はスポイルされ過ぎ、自分で生きようという意欲が薄い。
オバハンは犬にも自立精神を要求し、何度も、「棚からボタモチは許さん!自分で食べろ!」と。とにかく贅沢な生活者は弱い!と言いたい。

■□■2005年02月13日(日)■□■
10日ばかりも降り続いた長雨から解放され、弱々しい青空を見上げ、その目を転じたら長雨で濡れた雑木林の黒々とした梢や、鮮烈な緑が吹き出し始めた下草からの水蒸気が幻想的に見え、しばらくは言葉もなく眺めてしまった。
野外市場では長雨のために、どの野菜も値段が倍以上に暴騰、アチコチから聞こえる売り手と買い手の会話。「高すぎるゾ!」「いやいや、長雨で畑作業が出来なかった。品薄で野菜が高のは長雨のせいだ!」と。

明日はバレンタインデー、当地でもバレンタインデー・セールなるものがお目見えしている。2-3年前なら絶対に見られなかった「I love you」付きの、ぬいぐるみの人形や、高級品のチョコレート。日本人のバレンタインデーに対する狂奔ぶり、単純な宣伝に踊らされて消費に走っている人を、毎年「アホかいな?」としか見ていないオバハン。まったく先頭の山羊にくっ付いて歩く「羊」のような多くの日本人。自分の考え、価値観がまったくない日本人と、オバハンは常日頃からそうした主体性のなさを苦々しく思っていたのだが、当地でもそうした風潮が見え出し、アメリカなどの「主体性のない人間を作る政策」が徐々に浸透していることを不快に思っている。

日本政府はアメリカに対する「思いやり予算」の削減を申し出ていると。「思いやり予算」ネェ…、言いえて妙だが、駐在しているアメリカ軍に対して2441億円もの「思いやり」を見せているとは、さすがと言うべきか。年金や健康保険、介護保険などなど、弱者への「思いやり」にも、もっと気遣って欲しいと思うのはオバハンだけではあるまい。

■□■2005年02月08日(火)■□■
なんと、なんと! 本日もカーブル行きのフライトはキャンセル。朝早くカーブルへ電話をしてみたら「昨日は大雪、きょうも粉雪が舞っている」との返事に、オバハンは早々と「飛ばない!」と予報を出したが、本当に本日のフライトもキャンセルとなってしまった。
日本も20年ぶりとかの大雪というが、アフガニスターンでも40年ぶりからの大雪だ。

昨夏から、アフガンの国境に接するバロチスターン州が不穏だったが、今年に入って更に治安が悪化している。国境沿いでのアメリカによるアルカイダ掃討作戦などが地元を険悪にし、反米感情も募らせたりしていることだけではなく、アメリカそのものがパーキスターンを揺さぶっているとまで言われている。ガスパイプラインの破壊だけでも数度に及び、この寒さにもかかわらず一般住宅ではガスの供給に支障が出ていると。
ブッシュは年頭の教書演説だったかで「自由、自由、自由…」を45回も散りばめたと言うが、それだけ「自由」と言わなければならないほど、今のアメリカには自由がないのかも。アメリカに限らず世界中で「自由」がなくなっているのをどれだけの人が気づいたのだろうか?

■□■2005年02月07日(月)■□■
きょうは何とか雨もおさまったが、空は低い雲に蔽われている。まだ、この分ではカーブルは小雪かも?と、考えていたら、アフガンへのパーキスターン航空は、土曜日に続いて本日もキャンセルとか。しかし、気温はあきらかに高くなり、鋭角的な冷たさが和らいで来た。季節は正直だと思う、立春は文字通り「立春」のようだ。
久々に買い物に出たら、街路や生垣では連翹が花開き始め、木の芽がふくらみ始めているので、明日からオバハンも『八升豆プロジェクト』を開始する。

