マチュループロジェクト

<2004年10月スタート>


マチュルー村は、スカルドゥ(イスラマバードから飛行機で1時間/車で24時間)からジープで約3時間半のところにある山間の村です。村には、約500軒の家があり、人口は約8000人、約1000家族が暮らしています。村からは、マッシャーブルム峰(7821m)が大きく見えます。周りの山々はすべて5000〜6000m級の無名峰、村の標高は約2800mで、緯度はほぼ日本と同じです。

村の近くには、大きな川があるため水には困っていませんが、上水道設備は整っていません。トイレは、地面へ沁み込ませる方式です。
幼児衛生手洗い教室の建物とマッシャーブルム峰
また、村の仕事は、麦を中心とした畑作(女性の仕事)と夏登山の手助けをするポーター・ガイドと出稼ぎ(男性の仕事)などです。女性が家事全般と畑仕事、男性は現金収入を得てくる…というふうに分業がになっています。
2003年11月に、初めて村に電気が引かれました。現在、村全体でテレビが5台、その他の電化製品はほとんどありません。住居は、土と木の組み合わせがほとんですが、セメントを使った家も数軒あります。
生活は、家畜(牛、ヤギ、鶏)との共存生活で、ハエ・ノミ・ダニなどの害虫も多く不衛生です。村人のほとんどに顔・手・身体を洗う習慣がありません。また、ほとんどの村人が寄生虫を持っており、小さな子どもの中には嘔吐の中に寄生虫が混じることもあります。少しでも保健知識・衛生意識があれば簡単に防げることが病気の原因になっています。
1.幼児衛生手洗い教室
4〜6歳児を対象とした衛生手洗い教室を開催しています。現在、35名が通っており、ビデオや絵本を使用しながら、子どもたちが興味を持って楽しく取り組めるよう進めています。

教室には、「ハム ハート ドーエンゲー!(手を洗おう!)」と、元気な子どもたちの声が響いています。子どもたちは、好奇心いっぱい何をやるにも真剣で、お絵描きをしたり、ビデオを見たり一生懸命です。ほとんどの子どもたちが、ビデオ(テレビ)を見るのは初めてで、瞳をキラキラと輝かせています。

また、「おやつの時間」も子どもたちの楽しみになっています。
2.女性保健衛生および縫製教室
2004年夏、村で女性を対象とした栄養・保健調査を実施しました。「今、一番、学びたいことは何ですか?」という質問に、「裁縫」「刺繍」との回答が多数ありました。
2004年10月、村の女性を対象とした縫製縫製教室および保健衛生の学習の場を開催することとなり、教室初日には、多くの女性が訪れました。

村の女性たちのほとんどが学校を出ておらず読み書きができません。日本では当たり前の衛生知識もありません。簡単な保健・衛生の知識があれば助かる、多くの命が失われています。
3.男性衛生教育・コミュニティーセンター
教育の場は女性だけではありません、男性を対象にも実施します。コミュニティーセンターをどのように活用するか、村の男性たちと協議しました。
センターでは、保健衛生に関するビデオを鑑賞したり、資料の配布や関係資料を展示します。