先週末は春の到来を喜ぶ人々で、パンジャーブ地方は凧揚げが賑やかだったと。本年の凧揚げによる死者は19人、けが人は200人に上ったとのニュース。表向きは凧揚げだが、最近は風紀が乱れているようで、どちらかと言えば無礼講の趣が大きい。金のある大人は酒を飲み、女性もアリとあっては「春の凧揚げ大会」が待たれるというもの。
また、アフガニスターンはまだまだ雪の中だが、こちらも風紀が大いに乱れて、外国人であればNATOやISAFのPX(売店)から自由にアルコールが買える。今やその気になれば何処ででもアルコールが飲める状況になってしまった。女性も置いている、あまりの乱れようにア政府も見かねて?か、チャイニーズレストランを中心に10数件の手入れをし、そのうちの5軒が営業停止だと。しなだれかかって来るお姉さんに、鼻の下を伸ばしていた知り合いたちもいたから、このニュースを聞いたら淋しがるかも…。

■□■2005年02月05日(土)■□■
天窓に落ち続ける雨、糠雨、雨を見上げている。
日本は三八豪雪以来だというが、アフガニスターンも1晩で30cmもの雪が積もったとか。乾燥が激しいアフガニスターンでは、雪となって落ちる全体量が少ないにも関わらず、今年は正月前から雪の日がズッと続いている。首都のカーブルでさえ−16℃にもなるのだから、中央部の山村では−25℃にもなっていることと思われる。その中で人々はどう暮しているのだろうか?

三八豪雪以来というので、中越地震被災地には自衛隊が雪下ろしなどの手伝いに出ているという。
昨年は続く台風、地震などに自衛隊員は駆り出され大活躍だった。しかし、一部ではイラクの支援に隊員を出し続けると、日本国内で緊急事態が発生した時には対応出来ないと、自衛隊内部からも大きな懸念が持たれていたともいう。おまけに、最近ではインドネシアの津波被災者への支援も加わっている。何十万人いるかは知らないが、自衛隊員も人間、日本国のために「より良く」働けるよう温存して貰いたい…など、勝手なことを考えるオバハン。

■□■2005年02月03日(木)■□■
イスラマバードは、3日ばかり良いお天気だったのに、きょうは小さな雨粒が落ちてきた。立春のカーブルでは雪が舞っているようだ。アフガニスターンの雪は粉雪、ダイアモンドダストのように細かく軽く、ドカッと積もることもあまりないが寒さは厳しい。

カーブルに比べると暖かなイスラマバード、そこから寒気の厳しいカーブルへ行ったから初日は身体が寒さに馴染まず、事務所の居間ではストーブを焚きっぱなし。1日まるまるストーブを焚き続けると薪代金が2$もかかることが判明。大の男が建築現場へ出ても単純労働なら1日3−4$しか貰えないことを思うと、2$の薪代金はいかにも贅沢。一般家庭ではそのような贅沢は許されず、カーペットを織っている人の家庭などを訪問しても、朝晩ストーブを焚くだけのようで、部屋には微かな温かみが残っているだけだった。どこの家の子どもたちも裸足で薄着、私たち日本人の贅沢さを改めて反省させられた…。
でも、こうした寒さにもメゲズ、街は相変わらずの建築ラッシュ、復興に向けて人々は働き、寒くても人間が生き生き。一般住宅はカーブル市内から外へ、外へと延び、裏道に入っても新しい個人住宅の建設も盛ん。今までのような土壁に古びた木の扉は少なくなって、頑丈で装飾豊かな鉄製の大扉オンパレード。中で暮す人々は寒さをものともせず、新しい生活に夢を託しているようだった。

■□■2005年02月02日(水)■□■
カーブルで驚いたのが輸入品を売っている商店街のある通りなどでは、前にも増して造花屋さんが増え、かつ生花を売っている店が数件あったこと。毒々しい造花にはない、グラジオラスの赤や黄色の自然色。その数日しか持たない生花にもかかわらず、それらを購入する人が出来たアフガニスターンの現実に、単細胞のオバハンは感動した…。グラジオラスの花はイランやパーキスターンからの輸入花と言い、1本40Af、1$近い。
また、パーキスターン国境からカーブルへのトラックやバスはカリフラワーなどの野菜を満載。首都300〜400万人の胃袋や生活を支えるために、輸送業者は氷の道をチェーンもつけず走っているし、バザールの汚い屋台の前で売られている鶏や肉、魚はすべてカチンカチンの冷凍状態。人間がよくカチンカチンにならないものだと思うほどの中でも、生きるための営みは粛々と続けられ、人間の強さを見てオバハンも元気つけられた。
でも、やっぱり、あの寒さ、カチンカチンになる人間もいるようで、新聞では1日凍死者を19人と発表。

■□■2005年02月01日(火)■□■
オーストラリアに住む、知り合いからのメールに[インド洋大津波で「国境なき医師団」の苦言The World News Mail 1/21]というニュースがあった。http://www.worldtimes.co.jp/

内容は大きく分けると
<マスコミの過剰報道を批判>
国境なき医師団は津波被災者支援の募金を中止
「年明け早々の6日、スマトラ島沖地震・津波の被災国への寄付金集めを中止すると発表した。その理由として、『これ以上の寄付を被災国は必要としていない』『過剰な寄付受け取りは、寄付者への誠実さを欠く』と説明した。ノーベル平和賞を受賞し、長年の支援経験を持つ国境なき医師団の決定は、大きな衝撃を与えた。」というもので、その他、インタビューの中で国境なき医師団の元会長が「実際に現地で救援活動を開始して分かったことは、医療支援を必要とする重病患者や重症者は、予想よりもはるかに少なく、上下水道の整備などのインフラ整備でも、指摘されているような莫大(ばくだい)な費用は必要としていない」と語り、国連などが試算する百億ドル規模の復興資金の必要性について、「理解できない」と語ったと。

この他、バカンスの欧州人犠牲で強い関心、過剰報道によってミスリードされる人道支援活動という4つからなるニュースだったが、いつの報道も現場と報道そのものには大きな落差があるようだ。

■□■2005年01月31日(月)■□■
アッと言う間に1ヶ月が終わり。ウカウカしていたら今年もアッという間に終わるのだろう…と、心を引き締めなくては!!

23日にイスラマバードから、薄寒い曇り空の中を8人乗りのセスナ機で、ヨロヨロとカーブルへ飛んだが、カーブルの朝は連日−12〜13℃。29日の朝は−16℃まで下がり、イスラマバードの薄寒いと思っていた気候が何とも天国に思われる有様だ。事務所に幾つものストーブを設えるのは、ケチなオバハンの生き様には合わず、居間にのみストーブを設えたが、室温1℃の事務所ではPCのバッテリーも低下気味。たちまち残りが少なくなって何の役にも立たなくなった。
でも、カーブルで予定していた仕事は全部終えて無事帰宅。パーキスターン国境への道中はラジエーターの水まで凍ってしまう寒さで、車の暖房は効かず車内の窓には氷の華が出来るありさま。ツルピカに凍った道路では多くのトラックが立ち往生、峠越えに普段は1時間なのに7時間もかかり、その間、氷の華の咲く冷凍車内で耐寒訓練。
たぶんマイパール峠付近では−20℃近いのでは?とは、同行の米山さん(写真家)の体験から。いずれにしても、良い体験が出来、ラッキー!!!と、オバハンはノー天気、元気印。やはり普段からのケチケチ生活で、耐寒、耐暑生活が役に立っていると自分を誉めてやりたいが、北海道に住む人たちには珍しくもない寒さと思い直し、北国の人に敬意を表する。でも、こうした寒さにもメゲズ、街は相変わらずの建築ラッシュ、復興にむけて人々は働き、寒くても人間が生き生きしているのには感動した。

イスラマバードに帰ってメールのチェックをしたら、内閣府からの連絡。
内閣府の国民生活政策『国民生活のビジョン作り』というのに、オバハンの普段のケチケチ生活を短文にまとめて送ったら、それが「2005年の生活達人」に選ばれたと。オバハンは天下晴れて、自他ともに認めるケチとなった!

■□■2005年01月22日(土)■□■
犠牲祭礼拝の終わる頃より雨が落ちて来て、昨日は終日雨。そして今も静かな雨が落ちているイスラマバード…。パーキスターンの北方地域でも20年ぶりの大雪というし、またカーブルからの連絡でも大雪とのことで、明日のフライトを案じている。滑走路が使えると良いのだが…。
カーブルではTVのアンテナに雪が積もり、ニュースも見られないような状態らしい。アンテナにお湯をかけながらTVを見なければならないそうだから、初めからニュースは諦めるべきだと思いつつ、イラクの動きと何処かで連動しているアフガンだけに、その先行きも気にかかる。

■□■2005年01月20日(木)■□■
今日から犠牲祭の4連休。日本から帰って来て以来、ほとんど毎日が日曜気分のオバハンにとっても、正式の4連休ともなると、何となくとても嬉しい。
また、犠牲祭の最終日にはカーブルへ出かけるフライトも取れたし、ルンルン気分。来月からのアフガンやパーキスターン北方地域での多忙な活動を考えると、この連休がノンビリできる数少ない休養期間かもしれない…と思うだけに、余計に愛しい4連休。
例によって天窓からは、春色の陽射しキララ、キララと眩しく、顔にあたる陽の光を避けつつ、身体を斜めにしてパソコンに向う心地よさ、眼を細めて画面を眺めていると居眠りが出そうだ。

さて、ここ3−4日ばかりNHKと朝日新聞社で「番組改編があった、なかった」などウンヌンとみずかけ論で姦しいが、自民党が日歯連から1億円を貰ったことと同じく、何時ものように問題のすり替えが大きく、元々の話が何であったか視聴者や読者に解らなくなってしまっている。元々は「女性の国際戦犯法廷」が改ざんされたということだった筈なのだが。
従軍慰安婦問題を取り上げ「天皇が有罪」「日本国家の犯罪」という結論を出したが、それらには一切ふれないで、慰安婦問題の加害者として名乗り出た兵士のインタビューも削った…というようなことで、このNHKの取材に協力した女性団体などが抗議した記事を、随分前に読んだことがあった。この「女性の国際戦犯法廷」という番組は、BRC(放送と人権…権利に関する委員会)という身内の機関からも、「放送倫理に違反」と断定されてもいたという。本当にムチャクチャ削られたと。それで、右翼や自民党が介入したということで、この問題を正面から取り上げた取材、報道したのは朝日新聞だけだったと言われている。が、パーキスターンに住んでいるオバハンには確認する術はない。それにしてもNHKは物凄くズルイ!!自局の立場のみを記者会見までして大きく報道しながら、朝日新聞の記者たちの言い分は報道しない。そればかりか、先だっての国会でNHKの会長を喚問したものも報道しなかった。ズルイ!ズルイ!
NHKしか見ない人はたくさん居る、NHKの言い分しか流さないで、何が公平な報道か!

■□■2005年01月17日(月)■□■
半地下の部屋に、明るい天窓からの光がキラキラ射し込み、春を呼び込んでいる。冬至がついこの間だったのに、晴れた日には早や陽射しが春めいて来た。淡い空色に柔らかな薄雲がポンワリ浮いているのまでが暖かそうに見える。玄関のアーチに架かっているブーゲンビリアの濃い紅色が急に数を増して来たし、葉色までが勢いついて来た。もちろん、朝晩は息が凍り吐く息も真っ白。でも昼間の空気は春色と表現すべきもの。

20日から犠牲祭(イスラーム教の大祭)を控えているのに、今年は売られている家畜(山羊、羊)がとても少ない。新聞によると、高値で売れるアフガニスターンへ密輸出されているという。昨年も山羊や羊は高値で、一般人には手が出せなかったというのに、今年はさらに高いらしい。アフガン人は山羊・羊肉を好むので、それらは向こうへ行ったようだ。そのせいかパーキスターンの市場では牛が圧倒的に多いという。しかし、その牛も高いものは25万ルピーというので腰が抜けそうだ。25万ルピーなら田舎で家が建てられる…。昨今のインフレぶりには驚くものがあるが、この現象は首都だけのものなのか??
犠牲祭が終われば直ぐにアフガニスターンへ行く予定なので、ここのところ仕事を片付けるべく、ほんの少しだけバタバタしている。春色に染まりはじめたパーキスターンと異なり、今頃のアフガンは日本と同じで一番寒い。たぶんマイナス10℃くらいにはなりそうで、暖房設備といえば薪ストーブだけの事務所は寒そうだし、足元だけはシッカリしたブーツで行こうと革の登山靴を引っ張り出した。タリバーン政権崩壊直後の1月に見た真冬のカーブルと、3年後の真冬はどう違っているか?常に定点観測が趣味のようなオバハン、真冬のカーブルを楽しみにしている。

■□■2005年01月16日(日)■□■
知り合いからのメールに、「日本で流されているニュースで津波の支援物資が山のように届き、被災テントの中には日本製おもちゃがあふれ、山のような支援衣類に埋もれて遊ぶ子どもたちを映し出していました。プーケットの状況だそうです。被災者のひとりがインタビューに、『このような支援物資は復興への意欲をなくす』と答えているのが印象的でした」と、あった。
困窮している人への支援という、多くの日本人の善意は解るが、とかく開発途上国の現状、人々の普段の生活を知らなさ過ぎるのが我々日本人だ。この、「オモチャ」も子どもたちに辛いことを忘れて貰おうとする善意から出ていることを、オバハンも理解するが、いかにも間の抜けた支援ではないか?現地の人を思っいるようで、まったく的外れだと思う。

何時の支援にも段階的な支援が必要だと、オバハンは考えている。第一段階は命そのものを救うために、直接的な緊急食料の配布や医療支援。そして、それに付随する数々の支援。第二段階は、彼らの生活を立て直すための長い支援。支援は大きく分けて、この2つしかないような気がする。最近は心のケアを大きく言うようになったが、歴史を振り返って考えてみれば、人類が生まれてこの方、近年では第二次世界大戦敗戦後、また関東大震災しかり。心のケアということなど受けずに人間は立ち直り、今に至っている。ケアしていただけば早く立ち直れるのかもしれないが、オバハンは人間の持つ本来的な治癒能力を何時の場合も高く買っている。
戦死者や傷痍軍人などを持つ家族、原爆投下の被災者に対して、大きくは敗戦後の日本人全体のケアなど、一切がなかったにもかかわらず、痛みを感じつつ我々は生き延びてきた。人間それぞれに痛みつつ自力で乗り越える(乗り越えた)強さを持つことも大切では?すべての生物は弱肉強食であることを思い、痛みに耐えることがより自然なのでは??そして、その痛みの中から他人への思いやりが出るのだと考えてしまうオバハンだ。
中越地震の時に大きな支援をした人々が、阪神大震災の被災者であったことでもわかるように。今の政府に戦後の痛みを知っている人が少なくなっていることが、政治を悪くしているという事実も、その半面かもしれない。

■□■2005年01月15日(土)■□■
オバハンが支援活動を展開している本拠地、パーキスターン北方地域(詳しくは、Nippa Welfare Associationをご覧ください)の中心地ギルギットでは、1週間前の昼日中、市内の川べりでシーア派指導者が襲撃された。何時の場合も、外部の人間から見たら些細なことから大問題に発展していく。シーア派の人間たちは、普段から対立しているスンニー派が暗殺者を送ったとして、すぐさま報復行動に出、現在双方に死傷者が数十人という状態らしい。しかし、聞くところによればスンニー派がやったのではないらしい、というではないか。その後、13日に同指導者が死亡したため、抗争は新たに北方地域のスカルドゥへも飛び火して、PIA事務所や政府の事務所も3ヶ所が壊されたと。で、スカルドゥでも無期限の外出禁止令が出たという。スカルドゥでは外部との電話回線も不通になっているし、カラコルムハイウエーもべシャムから封鎖されてしまっている。
20日からの犠牲祭(イスラーム教の大祭)を控え、まったく酷いことになったが、神さま関係の意見の相違は折り合いがなかなか付くものではない。

欧米は「中東に民主主義を」というが、イスラーム国にはイスラーム国の厳然たる価値観がある。アメリカが強権を振り回し、駐屯して統治なんて考えるより、雇用の場を作り、明日の食べ物の心配がない生活を手伝うだけで、後は放っておくのが一番とオバハンは思う。サマーワでも雇用の機会があるかと住民が思ったのに、ごく一部が潤っただけで(仕方がないと言えば、仕方がないのだが)は、反発も出ようというものだ。自衛隊員たちも努力の割りに報われなくて、気の毒だとオバハンも内心では思っている。
報われているのは、自己満足に浸っている小泉だけなのかも。それにしても、大量破壊兵器が見つからずに、コッソリ捜査を打ち切る前に、ブッシュも小泉にちょっと教えてやれば自衛隊派兵の延長を避けられたと、思うのは、一面しか見ていないオバハンだけか。ブッシュも小泉を巻き込み、手を携えあってこそ親友だと思っているのかも。あぁ、気色が悪い!!

■□■2005年01月14日(金)■□■
例年、この時期になると事務所の仕事も支援活動も少なくなり、自分の時間がいっぱい出来る。で、手当たり次第に古い週刊誌まで引っ張り出して、何でもかんでも読むハメになる。昨晩は田原総一郎氏の「ブッシュを信じた小泉首相に同情する」という見出しにひかれ、僅か1ページの記事をパラッと斜め読みしたばかりだった。
決然とした口調で「テロには屈しない」と、言い続けた小泉だが、そもそもはアメリカ(ブッシュ)がイラクにあると言い張った「大量破壊兵器」が、9.11のようなテロを防ぐためにという、大義名分だった筈なのに、アメリカは何時も間にかコッソリ大量破壊兵器の捜索を終えていたとか。同情されるべきはイラク市民であって、小泉に同情する田原総一郎氏に違和感を感じてしまった。会ったことはないけれど、田原総一郎氏は我が高校の先輩にあたる。そんなわけで、田原総一郎氏のモノには比較的よく目を通して面白いと思っていたものだが、何時の頃からか彼の思想というか、人格が変わったと思えるようになった。
人間は変わる(成長する)ものだし、変わって悪いとは言わないが。

■□■2005年01月12日(水)■□■
未亡人を中心に、昨年1年間かかって織り上げたカーペット90枚ほどをカーブルからペシャワールへ運び、洗いと毛揃えなどに出して、ようやく完成した。自分で品物のチェックをしたので出来上がりの悪いものや、汚いものはハネたが、完成までの手間を知っているだけに、何とか手直しを加え1枚の完成品にしたいと考えてしまう。
最近のアフガニスターンではNGOの活動に制限が出来、復興に大きく貢献しない団体には認可が下りにくくなっているが、政府単位では出来ない決め細やかな貢献もあると解ってほしいものだ。オバハンたちの『アフガン難民を支える会−SORA』などは、オバハンの拘りによって支援が頓挫している部分もある。何が何でも学校を作り、無償で食料などのモノを配り、派手な活動を展開する方が簡単だが、それでは自立に繋がらないというのを、政府の役人自体が理解していない。

スマトラ島沖地震・津波の支援では、日本から幾つものNGOが現地へ向かっている。
昨夜のニュースでは「歯ブラシはあるのに、歯磨き粉がないので、歯磨き粉の手配もしました」と。確かに歯を磨けば気分はサッパリ爽やかになろう。しかし、歯磨き粉はなくても済む。他に必需品はあったろう…と現地人感覚のオバハンは皮肉な眼で眺めてしまう。スリランカなど当地の人々は、歯を磨くのにマスワークとか言う小枝を使う。漢方薬効果もあって歯は真っ白になるスグレものだ。オバハン自身もブラシは使うが30年以上、歯磨き粉なるものは使ったことがない。日本人にとっては風呂や歯磨きは確かに必需であろうが、被災地で人々が直ぐに欲しいものはきっと他のものであったような気がした。

■□■2005年01月05日(水)■□■
スマトラ島沖地震と津波の被害は、日を追って惨憺たる様子を見せている。全貌が明らかになった時には、自然災害の上に色々な要素が加わり、さらに大きな惨状をみせるのだろう。いつの自然災害でも、そして戦争や紛争でも弱く貧しい者が最大の被害者となるのは避けられない現実だ。
日本政府は地震、津波避災者の救援に自衛隊を出す。訓練を受けていない一般人では、現地での対応が出来ない。また支援活動をする人間を後方から支援する必要性から組織だった動きの出来る、また資金的にも親方日の丸であることの安心感??などが理屈だと思うが、海外へ自衛隊を派遣するについて、それがごく当たり前のこととなってしまった。かって自衛隊が他国の被災地へ救援に行ったことがあるのか?ないのか?オバハンは寡聞して知らないが、本来的な存在意義から、どんどんと既成の事実を積み重ね、活動範囲が広がっていることに驚きを隠せない。(オバハンは自衛隊の存在を認めている。憲法9条との整合性を考えるだけだ。)

■□■2005年01月04日(火)■□■
小泉首相(日本政府)が日本の権益を保持するためにも…と、早々大決断したインドネシア向け地震復興支援へ出す5億$には、アフガニスターン支援のために出すと決めた5億$のうちから2億$が削られるとか。スマトラ島沖地震の規模と被害をみれば、いたし方なしとも思えるが、アフガン政府の反応はいかに??
日本政府の支援金とは、元々が我々国民の税金と国債からの借入金など等であることを思えば、財源に限りがあるのは当然のこと。日本国民の基本的人権(教育や老後の保障、医療負担など福祉など等)に関わるところでの予算削減は許されないものの、より弱者への支援や保護は、我々富める国の人間としては義務とも言える。
いつも思うのは、我々日本人は世界から見れば豊かさを享受し過ぎだ。暑ければエアコンを使い、寒ければヒーターを使い、キラキラきれいだからと何10万個もの電灯で街を飾り、まだ充分に使える物品をいとも簡単に廃棄処分とし、季節を問わず海外から入って来る食料品の数々。それも全部を食べ切るのではなく、1000万人からの人間が1年間に食べられる量を捨てていることに、罪悪感を持つ人間が何人いることか。
ケチなオバハンは従業員たちがストーブを入れていても、自分は使わない。意地でも使わない!エアコンも同じ、40℃を超しても使わない!
野菜も肉も魚も鶏も捨てることなく、全部使う。お客さまの残した食事はすべて犬や猫、雀やカラスなどの餌になる。
「すべての食べ物は神(大自然)からの下されもの。生命を維持するための大切なモノ。私たちが食べられないなら、他の生命ある小動物たちのために捨てることなく使うように!」と、従業員たちにも厳命している。

■□■2005年01月03日(月)■□■
苦手な日本から帰って来て20日間、毎日が日曜日の幸せな状態でゴロゴロしていたら、何と!3kgも太ってしまった。日本では美味しいものをご馳走になっていたが、やはり自分で好きなモノを作って食べるのが一番「お口」に合う。オバハンの「お口」は、辛らつなことを言うだけのためにあるのではなく、美味しいものを頂くためにある。ただし、美味しいものと贅沢なものは別、あり合せの材料をいかに無駄なく美味しく食べるかということがオバハンは好きなだけ…。

小泉首相はスマトラ沖地震(インドネシア)に対して、5億$の無償援助を決めたと。小泉(鈍)一郎といわれる首相にしては、なかなか早い決断で結構だと思う。やはり今までに培ったインドネシアへの権益を考えれば、他国に渡すわけにも行かず、抜きん出ねば!との思いが強いのであろう。思い返せば2004年は災害続きの日本。おまけにニュースによれば、日本全国で地震の連続。安全な筈の日本が不穏になり、不安定・不穏だと思われているパーキスターンが平穏無事な1年だった。
明けて今年1年、さて、どんな1年になるのやら…。
オバハンのアタマの中は、アフガニスターンで現金に変わる栽培作物の奨励をすることでイッパイ!天下泰平!

■□■2005年01月01日(土)■□■
新しい年を迎え、気分新たに今年もオバハンは元気印!
ノストラダムスの大予言はハズレ、1999年7の月に地球は壊滅を免れたが、かと言って輝かしく平和な新世紀が迎えられたわけではない。20世紀に人類のなした悪行は21世紀へ持ち越され、延々、連綿と続いているのが現状だ。中でも一番大きな問題は、世界中を不穏にさせているアメリカがいうところの「テロ問題」かもしれない。テロという行為は古代からあった、しかし今のような形でのテロによる不穏な情勢は主にアメリカが産み出したといえる。貧しい者が富める者に搾取されていると感じたり、富める国の華やかな情報(映像)が簡単に見られ、それらと自分たちを比較することが可能になると、嫉妬心も出るであろう。どうして自分たちが貧しいのか?と考える人間が出て当然だ。
地球環境を破壊しつつあるのも、その多くは富める国々に住む欧米人や日本人であろうし、その自覚もなく生きている存在は、悲しいことだが罪悪とさえ言える…。人間は罪深い、動植物、生きているものを食して生き続けているのだから。かつ、地球上の財産を際限もなく消費し続けることが許されるわけもないことを自覚したい。
オバハンは自他共が認めるケチだ。ケチケチを恥ずかしいと思ったこともない。むしろ「ケチ!」と言われたら誉められた気分にさえなれる。今年もケチ、ケチ、ケチに徹して、消費社会に抵抗する!
2005年 元旦の決意!